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エジプト 記者らに実刑判決で批判の声
6月23日 23時02分

エジプト 記者らに実刑判決で批判の声
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エジプトで、軍による事実上のクーデターを批判的に伝えていた中東の衛星テレビの記者らが「テロ組織を支援した」として起訴されていた裁判で、裁判所は、禁錮7年から10年の実刑判決を言い渡し、報道の自由への重大な侵害だとの批判の声が高まっています。

この裁判は、カタールに本社を置く衛星テレビ「アルジャジーラ」が、エジプトで去年7月に起きた軍による事実上のクーデターを批判的に伝え、軍と対立するムスリム同胞団を好意的に報じたことに対して、エジプトの検察が「テロ組織を支援し、うその情報を流した」などとして記者ら9人を起訴していたものです。
首都カイロの裁判所は23日、9人のうち身柄を拘束されているオーストラリア人の記者とエジプト人のカイロ支局長の2人に禁錮7年、武器の所持の罪にも問われていたエジプト人のプロデューサーに禁錮10年の実刑判決を言い渡しました。
また、国外に逃れるなどして身柄を拘束されていない6人の職員に対しても、被告不在のまま、禁錮10年とする判決を言い渡しました。
エジプトでは、クーデターのあと、軍主導の当局がムスリム同胞団をテロ組織に指定し弾圧するとともに、軍や政権に批判的なメディアへの締め付けを強めています。
これに対して、国際的な人権団体などから、「報道の自由に対する重大な侵害だ」として厳しい批判の声が上がっているほか、海外でも記者らの釈放を求めて抗議集会が開かれるなど、波紋が広がっています。

身柄の拘束は全く正当化できない

判決を受けて「アルジャジーラ」は、声明を発表し、「記者らはすばらしいジャーナリストとしてめざましい仕事を果たしたことで引き続き刑務所で過ごすことになる。身柄の拘束は全く正当化できず、自由な身となって家族の元に無事に戻れるよう訴え続けたい」としています。

信じられない

オーストラリア人の記者が実刑判決を言い渡されたことについて、記者の母親はオーストラリアのブリスベンで現地のメディアの取材に対して、「息子が禁錮7年だなんて信じられない」と話したほか、父親も「全くばかげている」と驚いた様子で話していました。

エジプト政府に働きかけへ

オーストラリアのビショップ外相は記者会見し、「政府としてショックを受けている。記者は政治状況を報じるためにエジプトにいたのであってムスリム同胞団を支援していたわけではない」と述べ、判決を強く批判し、記者は無実だとの認識を示しました。
そのうえで、「エジプト政府と最高レベルでの話し合いの場を持ち、エジプト政府による介入が可能かを見極めたい」として、記者の釈放に向けてエジプトの首脳レベルに働きかけていく考えを明らかにしました。

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