(愛川菜々子)ごめんなさい。
遅くなっちゃって。
(溝口真人)慌てなくても大丈夫ですよ。
まだ飛行機の時間まで3時間ほどありますから。
じゃコーヒー。
(ウェイトレス)かしこまりました。
それが…間に合いそうになくなっちゃったの。
(溝口)えっ?車を買ってくださったお客さまがどうしても今日中に契約をしたいから埼玉の家まで来てくれないかって言うのよ。
そんな…!悪いけどニューヨークへは先に行っててくれる?私明日朝一番の飛行機で後を追いますから。
ね?・おい愛川君!
(朝倉洋輔)何をしてるんだ!お客さまが待ってるんだぞ!はい!今戻りますので。
(朝倉)頼むよ。
…仕方ないですね。
じゃあ明日一番の便で必ず来てくださいね。
ホテルで待っててね。
明後日2人でセントラルパークを散歩しましょ。
児玉さんごめんなさい。
(児玉)おい何やってるんだ。
そろそろ出ないと間に合わなくなっちゃうよ。
早く着替えておいで。
ごめんなさい!ご一緒できなくなっちゃいました。
どういうこと!?担当していた患者さんの容体が急変して緊急オペになったの。
それはないだろう!オーストラリアに行きたいって言ったのは君だよ!?・愛川君!パフィアブロンの処理急いでくれ!はい!すぐ行きます!悪いけど先に行っててください。
私明日の飛行機ですぐに後を追いますから。
じゃあ必ずだぞ。
楽しみにしてるわ。
一緒にコアラ見るの。
(ナナ)これお願いします。
今月好調だね。
このぶんだと目標より案外早く1000万貯められるかもしれないね。
(朝倉)でもさあ少し効率が悪くないか?何で?何日もかけてカモから海外旅行のチケットをせしめたって10万15万にしかならないんだぜ。
パパがいつも言ってるでしょ。
「詐欺師は地道が一番だ」って。
ナナ。
これからも2人で地道に働いて2人の夢を実現させましょ。
(ウェイター)本日はこちらの席をご用意いたしました。
(愛川源一郎)ブラジルへ?そう。
1000万貯まったら2人でコーヒー園を買う計画になってるの。
コーヒー園ってひょっとして…。
そう。
私の父が手放してしまったあのコーヒー園。
スミマセン。
(ウェイター)はいただいま。
そりゃよかったね。
亡くなったご両親もきっと喜ばれるだろう。
ねえパパも一緒にどう?いやあ私は遠慮しとくよ。
2人の邪魔はしたくないんでね。
誤解しないでよパパ。
私と洋輔はねホントにそんな関係じゃないの。
そうですよ。
僕たちはただのコンビですよ。
ねえ3人で一緒にブラジルで暮らすなんて最高じゃない?そうしましょうよ。
スミマセン。
(ウェイター)はいただいま。
詐欺師はね死ぬまで詐欺師なんだ。
私は地道に詐欺師としての道を全うするよ。
ああ君。
あのねえこれは何という食材かね?し少々お待ちください。
お客さま大変申し訳ございません。
(ウェイター)どうかこのことはご内分に。
恐れ入ります。
すぐ料理の方お取り替えいたします。
仕事は地道にやらんとな。
(ナナ)そうなのよ。
風邪が治らなくて…。
(咳込むフリ)
(溝口)「でも僕も今日で3日もニューヨークに1人でいるんですよ」ごめんなさい。
もう何てお詫びしたらいいか…。
(咳込むフリ)「わかりました。
もういいですよ!」
(電話が切れる)一丁あがりっと。
さて地道に稼がなくちゃ。
・うわーっ!
(山田史雄)アイター!大丈夫ですか?いや…この階段すべるみたいで…。
靴の修理屋さんですか?いえ。
今度隣に引っ越してきた山田史雄といいます。
ああ…。
一応警視庁東新宿署捜査一課に勤務しております。
捜査一課って…刑事さん!?そのとおり。
この辺も最近物騒ですからね。
何かあったら言ってください。
…はい!
(電話の呼び出し音)「朝倉です」あ私!あの…。
「ただいま電話に出ることができません。
メッセージをどうぞ」
(発信音)菜々子ですけどちょっと面倒なことが起きて困ってるの。
大至急連絡ください。
こんな物騒な部屋1日も早く引っ越さなくちゃ。
(チャイムの音)はい?・警視庁東新宿署捜査一課の山田ですけど。
はーい?何か?いやあの…実は僕が作ったんですけどね。
山田特製引っ越しスパゲティ。
熱いうちに召し上がってください。
(山田)ちょっと寄っちゃった。
(チャイムの音)
(客室係)すみません!失礼いたします。
失礼します。
お客さま?大丈夫ですか!?
(客室係の悲鳴)どうですか?あんまりお口に合いませんか?…おいしい。
でしょう!これ僕のオリジナルなんですよ。
お昼の料理番組を見てて自分でアイデアを出して味付けを変えたんですけど。
料理得意なんですね。
ええ。
食べることと着ることには神経とお金を使う主義なんです。
変わった刑事さん。
あの菜々子さんは何を?えっ?いやお仕事。
ああ…。
まあ平日の午後にこうやって部屋にいるということはやっぱり自由業か何か?まあそうです…。
どんな?どんなって…あの…。
洋裁とか…。
制服専門の?ああそうそう!・
(電話のベル)ちょっと…。
はい。
「俺だ。
朝倉だ」「俺とんでもないことに巻き込まれちゃったんだよ!」どちらにおかけですか?うちピザ屋じゃありませんけど。
何言ってんだよナナ!俺今…。
(電池切れの音)バッテリー…。
もしもし!シーフードピザにアンチョビトッピングして大至急ですって。
マッシュルームじゃなかっただけよかったですねトッピングが。
(ポケベルの音)すみません。
まだ部屋に電話がついてないんで借りていいですか。
どうぞ。
山田です。
ホテルオリオンで殺し?
(パトカーのサイレン)
(鑑識員)おい!
