(姫子の鼻歌)・
(丸山圭司)姫子さん!大変ですよ!!
(流石姫子)大変ですか?本当に大変なんですから!署長にコレがいたんですよ!コレ?指切りじゃないですよ。
彼女がいたんですよ!
(正子)私も目撃しました。
ピッタリ寄り添っちゃって!ひどい…!今姫子さん「ひどい」って言ったか?
(婦人警官たち)言った。
もしかして姫子さん…。
(正子)署長のことを…?
(由香)まさか…。
(丸山)いやあの人見境ないからね。
まったくもう。
母親の私に何の報告もなく…!お弁当忘れた。
(列席者の拍手)堤。
今度はお前たちの番だ。
早く麗ちゃんにプロポーズしろよ。
(堤恭一)おめでとう。
ありがとう。
(拍手)
(島谷涼子)あれ?やっぱりそういう関係だったのね。
(沢木麗)いえまだそんな…。
(浦部夏海)麗ちゃん。
紹介して?堤恭一さんです。
堤です。
こちらは営業部の花井部長。
同じく営業部の秋本さん。
それから浦部さんと島谷さん。
浦部さんと秋本さんはもうすぐご結婚なさるの。
そうですか。
おめでとうございます。
(2人)ありがとうございます。
(花井武彦)失礼ですが堤さんも建設関係のお仕事ですか?いえ。
一応公務員です。
公務員さん。
いやあ不況に強くて羨ましいですね。
すみません。
ブタまん1個とえびシューマイお願いします。
(店主)今夜も1人で寂しく夕食ですか?ほっといて。
はいチャーシューパオサービス。
まあいつも悪いわね。
いい結婚式だったな。
うんホント。
俺たちのときも今日みたいな結婚式にしたいな。
すっかり冷えちゃったな。
飲み直そうか?ごめん…。
約束が入ってるんだ。
これから?うん。
会社の女の子たちだけで3次会やろうって誘われてて…。
そうか。
それじゃあしょうがないな。
(自転車の倒れる音)あ今あそこに女の人がいた。
最近女の覗きが増えてるんだよ。
行こう。
やめろ…やめろ!!やめろ。
もう何もしないって約束したろ。
やめろ。
やめてくれ!約束は守るから!やめろーっ!!いってきまーす。
お話って何でしょうか?
(堤啓吾)元警察庁長官の三隅さん知ってるな?私も若いころ散々お世話になった。
その三隅さんの三番目のお嬢さんだ。
先方はすぐにでもお前に会いたいと言ってるんだがそれで今度の日曜日あたりどうだい?ちょっと待ってください。
お見合いをしろと?悪い話じゃないだろ?お断りします。
見合いなどするつもりは全くありませんから。
失礼します。
おい恭一。
ちょっと待てよ。
親の心子知らずだ…。
おはようございます。
見ましたよ。
は?署長もやるときはやるんですね。
何の話ですか?このスケベ!スケベ!?彼女のこと問い詰めてるのかしら?きっとそうよ。
泥沼の三角関係か…。
・
(山城大吉)誰が三角関係だ?横浜ガーデンで殺しだ。
(パトカーのサイレン)
(鴨下秀樹)宿泊名簿からガイシャの身元が割れました。
花井武彦47歳。
大手住宅会社「横浜ホームズ」の営業部長です。
このホテルの常連ですね。
(安井民夫)家族には?
(鴨下)連絡しました。
今奥さんがこっちに向かってるそうです。
(安井)流石さん。
奥さんが到着したら話を訊いてください。
姫子さん。
ビールが…えっ!?ジュースが300円!!丸山。
おばさんがジュースをチョロまかさないように監視しろ。
・
(鳴海義孝)ご苦労さん。
いいね県警は。
いつも大名出勤で。
いてっ。
(安井)このバカ…!鳴海警部ご苦労さまです。
(鳴海)どうだ?ガイシャの身元は割れました。
(北原勝彦)ちょっと!そこのおばさん!ダメだ入っちゃ。
(小声で)あれでも本牧署の刑事なんだよ。
あのおばさんがですか?
(警官)被害者の奥さんが到着しました。
おう入れろ。
(警官)はい。
県警の鳴海です。
ご遺体を確認してもらえますか?どうですか?
