賢く使うという、こういうことなんだろうというふうに思います。
関口博之解説委員でした。
次回は中谷日出解説委員と共にお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
(テーマ音楽)日本の夏といえば…タレント夏川純さんが京都で「ゆかた美人」案内人にゆかたの楽しみ方を教わります。
今回も京都からお届けします。
前回はゆかたの着付けを学びましたが今回はゆかたで出かけた時のマナーを学びたいと思います。
案内人はこの方です。
北川幸と申します。
よろしくお願いいたします。
今回の案内人は…着物の白生地を作る会社の3代目です。
着物の多くは蚕が生み出す絹で織られています。
その絹のすばらしさを伝えるため北川さんは「絹の白生地資料館」を開いています。
絹織りなどはお蚕様の命より生み出される非常に希少なものです。
とても大切なものですので私はその魅力を伝えたいと思っております。
…という着物への熱い思いを込めて北川さんがゆかたのマナーと美しく見える立ち居振る舞いを教えてくれます。
今日は私ゆかたのマナーとか全然詳しくないので心強い味方が出来てうれしいです。
ありがとうございます。
ただね私がお伝えしようと思っておりますのは私が母から学んできた事なんですね。
そんなに難しい事ではないです。
ただ洋服と着物ではやはり少し美しさの見え方が変わるという事もありますのでその辺のポイントを押さえてお伝えできればなと思います。
よろしくお願いします。
私はこれで「ゆかた美人」度ますますアップできるように頑張ります。
ゆかたのマナーをお話しさせて頂く前に着物とゆかたの違いを少しお話ししたいと思うんですけどよろしいですか。
まずそこですね。
ゆかたというのはね昔は「湯帷子」っていったんですよ。
浴室の中で肌を見せるのも少しためらって麻の単物をお召しになってたと聞いているんですね。
今でも「浴衣」って書きますでしょ。
ですから湯上がりに着るっていうのがもともとの原形になるんですね。
そうだったんですね。
昔の人はふだんお昼は着物…。
昼間とかは着物を着て夜お風呂上がりにゆかた。
そういう事になるんですね。
初めて知りました。
従いましてゆかたの方はやはりふだん着でお家着だという事。
それから夕方から夜にお召し頂くものだっていう事をまず押さえて頂きたいなと思うんですね。
なるほど。
でも確かにゆかたでお出かけする時って例えば花火大会だったりとかお祭りだったりとかやっぱり夕方から着てるイメージがあるんですけどもそれは昔からの流れで…?そうなんですね。
もともと湯上がりに着ていたゆかたを時代が進むにつれ昼間からも着るようになりました。
今では夏の装いの代名詞のようにさえなっています。
ちなみに先生が着ているゆかたなんですけどお着物にも似てますよね。
着方が。
そうなんです。
私の装い方と夏川さんの今の装い少し違うと思うんですね。
その違いのポイントはまずこの兵児帯。
すごくキュートでかわいらしい兵児帯なんですけれどもこれはふだん着のイメージです。
夕涼みに行って頂く。
お祭りのゆかたというイメージになりますね。
私の場合はお下駄ですけどこういう時は足袋を履いておりますね。
それ気になってたんです。
足袋を履くタイミングが分からないんですが。
「よそゆきゆかた」として例えばよそのお家に伺う時など素足のままではやはり失礼になりますのでそういった時は足袋をお持ちになるか履いていかれるっていう事が大事になると思います。
ちょっと変えるだけですごく「よそゆきゆかた」になってますね。
夏のカジュアルな装いとなったゆかた。
今は素材や着こなし方を選べばよそゆきとしても着る事ができます。
その着分け方をご紹介しましょう。
肌着の上にゆかたを着て素足に下駄を履きます。
素材は綿がお薦め。
アクティブに動いて汗をかいても洗濯機で洗えます。
ゆかたも帯も思いっきり色や柄で遊んでみましょう。
小花模様のゆかたに3色の生地を縫い合わせた個性的な兵児帯を結ぶ。
…なんてポップなコーディネートも「ふだん着ゆかた」ならではです。