(山田)遅くなりました。
(鑑識員)お前…!何?どうしたの?
(金森主任)バカモン!何やってんだお前!!あスミマセン。
それからその髪はなんとかならんのか。
乱れてますか?あー…こりゃヒドイわ。
撲殺ですか。
(沼沢刑事)死亡推定時間は午後4時ごろ。
監察医の話ではこれで後頭部を殴られたのが致命傷ではないかとのことです。
ホテルの宿泊カードによると被害者は山形正一40歳。
住所は鎌倉市材木座になってますが該当者がないところをみると偽名のようです。
偽名?
(金森)目撃者は?
(高木刑事)発見者の客室係が午後4時ごろに部屋から男が出るのを目撃してますね。
(沼沢)それに凶器から指紋が検出されました。
(鑑識員)主任。
ガイシャのバッグの中にこれが。
(沼沢)これは…。
ガイシャは見かけによらずモテモテおじさんみたいですね。
よし。
これ全部洗うぞ。
ご存じなんですねこの男。
(神山美恵子)伊藤先生です。
(金森)先生?関東法律家協会の顧問をしてらっしゃる伊藤和夫先生です。
ちょっと…。
イテッ!
(金森)いい加減にしろ。
先生には売掛金の取り立てのことでいろいろご相談に…。
でもあんないい方が殺されただなんて…。
もしかして取り立てようとした相手が先生を逆恨みをして殺したんじゃ…。
だったらどうしましょう!?私が先生を殺したようなものだわ!!
(榊るり子)関東法律家協会の伊藤先生ですか?さあ…。
そんな方存じませんけど。
そんなはずないでしょう?榊さんのお名前と電話番号がちゃんと電子手帳に載ってたんですよ。
この男なんですがね。
…井上さんだわ!
(金森)井上?映画プロデューサーの井上良一さんよ!
(山田)プロデューサー!?サチコさん台本!
(山田)恋人たちの橋…。
プロデューサー井上良一…。
主演榊るり子。
刑事さん。
私この映画に女優生命を賭けてたんですよ!井上さんには準備金として300万円も渡していたのに…!どうなっちゃうのかしらそのお金!300万円も…。
(永沢和子)鈴木さんです…。
消費者問題懇談会理事の…。
消費者問題懇談会?ええ…。
すみません。
ちょっと中へ…。
私…1年前に悪徳ローンに引っかかって鈴木さんに助けてもらったことが。
助けてもらったというと?ええ…。
鈴木さんが業者にかけ合って返済を待ってもらったうえに利子まで帳消しにしてくださったんです。
それだけですか?
(和子)えっ?お金をお渡しになったとか。
ああ…あの…お礼として50万。
(井川郁江)そんな…!佐藤先生が殺されたなんて!!佐藤先生。
あらこの人株式評論家の佐藤和夫先生じゃないんですか?あのひょっとしてその男にお金を?ええ。
先日200万預けました。
佐藤先生が勧める株でしたら値上がり間違いないって…。
(金森)関東法律家協会顧問伊藤和夫。
映画プロデューサー井上良一。
消費者問題懇談会理事鈴木弘。
株式評論家佐藤和夫。
(高木)4つの顔を持つ男ですか。
(金森)ああ。
それにホテルで使った山形正一という名前を入れると5つの顔を持つ男になる。
(高木)それじゃガイシャは…。
(金森)ああ。
典型的な詐欺師だ。
でも詐欺師だったらガイシャの指紋に前科があるはずでは?
(辺見刑事)遅くなりました。
(岡本課長)詐欺がらみだから辺見君に応援を頼んだ。
捜査2課としても協力させていただきます。
課長。
グラスと凶器から検出された指紋に前科がありました。
朝倉洋輔36歳。
詐欺で前科が2つあります。
ホテルの客室係の確認も取れました。
(辺見)こいつか…!
(課長)知ってるのか?ええ。
素人相手に詐欺をやってるケチな奴です。
詐欺師同士の殺しか…。
仲間割れですかね。
ガイシャは朝倉と仕事を?ええ。
ガイシャが加わったとなると女相手じゃなく何か大がかりな詐欺を企んでるんじゃないかと。
(課長)よし。
朝倉を指名手配だ。
1班は辺見君と朝倉の身辺調査。
2班は都内の宿泊施設を。
3班は朝倉の現場からの足取りを追ってくれ。
山田。
はい。
お前はいい。
はい?お前は金森君と一緒にガイシャの身元の割り出しだ。
身元の割り出し?たとえ詐欺師でも身元不明じゃホトケさんが浮かばれんだろう。
ええ。
・行くぞ!わかってますよ。
(ナナ)えっ葛飾1DKで9万円!?ここ安かったからなあ…。
(テレビニュース)「昨日新宿のホテルオリオンで起きた殺人事件で東新宿署は犯行現場から立ち去った前科2犯朝倉洋輔36歳を全国に指名手配しました」「なお捜査本部では殺害された40代の男性の身元の割り出しを急いでいます」洋輔…!
(愛川)仲間内の話じゃ朝倉は殺された男と組んで地面に首を突っ込んでたらしいよ。
(ナナ)地面に首を?不動産詐欺だよ。
ああ…。
詳しいことは知らんがあいつはその男と7億円相当の土地を狙っていたらしいよ。
どうして…!?なぜ洋輔そんな男と…。
地道に働いて2人でブラジルでコーヒー園やろうって約束したのにどうしてそんな危険なことしなくちゃいけなかったのよ!?…男を上げたかったんじゃないかな?…男を?あいつはなナナにコンプレックスを持ってたんだよ。
仕事の面ではいつもお前にリードされていたからな。
脇役が主役になりたかったんだろう。
ビッグな仕事をしてお前を見返したかったんじゃないのか?男としても。
バカね…!だからって何も人殺しまですることないじゃない。
そんなことしたら2人の夢が…。
あっ…!!大変だわ!どうしたんだ?カードよ!!もし洋輔が殺人罪で逮捕なんかされちゃったら貸金庫が…!
