ブラジルで開催されているサッカー・ワールドカップ(W杯)のグループリーグH組で韓国がアルジェリアに惨敗した直後、街頭で応援していた市民の間ではモラルに欠けた行動が各所で見られた。23日未明から街頭のパブリックビューイング会場で応援していた一部の市民は、韓国が失点するたびに酒に酔って怒号を発し、ところ構わず缶ビールを投げ付けた。試合が終わると怒ってごみを放置し、その場を立ち去るケースも非常に多く目に付いた。
午前4時50分ごろに前半が終わると、ソウル市江南区三成洞の永東大路で街頭応援をしていた市民たちは、街路樹や電柱の下などあちこちに缶ビールを投げ付けた。試合は前半が終了した時点で韓国代表が0-3と大きくリードされたため、怒りを抑えることができなかったのだ。試合が終了すると、一部では雨具や菓子の袋、焼酎の瓶、シートなどを所構わず捨てる様子も目に付いた。この光景を目にした米国人のトム・ジョーンズさん(32)は「理解できない」といった表情で「たとえ自国の代表が惨敗しても、自分が持ってきたごみくらいはなぜ持ち帰らないのだろうか」と語った。
午前5時ごろには酒に酔った40代とみられる男性が怒号を発し、ペットボトルを振り回して警察に連行された。また多くの観戦客がいる狭い場所で立て続けにたばこを吸い、周囲に煙をまき散らすケースもあった。この日、観戦に来ていたイ・ソヨンさん(31)は「楽しく試合を観戦していたにもかかわらず、顔のすぐ前にたばこの煙を吐き出す人がいて、本当に気分を害した」と語った。
ソウル・新村の延世路に設置されたパブリックビューイング会場では、前の方に座っている観戦客が立ち上がったり傘を差したりしたため、後ろの人が観戦できなくなるケースが目に付いた。後ろの人たちが「座るように伝えてください」と前の人に丁寧に頼んでも、立っている人たちは気にも留めない様子だった。するとしばらくして互いにごみや靴を投げ付け、口汚くののしり合うようになった。
また、カップルが周りの目を気にせずいちゃつく様子も周囲を不快にした。ある大学生カップルはシートを敷いて横になり、抱き合って何度もキスしていた。
光化門広場で午前2時から会場の設営や清掃などのボランティアをしていた大学生のパク・ヘミさん(20)は、前回のロシア戦の時よりもずっと多くなったごみの片付けに苦労する様子だった。パクさんは「前回の試合に比べて酒を飲む人も多かったし、また使い捨ての紙コップやシートなどを道端に捨てて立ち去る人も非常に多かった」と話していた。この日出たごみの量はロシア戦の時に比べておよそ2倍に達していた。