野外コンサートやスポーツ観戦など夏の遊び着として「ふだん着ゆかた」を満喫しましょう!「よそゆきゆかた」は絹紅梅や綿絽など上質な素材を選び普通の着物のように装います。
色や柄は多少冒険しても大丈夫!きちんとした中にも少し崩してラフに楽しめるのもゆかたの特権です。
足元は下駄でオーケーですが足袋を履きましょう。
ゆかたの下には襦袢を着ます。
襦袢に付けた半襟で更にグレードアップします。
帯をお太鼓に結べば気軽なランチパーティーや観劇など通常の夏着物のように着る事ができます。
ふだん着とよそゆきはゆかたそのものを変えなくても着分ける事ができるんですよ!この私のゆかたでもよそゆきのゆかたにできるんでしょうか?グレードアップする事はもちろん可能です。
半幅帯をお締めになって半襟を付けましょう。
そうするだけでだいぶイメージは変わってきますよ。
では私もチャレンジしてみたいと思います。
そうしましょう。
今の夏川さんは「ふだん着ゆかた」の装いです。
しかしほんの少し変えるだけで「よそゆきゆかた」に変身しました。
さてどこが変わったのでしょう?よ〜く見比べて下さい。
変わったのはこの3か所です。
まず足元。
足袋を履きました。
カジュアルだった兵児帯を半幅帯にチェンジ。
そして襟元。
半襟を付けました。
これだけでふだん着からよそゆきに変われるんですね!先ほどのふだん着のゆかたと同じ素材なのに装い方でコロッと印象が違いますよね。
ワンランク上の着こなしもすごくお似合いです。
しっとりした感じですてきですね。
この「よそゆきゆかた」の姿でしたらお昼間からお友達とランチをして頂くとかショッピングにお出かけになっても大丈夫ですよ。
例えばゆかたで行けない場所とかあるんでしょうか?それはもちろんです。
紋付きで行かないといけないような場所。
例えば…やはりカジュアルな装いがゆかたでございますからね。
そしてゆかたを着ている時のマナーを教えて頂きたいのですが。
ゆかたといえども和装ですから洋装の時とは少し違う気遣いをして頂きたいと思います。
心得があって相手に不快感を与えないようなしぐさであるとか所作が身についているとよりすてきですよね。
是非学んで実践して下さい。
まず立ち方をご説明したいと思いますけれども洋服の時でしたら少し片方の足に重心をかけ足を投げ出す姿勢もむしろかっこいいと思う事もあるじゃないですか。
でも和装になるとまずつま先は少しつけるぐらいにします。
重心は少し前に乗せましょう。
背筋をピンと伸ばしまして肩は力を抜きましょう。
とてもきれいですね。
北川さんのこの理想の…。
ではやってみて下さい。
ではまずちょっと足を内股ぐらいですか…内側に。
つま先を少しつけて下さい。
そして背筋を伸ばし…。
前に重心を乗せるんです。
背筋をピンと伸ばして下さい。
それで肩の力を抜く。
しっとりとして女らしいです。
ほんとですか。
うれしいです。
ワンランク上の装いもすごく似合っていらっしゃいますよ。
洋服の時にはかっこいい立ち姿ですがゆかたには似合いません。
「ゆかた美人」を目指すならスーッと背すじを伸ばします。
そして両足のつま先をつけ少し内股にして立ちましょう。
立ち姿がうまくいきましたので今度は歩き方をやってみましょうか。
はい。
姿勢は先ほどと同じままに…ではやってみますね。
お願いします。
夏川さんどうぞ。
北川さんとてもきれいでした今。
できるかな…。
はい。
はい。
よくできていると思います。
でもまだぎこちない感じはありますが…。
いえいえ。
十分自然にできていたと思いますよ。
あまり意識し過ぎてもおかしなものです。
いつもよりは少し歩幅を狭めに。
そしてつま先がやや内向きに下駄を引きずらずという点を気を付けて頂ければ十分美しい所作に見えます。
是非やってみて下さい。
はい。
ありがとうございます。
洋服の動きより少し控えめにするのがコツ。
慣れれば美しく見えますよ!よそのお宅に伺った時お玄関ではどのように上がられてます?普通だとこうですか?こう靴をそろえながら意識して脱いでますね。
できれば前から上がって頂きたいんですよ。
