ツイッター分析:ヤジ 都議特定を求めたユーザー

2014年06月24日

ツイッター発信者数の変化
ツイッター発信者数の変化

 東京都議会本会議でみんなの党の塩村文夏(あやか)都議(35)が女性蔑視のヤジを浴びせられた問題は、塩村氏自身がツイッターで「心ない野次の連続に涙目に。政策に対してのヤジは受けますが、悩んでる女性に対して言っていいとは思えないです」などと発信したことが3万件以上リツイート(引用)され、ヤジを飛ばした議員の特定と処分を求めるインターネット上の署名の賛同者が9万人を超えて社会を動かした。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の力が改めて注目された事例といえる。ツイッターユーザーはこの問題にどう反応したのかを分析した。【石戸諭/デジタル報道センター、大隈慎吾/世論調査室】

 ◇急増した「都議会」「ヤジ」

 毎日新聞は世論調査室が開発したツイッター分析ソフトで、ツイッターユーザーから無作為に1万ユーザーを抽出して話題の言葉を調査している。今回は「都議会」「ヤジ(またはやじ)」「セクハラ」といった言葉がどのようにつぶやかれているかや、これらの言葉を使った人の数などを調べた。

 「都議会」という単語は、塩村氏へのヤジが問題となるまでツイッター上でほとんどつぶやかれていなかった。しかし、問題がネットで報じられた18日夜から増え始め、19日にはツイートした人の2.0%、20日は2.5%が言及した。「ヤジ(またはやじ)」も連動して急増、20日には2.9%に達した。「セクハラ」も20日に2.3%と急伸している。

 これらの数字は、STAP問題で理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーが記者会見した4月9日の「小保方」の11.8%や、AKB48のメンバー2人が岩手県内で襲われた5月25日の「AKB」(10.9%)、サッカーワールドカップの日本代表初戦(15日)の「サッカー」(18.5%)「日本代表」(6.1%)に比べると少ない。それでも、連日報道されているにもかかわらずツイートは1%に届かない「集団的自衛権」をはるかに上回っており、一地方の議会で起こった騒動としては異例ともいえる反応の大きさだ。

 また、1人あたりのツイート数を調べると、多くて数回程度。特定のユーザーが何度もツイート、リツイートを繰り返すことで膨張していくことが多い他の社会問題と異なり、多くのユーザーにツイートが広がっていることもわかった。

◇「発言者の特定」に向かったユーザー

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