聖母・聖美物語 #57【家族の愛篇〜愚かな母】 2014.06.18

(百合子)はっ。
(聖美)「柳沢ひかりさま」
(聖美)「あなたを産んだ本当のお母さんは森尾愛美」
(百合子)どこまで知ってるんですか?公一さんのこと。
どこまで調べたんですか?今あなたと一緒にいるということしか。
(百合子)公一さんはあなたのために医師としての輝かしい人生を棒に振った。
運命を狂わされた。
奥さまの前から姿を消した後あの人どうしてたと思いますか?あなたに想像がつきますか?ホームレスとして暮らしてたんです。
東京へ戻ってから長い間。
諏訪さんがホームレスに?自暴自棄になって毎日毎晩お酒ばかり飲んで。
そのうちケンカに巻き込まれて頭にケガを。
それを助けてくれたのが公園で寝泊まりしているホームレスの人たちだったそうです。
心的外傷後ストレス障害はご存じですか?確かPTSDって。
ケガのショックが引き金になって回復した後も強いPTSDの症状に悩まされて。
でも調子がいいときはホームレス仲間の病気やケガを診たりして結構重宝がられていたそうです。
そのうち仲間の一人が重い病気を患ってあの人思い余ってうちの病院へ。
(百合子)《誰?何してるの?そこで》《待ちなさい!くっ!うっ!》《諏訪先生?》薬を盗むために?必死で引き留めて。
何とか訳を聞き出して私も公園へついていった。
でも結局薬だけではどうにもならなくて。
亡くなったの?その人。
それまで以上に落ち込んでまともに会話もできなくなってしまったあの人を長い時間をかけて今日までずっと励まして。
やっと少しずつ私の心があの人に届くように。
あなたそこまで深い思いで諏訪さんを。
だから分かるんです。
本気で人を愛した私だから何もかも捨ててあなたのために生きようと決めた公一さんの心が。
なのにあなたにとってはほんの気の迷いにすぎなかった。
行き当たりばったりに身を任せてあの人のいちずな気持ちを踏みつけにした。
そんな女が清らかぶってよくもずうずうしく聖母面を。
許して。
あなたの言うとおり私は諏訪さんを犠牲にした。
諏訪さんと過ごしたことで私は気付かされた。
自分の生きる道が一つしかないことを。
聖母なんかじゃない。
愚かな一人の母親よ。
でも死ぬまで母として生きたい。
陽とひかりの母として生きていきたいの。
もっと苦しめばいい!愛するわが子が傷つく姿を見て地獄の責め苦を受ければいい。
罰は私が一人で受ける。
どうかひかりを巻き込まないで。
お願い百合子さん。
後生ですからお願いします。
あっ!百合子さん!
(繁郎)おっ!とっとっと。
ああ。
師長。
どうしたの?
(百合子)今日かぎりでおいとまを頂きます。
(繁郎)えっ?辞表は奥さまにお渡ししました。
(繁郎)辞表?ちょっと。
・待って。
百合子さん!
(繁郎)何?どうしたの?いったい。
これが辞表?
(繁郎)まさか彼女が?信じられないよ。
あの百合子さんがこんな陰湿なあくどいことをするなんて。
こんなものがこのままひかりの手に渡っていたら。
ハァー。
私が諏訪さんに心を許したから。
あの人の優しさにすがってしまったから。
いまさら後悔なんかするな。
君はいつだって自信満々で生きてきたじゃないか。
後悔なんかしないっていつも言い切ってたじゃないか。
私が?俺との結婚もそう。
陽を体外受精で産むときもああいう形でひかりを授かったことだって自分は間違ったことなんかしてないって。
迷ったことなんか一度もないって。
それとこれとは。
諏訪先生とのことがあったからこそここへ戻る勇気だって持てたはずだ。
どんなことであれ俺たちは絶対に後悔のできない選択をしてきた。
そうじゃないのか?ひかりがわが子として10歳の娘として俺たちの間に存在している以上「たら」も「れば」もない。
何一つ後悔なんかできない。
後戻りしちゃいけないんだよ。
分かるわよ。
あなたの言ってることは。
でも私だってそんな強い女じゃ…。
弱音を吐いてる場合じゃない。
百合子さんからひかりを守らなけりゃ。
もし別の形で近づいてひかりに真実を伝えようとでもしたら。
駄目よそれだけは。
ひかりを迎えに行こう。
あした2人で。
行ってくれるの?あなたも。
子供がカワイイのは母親だけじゃない。
ましてあの子は俺にとってホントの娘なんだ。
あなた…。
(愛美)フフフ。
いいねぇ。
ああ。
やっぱりカワイイ。
(ひかり)どう?これ似合う?
(愛美)ああ!カワイイ。
やっぱこっちにして正解だわ。
フフフ。
(ひかり)ちょっと派手な気がするけど。
(愛美)あんたは顔立ちが華やかなんだからこのぐらいのもの着ないと。
うん。
それとも未練があるの?
(愛美)迷ってたもう1着の方。
(ひかり)そういうわけじゃ。
(愛美)ジャーン!こっちも買っちゃった。
えーっ?いつの間に?