(愛川)は?貸金庫を開けるのにカードとカギと両方必要なの。
私たち別々に持ってたのよ!マズイなそりゃ。
殺人罪だとヘタすると15年は食らい込むぞ。
困るそんなの!…なんとか洋輔を捜し出さなくちゃ。
「朝倉です。
ただいま電話に出ることができません…」・
(山田)菜々子さん?・菜々子さん。
あれー?こんなところで何してるんですか?何って…その…。
お仕事ですか?えっええそうです!この先の会社に制服のことで打ち合わせに。
山田さんは?ホテルオリオン殺人事件の捜査なんですよ。
被害者の身元がわからなくて困ってましてね。
被害者の身元が?ええ。
そいつ詐欺師らしくて名前も住所も電話番号もわからないから遺族に連絡が取れなくて困ってるんですよ。
そうですか…。
・
(金森)おい山田!早くしろ!
(山田)はい!じゃあ僕もう行きますんで失礼します。
山田さん!はい?あの…今夜一緒に夕食いかが?えっ?あの…昨日のパスタのお礼に今日は私の手料理ご馳走したいなーなんて…。
必ず8時に戻ります!何やってんだ!すみません。
知り合いに会ったもんで。
監察医務院にやってくれ。
ガイシャの身元がわかった。
えっ?早く!
(金森)男は坂本昌弘43歳。
奥さんは坂本のことを外国を転々とするセールスマンだとばかり信じていたそうだ。
セールスマンですか…。
あの…奥さん。
ご遺体の方は…。
これが詐欺師の末路ということですか…。
(辺見)愛川菜々子31歳。
朝倉とコンビを組んでる女です。
通称ナナ。
ブラジルサンパウロの生まれで5歳のときに両親と死別。
母親の遠縁に引き取られて養女になったんですがその養父の愛川源一郎は仲間内で“パパ”と呼ばれる老練な詐欺師です。
なるほど…。
それで詐欺師の世界にどっぷりと浸かることになったというわけか…。
はい。
前科がないということでもわかるようにかなりしたたかな女です。
この女の指示で朝倉は動いていたようです。
朝倉の方がリードされてた?惚れてたんですかねえ。
朝倉が惚れてたとすると彼女に連絡をしてくることも考えられるな。
よし。
この女のアパートを張り込んでくれ。
(一同)はい!
(課長)お疲れさん。
どうだった?遺体を遺族に引き取らせるのにひと苦労ですよ。
今山田が付き添って自宅に運んでます。
そうか…。
実はさっきオーロラ商事という不動産会社から通報があったんだが坂本は朝倉とその会社に不動産詐欺を働いていたことがわかったんだ。
えっ!不動産詐欺!?そうなんだ。
オーロラ商事は不動産コンサルタントを名乗る坂本から時価7億円の土地の転売を依頼されて事件の日その手付けとして1億円の小切手を朝倉に渡したそうだ。
ところが今日調べてみたところその土地の登記簿が改ざんされていたらしい。
じゃあ朝倉はその1億円の小切手を持ったまま逃げてるってことか。
おそらく奴はそれを現金化してこの女と一緒に外国へ高飛びするつもりでは…。
ん?
(課長)どうした?山田?
(チャイムの音)ありがとう。
どうぞ。
へえ〜。
菜々子さんこれ何ていう料理なんですか?ブラジルの家庭料理でねフィジョアーダっていうの。
フィジョアーダ?
(ナナ)そうそう。
黒豆に牛とか豚の内臓を入れて煮込んだ物なんだけど結構いけるの。
食べてみて。
もう腹減ってるからいただきます!ご飯で…これをかけて…。
じゃあいただきます。
(課長)なにい!山田が女の部屋に!?
(無線)「山田の引っ越し先が偶然女の隣の部屋のようなんですよ」そうか…。
あのときの…。
「どうしましょうか?課長」刑事が側にいたら朝倉から連絡があっても愛川菜々子は警戒して動き出そうとしないだろう!山田が女に接触するのをやめさせろ!ちょっと待ってください。
それより名案がありますよ。
菜々子さんブラジルからの留学生だったんですか。
ええ。
両親はサンパウロの郊外でホントに小さな農園をやってたんだけどね。
おじいちゃんとおばあちゃんの国で私を勉強させるのが夢だったんですって。
へえ…。
そのために食べるものも食べないで私に送金してくれて…。
その無理がたたったのねえ…。
私が日本に来て2年目に病気になって死んじゃった…。
そうだったんですか…。
ごめんなさいね。
つまんない身の上話聞かせちゃって。
いえいえ。
はいどうぞ。
ところで捜査の方は何か進展あったんですか?ええ。
実は今回の事件意外と単純なんですよ。
単純?目撃者の証言もあるし凶器の花瓶から出てきた指紋で容疑者の特定もできましたからまあ犯人逮捕は時間の問題なんじゃないかな。
でも逃げてるんですよね?どうやってその行方を?まず潜伏しそうな宿泊施設を片っ端から洗い出すんです。
その次に交友関係を…。
誰か匿ってくれそうな人でも浮かんできたんですか?それが…。
これはちょっと捜査上の秘密なもんで…。
スミマセン…。
そうよね。
私みたいな人にしゃべるわけにいかないわよね。
いやそういうことじゃないんですよ。
でも奴の女性関係は洗い出したんじゃ?女性関係?ええ。
朝倉という男は写真で見た限りですがなかなかモテそうなんですよ。
だから女の1人や2人…。
それは無かったと…。
はい?えっ?は?あっ!どうしよう!ごめんなさい!!私そういえばこの後仕事があるんだ!スミマセン気づきませんで…。
いえいえとんでもない。
ごめんなさいね。
たいしたおもてなしもできなくて…。
いえもうホントおいしかったです。
おやすみなさい。
おやすみなさい。
菜々子さ〜ん。
(チャイムの音)はい。
はい?よう。
…何なんスか主任。
こんな時間に。
たまには山田と一杯やりたくなってな。
ええ?
