北沢拓也
2014年6月23日22時46分
他人の犯罪事実を捜査機関に明らかにすると、その見返りに自分への求刑が軽くなる。そんな「司法取引」が、日本でも導入される見通しになった。23日にあった刑事司法改革の議論で方向性が示された。組織犯罪や共犯者がいる事件の解明に役立つ一方、うその証言によって、他人を冤罪(えんざい)に陥れたり、共犯者に罪をかぶせたりするなどの危険性も指摘されている。
新しい捜査手法を話し合っている法制審議会(法相の諮問機関)の「新時代の刑事司法制度特別部会」で議論された。
事務局の法務省が示した「試案」は、容疑者や被告が他人の犯罪事実を明らかにした場合、検察が起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりできる、というもの。薬物などの組織犯罪や企業犯罪、汚職などでの適用を想定している。末端の犯人から主犯者の情報を聞き出す場合に有効とされ、欧米でも広く利用されている。
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朝日新聞社会部
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