9NHK俳句 題「水中花」 2014.06.18

「NHK俳句」の時間です。
今日は冒頭から申し訳ありません。
6月1日の放送の中で間違いがありました。
ご紹介しましたこちらの俳句作者が違っておりました。
正しくは澁谷道さんです。
おわびして訂正致します。
それでは第3週の選者櫂未知子さんです。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
今日の兼題は「水中花」ですけれども水中花といいますと…。

(「愛の水中花」)この歌をすぐ思い出してしまいます。
そういう方多いでしょうね。
でも実際の水中花というのは非常に素朴な物でありましてポトンと水に入れてその涼しさを楽しむというね。
こういう…花といいましょうか紙で出来ている花なんですけども。
造花ですね。
造花ですね。
おもりもついてますね。
そうですね。
ではゲストをご紹介致します。
今日のゲストは宇宙飛行士の毛利衛さんにお越し頂きました。
ようこそお越し下さいました。
どうぞよろしくお願いします。
毛利さんのお手元にも水中花ありますのでどうぞ水の中に…。
入れてみましょうか。
開きますね。
開き始めました。
いかがですか水中花というのは?涼しげですよね。
それで私この泡がとても好きなんですね。
泡が後から上がってきますよね。
いかがですか?小さい頃などは。
よく子どもの頃夜店で買って金魚鉢に入れたんですね。
その金魚鉢の中でまた金魚と共に映えるんですよね。
金魚なんか一緒に入ってるとまた涼しげで花を慕っているようで楽しそうですよね。
そうですね。
実は毛利さんも櫂さんも北海道の余市のご出身だそうなんですよね?同郷でらっしゃるんですね。
今度のNHKの「朝ドラ」で今度余市が舞台になりますので皆さんご覧頂きたいと思います。
今日は俳句をまたよろしくお願い致します。
実はご自身もお作りになるという事ですのでご披露頂きます。
櫂さんの隣ではとてもそれは言えません。
楽しみにしております。
それでは入選句ご紹介してまいります。
まず1番です。
これ私美容院に行った事がないのでよく分からないんですが…。
床屋さんでも同じかもしれませんけれども美容室というのは美容師さんとお客さんが面と向かって話し合うという事はあまりなくてお客さんも鏡の中見ながら自分の顔を見ながら髪を見ながら美容師さんとお話しをするというそういう雰囲気がよく出てるんじゃないかなと思ったんですね。
今どきなかなか水中花がある美容院はないですよね。
昭和のにおいのあるような古い美容室のイメージでこの句を選びました。
では2番です。
この句は非常に分かりやすい句ですよね。
先ほど入れてもらって分かったと思うんですがまさしくこのおもりが角砂糖のようですよね。
最近はあんまり角砂糖って入れなくなりましたので。
飲み物に入れなくなりましたのでその意味でも懐かしい作品ではないかなと思われました。
ポトンという感じがいいですね。
そうですね。
3番です。
歌謡曲のイメージからかなと思った作品なんですが。
夜のお勤めなんでしょうねきっとね。
どんな職業かは何も言ってないんですがこれから仕事に行くんだという感じが水中花と共に相まって水中花が応援してるような感じが致しましたね。
「夕日にをんな」って何となく色っぽいですよね。
そうですかね…夜とは言ってませんからね。
なるほど。
今度は4番です。
まるでこう自分に…社会の中で淡々と生きているという水中花になぞらえてるような感じがしますよね。
ラテン語の名前も付いてません。
水中花だというだけなので。
どの花にも似ていませんしね。
そういう意味で非常に発想の転換というかこれは思いつかなかったですね。
あまり派手ではないですね。
そうですね。
地味な物でございますので。
でも健気に淡々と水の中に咲いて。
今度は5番です。
これどのように解釈できるんでしょうかね?「喪の家」ですよね。
喪中でお葬式をやっていて…やっていてというか誰かが亡くなられたばかりのおうちで水中花もやはり何か…水を欲しがっているのか悲しんでいるのか。
でもちょっと「水がいたく減る」というのは怖いですね。
ちょっと怖いですけども。
これも珍しいタイプの句だったと思います。
でも亡き人を非常に偲んでるという事でしょうね。
そうなんでしょうかね。
では今度は6番です。
子どもだと思っていたのに気が付けばすっかりお年頃になっていてまた1つ2つと化粧品が増えていく。