(金森)いいか?まあいいですけど…。
〔これからも2人で地道に働いて2人の夢を実現させましょ〕・
(電話のベル)もしもし?
(愛川)「私だ」…はい。
はい。
いつもお世話になっております。
ハズレか…。
ハズレって何がハズレたんですか?いや何でもない何でもない。
今夜は飲もうぜ。
ほらグッとやれ。
わかりました。
(ナナ)心当たりは全部捜してみたんだけどどこにも見つからないのよ。
「うーん…。
だったら晴海にある『ひので』という食堂に行ってみろ」ひので?仲間の話じゃ朝倉は最近その食堂にちょくちょく通ってるらしいんだ。
何か手がかりがつかめるかもしれん。
(ナナ)「ありがとう。
明日さっそく行ってみる」それからな警察がお前と朝倉の関係に気がついてるらしいんだ。
行動するときはくれぐれも慎重にな。
はいわかりました。
必ず明日までに仕上げますので。
よろしくお願いします。
ありがとう。
それじゃまたね。
(ミシンの音声テープ)あーあ。
また今夜も徹夜だ。
何の音だ?ミシンかけてんですよ。
菜々子さんが。
菜々子さん?隣は制服なんかの洋裁やってんですよ。
洋裁?ハハハ…!何がおかしいんですか?いやいや別に…。
あーあ急に眠気が。
今夜はここに泊めてもらうぞ。
ちょっと待ってくださいよ。
俺のベッドシングルですよ。
たまには男同士寝るのも悪くないぞおやすみ。
そんな男同士って…。
主任!
(チャイムの音)
(チャイムの音)どなたですか?洋輔…?児玉さん!?よくもだましてくれたな!だますって何のことかしら?
(児玉)とぼけるな!お前が看護婦じゃないってことはわかってんだよ!やめてください何を証拠に…。
(溝口)菜々子さん!溝口さん!?何が「セントラルパークを一緒に散歩しよう」ですか!何が「コアラを一緒に見よう」だよ!最初からそんなつもりなかったんでしょう!
(児玉)とぼけるのもいい加減にしろ!
(ナナ)誤解よそれは!
(溝口)誤解ってじゃあこの人は何なんですか!何なんですかあの声…。
いや…ちょっとした痴話ゲンカじゃないか?痴話ゲンカ…?
(ナナ)やめて!菜々子さん!!ほら金を返せよ!返さないんだったら警察に訴えますよ!・何やってんだお前たち!山田さん!警察だ。
おとなしくしろ。
家宅侵入の現行犯で逮捕する。
刑事さん!?ちょうどいいや。
この女詐欺罪で逮捕してくれよ!
(山田)なに?この人はうまいこと言って僕たちから海外旅行のチケットをだまし取った詐欺師なんですよ!菜々子さん…?…えっ?ホイ。
まあそう気を落とすな。
女は彼女だけじゃないんだぞ世の中。
お前みたいな若くていい男だったらその気になりゃ恋人はいくらだってできるさ。
いい加減にしてくださいよ!・
(課長)山田!ボクはね別に彼女のことで落ち込んでるんじゃないんです!…そりゃ彼女が詐欺師だって知ってショックでしたよ…。
好きだったんだろう?ええ…。
違います!!僕が本当にショックだったのはですねみなさんがそのことを僕に内緒にしてたことなんですよ!!そりゃね僕はドジでロン毛のチョンマゲ刑事かもしれませんよ。
だけど隣りにいる女を張り込むのに僕に内緒にしてる必要ないじゃないですか!そんなに信用できませんか!?確かにお前の言うとおりだ。
悪かったな山田。
俺からも謝る。
な!だからさ今までどおりお前の部屋使わせてくれないか。
わかりました。
(金森)そうか!お断りします。
(金森)えっ?僕を信用してない人と仕事したくないしプライベートに仕事を持ち込まない主義ですしやれと言われるからやってるけどチョンマゲだって大嫌いなんです!…失礼します。
だいぶカッカきてますなあのチョンマゲは。
何が「プライベートに仕事を持ち込まない主義」だ!それより愛川菜々子の方はどうだった?さすが“愛川のパパ”が仕込んだだけあってしたたかな女です。
叩けば起訴に持ち込めないこともなかったんですが朝倉の連絡を待つ意味もありますし証拠不十分で釈放することにしました。
よし。
あの女から目を離すな。
(悲鳴)
(店員)朝倉さんなら3日前にみえたのが最後ですけど…。
ああそう…。
朝倉さんがどうかしたんですか?いや別に何でもないんだけどもしまた彼が来たら私に連絡もらえるかしら?・ついでに僕にもお願いできますか?お願いできますね?
(店員)はい…。
(ナナ)うまくやったと思ったのに案外やるじゃない?詐欺師の君にほめられたくないね。
ハハ怒ってんの?当たり前じゃないか!君が僕に近づいたのは朝倉の情報を聞き出すためだったんだろ。
そんなのおあいこね。
おあいこ!?あなただってトボけた顔して私のトコに朝倉が連絡してくるのを張り込んでたんでしょ?あれは主任たちが勝手にしたことで何も聞かされてなかった。
なに?あなた私のこと聞かされてなかったの?…おかしいかよ?
(ナナの笑い)勝手に笑えばいいだろ。
こうなったら俺の手で朝倉を捕まえて主任たちをギャフンと言わせてみせるから。
見てろよ!…協力してあげましょうか?…はい?
(金森)ここに戻ってこないかねえ。
あの女我々をまいて朝倉と会ってるんじゃ…。
おい!よし行くぞ!主任!
