(田中山根)よいしょ〜。
(山根)さあ始まりました「科学と人間生活」ですけども今回は…僕らの生活で微生物がどういう事に使われてるかっていうのを田中さんに聞こうかなっていう…。
微生物なんてもう地球上に本当たくさんいますよね。
そして我々人間生活にも欠かせないものになってきてます。
みそしょうゆ。
みそとしょうゆはでも発酵食品っていうか大豆でしょ。
いやいや原料は大豆なんですけども微生物の働きによってそれを利用してみそとかしょうゆをつくってるんですよ大豆から。
(岡野)確かパンもそうですよね。
パン?パンは酵母菌を使って発酵させているんですよね。
ああ確かにパンもそうだ。
薬とか。
薬も?じゃあ結構我々の人間生活に微生物っていうのは関わってる訳?さあ僕が用意しました発酵食品ですけども…。
みそしょうゆワインパンチーズ納豆などなど発酵してる食品ばっかりなんですけども…。
こんなにあるんだ。
発酵っていうのがそもそもよく聞くけど何なのかが分かんない俺は。
発酵は…これ全部?うん。
それを「発酵」と。
ある原料から微生物の力で違うものにつくり替えるという事なんですか?まあそうですよね。
例えばこのヨーグルトもそうですよ。
乳酸菌聞いた事あるでしょ?はい。
聞いた事あります。
乳酸菌さんが牛乳をうまく分解していくうちにヨーグルトをつくってくれる。
(2人)へえ〜。
これらの微生物ちょっと見てみたくないですか?見たいよ。
見れるの?顕微鏡を使って乳酸菌を見てみよう。
そして観察しやすいように…準備完了だ。
見えますかね。
見えるかなあ。
どういう形してるんだろう。
あ〜!乳酸菌見えましたね。
これですか?あの粒々。
棒状になって。
数珠がつながってるような…。
そうそう。
メチレンブルーを入れたので菌は死んでます。
あっそうなんだ。
生きてはないんですね。
これが牛乳を発酵させておいしくさせて体にもよくさせてるって事だよね。
パンをつくる酵母菌も観察してみよう。
さあ見えるだろうか。
うわ〜結構いっぱいあるね。
すご〜い。
あるね〜。
これが酵母菌でしょ?酵母菌。
あの丸いやつね。
これ生きてる?これは生きてます。
皆さんがパンを焼きますよね。
その時に死にます。
わ〜。
すげえ頑張ってくれたのに。
はあ〜でもおいしく食べたいでしょ。
そうだね。
ちゃんと合掌して食べよう。
うん。
頂きますと。
そのための合掌だからな。
そうだね。
発酵食品をつくるのに代表的な方法が酵母菌を利用したアルコール発酵だ。
アルコール発酵に必要なのは砂糖などの…酵母菌はこの糖を栄養として増えていく。
この時アルコールと二酸化炭素を放出する。
この働きがアルコール発酵なのだ。
パンはアルコール発酵を利用してつくられる。
昔人間は小麦を煎って食べていた。
その後粉にして水を加えおかゆにして食べるようになった。
このおかゆに偶然酵母菌が入って発酵したものを焼いたのがパンの始まりといわれている。
実際にパンが出来上がるまでを見てみよう。
まず酵母菌を用意する。
そこに水を加え小麦粉と砂糖を入れて混ぜ生地をつくる。
この生地を空気に触れないようにしてしばらく置いておくと…。
アルコール発酵で生じた二酸化炭素によって生地が膨らんでいく。
これを焼くとアルコールが蒸発しパンが出来上がるのだ。
ビールやワインなどのお酒もアルコール発酵でつくられる。
同じ発酵食品でもヨーグルトやチーズ漬物などは乳酸菌による乳酸発酵を利用している。
またみそやしょうゆはコウジカビ乳酸菌酵母菌など複数の微生物による発酵を利用してつくられている。
(いびき)がっ…うっ。
お前何で人の上にパン置いてんだよ。
お前ちょっと痩せ過ぎだからパンの酵母菌で膨らましてやろうかと思って。
膨らむ訳ねえだろこんなもんで。
でも何かちょっともう膨らんだような気するよ。
膨らんでねえっていってんだよ!ちょっと相撲取ろう。
ほらもうちょっと…。
やめ…。
う〜!わあ。
おっ。
おら〜!う〜!お前強いな。
(2人)はいジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガシャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャジャ〜ン。
