3きょうの健康 あなたの肩の健康は?「もし五十肩になったら」 2014.06.19

(テーマ音楽)知っておきたい確かな健康情報を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら「あなたの肩の健康は?」という事で肩の健康を守る方法についてご紹介してきましたが今日は肩の病気について見ていきたいと思います。
代表的な肩の病気こちらですね。
五十肩です。
中高年に多くて。
我々。
突然痛みが出るという事。
そして肩が動かしにくくなるという病気なんですね。
今肩や体を動かす事が少なくなってまた高齢化も伴ってこの五十肩になる人が増えているようなんです。
そこで今日のテーマはこちら。
さあ今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく話して頂きます。
ご紹介致しましょう。
整形外科特に肩の診断・治療そしてリハビリテーションがご専門です。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
五十肩まさに我々の世代のトラブルなんですが友達にもいるんですけどね「イタタタタ」っていう。
これ一体肩に何が起きているんでしょうか?五十肩というのは肩関節自体の病気で肩の痛みと動きの制限という2つの症状を出している病気のグループです。
ですからその中には実は腱板断裂。
肩の筋が切れてしまったり。
これは切れちゃう訳ですね。
それから石灰性腱炎ってものすごく痛くて急に発症…。
石灰がたまるんですね。
こういうものも実は含まれております。
腱板断裂石灰性腱炎というのは実はX線とかMRIとかそういう画像診断で診断が結構病態診断はつきますので。
今日は腱板断裂石灰性腱炎を外してそういうものがよく分からないグループ。
いわゆる五十肩というグループのお話をさせて頂きます。
それではこちらでその五十肩いわゆる五十肩肩関節周囲炎は肩にどんな変化が起こっているのかそこからご説明下さい。
これは右肩の正面からの写真ですね。
腕の骨があって肩甲骨。
ここが肩の関節になります。
ここに関節の袋がこうあります。
それから腱板があって滑液包がここにあります。
これらの滑液包や関節包自体に炎症が起こってきてそこがくっついてしまったりあるいは擦り傷を起こしてみたりとそういうような事で実は五十肩というのは発症します。
こういうとこに炎症が起きてる訳ですね。
ではそれを実際の画像で拝見致します。
ご説明下さい。
これは関節鏡という内視鏡で関節の中をのぞいております。
これは右の肩を後ろから見てます。
上腕骨の骨頭があって関節の受け皿があってここに力こぶの筋があります。
関節の軟骨とか関節の袋とかは灰白色白っぽい色をしてます。
白っぽくて非常にきれいですよね。
一方…?五十肩になりますと比べて頂くと分かるようにここの関節の袋が真っ赤っかになっています。
赤いですね。
ですからイメージとしては関節の中が擦り傷起こした状態というイメージで捉えて頂ければいいと思います。
これを見るといかにも痛そうですね。
ところが五十肩なんですが冒頭申し上げましたように友人にもいます。
「とても痛い」と悩みを訴えていましたがいつの間にか「あれ治ったの?」って聞くと「何か自然にだんだんよくなってね」っていう人もいますよね。
はい…おりますね。
人間の体は自然治癒能力がありますので擦り傷したものを治そうという力があります。
ですから五十肩が発症して治るまでの間いろんな時期がありますのでその時期に見合った治療法を適切に行えばより短い期間で治る事ができます。
時期に見合った適切な対処が必要だったという事ですね。
それがうまくいかないと実は手術が必要な事もあるんですから。
それではこの五十肩どういう経過をたどっていくのかというところをまず見ましょう。
久田さん。
五十肩の経過は主に3つの段階に分けられます。
まず急性期これは発症直後で炎症がとても強く痛みが激しい時期です。
痛みは激しいんですが動きの制限は小さい時期なんですね。
肩関節は動かす事ができます。
その後慢性期になりますと炎症が治まって痛みは徐々になくなってくるんですが一方動きの制限動かしにくさが大きくなってくる時期です。
