東京レター
東京で暮らす外国人たちが、手紙スタイルでつづる「東京生活」
【社会】美濃加茂市長逮捕へ 岐阜 事前収賄疑惑否定
現職としては全国で最年少市長の藤井浩人・岐阜県美濃加茂市長(29)が就任前、名古屋市北区にある地下水供給設備販売会社の社長=愛知県春日井市=から小中学校へのプール水浄化設備の導入を依頼され、設置を約束した見返りに現金を受け取った疑いが強まったとして、愛知、岐阜両県警は二十四日午前、事前収賄の疑いで、藤井市長の事情聴取を始めた。容疑が固まり次第、逮捕する。捜査関係者が明らかにした。 捜査関係者などによると、藤井市長は市議だった昨年春ごろ、地下水供給設備販売会社社長の男性被告(43)=詐欺罪などで名古屋地裁で公判中=から依頼され、災害時に備えて小中学校のプール水を飲料水に浄化する設備の設置を約束。見返りに数十万円を受け取った疑いが持たれている。両県警は、贈賄容疑で男性被告も再逮捕する方針。 藤井市長は当時、市長選(二〇一三年六月)への出馬を決意していたとされる。当選後の同年八月、市は「実証実験の場所を提供する」との理由で、美濃加茂市立西中学校に、男性被告の会社が取り扱う浄化設備を取り付けた。市の支出はなかったが、男性被告は西中をモデルに、全国各地の自治体に浄化設備を売り込んでいたという。 関係者によると、藤井市長は市議だった一二年末ごろ、共通の知人を通じて男性被告と知り合った。男性被告は市長選でも藤井市長を支援し、知人に選挙運動を手伝わせたという。 男性被告は今年二月、プール水浄化設備について「自治体と請負契約を結んだ」とうそを言い、銀行から信用保証付き融資をだまし取ったとして、詐欺容疑などで逮捕、起訴された。 藤井市長はこれまでの本紙の取材に「(男性被告と)二回、会食したが、金は受け取っていない」と疑惑を否定していた。 藤井市長は美濃加茂市出身。大学卒業後、学習塾経営などを経て一〇年十月、同市議選で初当選。前市長の病気辞職による一三年の市長選で、二十八歳十カ月で初当選した。 <事前収賄罪> 公務員や、首長や議員など特別職公務員になる予定の者が、就任後に担当する職務に関する請託を受けて、賄賂を受け取ったり、要求や約束をしたりする罪。実際に公務員になった場合に成立する。5年以下の懲役に処される。 PR情報
|