(愛美)フフッ。
ほら。
着てみて。
早く。
(ひかり)うん。
(愛美)どうしたの?
(ひかり)何だか私お兄ちゃんに悪い気がしちゃって。
お兄ちゃんがつらい治療で苦しんでるのに私ばっかり叔母ちゃまとこんなに楽しい思いして。
せめて私の骨髄をあげられたら。
あんたが悩むことじゃない。
こればっかりはどうすることもできないんだから。
(ひかり)私がいけないの。
私が最初にやりたくないなんて言ったから。
パパとママが本当のことを話してくれなきゃドナーにならないって自分のことばっかり考えて。
星川先生に助けてもらおうとまで。
無理ないよ。
あんた一人で抱えきれることじゃなかったんだから。
本当のこと言えばもっと私を頼ってほしかったけどね。
法律の専門家に助けてもらおうなんてよく思い付いたなって。
そんなにひかりに頼りにされてちょっとうらやましかった。
星川先生が。
峻君が…。
峻君が言ったの。
星川先生に相談してごらんって。
峻が?それってどういうこと?愛美。
どうしたの?今あなたのところへ行くとこだったのよ。
うちへ?ホントは主人も一緒に行くつもりだったんだけど朝から急患が入っちゃって。
(愛美)お兄さんも一緒に?うん。
待ってらんなくてもう一人で出掛けようって。
何だって2人揃って。
ひかりを迎えに。
そばにいないと不安だから。
あなたが言ったとおりやっぱり百合子さんだったのよ。
Mariaの手紙を送ってきたのは。
吐いたんだ?あの女。
迎えの手間は省けたよ。
ひかりも一緒に来てるから。
連れてきてくれたの?まずお兄ちゃん見舞ってそれからこっちへ来るって。
ああ。
帰るって言いだしたんだよね。
ひかりが急に。
お兄ちゃんが苦しんでるのに自分ばっかり楽しい思いしてちゃいけない。
そう言ってた。
ひかりが。
10年ぶりだ。
この家入ったの。
さすがに敷居が高くて足が重たかったけど。
峻にもちょっと聞きたいことあったしね。
ああ。
峻君。
今日はいないのよ。
あのう。
若手の勉強会に出掛けちゃって。
ああ。
そうなんだ。
うん。
何か心配事?っていうかひかりが妙なこと言うもんだから。
妙なこと?星川先生のところへ行ったじゃない?一人であれこれ悩んだ末に。
うん。
あれ本当は峻にそうしろって言われたからだって。
峻君に言われて?しかも峻のやつ僕がそんなこと言ったって知れたら柳沢家にいられなくなる。
だからそのことは内緒にするようにってわざわざ釘を刺したって。
それっていったい何だと思う?
(ひかり)お兄ちゃん。
ひかり。
ひかりどうした?ママは一緒じゃないのか?
(ひかり)ママ?うん。
いや。
ママお前のこと一人で迎えに行ったんじゃ?知らない。
ひかり叔母ちゃまと帰ってきたの。
えっ?愛美さんと?お兄ちゃんに会いたかったから。
でも起こさなかった。
何て声を掛ければいいのか分からなくて。
ひかり。
パパとちょっと一緒に来てくれないか?・やっぱり出てきてくれたんだね。
院長先生。
信じてた。
病院を辞めるなんて弾みで言っただけだって。
(百合子)あっ。
弾みであんなことは申しません。
ただ立場上無責任なことはしたくありませんから。
入っておいで。
ひかりお嬢ちゃん。
学校が春休みになったからしばらく愛美叔母さんのところへ行ってたんです。
仲いいんだよな。
ひかりは叔母さんと。
ほら。
黙ってないで師長さんにご挨拶しなさい。
(ひかり)ご挨拶?「こんにちは」でも「よろしくお願いします」でも何でもいいから。
こんにちは師長さん。
いつもお仕事お疲れさまです。
今日愛美叔母ちゃまのところから帰ってきました。
これからもよろしくお願いします。
いい子だ。
よくできた。
じゃあ待ってて。
パパすぐママのところへ行くから。
僕からもこのとおり。
お願いします。
どうか聖美を許してやってください。
子供たちのためにどうか怒りをのみ込んでやってください。
院長。
お幕!ひかり。
おかえりひかり。
ママ心配してたのよ。
その節はどうも。
あっ。
どうも。
その節って。
あなたたち10年ぶりじゃないの?
(愛美)ああ。
うん。
(愛美)うちの店に寄ってくれたの。
ついこないだ。
そう目くじら立てなさんなって。
男にはね聞き上手な女の胸を借りたくなるときがあるんだよ。
だから成り立ってるんじゃん?ああいう商売が。
さて。
どうも。
お邪魔しました。
(ひかり)帰っちゃうの?