そして回復期になりますと動かしにくさがだんだんとよくなって肩の動きはよくなっていきます。
このそれぞれの時期の長さは人によって異なります。
五十肩の経過こういう急性期慢性期回復期とこんな時期があって痛みの程度や動きの制限が違うという事がよく分かりましたが。
順に伺ってまいりますがまずこの急性期ですね。
この時期の注意点は?急性期はとにかく炎症が強い時期ですからこの時期で一番大事な事は安静です。
急性期はとにかくポイントは炎症による痛みですので炎症を抑えるための安静が一番大事になります。
夜寝てても痛いんだよというこの時期ですか。
安静をしなきゃいけない訳ですよね。
その安静といいますが具体的にどんな対応が必要なのかという事を見ましょうね。
久田さん。
急性期の安静について教えて頂きます。
理学療法士の山口光國さんです。
よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
まずどんな事をしていけばいいですか?まずこの時期炎症を早く治めなければいけないので安静を保つ事が大切なんです。
ただよく間違えられるのは固定してしまってるんですね。
安静と固定とは全く違うんです。
安静と固定は違う。
よく手を例えば右肩が痛いとすると力を入れて動かないようにというふうにしているんですがこれは逆に力が入ってしまって筋肉を固めちゃうんですね。
ですから血流を阻害してしまって炎症を治めるその阻害になってしまうんですね。
固まってはいけないという事ですね。
では正しい安静というのは?まずできるだけ力を抜く事なんですね。
ですから空間に手を置いておくとどうしても力が入りますので例えばこういうジャケットでしたらボタンの上に間でもいいですから手を入れて力を抜いておく。
あるいはこういうベルトの孔ありますよねこの孔に親指とかを入れてぶら下げるようなこの支えになりますからこういうかたちにしておくと力抜けていくんですね。
これがちょっと支えになって力が抜けるという事。
これが安静という事なんですね。
あと座ってる時なんですが座ってる時もできたらこういうクッションなど使って体の前に置いて手を上からちょうど腕を置くようなかたち脇を締めるのではなく軽くこういうかたちで上から置いておいて力を抜けるかたちをとっておいてほしいですね。
これが支えになってこっちが力が抜けて安静にできるという事ですね。
また五十肩では夜間寝てる間も痛いという事があると思うんですが…。
そういう場合は一番お勧めはクッションとか抱き枕とか抱き枕を抱える…この代用でクッションでも結構なんですが体の前でこうやって抱きかかえると実は腕が前行ったり後ろ行ったりするのが防げて安定するんですね。
それだけで力が抜けて安らかに眠れる事が多いんです。
実際にどのような姿勢で寝ていけばいいのか教えて頂きましょう。
横にこの布団を後ろに丸めたようなかたちで…。
こちらに掛け布団丸めておいてあるんですね。
とても痛い時にはこのかたちで後ろに寄りかかるようにして抱き枕あるいはクッションを抱えてあげるんですね。
そうすると手が抱き枕で置けるのとそれから受け皿になっている肩甲骨の受け皿が真上を向いてくれるんです。
ですから腕の骨がちょうど真上から置いたかたちになりますので前後ろ行きにくくなるんですよ。
この壁とこの布団の所で姿勢が安定してしかもこの肩の所が上に向くという。
この姿勢で休むといいという事ですね。
急性期にお勧めの安静姿勢お伝えしました。
本当ためになりましたね。
急性期ですよねこの時期安静といいますがキーワードありましたね。
固定と安静は違うと…。
力入れて力んでこうやってんじゃなくてむしろリラックスですね。
力を抜いて痛みが出ない範囲で安静のポジションをとるというのは一番大事です。
これは本当に参考になりました。
では次ですね慢性期なんですが肩動かしにくいんですがどうなってるんですか?肩が。
慢性期のこれは肩の関節の中に造影剤を入れた関節造影の写真です。
関節の袋この黒い所が関節の袋。
健康な状態ですとこれ全部関節の袋です。
広いんですね。
ですから自由に動きます。
ところが五十肩のちょうど慢性期になりますと関節の袋がこんなに小さくなります。
あら?縮んでる。
ですから関節の袋小さくなった分だけ動きが悪くなります。
ですからこの時期に大事なのはこの関節の袋を徐々に徐々にゆっくり上へ伸ばしてあげる事が大事。
