青い空と海。
降り注ぐ太陽。
常夏の楽園ハワイ。
そんなハワイで誰もが知る日常に欠かせないスイーツがマラサダ。
ほのかに甘く外はサクッ中はふんわりモチモチの不思議な食感が魅力です。
ハワイの街角にはマラサダが人気のベーカリーがいっぱい。
おやつや軽い朝食代わりにみんな気軽に頬張っています。
日本でもハワイのパンケーキに続きここ数年マラサダが人気です!でも実はこのお菓子のふるさとはハワイではなく遠く離れたヨーロッパのある国…。
そのルーツにはハワイの歴史が深く関わっていました。
今回はもともとは異文化のマラサダがいかに現在のハワイで愛されるローカルスイーツになったのかを探ります。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
アロハ!アロハ!アロハ!おかしいなこれ。
・「あゝやんなっちゃった」ちょっと!アハハハハハ!あっ…。
「グレーテルのかまど」へようこそ。
・「驚いた」でしょここは。
何?驚いたわ本当に。
いやいやウクレレ持ってるからウクレレといえばっていう感じでちょっとかまど張り切って歌っちゃいましたけども。
そうなの?何で?どうしたの?ウクレレなんて。
ちょっとさ今日はさ…見てこれを。
姉ちゃんが…。
なんと。
そういう事ですか。
何かね新しい部署に移ったらしいんだけど人間関係が大変らしくてさ。
姉ちゃんにもハワイな気分を味わってもらいたくてね。
まあハワイの事なら任して下さいって感じだからさ。
この間行ってきたから。
フフフフ何?楽しかったな〜ハワイは!アハハハ!ハワイの何を知っているというの?いやいろいろ知ってるからさ。
多分ね姉ちゃんの心を癒やすのはあのスイーツじゃないかな?何だろう?本当に知ってるのかしら?…という事で今宵ひもとくのはハワイアンの揚げパンマラサダ。
ハワイのスイーツといえば真っ先に名前が挙がるマラサダ。
ハワイの人たちはとにかくマラサダが大好きなんです!ホノルルのダウンタウンから少し外れた場所にあるこのベーカリー。
朝早くから働くハワイの人々のために夜明け前からオープンしています。
ちなみにこちらのマラサダはなんと紫色!生地にハワイの伝統食であるタロイモのペーストを練り込んだものでほとんどの人が箱でまとめ買いをしていくんですって。
こちらのベーカリーでももちろんマラサダは人気です。
ココナツやパッションフルーツなどバリエーション豊かな具がいっぱい!更にこちらはホノルルにある高級レストラン。
コースの最後に登場するのはマラサダのデザート。
マラサダってこんなおしゃれなデザートにもなるんですね。
更に…これぞハワイ流というマラサダの楽しみ方があるとこちらの家族に教えてもらいました。
アリシアさんがもう何年も続けている週末の習慣。
爽やかな潮風を受けながらマラサダを食べてリラックス。
ハワイではよく見られる光景だとか。
子どもたちももちろんマラサダが大好き!ふわふわで温かいマラサダはハワイの人たちを幸せな気持ちにさせてくれる不思議なスイーツなんです。
うん!やっぱりマラサダはハワイで大人気だね。
すごい人気ですねマラサダ。
だってあのふわふわ感がさやっぱりこう忙しく働いてる人たちの心を癒やすんじゃないの?そう!もう心もふわふわにしてくれるのよ〜。
ねえ!ふわふわの癒やしスイーツ作りましょうよグレーテルのために。
じゃあ味わいのキメテよろしく!はい!は〜い!では生地作りに取りかかりましょう。
OK!決まったね。
よっしゃ〜!はいはい!ではまずはですね人肌に温めました牛乳それにドライイーストを入れます。
このイーストがふわふわっていうのを生みますから。
ポイントですからイースト忘れないようにして下さい。
次はそこにボウルあるでしょ?そこに粉類を入れる。
今回は強力粉を使います。
