2006年と状況は全く異なる。当時は「優勝候補筆頭のブラジルに3点差で勝つ」と言う不可能に近いミッションだった。それに対して今回は24年振りに2次ラウンド進出を決めているコロンビアに2点差で勝つ事。現実性が全く異なるのは、言うまでもない。
元々このチーム、ダメな時はとことんダメな試合をしてしまう傾向があった。昨年の東欧遠征の酷さは記憶に新しいし、3次予選ホームウズベキスタン戦など「ここまで情けない試合をしてくれるか」と嘆息したのは、懐かしい思い出だ。
ただ、これらの凡戦は、選手達のコンディションが悪かった時であり、最後の総決算で中々思うに任せない試合を見せられるとは思わなかった。ギリシャ戦はだいぶ改善された感もあったが、コートジボワールの足の止まり方はとても残念だった。
大体、この攻撃サッカーを志向し、DFも攻撃の起点となれる選手ばかりを選考し、攻撃も能動的な仕掛けをできる選手があり余っているこのチーム。このチームが2試合を終えて勝ち点1に止まってしまう事は予想の範囲内だったかもしれない。しかし、得点が1に止まっている事(失点も2に止まっている事含め)は、まったくの予想外だ。
しかしこの隔靴掻痒、切歯扼腕こそが、サポータの醍醐味と言うもの。これだから、サッカー応援はやめられない。
思うに任せぬ展開、踊らぬ自慢の踊り子たち、裏目にばかり出る監督の采配、夕刊紙やゴシップ誌が嬉しそうに語る内紛劇、敵ばかりが巧妙に思えてくる錯覚、ちょっと勝てないと手のひら返しで采配批判する自称サッカーライター達、自虐的に「日本は弱い」と楽な態度に逃げる見せかけの僚友。
思うようにいかないから、サッカーは究極の娯楽なのだ。それがわかっている俺達だけが、勝利時に真の快感を味わう事ができる。
日本代表選手各員は皆、激しくタフに戦ってくれる事だろう。勝負はいかに相手以上に頭を働かせる事ができるかどうかに尽きる。
具体的には攻守両面での、勇気と我慢。
守備面では、相変わらず自陣深くに入られながらもズルズルと引き過ぎる場面が散見されている。チームメートが素早く帰陣しているのだから、もっと厳しく敵に当たる勇気を持って欲しい。攻撃面、日本の持ち味は技巧的なパス交換だ、だからこそペナルティエリアに崩しに行く勇気が絶対に必要なはず。
一方で敵に1度攻撃をはね返された直後に攻撃をルーズボールを確保するために、無理なファウルを冒さずに我慢ができるか。そして、敵が守備を固めてきた時に、いかに我慢して粘り強く敵の隙を突く事ができるか。我慢できなくなった時の典型的な選択が運を天に任せるアーリークロスだ。もう、そんな光景は見たくない。
ここ2試合、この勇気と我慢を体現しているのが内田だ。ドログバをも臆せず鮮やかなスライディングタックルで止めるなど右サイド後方を固め、前線に出るや粘り強く組み立てに参加し、勝負どころで決定機を演出している。全選手が、内田のように頭を働かせ、勇気と我慢を発揮してくれれば。
40余年日本代表を応援してきた。
愛するチームが、ここまで追い込まれているからこそ、「ブラジルに来てよかった」と心底思う。この苦境下、選手達と戦えるかと思うと、心が震える。
この難しい状況からのコロンビア戦以降の日本代表復活劇を共に戦う事ができる。これ程幸せな状況に身を置ける事の感謝しつつ。
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