こんにちは中井貴一です。
「今日のランチは何にしようかな?」なんて考えるのもサラリーマンの楽しみの一つ。
ところが4年間ほぼ毎日同じパンを食べ続けてるというちょっと変わった男性がいたんです。
それがこの方。
植田啓一さん45歳。
この格好さてはダイバーだなと思ったあなた。
甘い!植田さんの仕事相手はこの水槽に暮らす巨大な海の生き物たち。
全長9mはある…ヒラヒラ泳ぐ…触診したり泳ぎ方や皮膚の様子を観察したり。
今私触診と言いました。
もうお分かりですね?実は植田さんは海洋生物を専門に扱う水族館のお医者さん。
優雅に魚と泳いでいるように見えますがただいま診察の真っ最中。
植田さんの職場は海洋博公園内にあるこちらの水族館。
大学卒業後この水族館で獣医として働くようになって今年で18年目。
ちなみに入社当時からこのサーファースタイル。
金髪に個性的な眼鏡が定番なんだとか。
ちょっといいですかね?もう45ですよね?そろそろ落ち着いた方がってね?上司の皆さんもぶっちゃけそう思ってるんじゃないんですか?違います?植田さんのように海洋生物を専門に扱う獣医は国内に僅か40人ほど。
その中でも植田さんは国内一二を争う腕利きの獣医といわれているんだとか。
その訳は植田さんのチャレンジ精神と飽くなき探究心。
2008年11月。
世界で初めてナンヨウマンタの赤ちゃんをエコーで確認する事に成功したんです。
人の赤ちゃんを見られるならナンヨウマンタの赤ちゃんも見られるはずと植田さん自ら上司を説得し水中でも使用できるエコーを特注したんだとか。
泳ぐナンヨウマンタの邪魔にならないよう背中からエコーを当て撮影。
それがこの写真。
分かります?ヒレを丸めたマンタの赤ちゃん。
これには国内外の獣医さんたちも驚いたんだそう。
植田さんやるじゃないですか。
現在はいまだ謎が多いジンベエザメの健康管理に取り組んでいます。
これから採血。
内臓機能や血液成分を調べるんです。
海水と血液が混ざらないように工夫された注射器を使い血液を採取。
採血するのは左右の胸ビレから。
全長9mのジンベエザメにそっと張り付き任務を遂行します。
抜き取った血液はすぐに研究室へ。
聞けばジンベエザメの血液からも血糖値や中性脂肪などのデータがとれるそうです。
でもデータ数が圧倒的に少ない。
だから人間のように健康不健康を示す適正値がまだ解明されていないんだとか。
さあそろそろサラメシの時間。
とはいえ館内はお昼どきも大にぎわい。
なのでランチは交代制。
(三線)優雅な音色に誘われて行ってみると三線を奏でる皆さん。
ここ水族館の中でしたよね?聞けばこちらは芸能部に所属するスタッフの皆さん。
下は20代から上は60代まで。
昼休みの1時間。
会議室で伝統楽器の練習をしたりお昼を食べたり。
ほうナポリタン。
ランチタイムを有効活用。
なかなかすてきな職場ですね。
さて肝心の植田さんはというとこちらも一段落ついたところで昼ごはん。
4年間毎日この明太子ポテトパン一筋。
診察のため朝夕2回潜るから胃に負担がかからないようパン1個と決めているんだとか。
いや別に疑ってる訳じゃないんですよ。
4年もず〜っとこのパンだけ?毎朝出勤前と聞き確かめに行っちゃいました。
おはようございます。
確かにブレてない。
でもねブレないのには植田さんなりの訳があるんです。
なるほどね。
お昼にいつものランチが待っているから仕事で誰よりもいろんな事にチャレンジできるのかもしれませんね。
いつもの明太子ポテトパンがず〜っと無くなりませんように。
誰にでも昼は来る。
弁当箱の中にドラマを探して東へ西へ。
お弁当ハンターこと…今回は鹿児島県西部の港町阿久根市へ。
この町にあるスポーツを支える小さな工場があるんです。
失礼します。
カメラマンの阿部と申します。
工場見学に参りました。
あっこんにちは。
村井さんですか?はいそうです。
初めまして。
並んでいたのは野球の…ここは有名メーカーのグラブ製作を請け負う工場。
世界中のプロ選手のグラブも数多く手がけています。
特に愛用者が多いのが本場メジャーリーグ。
その精巧な作りにほれ込んだ200人以上の選手がこちらのグラブを愛用しています。
グラブを作るのは20代から70代50人の職人たち。
気分はストライク!ストライク!