どんどん入れちゃってからオキテどうぞ!えっ?これひたすら混ぜるって事?ひたすら混ぜるんで〜す!手でいっちゃって!いきますよもう!はい!とにかく均一で滑らかな生地を作るのがふわふわのあの食感を出す第一歩なので。
ふむふむふむふむ。
グイ〜ンと上に引っ張りつつまたパチ〜ンみたいな。
そうそうそう。
難しい!アハハハハハ!おばあちゃんの合いの手みたいな。
よっ!よっ!よっ!そうそうそう!もっと速く!速く速く速く!こうですね!速く速く速く…。
お菓子作りも深いねいろいろ。
手が上がらねえ…。
フフフフフフフ!生地が手から剥がれる感じになればOKなんだけどな〜。
どうですか?いいんじゃないでしょうか!そしたらそれ発酵させていきましょう。
OK!ラップをかけて暖かい場所で30分ぐらい寝かせます。
今日は40℃に温めたオーブンに入れましょうか。
じゃあ出してみて下さい。
あれ!?何か膨らんでるんじゃないの?これ。
でしょうよでしょうよ!じゃあね1回混ぜて下さいよ。
はい!ガスを抜いて酸素を入れていくんだけどそしてまた派遣してあるイースト君頑張ってもらわなきゃいけなくて。
イースト君!ウフフフフフフ!はいはい。
もういい。
もういい?そんな感じでOKです。
じゃあまた30分ぐらい寝かせます。
今ではすっかりハワイの定番スイーツとなったマラサダ。
しかしそのルーツにはハワイの歴史が深く関わっていました。
19世紀半ばハワイではサトウキビのプランテーションが急速に拡大しました。
不足する労働力を補うため世界中から移民がやって来ます。
彼らは炎天下での過酷な農作業に励みました。
その中には遠く離れたポルトガル領マデイラ諸島とアゾレス諸島からの多くのポルトガルの人々も含まれていました。
彼らがハワイに持ち込んだふるさとポルトガルの食文化それがマラサダだったのです。
マラサダとは周りに砂糖がかかっているというだけでも非日常的でポルトガルの人たちにとってはそう毎日食べられるものではなくて過酷な日々の生活の中で楽しみにしているようなものだったんじゃないかなと推測致します。
ハワイでは今でもポルトガルというルーツにこだわり続けるベーカリーがあります。
お店の経営者…彼の祖先もポルトガルからの移民です。
こちらのレシピの特徴はジャガイモの粉を入れる事。
その歴史を忘れないよう今でもジャガイモを欠かさないんです。
揚げ方も生地の真ん中に穴を開けているのね。
形は本来ポルトガルで食べられていたマラサダ同様ちょっといびつ。
味もシンプルな砂糖をまぶしただけのものです。
素朴だけれど多くの人に愛されてきたマラサダです。
最初はポルトガル系移民の間だけのエスニックフードだったマラサダ。
しかし1950年代からマラサダを一般向けに販売するベーカリーが現れ徐々にポルトガル系以外の人々の間にも広がっていきました。
今では多くの地元客がこの店を訪れています。
マラサダは異文化のよいところを上手に受け入れてきたハワイだからこそ定着したスイーツなんです。
へえ!マラサダってハワイ生まれハワイ育ちかと思ってたらポルトガルから来たものだったんだね。
ねえ。
知らなかったでしょ?知らなかったな。
さっきほらヘンゼルが練習してたあのウクレレね。
ああウクレレ。
あれうまかったでしょ?いやあんまり。
えっ…。
そのウクレレねもともとはポルトガル系の移民によってハワイに来た楽器なのよ。
ウクレレこそこれぞハワイっていうイメージだけど…。
ハワイって本当いろんな文化を受け入れている所だからねそのハワイの懐の深さというかさすごいでしょ?すごいね。
いやちょっと俺もさ何でも受け入れられる懐の深い男になりたいよ!じゃあ気合いが乗ったところで生地は…。
ああ生地生地生地!よいしょ。
おお!すげえ膨らんでるこれ!こんなに膨らむんだね。
いい感じじゃないですか!そしたらもう一回ガス抜きしましょうか。
はい立派。
はい!OK!じゃあ揚げていきますか。
ちょっと待って下さ〜い。