マスカラが増えるとかあるいは香水なども増やしてるかもしれませんね。
子どもの成長とともにそれはうれしいんですけどもまた心配事も親心増えていくという感じがとても出てますよね。
そうですね。
今度は7番です。
先ほど「をんな出勤す」の句がありましたけれどもそれの続編のような感じですね。
昔からあった古いバーか何かのイメージでしょうか。
気が付けばお客さんも店主も年を取っていたなという句ですね。
水中花は何かずっと何十年も水の中入ってるような句ですよねこの句ね。
何か共感されますね私も。
そうですか。
ずっと水中花は見てるんですね。
そうですね。
8番です。
これも発想の転換といいましょうか「水」と「水中花」の取り合わせというのはよくあったんですけれども「東京の水」と言ってきたというのがちょっと驚きましたね。
今水道水は東京の水とてもおいしいんですよ飲み物として。
でもそういういいものばかり飲んでいるともっと世間の事を知る事の大事さも必要かなという句が感じられますよね。
東京の水でも十分経験たくさんできそうですけどね。
刺激が多そうですから。
なるほど。
そういう解釈もありますね。
今度は9番です。
台湾の方だからという訳ではないんですが憂鬱の「鬱」という字確かに画数多いんですよね。
これを一生懸命書いている間に気が付けば水中花が開いてしまったと。
何とも言えぬユーモアのある句ですね。
字面からは逆のイメージの句といいましょうか。
台湾から投稿されてるという事はこの番組が台湾でも見られてるんですか?ええ。
よく鄭さんは投稿して下さいますけれどもね。
でもちょっと「鬱」という言葉が気になりますね。
調べてみたら辞書の意味では「生い茂る」という意味もあるらしいんですね。
ですから字に対していい意味でのこだわりのある台湾の方ですからこういう句を思いついたんじゃないでしょうか。
以上が入選句でした。
それでは特選をご紹介する前に「俳人のことば」をご覧下さい。
(清崎)朝吟行に出かけまして露をいっぱい置いたあぜ道を歩いた。
ある所まで来ると道がなくなってあぜが続いているばかりだというんですね。
これはうら枯れとかあるいは枯れという時期であったならばこんな所に興味を持つ訳はないので。
だから露を詠んだ句と言ってもいいでしょうね。
清崎敏郎は吟行に出かけると一点を見つめ30分以上も動かなくなる事がありました。
そういう時は腰を据えてふさわしい言葉が浮かぶのを待っていたといいます。
敏郎62歳の作品です。
(清崎)花鳥諷詠というのは私の主張なんですけれどもこういう俳句の究極というものはつまり「自然随順」という人生感といいますか人生態度に行き着くんだろうと思いますね。
つまり天地自然の運行に心を任せてそれに処していくと。
そういう態度ですね。
清崎敏郎は大自然の成り行きに身を任せそれに従って生きる事を大切にしました。
それでは特選句です。
まず第三席はどちらでしょう?遠藤米子さんの句です。
二席の句です。
中川大典さんの句です。
一席はどちらでしょう?鄭元彪さんの句です。
この句…「鬱」の字の画数数えてみますと29画。
大変です。
そうですよね。
29画の字を書いてる間に開くという…見た事のない発想の句です。
すばらしい句だと思います。
以上が今週の特選でした。
ご紹介しました入選句とそのほかの佳作の作品はこちらのNHK俳句テキストに掲載されます。
俳句作りのためになる情報も参考になさって下さい。
続きまして「入選の秘訣」です。
入選までのあと一歩を教えて頂きます。
今日のポイントは?まず真ん中の七音の部分とあと意味をしっかりと読者に届けるという事を考えてみたいと思います。
ではこちらの句でお願い致します。
よく見ますと真ん中がちょっともたついているんですね。
「水面の鏡に」という事でまず八音になっている事が一つ。
更にはわざわざ「水面の」まで言わなくても別の言葉がある訳ですね。
ちゃんと古来からある言葉で「水鏡」という言葉がございます。
あとちょっとこうすると形があまりよろしくありませんので語順を…言葉の順番を変えたいですね。
ただしこのままでも少し意味がとりにくい部分があるんですね。
どういう事かと言いますと「映している」…己を映しているのは作者なのかあるいは水中花なのかがちょっと分かりにくいと思われませんか?その辺りももう少しはっきり明確にしたいですよね。
