学校では熱心に食育指導をする栄養教諭、私生活ではオートバイのモトクロスのレースに出場するライダー――。そんなユニークな先生が糸魚川市にいる。市立糸魚川中学校の牛木功介さん(43)だ。管理栄養士でもある牛木さんの指導は県内外で評価が高く、講演で全国を飛び回っている。

 栄養教諭は献立作りなど栄養士の仕事に加え、教壇で食生活の指導をする。偏食や肥満といった子どもたちの食生活の乱れに対応する食の専門家だ。同中に赴任して6年になる牛木さんは、食に対する学校の取り組みを改善し、生徒たちの食への関心を高めてきた。

 改善した一つに給食の時間がある。配膳に予定より5分ほど余計に時間がかかっていたため、給食のワゴンを取りにいく人、配膳台をふく人など細かく役割分担を決めて早く用意し、実際に食べる時間を15分間は確保するようにした。「口の中に放り込むような食事が、食べる時間が長くなることで味がしっかりわかり、落ち着いて食べることもできるようになった」と牛木さん。生徒たちから「給食がおいしくなった」という声が聞かれるようになった。