え?何?オキテどうぞ!えっまた?そうですよ。
もう一回発酵させますよ!うそ〜?この1回がもうめちゃめちゃ大事なんだから!そうなの?そうよ!すごい働くイースト君は。
もう一回働くんだよイースト君が。
今から最後の力を振り絞って働くの。
これはまた30分?はい30分です。
じゃあスタート!じゃあ頑張ってね!ウクレレの練習してくるからね。
いやいやもうダメダメ。
ウクレレ要らないです。
この時間で中に入れるクリームを作りましょう!あっいいね!いいでしょう?はいさてさて今から作るのはココナツクリームですよ。
おっ!ハワイっぽいじゃないですか。
でしょうよ〜。
マラサダって砂糖かけただけのプレーンなものもあるんだけどココナツクリーム入りこれもハワイの定番ですから。
うわ〜すげえおいしそう!早く作ろう!はいいきますよ。
はい!どんな感じかな?すごいいい感じになってますよ。
ちょっと味見しちゃっていいかな?頂きます。
ああ!濃厚ですよ!そしてもうハワイの香りがフッて。
風が来ました今。
来たね。
ココナツの木が見えた今。
風が来ました。
…という事で中身完成です!ちょっと一息TeaBreak!ハワイにはマラサダだけじゃなくて移民の文化にルーツを持つスイーツがいっぱいあるんです。
まずはこちらシェイブアイス。
日系移民が持ち込んだかき氷をハワイ流にアレンジ。
きめの細かいパウダー状の氷にフレーバーを数種類かけたりトッピングをしたりカラフルな見た目が特徴です。
また餅を使ったスイーツもハワイには多くあるんですよ。
創業90年余りのこのお店の名物は日系移民が持ち込んだチチダンゴ。
紅白のもち粉の生地に砂糖と牛乳を練り込んだもので日本の伝統的な餅とは少々異なるんだとか。
最後はハワイのベーカリーでよく見かける…もともとはスペインの伝統的な朝食に食べるパンが植民地だったフィリピンに渡り更に移民によってハワイに伝わったのだそうです。
長い年月をかけハワイ独自のスイーツ文化が育まれています。
以上TeaBreakでした!おっ!生地もいい感じに発酵してるみたいですよ。
いよいよ揚げていきますか。
はい!じゃあ揚げる時のオキテをどうぞ!はい!そうなんです。
ちょっと低めの170℃ぐらいで揚げていきますよ。
高温でササッと揚げちゃうと焦げやすいし中まで火が通りませんからじっくりです。
それぐらいです。
はい!じゃあゆっくり入れて下さい。
紙のまま!?やっちゃってみて。
はい!危ないね今のやり方。
怖っ!どんどん入れていきますよ。
滑るように入れるみたいな…。
はい!はいはいはい怖いな〜。
ちょんとつついてみると…紙をちょっと引っ張ってみると…。
おっ!ほらほらほら来た!紙が!だからまんまでいいんだ。
そう。
知らなかったな〜。
これどのぐらい揚げるの?片面2分でちょっときつね色になってたりするんじゃないかしら?なってると思います?そうですそうです。
わ〜きれいな色!おっ!ほら!はいはいいいです。
いいじゃないですか!ほら!最高においしいのは何と言っても揚げたてですからここからもう本当スピード勝負です。
分かりました。
軽く油を切ってそして上からお砂糖をサラッとかけたりなんかしてまぶしちゃう。
どんどん。
まぶしちゃう。
いいんじゃないですか?これがもうあれですよ。
一番素朴な伝統的なマラサダですよ。
はい!じゃあもう一つ。
こっち側はココナツクリームとか入れちゃおう。
さっきのね。
ココナツクリーム入れちゃう?横から菜箸をググッと入れて…。
いきますよ。
左右グリグリッとしてちょっと広さを確保するでしょ。
そしてそこにココナツクリームをググッと注入注入。
いきますよ!手大丈夫?はい注入注入。
ふわふわふわふわ…もう本当に!今かまどの蓋を開けて1個投げ込んで!フフフフフフ!よしかまど出来たよ!いや〜もうおいしそう!新食感!外はサクッ中はふわふわのマラサダ完成です!
