収賄容疑:愛知、岐阜県警 29歳藤井・美濃加茂市長逮捕

毎日新聞 2014年06月24日 17時58分(最終更新 06月24日 23時29分)

岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長
岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長

 岐阜県美濃加茂市への浄水プラント(ろ過装置)の導入をめぐる市長の汚職疑惑で、愛知県警捜査2課と岐阜県警の合同捜査本部は24日、同市長、藤井浩人容疑者(29)=同市蜂屋町中蜂屋=を受託収賄と事前収賄、あっせん利得処罰法違反の容疑で逮捕した。また経営コンサルタント会社「水源」(名古屋市)の社長、中林正善被告(43)=愛知県春日井市藤山台3、詐欺罪で公判中=を贈賄容疑などで逮捕した。

 藤井容疑者は2013年6月に28歳で市長に当選し、全国最年少市長として知られた。

 受託収賄容疑は、藤井容疑者が市議だった同3月、中林容疑者から、美濃加茂市内の中学校に「自然循環型雨水浄水プラント」を実験的に設置したいとの依頼を受け、市議会で導入を提案するなどの便宜を図り、同4月に同市内の飲食店で見返りとして現金約10万円を受け取ったとしている。

 事前収賄容疑は同月、市長就任後に有利な取り計らいを受けられるよう依頼され、現金約20万円を受け取ったとしている。

 容疑について藤井容疑者は「そのような事実はございません」と否認。中林容疑者は「自治体にプラントを売り込めば収入も上がるし、他の仕事への宣伝効果も見込めると思った」などと容疑を認めているという。

 捜査本部によると、藤井容疑者と中林容疑者は同2月ごろ、知人の紹介で知り合った。藤井容疑者は市長就任後、プラントの実験計画を進め、同7月に水源社との間で契約を結んだ。費用は同社が負担した。

 関係者によると、市はプラントの正式導入に向け、入札の実施などを検討。しかし、今年2月、中林容疑者が岐阜県可児市から浄水プラントの受注を受けたとうそをつき、金融機関から融資金1000万円をだまし取ったとして、愛知県警に詐欺容疑で逮捕され、計画は立ち消えとなった。

 捜査本部は24日朝から藤井容疑者の事情聴取を開始、容疑が固まったとして、午後4時半に逮捕。市役所などを家宅捜索した。【駒木智一、三上剛輝】

 ◇事前収賄と受託収賄

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