俳句というのは明確にした方がいいんですか?私は余韻を残していろんな解釈をするのがいいのかなと思ってたんですが。
というか余韻と明確さというのはまた別だと思うんですね。
俳句というのは断定の文芸ですからしっかり断定しなきゃいけないんです。
なるほど。
私の今までの作った俳句を見直さないといけないですね。
大いに見直して下さい。
どうぞ参考になさって下さい。
さあそれでは櫂さんの年間のテーマですが「日本の季語遺産」ですね。
今日はこちらの「水中花」です。
この素朴なよさというんですか最初の頃は分かってなくてもっとけばけばしい物なのかなと思っていたんですがそうではなくてこれだけすっきりとした愛らしさ何か初々しい女の子のような感じですよね。
そこでただ造花でありますからいつまでも散らないんですよね。
散らないし枯れないという事。
ですからそれを描いた句がありまして。
こちらの句ですね。
応募されてきた句が「あせないから寂しい」とかそういうのを描いていた作品が多かった中でこの後藤比奈夫さんの作品は水中花の気持ちになって水中花だって花を終えたいのではないかという心を描いた大変やさしい句だと思います。
私は生きた花を水に入れても水中花かなと思ってたんですがそうではないんですね。
専ら造花ですね。
そうですか。
造花だから悲しいというんでしょうか切ない句になるんだと…。
終われないと切ないという事ですよね?そうです。
引き際を知らない花といいましょうか。
だからそういう意味では散れない事が悲しいというのをやっぱりよく理解して頂きたいと思いますね。
今毛利さんから生きた花とおっしゃいましたが実は皆さん毛利さんは1992年にスペースシャトルで宇宙に行かれた時にこんな実験をしてらっしゃるんですね。
ご覧頂きたいと思います。
桜の花のつぼみなんですね。
それを水球に入れたんです。
これは無重力ですから水は球になって浮きますよね。
その中に入れて果たして花が開くかどうか桜の花開くかどうかがね…。
宇宙というのは科学技術の空間ですから味気ないですよね。
そういうアメリカの中心の社会の中で日本の伝統をお見せしたいなと思ったんです。
見事…。
きれいに。
でも科学者としても意味があって果たしてそのつぼみが水球の中に入るかどうかあるいはそれが開くかどうかというのもとても興味があったんですね。
よく入るものなんですねあんなふうに。
どうして…?水とそれから桜のつぼみの方も実はあらかじめ濡らしておいてきちっと吸い付くようにしておいたんですけども中に入るかどうかあるいは表面の外にとどまるかどうかはやってみなければ分からなかったんですね。
いかがでした?あんなふうに中できれいに花が開きました。
本当にゆっくりと開いていく様子予想以上に科学者としての喜びがありましたね。
見事に。
ましてあんな丸い大きい水の球ですよね。
実際には水の大きな球を作る事さえ難しいんですね。
下手をすると飛び散ってしまって小さな粒になってしまうんですね。
パラパラパラッとなってしまうんです。
ですからゆっくり飲料水のストローからアルミパックに入れないと水というのは宇宙に持っていけませんのでストローからゆっくりゆっくり出してパッと切り取って水球が大きく出来たところでそれも動いちゃいけないんですね。
無重力ですからどこかふわふわ行ってしまうかもしれないので動かないような状態にしてゆっくり入れると。
大変だったんですよ実はこれは。
地上では訓練できませんのでね。
そうですよね。
できないんですか?やっぱり無重力の部屋を作ってもなかなかできない?無重力の部屋が作れれば宇宙に行く必要ないですよね。
そっか…。
失礼致しました。
地上では無重力が出来ないというところが難しさですね。
子どもたちとの授業の一環の中で宇宙授業でおやりになったんですね。
はい。
その時のうれしさを詠まれたんでしょうかご自身の俳句をここでご披露頂けませんでしょうか。
先ほど水中花は人工の…造花ですのでこれは本当の桜の花を持っていきましたから「水球花」という新しい言葉を作ってみました。
「短夜」という季語に込めた思いというのはどういうものなんでしょうか?夏の季語ですけども地上にいると夏至に近づいて日が長くなったという短夜だと思うんですけども宇宙で地球の周りを回ってると僅か90分で1周します。
そうすると夜は非常に短いんですね。
本当に短いんですね。
