全国最年少市長の岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(29)が中学校への雨水ろ過設備導入を巡り、設備会社社長(43)から現金数十万円を受領していた疑いが強まり、愛知県警捜査2課などは24日、収賄容疑で藤井市長の取り調べを始めた。容疑が固まり次第、逮捕する方針。
藤井市長は昨年6月の市長選で初当選。藤井市長は日本経済新聞の取材に対し「社長から職務に関して依頼を受けたこともなければ、その対価を受け取ったことも一切ない」と話した。
市関係者によると、ろ過装置はプールの水を浄化するため、2013年夏、美濃加茂市内の中学校に導入された。ろ過の効果を確かめるための試験的な納入だったという。契約では市の費用負担はなく、効果が実証されれば、設備のレンタル契約を結ぶ可能性があったという。
市長関係者によると、藤井市長は市議だった13年1月、知人を通じ、設備会社社長と知り合った。その後、市長は市の防災安全課に社長を紹介。社長が同課担当者を訪問し、装置のメリットなどを説明したという。
一連の納入の経緯について、県警は市の防災安全課の担当者や社長から任意で事情聴取した。設備設置を巡っては、市議会でも決定過程の不透明さを追及されていた。
藤井市長は10年10月の市議選でトップの得票を得て初当選。前市長の辞職に伴う市長選で初当選した。
設備会社社長は今年2月以降、自治体と地下水供給設備や雨水浄化装置の契約を結んだとウソを言い、銀行から融資金をだまし取ったなどとして、詐欺容疑などで愛知、岐阜両県警に逮捕、起訴された。
民間調査機関などによると、同社は09年に設立。自治体や医療法人向けに地下水などの水をろ過する設備の販売を手がけている。
藤井浩人、取り調べ