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最終更新:2014年6月24日(火) 20時20分

中国伝統の「犬肉祭」で衝突、食文化めぐり大論争

 中国南部の都市で先週土曜日、夏本番を前に「ある動物の肉」を食べるという祭りが開かれました。その動物とは「犬」。この「犬肉祭」、地元の伝統行事なのですが、動物愛護団体などが批判に押し寄せ「食文化」をめぐる大論争となっています。

 多くの人々で賑わう中国南部・広西チワン族自治区・玉林の市場。市場にズラリと並んでいるのは、丸焼きにされた犬。この日、街で開かれていたのは、年に一度の「犬肉祭」。日本円にして100グラム70円ほどの犬肉が、客の注文に応じてぶつ切りにされ飛ぶように売れていきます。

 「売って、売って、売りまくるわ。待ちに待った日なのだから」(犬肉販売店の人)

 玉林の人々にとっては、夏至に犬の肉を食べて暑い夏を乗り切るのは古くから続く伝統の食文化。

 「さあ、犬を食べよう」

 この日だけでおよそ1万頭の犬が食されるといい、犬肉を提供する地元レストランも客で溢れかえっていました。鍋でぐつぐつと煮込まれているのは、生姜や醤油で味付けした犬の煮込み。記者が食べてみました。

 「犬の肉、いただきます。少し臭みは残ってますが、まったく油っぽくなく、さっぱりした味わいです」

 しかしここ数年、この犬肉祭が中国全土で大きな注目を集めています。というのも、「犬を食べるのは野蛮ではないか」という声が中国全土から寄せられ、動物愛護団体が抗議に訪れるようになったからなのです。

 これは、地元の犬肉販売業者がわざと犬をいじめて抗議に来た愛犬家に高値で買い取らせようとしているとされる映像です。玉林では、地元民と抗議に来$??M!9$N4V$G$3$&$7$?$b$a;v$,$?$S$?$S5/$-$F$$$k$H$$$$$^$9!#

 これを受けて、犬肉を提供する店には地元政府から「ある指示」が出されていました。店のメニューを見ますと、1文字だけ赤い紙が貼り付けられ、隠してあります。“狗(いぬ)”の文字が書いてあるということです。

 こうした「配慮」にも関わらず、こんなやりとりが・・・
 「犬肉が好きじゃない地元の人もいるみたいだけど?」(他の街から来た女性)
 「そんなことないさ。食べたいものを食べるだけさ」(地元の男性)

 さらに、犬肉レストランが立ち並ぶ一角には、「犬肉祭反対」の看板を掲げる男性が登場。周囲は一時騒然としましたが、この男性は間もなく警察に連行されていきました。

 なぜ、自分たちの食文化が理解されないのか。地元の人はいらだちを隠せません。
 「あなただって豚や牛を好んで食べるだろう?牛は殺されるときに涙を流すけど、犬はワンワン鳴くだけさ。犬を食べるというのは俺たちの風習なんだよ」(地元の男性)

 伝統的な食文化を守るのか、動物愛護を優先するのか。中国が急発展を遂げる中で価値観が揺さぶられています。(24日17:27)

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