【動画】東京都調布市で降ったひょう=読者提供
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 24日午後、関東地方の広い地域で大気が非常に不安定になり、東京都三鷹市や調布市の一部でひょうが降った。三鷹市中原1丁目では、降り積もる雪のようにひょうが道路を覆った。25日も大気の不安定な状態が続く見込みで、気象庁は局地的な豪雨や落雷、竜巻のような突風、ひょうなどに注意を呼びかけている。

 「怖くて、机の上に乗って水が引くのを待った」。東京都調布市東つつじケ丘1丁目の印刷店「内田平和堂」の内田和子さん(72)は、店内の水を外にかき出しながら話した。

 午後2時すぎから雨や風が激しくなり、やがて「バリバリ」と激しい音をたてながらひょうが降り始めた。店の前の排水溝がひょうで詰まり、あっという間に道路に水があふれた。店内にも水が入り込み、水は80センチほどの深さに。「道路の排水溝のひょうを取り除こうとしたけれど、氷水のようで冷たすぎて無理だった」

 1台1千万円で購入したプリンター2台が水をかぶった。内田武社長(76)は「商売道具の紙類も全部だめになった」とため息。事務所裏のトタン屋根にも大きな穴が開いていた。

 三鷹市中原1丁目に住む自営業、畝迫(せざこ)景彰さん(46)は午後2時半ごろ、ひょうに気づいた。音は激しくなる一方で、30分も経つと自宅の前の道が川のようになっていた。「窓が割れるかと思った。まるで映画を見ているようだった」。近くの道路は100メートル近くにわたってひょうが数十センチほど積もり、重機で取り除く作業が夕方まで続いた。

 ひょうの様子を動画で撮影し、ツイッターに投稿する人が相次いだ。調布市緑ケ丘2丁目の写真家、玉置明人さん(34)は午後2時半ごろ、自宅から外に出て撮影しようとしたが「カメラが壊れそうだった」。ひょうを拾うと、親指大のものもあった。画像、動画を撮影してツイッターに投稿すると、次々に転載された。

 警視庁三鷹署によると、午後3時前から約1時間の間に、豪雨やひょうなどに関する110番通報が19件あった。道路が冠水し「車で立ち往生している」との通報が続いたほか、三鷹市内ではブロック塀の倒壊や、増水で浮き上がったマンホールのふたが乗用車にぶつかる事故があった。24日午後6時現在、けが人は確認されていないという。

 東京都によると、午後9時現在、三鷹市や調布市などで床上浸水が28棟、床下浸水が24棟あった。