放送前から“戦犯”候補? 北川景子、木村拓哉主演『HERO』の新ヒロイン役に大きなリスク
7月14日スタートの月9ドラマ『HERO』(フジテレビ系)に新ヒロインとして出演する女優の北川景子(27)の先行きが危ぶまれている。
同ドラマは木村拓哉(41)が2001年に主演した連ドラの続編。前作は平均視聴率34.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という記録を叩きだしており、06年にスペシャルドラマ、07年には映画版を制作。シリーズとしては7年ぶり、本編としては13年ぶりに木村演じる型破りな検事・久利生公平が帰ってくるということで期待を集めている大注目作だ。木村は続編ものに難色を示していたというが、それをフジが口説き落とした。前作や映画版は松たか子(37)がヒロインの事務官を務めたが、今作では北川が木村と新コンビを組む。
これほどの期待作に起用されるなら悪いことはないように思えるが、東京スポーツは「北川景子 キムタク『HERO』コケたら“戦犯”扱いに」と伝えており、もしドラマが不振だった場合は木村やジャニーズ事務所が北川に責任をなすりつけるのではないかとの関係者証言を掲載している。
その要因となっているのが、北川が主演した映画『悪夢ちゃん The 夢ovie』の不入りだ。同作は一昨年に日本テレビ系で放送された連ドラの映画版。ドラマは平均視聴率11.5%と数字は及第点レベルだったが、小中学生を中心に高い支持を得ていた。北川と同じ事務所に所属する、ももいろクローバーZが“特命宣伝プロデューサー”に就任して北川とともにPRに奮闘。北川とももクロが合体した「きもクロZ」が劇中に登場するなど話題も豊富だった。
それだけ宣伝に力を入れながら興行収入は大コケだったとされ、人気のピークが過ぎた北川が新ヒロインになった『HERO』も数字が落ち込むのではないかとささやかれているというのだ。映画が不振だったのは、ディズニーの超ヒット作『アナと雪の女王』とかち合ってしまったことも大きな原因だとされている。前ヒロインの松が日本語版劇中歌を手掛けた映画が、北川の“疫病神”説につながっているとすれば皮肉な話だ。
また、絶対に失敗が許されない期待作でありながら、肝心のキムタクが最近は数字が取れなくなってきているという問題もあると記事は指摘。昨年放送された『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』(TBS系)は平均視聴率12.8%と惨敗。今年主演した2夜連続スペシャルドラマ『宮本武蔵』(テレビ朝日系)も第一夜が14.2%、第二夜が12.6%と厳しい数字だった。
いくら前作が大ヒットといっても13年前の話。天下のキムタクも不惑を超えて、さすがにアイドル的な人気は衰えてきた。だが、今作は絶対に失敗が許されない作品。そういった作品がコケた場合、ジャニーズサイドは相手役に責任転嫁することがあり、やり玉に上げられる可能性が高いようだ。
北川本人は、中学生時代に受験勉強をしながら観ていた思い出深い作品の続編ということでオファーを喜んだというが、思わぬ貧乏くじになりかねない状況のようで心配になる。だが、業界からは北川が落ち目になっているかのような見方に対する反論も聞こえている。
「映画版の『悪夢ちゃん』は5月公開の初週が動員約12万7000人でランキング7位。興収も約1億5000万と寂しい数字だったため、一部で“大コケ”と書きたてられた。しかし、それから徐々に客足を伸ばして4週目で興収5億円を突破。最終的には6〜7億円になると見られ、決してヒットとはいえませんが、大コケというほどでもありません。映画がコケたというイメージは、それだけメディアの北川への期待のハードルが高いということ」(芸能関係者)
また、木村やジャニーズ事務所が北川を“戦犯”扱いする可能性があるとの説も疑問だという。
「3年前に嵐の櫻井翔主演で放送されたドラマ『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)は、スペシャルドラマや映画版が制作されるなどヒットしましたが、北川はそのヒロインを務めていた。ヒロインが同じ女優なのにキムタクのドラマで彼女を戦犯扱いしたら、櫻井との人気の差が浮き彫りになり、かえってイメージダウンになる。それに北川は『ジャニーズ御用達女優』として同事務所と蜜月関係にありますから、彼女に責任をなすりつけるようなことはしないでしょう。ましてや、今回はジャニーズサイドの指名で松に再共演オファーを出したものの出演を断られ、ヒロイン不在の窮地を北川に助けてもらった恩があるようですからね」(前同)
だが、それでも北川に不安要素は少なからずあるようだ。
「やはり、前作のファンはどうしても北川と松の新旧ヒロインを比べてしまう。人気ドラマシリーズ『ガリレオ』(フジテレビ系)でも旧ヒロインの柴咲コウと新ヒロインの吉高由里子が比較され、吉高に対して否定的なファンか多かった。どうやっても新ヒロインは損な役回りにしかならず、これは人気作のキャスト交代で避けられない宿命。しかも松だけでなく、大塚寧々、阿部寛ら前作のメインキャストは大半が出演しない。もし作品のイメージが変わってしまったら、その象徴としてファンやメディアの厳しい目が吉高のケース同様に北川に向くことが予想されます。『松たか子だったら…』という声は必ず起こるでしょう。最も怖いのは、ドラマが失敗した時にジャニーズサイドに気を遣った局側が北川を戦犯にしてしまうケース。業界内で『数字が取れない女優』というレッテルを貼られると、それを覆すのは容易ではありません」(前同)
周囲の目が厳しいとはいえ、同作は間違いなく木村ありきのドラマ。脚本も演出も木村をどう生かすかに重点を置いて練られているという。ヒロインといえどもキムタクの前では添え物でしかなく、北川は自分の力ではどうしようもない「まな板の上のコイ」状態といえる。「Let it go」効果で人気が高まっている松と比較されるのも辛いところだ。ヒットすれば北川の代表作のひとつになり得るが、失敗した時のリスクは非常に大きい作品となりそうである。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)