ちょっとやってみますね。
お願いいたします。
前から上がります。
膝を折って…。
この方がきれいでしょう?きれいですね。
では夏川さんやってみて下さい。
前から上がって頂いて振り返り…。
そうです。
これはお洋服の場合も同じですよ。
お洋服の場合も本当は前から上がるんですか?そうです。
振り返って履き物をそろえて下さい。
なぜ後ろから上がるのは駄目なんですか?訪問先でせっかく出迎えて頂いた方に早速お尻を見せてしまうというのはどうでしょう?ちょっと失礼ですよね。
そうですね。
前から上がってやはり少し膝を折り整えるという方が所作としてより美しいと思います。
これを覚えておくといいですね。
是非実践してみて下さい。
落とし物を拾う時もちょっとした気遣いが大切です。
上前の襟下に少し手を添えて腰をかがめ落とし物を拾いましょう。
両手で受けて立ち上がるとよりきれいですよ。
お尻を突き出して物を拾うとあまり美しくないですね。
やはり膝を折ってきれいなしぐさで物を拾いましょうね。
お電話に夢中になっていると肘がむき出しになっている事があります。
美しくありませんね。
ちょっと直してみましょう。
袖口にそっと手を添えるだけで美しい所作になります。
ゆかたには袂がありますから前の物を取る時にもそっと袖口に手を添えましょう。
持ち物として是非心得ておきたいものをご紹介したいと思います。
ハンカチはできれば大小2枚お持ち頂きたいですね。
1つは袂などに入れておきまして汗拭きとして使って頂きたいですしもう1枚は大判のものを膝に掛けて頂いてお食事やお飲み物をこぼさないように持って頂くと安心かなと思います。
それからゆかたの時は巾着などのバッグをお持ちになってると思いますけれど途中で荷物が増えたりお土産を買ったりする事もあると思います。
ふろしきを1枚ご用意頂くと「心得美人」ですよね。
あともう一つ。
おかばんの中に足袋または足袋ソックスを入れといて頂くといいと思います。
お祭りに行かれる時などは当然素足に下駄を履いておられると思いますがその帰りお立ち寄りする事になった時など足袋ソックスがあると安心ですよ。
玄関でスッと履くと本当の「ゆかた美人」ですね。
是非試してみて下さい。
「趣味DO楽京都で磨くゆかた美人」
ではお家に上がらせて頂きました。
それではお家の中でのマナーを教えて頂けますか。
畳の場合気を付けないといけない事は畳の縁を決して踏まないように歩幅の調整をして下さい。
このように…。
なるほど。
では私も少し歩いてみます。
どうでしょう?そのように気を遣って頂けると美しい所作でよろしいですよ。
続いては?お座敷に上がらせて頂きましたらたとえ座布団が置いてあってもはやばやに座ってはいけません。
まずご挨拶しましょう。
そのためには座らなくてはいけませんよね。
まず上前の襟下に手を添えて座ります。
相手様の目を見て頭を下げるのではなくて心を下げる。
謙虚な気持ちで「お招きありがとうございます」というふうにご挨拶頂けるときれいだと思います。
頭の下げ方は…それ以上下げても丁寧なようでかえって襟足が見えて美しくないですね。
ではやってみてもらえますか。
私もやってみます。
ほとんどきれいなんですけど…重ねるのではなく自然に。
そうです。
角度はこれぐらいで大丈夫でしょうか?大丈夫です。
十分丁寧なご挨拶ができていると思います。
ありがとうございます。
それでは椅子に座ってみましょう。
椅子に座る時は浅めに腰を掛けます。
深く座ってもたれてしまうとせっかくの帯が潰れてしまいますね。
気を付けましょう。
座っている時の足元ですが…ただ長時間座っていると疲れますよね。
右か左どちらかを前後に。
このようにすると少し楽ですよ。
疲れてきたら反対にしてみて下さい。
くれぐれも足を組まないで下さい。
うちわのあおぎ方も「ゆかた美人」に見えるよう少し注意してみましょう。
ゆっくりとそよそよと優雅にあおぐ方がバタバタと慌ただしくあおぐよりもずっと涼やかです。
扇子でのあおぎ方も同じ事です。
優雅にゆっくりとあおぎましょう。