発酵食品って原料にない味をつくり出すじゃないですか。
はいはい。
においとかもそうだし。
ヨーグルトや漬物は酸っぱいでしょ。
これがすごくない?お酒やビールとかは麦や米を分解してこんなうまいもんつくってくれるというのは本当ありがたいよ。
あと発酵食品って長い期間保存もできますよね。
あ〜確かに。
発酵っていうのは微生物を使って物質を分解して…。
同じようにさ分解してんだけど悪臭を放ったりとかする腐敗っていうのはどう違うの?微生物からしたらやってる事は同じなんですよ。
同じ!同じ働きをしてるんですけども人間の勝手なところで…害を及ぼすものをつくり出してる。
これを腐敗というんですよ。
だから我々も人の役に立つ存在にならないと。
だから有害なもんを出さないようないいものに発酵させる菌になればいい訳だよね。
菌になんないから俺らは。
何の話してんだ?俺は。
ここからは科学の進歩によって微生物の利用が広まっているという事について考えていきます。
はい。
科学の進歩と微生物といえばもうペニシリンでしょ。
ペニシリン?ペニシリンというのは…ペニシリンはアオカビからつくられてるんですよ。
カビからつくってんの?薬を?そうよ。
へえ〜。
アオカビってパンとかミカンに付くカビの事ですよね。
うん。
…っていうかさまずペニシリン抗生物質とかもよく聞くけどアオカビとかももう何が何だかよく分かんないのよ。
アオカビが細菌の発育を抑える働きがある事を発見したのはイギリスのフレミング。
1929年の事だ。
フレミングはアオカビがつくり出す物質をペニシリンと名付けた。
その働きを実験で見てみよう。
まず寒天培地でアオカビを培養する。
次に納豆を試験管に入れ水を加えよく混ぜる。
納豆菌が含まれた水を2つの寒天培地に流し込み表面全体に広げる。
それぞれの中心に穴を開け培養したアオカビを一方の寒天培地にだけ移植する。
蓋をして2〜3日培養すると…。
アオカビを移植しなかった培地では全体に納豆菌が繁殖した。
一方アオカビを移植した培地ではアオカビの周りに納豆菌が繁殖していない部分が出来た。
アオカビがつくり出す物質が納豆菌の成長を食い止めたのだ。
このように微生物によってつくられる物質でほかの微生物の生育や機能を妨げるものを…ペニシリンは発見から13年後薬として実用化され第2次世界大戦中は多くの人を感染症から救った。
これ以後も研究が進みさまざまな抗生物質が発見された。
また多くのワクチンがつくられ病気の予防や治療に役立っている。
遺伝子組換えも実は微生物を利用してるんです。
(2人)へえ〜。
でも遺伝子組換えってさいろんなニュースだったりとかで聞くけどあんまり何なのかがよく分かんないんだよね。
この技術も実は大腸菌を使って研究されてきたんですよ。
大腸菌ですか?へえ〜。
大腸菌も聞くけどね大腸菌も何が何なのかが分かんないんだよ。
結局今日分かんない事が多いね。
大腸菌は私たちヒトを含む動物の腸で生息している細菌だ。
人工的に短時間で増殖できる事からさまざまな実験で用いられている。
紫外線を当てると体が光るという特徴を持っている。
これはオワンクラゲの細胞に体を光らせる遺伝子があるためだ。
では大腸菌とオワンクラゲの遺伝子組換え実験をやってみよう。
実験は菅原大介先生にお願いした。
まず寒天培地で大腸菌を培養する。
培養した大腸菌を取り出し2つのチューブに入れて大腸菌溶液をつくる。
この遺伝子を片方のチューブだけに入れて急激に温度を変化させる。
すると遺伝子の組換えが起こるのだ。
ピペットで取り新しい寒天培地に広げ培養する。
比較のため遺伝子を入れなかった大腸菌溶液も培養してみよう。
さてどうなるだろうか。
24時間後それぞれの培地で大腸菌のコロニーが出来ている。
見た目はほとんど変わらない。
これに紫外線を当ててみると…。
オワンクラゲの遺伝子を入れた大腸菌だけが光るようになった。
(菅原)今回の実験では大腸菌が光りましたね。
これは…遺伝子組換えは糖尿病の薬として使われるインスリンの生産などで利用されている。
