生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうは介護や家事に外国人というテーマです。
担当は広瀬公巳解説委員です。
外国人が日本で介護ですとか家事をするという動きがあるんですか?広瀬⇒そうなんです。
日本の成長を支えるための、外国人労働力の活用が本格的に検討されています。
今週、素案が示された政府の成長戦略にも外国人人材を生かしていくことが明記されました。
高齢者などの介護そして女性が主に行っていることが多い家事といった、私たちの暮らしに、より身近なところで外国人を活用しようとする案が出ています。
日本では外国人があまり働いていなかった分野ですよね。
実感がつかみにくいかもしれませんがきょうはこちらなぜ外国人が必要なのか。
この分野で、海外でどんな人が働いているのか。
何が課題なのかを見ていきたいと思います。
まずはなぜ必要なのかというところですね。
介護についていいますと少子高齢化で人材不足がこれからますます加速します。
外国人の若い人材を取り入れることが検討されています。
団塊の世代が75歳を超える目安の2025年には、介護の人材が今よりも100万人程度多く必要だという推計があります。
あと10年ちょっとで100万人必要なんですね。
先日、技能実習というこれまでと異なる在留資格での検討が法務省の有識者会議で提案されました。
また留学生が介護福祉士の資格を取った場合日本に残れるようにする措置を取ることも検討されています。
介護では全然人が足りていないというのが理由だということですね。
家事ではどうでしょうか。
一日の間にどれだけ家事に時間を費やしているのかを、日本とアメリカで比較したものです。
日本人女性が5時間ということでアメリカの場合よりも1時間近く長くなっています。
その主な理由の1つが男性が家事をする時間日本の場合男性が少なくて女性に負担するということになっています。
日本の場合は女性の5分の1なんですね。
男性が家事をすることを考えなければいけないんですが、外国人が家事代行をしてくれるということになれば女性が働きやすくなって女性の社会進出が進むかもしれません。
国家戦略特区で外国人の家事労働者を受け入れる方針が成長戦略の素案で示されました。
これから具体的に、どのような在留資格をどのような条件で出すのか、といった議論が行われていくことになります。
こうした動きは外国人に働いてもらうのであればきちんと労働者として受け入れるということを改めて考え直すきっかけになるかもしれません。
実際に、どういう人が日本に労働者として来る可能性があるんでしょうか。
詳しいことはまだ決まっていませんが、世界ではどうなっているのか。
家事の人材を世界に派遣していることで知られるフィリピンの様子を見てきました。
こちらは一人暮らしをしているマリア・ヘロニモさんのお宅です。
64歳になるマリアさんの世話をしているのは住み込みで家政婦をしているビオレッタさんです。
ビオレッタさんは知人の紹介で地方の島から出てきました。
食事の用意や皿洗い部屋の掃除や洗濯もビオレッタさんの仕事です。
毎日、血圧を測ったりマッサージまでしてくれます。
ビオレッタさんの出身は台風に見舞われたレイテ島。
厳しい生活をしている田舎の家族に僅かな給料のほとんどを仕送りしています。
フィリピン政府はビオレッタさんのような若くて頼りになる労働力をフィリピンは積極的に活用しようとしています。
こちらは、外国での就職をあっせんしている業者です。
若い人たちに、次々に海外での働き口を紹介しています。
人材の派遣を国家政策としているフィリピンでは、専門の役所が人材派遣の調整にあたっています。
温厚な性格で英語で話せる人が多いフィリピン人が外国で行う職業で多いのは人を相手にするサービス業です。
フィリピンでは外国で働いている人が多いわけですね。
その背景が、こちらです。
フィリピンではまだまだ賃金も低く失業も深刻で貧困問題があります。
一方で国民の半数が25歳以下という若い人口の国でもあります。
ですので国内の貧困、そして日本など先進国との賃金の格差を背景にして海外で出稼ぎ労働者として働く人が多くなっています。
海外のフィリピン人からの国内への送金は国家予算の半分という大きな外貨獲得源になっています。
外国で働く人が国を支えているんですね。
フィリピンでは日本で働きたいという声をたくさん聞きました。
インドネシアも人材の派遣を積極的に行っていますしミャンマーやベトナムも可能性が期待されています。
つまり人材を送りたいという国はたくさんあるということなんですね。
これまで日本では外国人の受け入れはどうして行われてこなかったんですか?日本人の雇用を守れるのかといったことが心配されてきたからです。
このほかにもさまざまな課題があります。
介護についてはこれまで、ごく僅かな人材をいわば外交上の特別枠で受け入れてきただけでした。
優秀な人を少しだけということですね。
今回は技能実習、これまでとは違う受け入れ方が検討されていますので介護の質をどう確保するのかなどの課題があります。
仮に留学生が介護福祉士の資格を取ったとしてもことばの問題はどうするのか外国人が実際に生活をする地域社会での受け入れはどうするのかといった課題があります。
家事についてはどうでしょう?家の中に他人が入ってくることになるわけですから、コミュニケーションを十分にとらないと、思わぬトラブルにもなりかねません。
注意が必要です。
日本人の場合でも同じことですが雇用主と労働者側の信頼関係人間関係がとても大切になってきます。
本当に重要な部分ですね。
家の中で家事をしてもらうという部分で。
この問題は、安易に外国人の力に頼るということではなく常に日本人の力をどう引き出していくのかということをセットで考えていかなければならない問題でもあります。
どれも難しいですけど、本当に大切な問題ですね。
このような課題を見ていきますと単に労働力を活用するといってもそれは同時に、文化もことばも一人一人、事情も異なる人間を受け入れることになるそれを意味することを改めて感じますよね。
特に人を相手にする分野の仕事の場合、外国人の活用は簡単なことではありません。
介護や家事といった身近な分野だけにこれからどのような受けいれをするのか。
しっかりと見ていく必要があると思います。
広瀬公巳解説委員でした。
次回のテーマです。
料金は下がるのか?安定供給は?担当は関口博之解説委員です。
ぜひご覧ください。
2014/06/18(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「介護や家事に外国人」[字]
NHK解説委員…広瀬公巳,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…広瀬公巳,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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