和牛EUへ輸出解禁 英で試食会6月24日 5時49分
日本産の牛肉の輸出がEU=ヨーロッパ連合の域内で解禁されたことを受け、ロンドンで23日、現地の高級レストランの料理人などを対象にした和牛の試食会が開かれ、日本国内での和牛の消費が頭打ちとなるなか、5億人の巨大市場、EUへの輸出拡大が期待されています。
日本産の牛肉のEUへの輸出を巡っては、BSEや口てい疫の発生の影響で解禁が遅れていましたが、去年、安全性が高まったとしてEUが日本産の牛肉の輸出を解禁し、今月、EUへの輸出が始まりました。
これを受けて、JA全農=全国農業協同組合連合会などが和牛をPRしようと23日、ロンドンで和牛の試食会を開き、現地の高級レストランの料理人や食品関連のジャーナリストなど、およそ60人が参加しました。
試食会では、和牛のたたきや、しゃぶしゃぶ、それにステーキなどが提供され、参加した人たちは、日本の和牛特有の柔らかさや、風味などを楽しんでいました。
参加した食品関係を取材しているジャーナリストは、「食感がすばらしく、見た目も魅力的で、こんな肉は今まで食べたことがない。間違いなくヨーロッパで広がるだろう」と話していました。
ヨーロッパでは、和牛の血を引くオーストラリアなど外国産の牛肉が「WAGYU」と呼ばれ、日本の和牛と比べ、割安な価格で流通していることから、日本産の和牛を普及させるためには、品質の高さなどの強みをどうアピールしていくかがカギになりそうです。
和牛普及の課題
日本政府は、農産物輸出を重要戦略と位置づけていて、牛肉の輸出額を2012年の50億円から、2020年には5倍の250億円に伸ばすことを目標に掲げています。
このため、5億人の人口を抱える巨大市場・EUへの輸出解禁は、牛肉の輸出拡大の起爆剤になると期待されています。
しかし、ヨーロッパでは、和牛の血を引くオーストラリアなど外国産の牛肉が「WAGYU」と呼ばれ、市場で流通しています。
日本の和牛と同様、霜降りの肉で、価格は通常の牛肉よりは高いものの、日本の和牛と比べると、3割から5割程度安いとされています。すでに日本の和牛を輸出しているアメリカやアジアなどでは、割安な「WAGYU」に押され、日本産の和牛は、販売先が富裕層向けのレストランや日本人向けのスーパーマーケットなどに限られているのが現状です。
こうしたなか、外国産の「WAGYU」が市場で一定の地位を確保しているヨーロッパで日本産の和牛を普及させるためには、品質の高さなどの強みをどうアピールしていくかが鍵になります。
[関連ニュース] 自動検索 |
[関連リンク] |
|