皆さんぐらいになるとバイオメタンとかバイオエタノールとかっていうのは聞いた事あると思いますけど知ってます?はい。
石油に代わる新しい燃料として注目されてますよね。
そうそう。
それでガソリンみたいな感じになるんだよね。
そうそう。
でもさトウモロコシとかジャガイモもみんなの御飯だったりとか家畜の餌だったりとかするからそれをいっぱいつくろうと思ったら結局使用量が増えて値段が上がっちゃったりするんじゃないの?食べ物として使えなくなったものを使うっていうのはどうですか?収穫が安定しないじゃん。
結局石油とかを掘り返してるのとそんなあんまり変わんないような気がしてくるんだよね。
難しいな…。
今回の科学の現場は…東京都世田谷区にある。
みそしょうゆなどの発酵食品の製造と微生物の研究を行う日本で数少ない専門機関だ。
そこで今ガソリンや天然ガスに代わる新しいエネルギーの開発に取り組んでいるという。
こちらでは新しいエネルギーバイオエタノールをつくっていると伺ったのですが原料は何を使用しているんですか?ここで使ってる…
(岡野)生ゴミからですか?そうです。
バイオエタノールというのは微生物の働きを利用してつくられる燃料の事。
鈴木先生の研究室では近所のレストランや給食の食べ残しなどの生ゴミを原料に使っている。
生ゴミを燃料に変えるのがこの大きな装置。
一度に250kgの生ゴミを処理する事ができる。
発酵の主役となるのは酵母菌だ。
鈴木先生によると焼酎をつくる時に使われる焼酎酵母が最も適しているんだそうだ。
生ゴミに含まれるデンプンを3日間かけて分解していく。
酵母菌による発酵でつくられるアルコール分を集める事でバイオエタノールが生まれる。
その一方で残ったゴミは肥料として活用できるという。
これが蒸留したエタノールです。
(岡野)透明なんですね。
実際にエネルギーとして使えるのか試してみた。
(鈴木)火が付いてますね。
(岡野)付いてますね。
これで燃料って事ですもんね。
すご〜い。
本当に無駄がないですよね。
(鈴木)そうですね。
無駄のないエタノール発酵。
生ゴミを有効活用して無駄のない利用をしようというのがこの装置でございます。
俺もう微生物を踏まないように歩こう。
屋根かと思った。
こうやって…こういう感じで爪先でこう歩いてさ。
山根山根。
それ踏んでるでしょ。
こうやったらもっと踏まない。
いいよ。
ゆでガニみたいだよ。
あ〜!
(ぶつかる音)あ〜…大丈夫そうだわ。
私たちは微生物の働きによってつくられた多くの発酵食品を利用している。
酵母菌によるアルコール発酵や乳酸菌による乳酸発酵などで発酵食品が出来る。
アオカビがつくり出すペニシリンをはじめとする抗生物質は感染症に大きな効果を発揮した。
遺伝子組換えによって大腸菌がつくり出す医薬品も利用されている。
酵母菌を使って発酵によってつくられる新エネルギーバイオエタノールが今注目されている。
生ゴミを原料としてバイオエタノールを製造する取り組みが行われている。
2014/06/19(木) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 科学と人間生活「微生物の利用」[字]
私たちの暮らしと科学はどのようにかかわっているのだろうか?アンガールズの2人の素朴な疑問から、人類と科学の長くて深い関わりを明らかにしていく。
詳細情報
番組内容
人間は微生物の科学的研究を始める、はるか前から、生活の中で微生物を利用してきた。代表的なものが「発酵食品」だ。では、発酵では何が起きているのだろうか。乳酸菌や酵母菌などについて知る。また科学の進歩によって、微生物の利用は医学の分野にも広がっている。肺炎の治療に劇的な効果をもたらすペニシリンは、アオカビによって作りだされる。アオカビが出す物質によって、納豆菌の生育が疎外される様子を観察する。
出演者
【出演】岡野真也,【司会】アンガールズ,【語り】浅野真澄
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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