(愛美)うん。
またすぐに会える。
そうだよね?うん。
それはもちろん。

(波津子)そういうわけにはまいりません。
母さん。
おかえりなさいお母さま。
(波津子)長いことご無沙汰だったわね愛美さん。
お久しぶりです。
(波津子)お変わりもないようで何よりだわ。
(愛美)お母さまもお元気そうで。
峻には相変わらず目をかけてくださってるって聞いていつもありがたく。
(波津子)正直言ってどうかと思ってたのよね。
繁郎も聖美さんもひかりをあなたに預けるなんて。
まあともかく無事に返してもらったんだからよしとしましょう。
ひかり。
こっちいらっしゃい。
(波津子)お互いの平和のためにこれからはまた今までどおりうちはうち。
あなたはあなたということできちんと区切りをつけていきましょう。
およろしいわね?そういうことで。
違うよおばあちゃん。
これからはみんなで仲良くしていくんだよ。
約束してくれたよね?ママ。
ねえ?パパ。
何か理由があるの?おばあちゃん。
何で愛美叔母ちゃまと仲良くしちゃいけないの?何でそんなに叔母ちゃまを嫌うの?
(波津子)いや。
別に嫌ってるわけじゃ。
それがあなたのためだからですよ。
(ひかり)私のため?母さん。
(ひかり)私そんなのちっともうれしくない。
私のためっていうならもっと叔母ちゃまと仲良くして。
ひかり。
(ひかり)教えて。
訳があるならちゃんと話して。
(波津子)いいのよ。
あなたは何にも知らない方が。
理不尽だと思っても世の中にはそういうことがあるの。
知らないことがあなたのためなんです。
お母さま。
知らないことが私のため?何でもないのよひかり。
お母さま。
お稽古お疲れになったでしょ。
あのう。
少しあちらでお休みになった方が。
そうね。
そうしようかしら。
(愛美)もういいよ姉さん。
ゆうべ言ったでしょう?叔母ちゃんは昔っからばあちゃんに出入り禁止ばっかり食らってるって。
あんたの荷物はすぐにまとめて送ってあげるから。
じゃあね。
(ひかり)叔母ちゃま。
待って。
叔母ちゃま。
叔母ちゃま。
何だよ大げさな。
今生の別れってわけじゃないんだから。
ひかりちゃんにはパパとママがいるじゃない。
おばあちゃんも陽もいて人がうらやむような家族がいるじゃない。
叔母ちゃんのことはさておき家族5人が仲良くまとまること。
(愛美)それが一番大事なんだよ。
この家族に生まれて幸せだってひかりちゃんに思ってもらいたい。
(愛美)そのためにパパもママも毎日頑張ってるんだよ。
そういう気持ちをちゃんと分かってあんたにはパパとママに感謝できる子になってもらいたい。
(愛美)それが叔母ちゃんにとって一番うれしいことだから。
ねっ?
(ひかり)叔母ちゃま…。
(呼び出し音)もう。
出てよ。
叔母ちゃま。
何で出てくれないの?
(愛美)《ひかりちゃんにはパパとママがいるじゃない》《おばあちゃんも陽もいて人がうらやむような家族がいるじゃない》
(ひかり)《何か理由があるの?おばあちゃん》《何で愛美叔母ちゃまと仲良くしちゃいけないの?》《理不尽だと思っても世の中にはそういうことがあるの》《知らないことがあなたのためなんです》まだ何か秘密が?
(陽)《何かあった気がするんだ。
お前が生まれたときに》《パパがいてママがいてひかりがいて》《ひかりのそばにはいつもあの人が》
(ひかり)《あの人?》《ひかりの好きな愛美叔母さん》
(ひかり)《叔母ちゃまが?》何があったの?私が生まれたとき。
私ただドナーベビーっていうだけじゃないの?もういい。
食べたくない。
もう少し食べられるといいんだけど。
合ってないのかしらね新しいお薬が。
ママはちょっと先生とお話を。
最近あのころの夢ばっかり見るんだ。
10年前ひかりが生まれたころの夢。
じゃあきっと幸せな夢ね。
カワイイ妹ができてあなたの体もよくなって…。
ひかりは本当に僕の妹?正真正銘同じパパとママから生まれた僕の本当の妹なの?2014/06/18(水) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #57[字][デ]【家族の愛篇〜愚かな母】

陽(上遠野太洸)のドナーとして認められず落胆したひかり(小林里乃)は愛美(三輪ひとみ)のもとへ。聖美(東風万智子)は自分の罪が皆を苦しめていると心を痛め…。

詳細情報
番組内容
 聖美(東風万智子)は、百合子(佐藤康恵)から諏訪(古山憲太郎)がこの10年どんな人生を送ってきたのか聞かされる。そのあまりにみじめな日々に、何も言えない聖美は百合子からの責めを受け入れるしかなかった。
 百合子は病院を退職すると繁郎(原田龍二)に告げて消える。
番組内容2
しかし、聖美と繁郎は百合子がひかり(小林里乃)に接近する可能性があると考え、ひかりを愛美(三輪ひとみ)のもとから連れて帰ることにする。
 ひかりは、愛美と楽しい時間を過ごしていたが、兄が病気で苦しんでいるのに、自分だけ幸せでいいのかと罪悪感を抱くようになる。ひかりは、家に戻りたいと愛美に話すが、ひかりと話していた愛美は、峻(片岡信和)が不可解な行動を取っていることに気づく。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:藤木靖之
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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