河野談話検証:当時の韓国外相「交渉や調整なかった」

外務官僚も「日本側が話し合いを求めたが断った」

河野談話検証:当時の韓国外相「交渉や調整なかった」

 1993年に「河野談話」が発表された当時、韓国の外務部(省に相当)長官だった韓昇洲(ハン・スンジュ)高麗大学名誉教授は22日「談話の発表前、韓日両国政府による文言の調整があった」という日本政府の検証報告書の発表に対し「(韓日両国の)交渉や調整が行われたことはない」と反論した。

 韓氏はこの日、本紙の電話インタビューに対し「(1993年)8月4日、(河野談話が)発表される直前、日本側が談話の原案を示し、韓国側の意見を求めてきた。しかし、それ以前に原案を作成する過程で韓国と協議をしたとか、問い合わせをしたといったことは全くなかった」と語った。最終段階で原案を示して意見を求めたことをもって「文言の調整」「事前の協議」などと主張するのは、道理に合わないというわけだ。

 韓氏はまた「慰安婦問題の争点は『強制性があったのか』『日本政府の関与があったのか』『日本が謝罪をしたのか』という3点だ。(今回の検証報告書は)何らかの調整や交渉があったと主張することにより、争点をすり替えようとする安倍政権の戦略であり望みの産物だ」と指摘した。その上で「河野談話は日本政府が2年間にわたる調査の末、元慰安婦たちが自らの意思に反して動員されたことを確認し、作成した談話だ」と述べた。

 さらに韓氏は「原案を見て、韓国側が一部の表現について意見を述べたのは事実だ。だが(両国の当局者が)テーブルを挟んで議論、交渉したわけではない」と語った。

 当時外務部アジア局長だったユ・ビョンウ元駐トルコ大使や、在日韓国大使館の書記官だった趙世暎(チョ・セヨン)元東北アジア局長の証言も、韓氏の話と一致する。韓国政府は日本が意見を求めてきたとき、拒否したという。日本側が「準備ができ次第、韓国政府と話し合いたい」との意向を伝えてきたとき、ユ氏は「歴史問題は交渉の対象ではない。日本側が時間をかけてでも真剣な調査を行い発表すればよいことだ。韓国と話し合おうという考えは持つべきでない」と返答したとのことだ。

金真明(キム・ジンミョン)記者
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