(金森)山田!?あのバカ何やってんだ!本当なんだろうな?朝倉から連絡があったら真っ先に僕に教えてくれるって。
ええ。
信じられない。
君はあいつの恋人じゃないのか?そんなんじゃないわ。
じゃあどんなんだ?ただの仕事のパートナー。
パートナー?でももういいの。
あんな奴と関わってたらロクなことにならないもの。
だったら何であいつの行方を捜してたんだよ?…自首させようと思ったの。
自首?あんな奴でも10年パートナーを組んでたのよ。
少しでも罪を軽くさせてあげたいと思うじゃない。
ねえお願い。
あいつから連絡が来たらあなたも一緒に行ってくれない?えっ?私が話してあいつ自首させるから。
えっ?山田があの女とまた一緒に!?ああ。
金森の話ではもう1時間も女の部屋から出てこないそうなんだ。
まさか我々に反発して1人で手柄をたてようとしてるんじゃないでしょうね?ずいぶんカッカしてたからな。
そう思っても無理はないかも。
…マズイですねえ。
そういう人間が一番詐欺に引っかかりやすいんですよ。
詐欺に?愛川菜々子は何かを企んでるに違いありません。
山田がそれに引っかからなきゃいいんですけど…。
こんな時間か…。
もうかかってこないかも。
えっ?朝倉私に黙って不動産詐欺なんて仕事して私に後ろめたい気持ち感じてるんじゃないのかな。
後ろめたい気持ちって?朝倉はね何かでっかい仕事していつも「地道にやろう」って言ってる私のこと見返したかったのよ。
だから朝倉がこんなことになってしまった責任の半分は私にもあるような気がして…。
そうか…。
君が朝倉を自首させたいと思ってる気持ちはよくわかった。
僕でよかったら協力させてもらう。
…ありがとう山田さん。
あごめんなさい。
起こしちゃった?あの…もう少し休んでたら?菜々子さん…。
・
(電話のベル)一緒に聞いてて。
もしもし?
(朝倉)「俺だ」
(ナナ)洋輔…!事情は知ってるだろうけどでも俺はあいつを殺してなんかいないんだ!信じてくれよナナ!…信じるわ。
とにかくこれからどうするか会って話しましょう。
ね?「じゃどこに行けばいい?」そうね…。
「2人の夢」がいいな。
「『2人の夢』?」ホラ2人でよく行った銀座にある「2人の夢」っていう名前の喫茶店があるじゃない。
あそこでよくコーヒー園をやる夢を話したじゃない。
その店の前で…そうね9時。
いいわね?9時よ。
「2人の夢」でだから。
お願い山田さん。
あなた1人だけで来てくれないかしら。
…わかった。
あんまり大勢で張り込んでたら自首したくてもできなくなっちゃうもんな。
ありがとう…。
知り合えて…あなたと知り合えてよかった…。
じゃあ俺ちょっと着替えてくる。
(携帯電話の音)おい朝まであの女の部屋で一体何やってたんだ!なに!?でも彼女が僕に教えたのはウラがあるに違いありません。
僕はだまされたフリをしますからよろしくお願いします。
よーしよくやった!これで朝倉が逮捕できれば署長賞もんだ。
(山田)「ありがとうございます」じゃあ一応尾行はするが適当にまかれるからうまくやれ。
わかりました。
詐欺師にだまされるかってんだ…!やっぱりつけてきたっと…。
すみません左に曲がってください。
あっちあっち。
向こうまわれ。
向こうだよ!捜一よりPS山田たちが予定どおり我々をまきました。
(課長)「こちらは辺見君たちが『2人の夢』という喫茶店に向かっている。
合流してくれ」
(金森)はい了解。
さすが!刑事辞めて詐欺師でもやっていけるんじゃない?
(ナナ)運転手さん停めてください!!何!?どうしたの?ごめんなさい。
緊張したら急にお手洗いに行きたくなって。
トイレ!?そこの公園だから。
ちょっと待ってて。
僕も行く。
すみません開けてください。
ちょっと行ってくる。
今行くから。
中までついてくるつもり?いや…そんな…。
大丈夫よ逃げたりしないから。
逃げたって「2人の夢」には別の刑事さんが張り込んでるんでしょ?…知ってたの?あなたがそれほどお人よしの刑事さんだとは思ってないわ。
(無線の呼び出し音)金森です。
(課長)「妙なことになった」「報告では銀座に『2人の夢』という喫茶店はないそうだ」なんですって?「愛川菜々子は何か企んでる」「至急山田と連絡をとってくれ」わかりました。
(ポケベルの音)山田です。
今ですか?今は新宿にある公園ですけど何か?え?彼女が僕をだますため嘘の場所を教えたって言うんですか?待ってくださいよ。
仮にそうだとしたら朝倉と彼女はどこでおちあうんです?朝倉の携帯はバッテリーが切れているんですよ。
こっちからは連絡とれませんよ。
僕はトイレにまで張り付いているんです!その僕をまいて朝倉に会いに行くなんて…。
今の掃除のおばさん…。
「掃除のおばさんがどうかしたのか?おい山田!?」東都銀行本店まで。
…アッチャ〜!おいナナ!おい!私の暗号わかってくれたんだ。
「2人の夢がここの貸金庫に預けてある」っていうのがナナの口癖だったもんな。
よかった…一時はどうなることかと思ったけど…。
…ナナはその通帳に会いたかったのか?…え?ナナは俺のことを心配してじゃなくてこの金が手に入らなくなるから俺に会いにきたんだな…。
だって…洋輔がもし十何年も刑務所に入ることになっちゃったらその間このお金…。
俺はやってない。
俺は坂本を殺してなんかいないんだよ!洋輔…。
とにかくどういうことか話して。
もういいよ!ナナは俺のこと貸金庫のカードを預かっている男ぐらいにしか見てないんだろ?ごめんなさい…。