(花井光江)…主人です。
ご愁傷さまです。
…こんな日がいつか来るんじゃないかと思ってました。
どういう意味ですか?主人のこと殺したいほど恨んでた人は一杯いますから。
(鴨下)被害者は花井武彦47歳。
「横浜ホームズ」営業部長。
死因は急性硬膜下血腫。
現場にあった大理石の灰皿が凶器とみて間違いないようです。
…北原さん。
(北原)はい?申し訳ありませんが…。
キャリアの方はくわえ楊枝とか下品なことはお嫌いなんだ。
教育ができてませんで申し訳ありません。
…続けてください。
はい。
死亡推定時刻は昨夜11時前後。
鑑識によりますとホシは自分の指紋を拭き取っています。
それもかなり念入りにやっていたようです。
それとガイシャは手に犯人のものと思われる髪の毛をつかんでいました。
今科警研で分析中です。
以上です。
安井さんの方はどうですか?ガイシャはあの部屋を借り切ってほとんど住んでいた状態です。
住んでいた?宿泊代はどうしていたんですか?全部会社もちです。
なんでもガイシャの祖父が会社の創業者ということでこのへんはかなり自由にできたようです。
それに加えて仕事もできたそうですから営業部長でありながら会社ではかなり力を持っていたようです。
なるほど。
ガイシャの鞄から財布と会社の書類が抜き取られています。
(安井)これはガイシャの妻に確認済みです。
ガイシャは女関係も激しくてトラブルも多かったようですね。
物盗り会社関係のトラブル怨恨すべて可能性がありますね。
流石さんの方はいかがですか?えっ?ホテルの関係者にあたってますが目撃者は現れてません。
それと今日の夕方昨夜夜勤だったフロント係に会えることになってるんですよね?そうです!引き続きよろしくお願いします。
それと一応報告しておきますが今回のガイシャと私は面識があります。
署長のお知り合いだったんですか?昨日出席した友人の結婚式でたまたま挨拶しただけです。
ではよろしくお願いします。
(麗)屋根と天井それから壁とが一体化した断熱構造をしておりますので季節を問わず1年中快適な室温を保っております。
それから…。
(島谷)失礼します。
電話よ。
例の公務員さんから。
仕事中ゴメン。
花井さんが殺されたこと聞いただろ?ええ…。
「花井さんが殺されるようななにか心当たりない?」さあ…。
そうだよな…。
それとこんなときに悪いんだけど近いうちに親父に会ってもらえないかな?ごめんなさい。
今はちょっとそういう気持ちになれないの。
ごめん…。
それはそうだよな…。
「悪いんだけど今接客中なの」じゃあまた夜…。
(姫子)女性が来た!?
(フロント)はい。
ちょうど昨夜の11時ごろですか…。
女性のお客様がフロントにいらして花井様のことを聞かれました。
なんでも花井様のお部屋までいらしたそうなんですが応答がなかったとかで…。
それで?それでフロントで何度か内線電話をかけられたんですがお出にならないので「もう1度お部屋の方へ行ってみる」と…。
その女性の名前はわかりますか?確か…花井様の会社の方で沢木様とおっしゃっていたように記憶しています。
(麗)お幸せに。
ありがとう。
(拍手)部長が殺されたってのに明るい会社ですね。
申し訳ありませんがもう営業は終わったんですけど…。
本牧署の者です。
バカに盛り上がってますねえ。
浦部さんという人が寿退社するんです。
花井部長があんなことになったっていうのに…。
いい気なもんですよ。
沢木さんって方いらっしゃいますか?はい。
沢木さん。
もういっぺん確かめますけど2回目に花井さんの部屋に行ったときも応答がなかったんですか?はい…。
でもあんな時間に何しに行ったんですか?渡し忘れていた資料があることを思い出して届けに行ったんです。
わざわざ夜の11時にですか?次の日の会議で使う資料だったんで…。
あなたが花井さんの部屋に行ったときに1回目でも2回目でもいいんですけど誰かとすれ違ったりしませんでしたか?あっ最初に訪ねたとき部屋の前に男の人が立っていました。
男の人?はい。
サングラスと黄色いマフラーをしてました。
私が近づいていったらすぐにエレベーターの方に行っちゃって…。
サングラスの男ねえ…。
(恭一)サングラスの男!?この男を目撃したのはホテルの従業員ですか?いえガイシャと同じ会社に勤めていた女性でガイシャに仕事の資料を届けに行ったときに目撃したと言ってます。
その女性の名前は?あの…確か…。
沢木麗です。
サングラスの男はきっと他にも目撃されているはずです。
徹底的に目撃情報を集めてください。
待ってください!今回のホシは男ではなく女だと思います。
流石さん…!また女の勘ですか?勘だけじゃなくて立派な根拠があります!立派な根拠は私が聞きます!おそらくガイシャは死ぬ直前までホシとビールを飲んでました。
グラスは現場に1つしか残ってなかったんですよ。
