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 政府・自民党は23日、侵略した国を国連決議に基づいて制裁する集団安全保障の際、日本が他国と一緒に武力行使できるようにする案を閣議決定に明記しない方針を固めた。自衛隊の海外での武力行使の範囲が際限なく広がるとして公明が猛反発し、提案からわずか3日で棚上げした。だが、閣議決定への明記以外で集団安全保障の武力行使ができないか、さらに別の手段を模索する考えだ。

 自公両党はこれまで、集団的自衛権の行使を認めるかどうかを議題に協議してきた。だが、自民党は20日の与党協議で、戦争中に中東のホルムズ海峡にまかれた機雷を爆破処理する例を念頭に、集団安全保障の枠組みでも武力行使を可能にする案を突然提案した。

 背景には、集団的自衛権の行使が認められたケースで自衛隊が機雷を除去中、国連安全保障理事会の決議があり、事態が集団安全保障に移行した場合の想定がある。従来は集団安全保障における戦争中の機雷除去は武力行使に当たるとされ、憲法9条で認められていない。このため、自民は除去活動を中止しなければならない可能性があると問題視する。