でも洋輔だって私と地道にやっていくのがそんなにバカバカしかった?…別れたかったんだよナナと…。
俺だって男だぜ。
いつまでもナナの助手としてやっていくのが嫌になったんだよ。
俺は坂本から仕事の話を持ちかけられたときすぐにそれに飛びついた。
この男についていけばナナと…自然に別れることができると思って…。
…ところがそれも失敗して警察に追われることになった。
だけど…俺は坂本を殺してなんかいない!〔坂本さん?朝倉ですけど…〕〔…坂本さん!?〕
(朝倉)俺が部屋に戻ったとき坂本はもう死んでたんだ。
(客室係)〔すみません!〕
(朝倉)客室係に顔を見られたのはそのときだ。
でも…凶器の花瓶に洋輔の指紋がついてたって。
えっ!?指紋が?死体を見つけたときも昼に行ったときも俺は花瓶なんか触ってない。
昼にも行ったの?…ああ。
12時に小切手を受け取る打ち合わせをするためにな。
(朝倉)ビールで乾杯して20分ほどで俺は部屋を出た。
〔それじゃあよろしく〕〔はい〕…ちょっと待って。
ホテルの部屋って普通ほとんどオートロックじゃない?ああ。
じゃあホテルに戻ったときどうやって部屋に入ったの?どうやってって……開いてたんだよ。
ドアの間にスリッパが挟まってた…。
もしかして…犯人はわざとドアにスリッパを挟んでおいたんじゃ?だって洋輔が戻ってきても中に入れなかったら犯人にできないもんね。
…クッソ〜!!そういうことだったのか…!でも…まだよくわかんないんだけど。
え?だってホテルに戻ったのはたしか4時だよね。
ああ。
1時に小切手を受け取ってから4時まで3時間もあるのにどうしてすぐ戻らなかったの?そうしたかったんだけど出かけるときになって「4時までは都合が悪い」って坂本が言ったから。
…ちょっと待てよ。
うん?俺が戻ったとき坂本はバスローブになって死んでいた。
バスローブ?…女!えっ?あいつはよくあのホテルに女を呼び出していた。
たぶん俺が出ていくのと入れ違いで女が来ることになっていたんだ。
それで「4時までは都合が悪い」って言い出したんだ。
じゃあ…。
…その女だ。
坂本を殺したのはその女だよ!そいつは俺が4時に戻ってくることを坂本から聞いて知っていたんだ。
それで俺を犯人にしようとしたんだ。
あいつの関係していた女がわかればな…。
…よし!それは私が調べる。
…えっ?だって真犯人がわからなかったら洋輔が殺人犯にされちゃうもんね。
…じゃあ俺のこと信じてくれるのか?これ…預けとく。
私たちコンビでしょ。
コンビは相手を信用しなきゃ。
ナナ…。
(田中久美子)やめてください!もう朝倉さんに構わないで!久美ちゃん…。
(久美子)朝倉さんは私が守ります。
じゃあ俺はこれで署に戻るからな。
待ってくださいよ。
彼女が戻ったらどうするんですか?朝倉の居どころは?あの女が戻ってくるわけねえだろ。
今ごろは朝倉と一緒に高飛びの相談をしてるころだよ。
…えっ?俺たちはなあの女の作戦にまんまとはまってしまったんだ!…なんだよ!チクショ〜ッ!!今度会ったら詐欺罪犯人隠匿罪公務執行妨害で絶対逮捕…。
おい山田!うるさいなもう!あれ!あれ!あれってなんだよ…!おい!よくも僕をだましてくれたな!朝倉は一体どこなんだよ!よせっ!主任…。
朝倉と一緒に高飛びしたんじゃなかったのか?…するつもりだった。
洋輔と一緒にブラジルに行くつもりだった…。
でもあいつにはもう私は必要じゃなかったのよ。
あいつにはもう別の人がいたの…。
…別の人?…私ってバカね。
あんなことまでしてあいつに会いに行ったのに…。
あいつが他の子と一緒に沖縄に行くためのお金を渡しに行っただけだったんだもんね…。
ありました!夕方のAAL901便の乗客リストの中に朝倉洋輔と田中久美子の名前があることが確認されました。
愛川が言うことは本当だったのか…。
おそらく沖縄から台湾ルートを使って高飛びするつもりですね。
沖縄へ飛んでくれ。
(辺見・高木)わかりました。
笑っちゃうでしょ私のこと…。
あなたをだまして…警察だまして…ようやく会えたと思ったら…他の女の子がいたなんて…。
…また触った。
え?この間から気づいてたんだ。
君が人をだまそうとするとき必ず髪の毛に手をやるのを。
…そう?ハハッ…詐欺師に癖ね…。
ハハッ…詐欺師が嘘を見抜かれたら終わりね。
僕は君に二度もだまされた。
君を信用できなくても当然だろ。
そうね。
あの食堂の子のことも私の作り話よね。
君のことだ。
僕の同情をひいてまた何か企んでるんだろ?…そうね。
そうかもしれないわね…。
コーヒー冷めちゃった。
もういいよ。
熱いの今入れるから…。
もういいって!入れるから。
…ああっ!!うわっ!?おいおい…。
…ごめんなさい!!もういいよ自分で洗濯物に出すから。
でもあの…シミになっちゃうからとりあえずシミ抜きだけでもしとかなきゃ…。
ああ…シャツまで…。
ごめんなさい。
脱いで…あの着替えてきて…。
一体何を企んでいるんだ?…え?僕が着替えに戻ってる間に朝倉と連絡をとろうという気だろ?そうね…そうよね…!これ…持ってってよ!わかったよ…。
(ドアが閉まる音)山田の奴まだあの女を追ってるんですか?何度もだまされてるから気持ちもわかるが…。
でも朝倉は女と沖縄ですよ。
あの女が接触するわけないでしょう。
(課長)はい一課。
ああ辺見君朝倉の手がかりはつかめたか?えっ?朝倉が東京に!?うん…うん…。
…わかった。
戻ってくれ。
どうしたんですか?