(シャッター音)その腕前とお弁当をのぞき見です。
(村井)ここから始まる訳ですよ。
この時期は主に一般販売用のグラブを作製。
一つのグラブに必要なパーツは実に40個以上。
牛革に金型を当て職人が一つ一つ切り出していきます。
手のひらの部分にしなやかな革が来るように。
一枚一枚状態が違う革からどのパーツをどう切り出すのか。
自らの目と手で見極めます。
裁断から完成までの工程は40以上。
職人は一つの工程を専門に受け持ちます。
最も難しい工程の一つが指の部分の縫製。
担当する西田さんはこの道44年。
野茂英雄選手などの名選手のグラブも縫ってきた大ベテランです。
パーツの間には補強のための革ひもを挟むので縫い代は僅か1mm。
縫い目が乱れればグラブがゆがみ手の力が伝わりにくくなってしまう。
大切なのはミシンを動かす足とパーツを送る手のリズム。
こちらはグラブの縁にパイピングを施す工程。
担当するのは元高校球児…ボロボロの爪は任された工程を日々成し遂げてきた証し。
グラブ作りは手仕事の結集。
縫い合わせた指の形を整える人。
それを裏地に張り合わせる人。
ハンマーで革をほぐす人。
職人の手を渡る度平面だった革が立体的な手の形に生まれ変わっていきます。
華やかなプレーを支えていたのは持ち場への責任。
こまやかな手仕事のリレー。
さあお待ちかねお弁当の時間です。
お疲れさまです。
50人のうち弁当派は1/3。
お昼になるとそれぞれの職場から休憩室へ集まります。
うわうまそう。
仕上げ担当の江野さんは毎日愛妻弁当。
大好きな野球の仕事がしたいと46歳にしてグラブ作りの世界へ。
この日はホウレンソウのゴマあえにブロッコリー炒めニンジンとインゲンの肉巻き。
夢を後押ししてくれる妻の野菜たっぷり弁当。
更にランチタイムには欠かせない相棒が…。
中途入社で心細かった昼休み初めて声をかけたのが年下の先輩外戸口さんだった。
以来野球好き同士選手やプレーの話に花を咲かせながら食べているんだとか。
こちらにもお弁当を並べる2人が。
(阿部)向こうで一緒に食べないんですか?ベテランの西田さん川畑さんは工場の机が指定席。
40年以上共に食べてきたというお弁当には地元の食材がぎっしり。
川畑さんのメインは鹿児島の特産黒豚の豚カツ。
一方西田さんは地元の漁師さんから頂いたという海の幸がギュギュッと。
(阿部)うわすごいですね。
ちょっと待ってちょっと待って。
頂き物をね。
(阿部)ウニにアワビですか?
(西田)そうです。
(阿部)すごい…。
川畑さん面白いですね。
何で?気の合う仲間と食べれば自然と笑顔がこぼれる。
だから今日もあの人とお昼ごはん。
世界中のプロも愛するグラブ工場で出会ったのは手仕事の技を支えるこんなお弁当たちでした。
さて1/3が弁当派だったこの工場ですがお昼は自宅へ帰る方も。
その一人が社長の村井英明さん。
なんと44年間お昼は決まって自炊だそうで。
気になったんで社長のお昼見せて頂きました。
聞けばもともと大阪にあった会社を44年前この地へ移転。
以来家族を残し単身赴任生活なんだそうです。
えっ44年単身赴任ってほぼ1人暮らしって事ですよね?本日のメインはずばりウインナーソーセージ。
そして一押しの簡単アイデア料理だそうです。
ほうこれはカット野菜。
(阿部)生卵ですか?これはお好み焼き?うん?更にパラパラと振りまいたのは塩昆布。
…でこのままラップして電子レンジへ。
ほう確かに簡単ではありますが。
おいしいんでしょうかね?これ。
友人から教えてもらい10年以上食べ続けているお気に入りのメニュー。
半熟卵をからめて頂くそうです。
お昼は手早く簡単に。
これが44年の単身生活を経てたどりついたサラメシの境地。
社長ごちそうさまでした。
あの人も昼を食べた。
彼女が足しげく通ったのは事務所から歩いて5分のイタリアンレストラン。
昼どきになるとあの声が響いた。
「こんにちはお邪魔しますね」となじみの従業員に必ず声をかけ窓際近くのいつもの席へ。
半世紀にわたり昭和の心を歌い上げたお千代さんこと歌手島倉千代子。
初めて訪れたのは10年ほど前。
いつもカジュアルな装いでコンサートの打ち合わせをしていたという。
お気に入りは季節の野菜が入ったトマトソースパスタ。
みんなと分け合って食べたいからと注文はいつも多め。
ニンニクの匂いを気遣って必ず打ち合わせの終わりに頼んだ。
そしてもう一品。
特製の窯で焼き上げるマルゲリータ。
実は大のイタリアン好き。
とりわけピザにはお千代さん流のちょっとしたこだわりが。
1cmの厚さに伸ばすところを半分の薄さに。
トッピングは甘みが強いチェリートマトにモッツァレラチーズ。
店内に広がる香ばしい香りを楽しみながら好物の登場を談笑しながら待った。
仲間と共に大皿を囲みながらの昼ごはん。
運んでくれた従業員には必ず「ありがとう」のひと言を添えて。
仲間たちに取り分けるのもお千代さん自ら。
パリパリの生地を笑顔で頬張る姿が印象的だったという。
いつもわがままを聞いてくれた店主へのサプライズプレゼント。
心配りが彼女らしい。
これが島倉千代子が愛した昼ごはん。
ごちそうさまでした。
今日もお相手は中井貴一でした。
・
(蓮子)はなちゃん。
私よ。
ごきげんよう!2014/06/19(木) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
サラメシ[字][再]
沖縄の水族館に勤務する海洋生物専門の獣医さんが4年間食べ続けるランチとは?鹿児島の野球グラブ工場のみなさんの仲良し弁当をのぞき見!島倉千代子さん愛したランチ。
詳細情報
番組内容
▽沖縄の水族館に勤務する海洋生物専門の獣医、植田啓一さん。ジンベエザメやマンタなどの健康管理のため1日数回水に潜るのが日課。そのため決めているランチがあるという。そのメニューとは? ▽メジャーリーグの選手にも愛される野球グラブを生産している鹿児島のグラブ工場。繊細な手仕事で工場を支えるみなさんの、あったか弁当をのぞき見! ▽島倉千代子さんが愛したイタリアン。
出演者
【語り】中井貴一
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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