(チャイム)あっ姉ちゃん帰ってきた!姉ちゃんお帰り!揚げたてのマラサダ出来てるよ!サクッとそして中はふわふわな食感のハワイアンスイーツマラサダ。
ポルトガル伝来の素朴な味わい。
そこにココナツクリームが加わるとハワイの濃厚な香りが。
グレーテルもこのスイーツ気に入ってくれるかしら?ハワイ・ホノルルにある教会。
5月下旬教会で行われるカトリックの行事のためにポルトガル移民を祖先に持つ人たちが集まりました。
マラサダはもともとこうしたカトリックのお祭りに食べるお菓子でした。
世代を重ね習慣も変わっていく中でマラサダの味はずっと守られていました。
マラサダ作りの中心となっているオードリーさん。
お祭りの時みんなでマラサダを食べる事が民族のアイデンティティーを保つ事につながると考えています。
集まった人たちにとってもマラサダは特別な食べ物です。
会場には子どもたちの姿もありました。
この子たちにもポルトガルの文化と誇りが受け継がれていきます。
民族の誇りを守りながらハワイの大地に根づいて生き抜いてきた移民の子孫たち。
マラサダは彼らの生き方を象徴するスイーツなのかもしれません。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?ハワイアンの揚げパンマラサダ。
もともとはポルトガルのスイーツだったなんて知りませんでした。
そして世界中からたくさんの人が集まりさまざまな文化を受け入れてきたハワイという島に改めて魅力を感じました。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
早く早く早く!冷めちゃうのよ〜!ああそうだそうだ!出来たてが一番ふわふわなんだから早く食べて早く!では頂きます!じゃあまずはノーマルのからいこうか。
うわ〜!よし頂きます!
(咀嚼音)うん!ワオ!聞こえた?聞こえたよ!「ワオ!」よもう。
サクッ中はふわっですよ。
あれだけ混ぜたかいがあった。
はいはいよく混ぜましたよ。
おいしい!じゃあ続いてはココナツクリームの方…。
ああ…おお!おおおおおお!めちゃくちゃおいしそう何それ!やだやだ!うん!ココナツクリームが入る事でハワイっていう感じになったのとプレーンはおやつって感じだったけど一気にスイーツに変身しました。
なるほどね〜。
かまど。
これ姉ちゃんもねさっきムスッとして帰ってきたんだけどマラサダを一口食べた途端にもうゆる〜って顔が柔らかくなってね。
少しは元気になったんじゃないかなと。
まさしく癒やしのスイーツを作ってあげられたって事ね。
そのとおりです。
十五代目ヘンゼルこれからもスイーツ作って姉ちゃん喜ばせます!お?何だかたくましいのやら頼もしいのやら・「あゝ驚いた」って感じですけどねかまど。
2014/06/19(木) 12:25〜12:50
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「ハワイアンの揚げパン“マラサダ”」[字][デ][再]
ドーナツよりも軽く、フワフワの食感が魅力の揚げパン“マラサダ”。ハワイのローカルスイーツを代表する味だが、およそ100年前欧州から海を渡りもたらされた味だった。
詳細情報
番組内容
ハワイの人々の日常に欠かせないスイーツ、マラサダ。早朝から営業している店では、タクシー運転手や通学の学生らが、腹持ちがよく甘くて気軽に食べられるマラサダを買ってから出勤するのがお決まりだ。元々は100年以上昔ポルトガルからハワイに渡った移民がもたらしたスイーツ。プランテーションの労働者たちのおやつでもあった。今もポルトガル系移民の集まりでは、手作りする人も。彼らのマラサダへの愛着と共に魅力に迫る。
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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