(課長)那覇空港で調べたら朝倉らしい男が沖縄に着いた途端折り返しの東京行きに乗ったんだ。
田中久美子も一緒のはずだ。
彼女のアパートもあたってくれ。
(金森)わかりました。
…あれ?なんで彼女がここに来るんだよ?・
(郁江)失礼ね!私には関係ありません。
出ていってください!失礼ね。
私はそんなこと知らないわよ!出てってよ。
いや…ちょっと…。
いいかげんにしてよ!今度来たら警察に電話するわよ!なんでだ…なんで彼女たちのことを…?…あっ!〔おいおい…〕そっか〜!あのとき俺の手帳を見たんだ!永沢和子さんですよね?あなたでしょ?ホテルオリオンで坂本って人を殺したの。
何を言うんですか突然…。
証拠…あるんですよ。
それが知りたかったら今夜7時にホテルオリオンのあの部屋まで来てもらえますか?いいかげんにしてください。
あなた何言ってるの?これ以上言いがかりつけると警察に連絡しますよ。
(永沢耕平)和子どうした?
(和子)ううん何でもないわ。
・
(山田)何が目的なんだ?…あら山田さん。
また俺をだましたな。
警察手帳盗み読みして彼女たちに会って一体何を企んでるんだよ?おい!他の3人にも同じことを言ったんだろ?だからあんなに怒ったんだ。
違うか?だってそれが目的だもの。
えっ?真犯人じゃなかったら怒るのは当たり前だし真犯人だったらホテルに来るでしょ。
何バカなこと言ってんだよ。
坂本殺しの真犯人は朝倉だろ。
違う…。
本当の犯人はね彼女たちの中にいると思う。
本気で言ってんの?本気よ。
朝倉が坂本のこと殺すはずないもの。
証拠は?ドア。
ドア?朝倉がホテルに戻ったときにねドアが開いてたんだって。
下にスリッパが挟んであって。
(鑑識員)〔おい!〕そうしておけば自動ロックのドアでも開けて中に入れるでしょ。
それに坂本はバスローブを着てたっていうじゃない。
男と会うのにシャワーなんて浴びる?1時にオーロラ商事で小切手を受け取ったらすぐに戻ってこいと言うのが普通のはずなのに4時まで用事があると言ったのはあの部屋で女の人と会ってたからじゃないかしら。
…でもこれはみんな私の空想に過ぎないしどうして凶器の花瓶に朝倉の指紋が残ってたのか説明できない。
でもそれも犯人がホテルに来ればわかるかもしれないでしょ?お願い私と一緒にホテルに行って犯人が来るのを待ってくれない?…ことわる。
刑事として憶測だけで行動はできないしそれに…君のこともう信用できない。
…そう。
わかった。
どうしてなんだよ?朝倉は君を裏切って他の女と逃げてるんじゃないか。
何でそんな奴の言うこと信じて無実を晴らそうとするんだよ?そうね…でも詐欺師の私にも一つぐらい信じられるものがあってもいいでしょう。
(ポケベルの音)山田です。
(課長)「朝倉を都内で逮捕した」「すぐ戻ってこい」朝倉を都内で!?
(パトカーのサイレン)
(金森)何?やってないだと?そんな言い訳通ると思うのか?本当なんですよ刑事さん!
(金森)だったら凶器の花瓶に何でお前の指紋がついていたんだ?そんなこと俺は知りませんよ。
(刑事)とぼけるな!!やっぱり愛川菜々子を監視したかいがあった。
ああ。
朝倉は愛川に指示されて沖縄からとんぼ返りしたそうだ。
岡本さんそれじゃあ彼女は何も知らずに2人のカムフラージュに使われたってことに?おそれいったよ愛川菜々子には。
我々もだまされ続けたな。
そんなんじゃない!!朝倉さんは私のことを愛してくれてるのよ!
(課長)どうした?妙なことになりましたよ。
朝倉は愛川に内緒であの子と北海道に逃げる計画を立てていたようです。
(課長)北海道?
(辺見)ええ。
愛川と貯めていたこの金を持って逃げようとしていたらしいです。
君それは本当なのか?本当よ!通帳に800万あるから2人で静かに暮らそうって朝倉さんは言ってくれたわ!
(愛川)じゃあどうしても真犯人を捜し出すつもりなの?だってこのままじゃ洋輔が殺人犯にされちゃうもん。
そりゃあいつは私とのコンビから抜けようとしたけれどもでもあいつはあいつなりに焦ってるんだと思うの。
今あいつを助けられるのは仲間の私たちしかいないと思うのよ。
(ため息)お前はね詐欺師として成長したと思っていたんだがまだまだだな…。
…どうして?詐欺師というのはたとえ仲間でも信用しないものなんだ。
パパ…。
悪いことは言わないから朝倉と関わり合いを持つことだけはやめなさい。
ごめんパパ…。
今回だけはパパの言うことに背く。
…菜々子!?あまいかもしれないけど私だけは洋輔を信じてあげたいの。
(客室係)〔すみません!〕偶然だったのかしら…?
(朝倉)知らないんですよ。
お願いしますよ!〔本気よ。
朝倉が坂本を殺すはずがないもの〕〔詐欺師の私にも一つぐらい信じられるものがあってもいいでしょ〕〔本当よ!通帳に800万あるから2人で静かに暮らそうって朝倉さんは言ってくれたわ!〕だましたんだよ!!ナナが俺に通帳を渡したそのとき俺は思ったんだ。
ナナがいつも俺に言ってる「2人の夢」…。
…2人の夢?もううんざりしたんだよ!
(朝倉)その女と楽しくやった方がいいんじゃないかと思ってね…。
詐欺師は仲間だってだますんだよ!!いいえ。
あのときはこちらのお部屋のお客さまから指をケガしたので薬と包帯を持ってくるよう電話がありましてそれでここを通りかかったんです。
でも事情聴取がありましたのでしばらくしてお部屋に伺ったらチェックアウトされた後でして。
そのお客さんて女性じゃありませんでした?ええ。
(チャイムの音)…はい。
・メッセージが届いております。
はい…。
騒ぐと殺すぞ!!…あなた!?
