2014-06-23
ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国、読了
欧米の手法や技術を丸のみすると食あたりを起こす。近代化に伴う適応異常とその対策が本書の主題である。題材にコンピューターとその利用を選んだのは著者が三十年近く取材して来た分野だからである。
第一章【実態】経営と技術を巡る珍現象。1)ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国。2)金を払って人に会う米国人、タダでも会わない日本人。3)トップがセールスする米国、表敬訪問する日本。4)境界にうるさい米国、曖昧にしたい日本。5)「協調性」を最重要視する世界各国、重視しない日本。6)外資系に勤めるとなぜ”右傾化”するのか
第三章【原因】「言葉のインフレ」は恐ろしい
各章の終わりに先達から学ぶというコラムがあって古典を紹介している。それがいい感じの読書案内になっている。
本書に収めた文章の大半は著者が「日経ビジネスオンライン」で連載している「経営の情識」というコラムからとっている。ざっと読んで特になにか新しい発見があるとか、新しい主張があるとかいう類いのものではない。
例えば第四章で、「システム内製」こそ理想の姿、と書くが、その通りだとわたしは思うのだけど、世間ではそうではない。むしろだからどうしたという感じになる。「人材の育成が急務」とか「経営者にこそ問題がある」というような指摘は読んでいてむなしくなる。
口直しに 「納品」をなくせばうまくいく、倉貫義人著、読了 - 未来のいつか/hyoshiokの日記を勧めたい。
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