それで30分間くらいなんです。
あっという…居眠りもできない。
その30分間の間にこの実験をしなければいけないというそういう制約もあるんですよね。
なおかつやはり宇宙に行くという事自体が私の夢でしたしそれを果たしてそのあと実験をするというのは現実ですよねそれを成功させる。
短い間に。
しかししたい事はたくさん山ほどあるという思いが込めててなかなか地上の方々に理解して頂くのは難しいかなと思いますね。
まさしく宇宙俳句ですね。
でもこの「水球花」という言葉いかがですか?まあまあですね。
造語としてはいい出来だと思われます。
まさしく水球花ですもんね。
まさにそうですよね。
季語はないんですね実は。
本当に地球を見てるとたまたま「短夜」という夏にしましたけれども北半球は夏でも南半球通る時にはもう冬ですので四季が見る事ができるんですね。
私はたまたま秋と冬に日本の上空を通ったんですね。
秋はどんな感じだったんですか?日本は。
秋は青々と茂ってるというばかりではなくて全体が茶褐色の…。
紅葉の色がやっぱり…。
日本はすごく森林が多いんですね。
茶褐色になっていて冬は今度は富士山がとっても白くはっきりと見えたんですね。
すごいですね。
そういう意味で砂漠の上もよく通るんですけども四季がある日本というのが宇宙から見ても「いいな」と思いました。
じゃあ改めて四季のよさを実感されたんですね。
四季を表す言葉が季語でございますのでやっぱり俳句とも通じるものがありますね。
四季が見られるという事がね。
ありがとうございます。
それではここで投稿のご案内をさせて頂きたいと思います。
さあ「箱庭」ですが今お手元にあるんですね。
いろんなタイプの箱庭があるんですが今回は毛利さんに合わせましてちょっとヒューストンな感じにしてみましたが。
砂がきれいですね。
砂がありまして。
サボテンが…何でしょうかね?これはエアプランツといいまして雨のあまり降らない所でも大丈夫という。
箱庭いろんな季節をつくる事ができるんですね。
できますね。
基本的には夏の季語なので夏らしさ涼しさでありますとか緑が生い茂っている感じをよく出すというのは普通のように思われます。
ここに池がありますけど私はコイを動かしたいです。
コイを泳がせて…。
随分大きいですね。
船より大きいというね。
ついでに富士山も置きたいです。
すごいですね。
さっき冬の日本をご覧になったとおっしゃいましたもんね。
宇宙から見た感じでしょうか。
何か箱庭というのはある小宇宙みたいなものなんでしょうかね。
自分の表現したいもの本物の庭があるにもかかわらずわざわざ小さいのを作ってみるというのはやっぱりこれも一つの表現方法だと思われます。
例えばこの辺でこう…模様を作ってみるとか。
俳句というのは見たものを言葉で表現しますよね。
でもこの箱庭というのは割と言葉では表現苦手な方が何か自分の心を映し出すという事が可能かもしれないですね。
そうですね。
私もしゃべるの苦手だからどちらかと言うとここで砂をかいてる方が好きですね。
いろんな思いを込めた俳句を「箱庭」こういう兼題でお寄せ頂けたらと思っています。
今日は本当に貴重なお話をありがとうございました。
毛利衛さんにゲストにお越し頂きました。
ありがとうございました。
それでは最後に番組からのお知らせもう一つこちらです。
どしどしお待ちしております。
それでは今日はこの辺で失礼致します。
2014/06/18(水) 15:00〜15:25
NHKEテレ1大阪
NHK俳句 題「水中花」[字]

選者は櫂未知子さん。ゲストは宇宙飛行士の毛利衛さん。今回の題は「水中花」だが、毛利さんは宇宙で別の水中花を作った経験があるという。果たしてどんな花だったのか?

詳細情報
番組内容
選者は櫂未知子さん。ゲストは宇宙飛行士の毛利衛さん。今回の題は「水中花」だが、毛利さんは宇宙で別の水中花を作った経験があるという。果たしてどんな花だったのか?【司会】桜井洋子アナウンサー
出演者
【出演】毛利衛,櫂未知子,【司会】桜井洋子

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ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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