小さな気遣いで印象は大きく変わりますよ。
袖口が丸見えにならないよう少し手を添えるのもいいですね。
車に乗る時は腰から入ります。
両足をそろえて脇線を少し持ち上げて座席に腰を下ろし上前に手を添えて座り直して下さい。
はい。
きれいになりました。
良くない例をご紹介しましょう。
前から乗ろうとして足を掛けるとふくらはぎが丸見えになりますね。
この乗り方では優雅に見えない上に着くずれの原因になります。
やめておきましょう。
マナーといってもそれほど難しい事ではありません。
ちょっとした気遣いで相手に不快な思いをさせませんし自分自身も美しく見えますよね。
心掛ける事で…マナーはいろいろと教わりましたが例えばお出かけした時に着くずれが気になるんですけども直す方法などありますか?一日お召しになっていますと当然着くずれてきます。
上手に直せば「ゆかた美人」ですよね。
着くずれやすいポイントを3つ挙げますね。
ではまずどちらから直していきましょうか?お座敷に座ってから立ち上がりますとどうしてもおはしょりがよれてしまいますね。
そんな時はまずおはしょりを下に引きます。
それから帯下に手を通して左右に引っ張っていきますとおはしょりがピッと元どおりきれいになってますか?はい。
続いては…。
襟の緩みを直してみましょうか。
こちらの下前の緩みを…それから上前の襟を帯の方に差し込んで頂けますか。
それから襟をスッと後ろになでましょう。
はい。
すっきりときれいになりました。
なるほど。
きれいになりますね。
過って裾を踏んでしまうと裾が下がってきてしまいますね。
では直していきましょう。
まずおはしょりを上に持ち上げます。
腰ひもが見えますか?こちらの方に下がってしまった分を押し上げて下さい。
そうです。
徐々に上がってきました。
元の位置に戻りましたよ。
おはしょりを元に戻して下さい。
はい。
きれいに元どおりです。
着くずれもばっちり直せるようになりましたしマナーもよく教えて頂いたのでこれで怖いものなしですね。
京言葉で「はんなり」っていう言葉聞かれた事ありますか?「はんなり」聞いた事はあるんですけどもよく意味は…ちょっと分からなかったです。
「はんなり」は「花なり」に通じるんですけれどももちろん「華やかで美しい」という事を指すとともに心得があって所作が美しく立ち居振る舞いも伴っているという事を言うんですね。
是非「京都で磨くゆかた美人」という事ですので…。
私もはんなり「ゆかた美人」目指したいと思います。
でもせっかく今日はマナーを学んだので早速町に出て実践したいんですけどもどこか連れてって下さい。
京都といえば鴨川ですね。
いいですね。
夕涼みに行きましょうか。
ご一緒させて下さい。
お願いします。
(テーマ音楽)2014/06/19(木) 10:15〜10:40
NHK総合1・神戸
趣味Do楽 京都で磨く ゆかた美人 第三回▽ゆかたでお出かけ TPO別マナー[解][字]
夏のファッションに欠かせない“ゆかた”。タレントの夏川純さんが“和の聖地”京都でゆかたを楽しむ技を習う。第三回はゆかた美人度アップのマナーと立ち居振る舞い。
詳細情報
番組内容
夏のファッションに欠かせない“ゆかた”。タレントの夏川純さんが“和の聖地”京都で、“着付け・着こなし・最新トレンド”から、さまざまな楽しみ方まで、“あこがれの浴衣姿で夏をエンジョイする技”を習う。第三回は、マナーと立ち居振る舞い。恥をかかないために知っておきたい“ゆかたと着物の違い”と、ちょっと気をつけるだけで“美しく上品に見える日常の身のこなし”を、絹文化・和装研究家の北川幸さんが伝授。
出演者
【出演】夏川純,小國真由子,【講師】絹文化・和装研究家…北川幸,【語り】根岸昌史
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – ファッション
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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