(永沢)〔和子どうした?〕
(和子)〔ううん何でもないわ〕永沢和子さんが犯人だったの!?あんた誰なんだ?私は朝倉の友達よ。
詳しい動機はわからないけどあなたの奥さんが朝倉を犯人に仕立てて計画的に坂本を殺したんでしょ?だからあなたここに来たんでしょ!!どうしてそう思うんだ?あなたの奥さんは朝倉が4時に戻ることを坂本から聞いてたのよ。
だからその直前に坂本を殺してドアにスリッパを挟んで部屋を出たのよ。
そして朝倉を確実に犯人にするために客室係を目撃者にすることを考えタイミングをみて客室係を呼んで朝倉と鉢合わせをさせた。
どう!?間違ってる?…いや間違ってない。
けど…坂本を殺したのは和子じゃない。
…え?俺だよ。
えーっ!?だけど俺は坂本を殺してなんかいないんですよ!信じてください刑事さん!!…何が「信じてくれ」だよ。
信じてほしいんだったらな人を裏切ったりするなよ!!いいか…愛川菜々子さんはな…お前みたいなクソ野郎のことを信じてな…命がけで真犯人を捜そうとしてんだよ!!そんな人のことを裏切ってお前平気なのか!!おいっ!!
(金森)ほらはなせ山田!俺は坂本が許せなかった…。
あいつは最初から和子を食い物にするために近づいてきたんだ。
1000万の借金で苦しんでいる和子に「100万出せば利子を帳消しにしてやるから」と言って…。
ところが…先週また裏金融が1000万の取り立てにやってきた。
俺はそのときはまだ何も知らなくて…それで和子が坂本に「話が違う」と迫ると…あいつは「借りたものは返すのが当然だろ」って開き直ったそうだ。
和子は保証人になっただけで金なんかもともと借りてないんだよ。
だからって殺さなくたって…。
それだけじゃないんだよ!!あいつは…借金のことを夫の俺に話すと脅して…無理やり嫌がる和子を…。
(泣き声)後でだまされたと知った和子は…自殺までしようとしたんだよ!!…自殺!?それで…そのとき初めて俺は和子からすべてを聞いてあいつ殺そうと思った…。
あいつは金だけじゃなくて…俺たち夫婦までむちゃくちゃにしたんだよ!あの日…あんたの知り合いの朝倉って奴が12時と2時にここに来ることを知って…そいつを犯人に仕立てようと…。
(坂本)〔それじゃあよろしく〕
(永沢)俺は和子に電話をかけさせて朝倉との約束の時間を変更させた。
(永沢)そして俺は和子の代わりにあいつの部屋へ行った。
〔どうぞ〕〔何のお話でしょうか?〕〔私は奥さまが「会いたい」とおっしゃるからお会いしていただけですよ〕
(笑い)
(永沢)人を殺すのなんて思ったより簡単だった…。
(永沢)坂本は客が来るとビールをとることを聞いていた俺はそのグラスに残った朝倉の指紋を利用した。
そっか…それで洋輔の指紋が花瓶に…。
…指紋のことを知ってたんじゃないのか?ごめんなさい…。
…だましたのか?実は私詐欺師なの。
人をだますプロなのよ。
お願い自首して。
警察もあなたの気持ちわかってくれると思うから。
うるさい!!俺たちは何も悪くないんだよ!殺すぞ!俺たちの幸せを壊す奴は…みんな殺す!!・
(和子)やめて!!もうやめて!!和子!?私が…私がバカだったのよ!あなたその人は関係ないわ!もうやめましょう!!和子!こいつも詐欺師だ!!また俺たちをだまそうとしたんだ。
この女も俺たちの幸せを壊そうとしてるんだ。
あなたっ!!や…やめて…。
…あなた!やめて…!!・
(山田)ここを開けろ!!山田さん!!菜々子さん!警察だ!貴様を殺人及び殺人未遂容疑で緊急逮捕する!クソーッ!菜々子さん逃げて!逃げて!!
(和子)あなたやめて!!やめてお願いだから…。
和子…。
(和子の泣き声)
(和子と永沢の泣き声)大丈夫ですか?よかった…。
これで洋輔の疑いが晴れる…。
(パトカーのサイレン)怖かった…。
山田さんの声が聞こえたとき涙出そうになっちゃったもん…。
でもありがとう。
…信じてくれたんだ。
どうしたの?せっかく犯人が逮捕されたんだからもう少し喜んでもいいのに…。
…朝倉を逮捕しました。
…そう。
食堂の女も一緒でした…。
…まただましちゃってごめんなさい。
でもあの子が洋輔のこと好きだって言うから「力になって」って頼んだの。
菜々子さん…。
悪いのは全部私。
あの子は協力してくれただけだから。
山田さんの力でなるべく早くあの子を釈放してあげて。
それから洋輔にも伝えてほしいの。
殺人罪は晴れても詐欺の共犯でしばらく刑務所でしょ。
「出てくるの待っててやる」って。
「出てきたらまた一緒に2人の夢頑張ろうね」って。
あいつを待つことないよ。
あんな奴ほっとけばいいんだ。
…山田さん!ちょっと…待ってよ。
山田さん!一体どうしたの?バカだよあんた…。
あんな奴のために命までかけたりしてさ。
あいつあんたの気持ちなんか全然わかってないんだ!あいつはね…あいつはあんたの通帳のお金…。
やさしいね山田さんて…。
でも私が勝手に…あいつを信じたかっただけだから…。
いつも人をだましてる私が…ちょっと人を信じてみたくなっただけだから…。
…やっぱり慣れないことはするもんじゃないわね。
菜々子さん…。
やっぱり詐欺師は…詐欺師らしくしなきゃいけないのかな…?あいつに預けた通帳は偽物!本物は私が持ってる。
だから心配しないで。
ありがとう。
すみません!今すぐどかします。
そこにちょこっとだけ用事が…。
ダメです。
3時間近く経ってます。
今もうレッカー来ますから。
2014/06/18(水) 13:05〜14:56
ABCテレビ1
女詐欺師!愛川ナナの殺人捜査[再][字]
密室に五つの名前を持つ死体!だましのテクニックが真犯人を追いつめる
詳細情報
◇出演者
斉藤由貴、二谷英明、榊原利彦、大澄賢也 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0×0818)
EventID:724(0x02D4)