では慢性期に大事な事というのは?適切な運動をする事です。
これですね。
適切な運動という事でこの加減が難しそうなんですよね。
ここのところポイント見ましょうね。
それではまた適切な運動はどういうものかを見ましょう。
久田さん。
慢性期の運動注意点はどんなところですか?まず決して無理には行わないように。
強い痛みがある時には決して行わないで下さい。
また運動してる間に痛みで呼吸をウッと止めてしまうようなそんな事があるようでしたら無理してやらずにやめておいて下さい。
強い痛みが出ない程度に動かしていくという事ですね。
無理すると急性期に戻ってしまうかもしれませんので気を付けて下さい。
ではどんな運動ですか?運動は簡単で前かがみ運動なんですね。
腕をダラ〜ンとさせて腕の重みを感じながら前へ体を倒してブラ〜ンとさせます。
前へ倒してブラ〜ンとさせる。
戻してこの腕を上下になるように体を振ってあげたりあるいは体を動かす事によってその反動で腕が動くように。
体の方を動かすんですね。
腕を動かすのではなく…。
腕の重みを感じながらという事で。
ふらつくようでしたら無理せずどこかテーブル椅子に手を置いて軽くぶら下げて体を動かす。
これ腕にやっぱり力を入れてはいけないんですね?もう力を抜いて重みを感じながらこの時期どうしても関節包とかに刺激を与えないと元に戻ってきませんのでその刺激が大事なので軽くぶら下げる程度で結構です。
どのくらい行えばいいですか?大体一日2〜3分で結構なんですが動かして気持ちいいなというふうになってきたらどんどんどんどん回数時間増やしていって構わないと思います。
そしてただ自分でやっててうまくいかないなっていうふうに感じるようでしたら是非一度医療機関に相談して頂きたいと思います。
ありがとうございました。
これもまた意外な印象です。
簡単な動きでしたね。
腕自体の重み重量を利用してるんですね。
腕の重みって体重の大体5%っていわれてますのでその重みを感じるようにブラ〜ンとする事で関節の袋を徐々に伸ばす事ができます。
これもまた本当にやりやすいいい事覚えました。
さあ次の時期ですよねいよいよ回復期に変えますがこの時期大切な事は?回復期は炎症が治まっているので痛みの出ない範囲で積極的な運動療法を行う事が実は大事です。
具体的にはどんな動きですか?具体的には例えば腕をこうやって回す運動であったり。
腕を広げる。
腕開きの運動。
あるいはバンザイの運動。
真上に上げる。
バンザイ。
あとは肩をこうやって動かす運動なんですが鏡を見ながらできればやって頂きたい。
自分では動かしてるつもりでも実際には右と左で違ってたりする事もあるので鏡で確認をしながら是非痛みの出ない範囲での運動を積極的にやって下さい。
鏡を見て…。
自分の状態を自覚する事大事だとおっしゃってましたよね。
お話ありがとうございました。
ありがとうございました。
来週はご覧のテーマでお送りします。
「きょうの健康」来週も是非ご覧下さい。
どうも4日間ありがとうございました。
2014/06/19(木) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 あなたの肩の健康は?「もし五十肩になったら」[解][字]

肩の関節に炎症が起きる「五十肩」。中高年に多く、経過に合わせて対処する。急性期には安静、慢性期・回復期には適度な運動を行い肩関節の動きを回復させる。対処法を紹介

詳細情報
番組内容
加齢などが原因で肩の関節に炎症が起きる「五十肩」。痛み方や動きの制限の様子から、急性期・慢性期・回復期の3つの病期に分け対処する。急性期には安静を心がけ、まずは炎症を抑えることが重要。慢性期・回復期には適度な運動を行うことで、固まっていた関節包がほぐれ、肩関節の動きを取り戻すことができる。「けん板断裂」や「石灰性けん炎」などとも間違いやすいため、きちんと診断を受け対処したい。
出演者
【講師】昭和大学藤が丘リハビリテーション病院教授…筒井廣明,理学療法士…山口光國,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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