どうせ冷蔵庫ばかり見てて見てなかったんでしょ?グラスが1つしか残ってなかったのはホシが自分のグラスを洗ってケースにしまっていったからです。
指紋を消すためにね。
どうしてホシがグラスをしまったとわかるんです?ケースの中には3個のグラスが置いてありました。
その1つだけがわずかに濡れていた。
急いで逃げるときに男がわざわざグラスまで洗っていきますか?そんなことするのは女に決まってます。
男だってグラスぐらい洗いますよ。
捜査に先入観は禁物です。
徹底的にサングラスの男を洗ってください。
(一同)はい!犯人は中を取ってオカマってのはどうですかね?何を下らんこと言ってんの!行くよ!!下らないッスね。
〔会社の女の子たちだけで3次会やろうって誘われてて…〕どうして嘘なんか…。
あーあ!もう署に戻りましょうよ。
もうすぐ夜勤の人が出てくるからもういっぺん聞き込みしてみる。
姫子さんホシは女だって言ってたじゃないですか。
ホシは女だと思ってますよ。
けどサングラスの男も共犯だという可能性があるでしょ!だいたいあの沢木麗って女自体信じていいんですかねえ。
あの女ガイシャが殺された時間にこのホテルにいたんですよ。
一番怪しいじゃないですか。
つべこべ言わずに行くよ!!もう行くんですかあ?もうちょっとつべこべ言い合いましょうよ。
(丸山)〔あの沢木麗って女自体信じていいんですかねえ〕〔ガイシャが殺された時間にこのホテルにいたんですよ〕〔一番怪しいじゃないですか〕・
(電話のベル)はい流石です。
(啓吾)「堤です」すみません。
こんなカッコで…。
「えっ?」あの…いえ…。
今近くまで来てるんだ。
もしよかったら会えないかな?はい…。
恭一さんにお見合いの話が…?昔私が君にしたことを思えばこんな相談できないことはわかってる。
私は周囲の反対に負けて結局君との結婚を諦めた。
しかも恭一まで君から奪った。
気がついたときには周りがお膳立てしてくれていた政略結婚に乗っかっていたんだ。
だがね…。
まあそのおかげでこんな私でも警察庁次長という地位にまでたどりつけたのも事実なんだよ。
確かに親バカだ。
それはわかってるつもりだ。
ただそれでも恭一の将来のことを考えるとね…。
それで君の意見もどうしても聞きたくなってね…。
どう思う?私はお見合いであろうと何であろうと恭一さんが一番好きな人と結婚してくれればそれが一番いいと思ってます。
「一番好きな人と」か…。
恭一は好きな人がいるんだろうか?このホテル掃除係の人にも夜勤とかあるんでしょ?
(恭子)しつこいわね!夜勤した日なんか覚えてないわよ。
夜勤はいいからこの顔の人に見覚えないかな?見てない見てない!ちょっと!邪魔!!民ちゃんバスタオルね。
どいて!この部屋はなんて汚いのもう!まあいつもいつもお世話さまです。
そろそろお茶にしませんか?そこでブタまん買ってきました。
あらまおいしそうじゃない!いただいちゃっていいの?ちょっとお休みしてゆっくり思い出してくれませんか?悪いわねえ。
ちょっと早いけど休憩にしちゃおうか。
お茶どうしようか?いいの入れるわよ。
…俺はブタまん以下かよ。
見たわよ!事件のあった夜サングラスかけた男。
ホントに!?さっき見てないって言ってたでしょ!?同じ階の部屋にバスタオルの補充に行ったの。
そしたらさ…。
〔花井さん!!〕革のコート着てさ派手な黄色い帽子とマフラーつけてたのよ。
なんか妙にカッコつけてるヤツだったんで印象に残ってたの。
それは何時ごろですか?うーん…確か11時にはなってなかったわよね。
(ノックの音)ハーイ?またですか。
真面目にやらないとやめてもらいますよ!今ね警察の方に協力してたんじゃないですか!ねえ!さ仕事仕事。
すみませんでした。
怒られてしまって…。
気にしないで。
奥さんとうまくいってないからすぐ私たちにあたるのよ。
あっ!どうもごちそうさまでした。
信じていいんですかねえ?ブタまん欲しさに適当なこと言ってんじゃないですか?私は信じますよ!開かない!
(丸山)下!下!まあすばらしいマフラーでございますこと。
ちょっとお話いいですか?でやあっ!捕まえて捕まえて!
(月岡治)確かにあの日花井さんの部屋には行きましたよ。
でも入っちゃいませんよ。
何度ノックしても出てこなかったんですから!そりゃおかしいな。
部屋に入らなきゃ殺せないだろう。
だから殺しなんかやっちゃいませんって。
じゃどうして逃げたりしたんだ?俺警察関係と相性が悪いもんですから。
何だと!まあタバコでも喫ってゆっくり思い出そうか?洋モクないスか?月岡治42歳。
元代議士秘書で現在自称探偵です。
前科はありますか?詐欺・傷害それぞれ1回です。
事件当日花井の部屋を訪ねた目的は?今のところ花井から代議士とのコンタクトを頼まれたと言ってます。
代議士と?何でも花井が住宅の特殊な建て方の建設大臣認定ってのを欲しがってたらしいんです。
そのことで花井と月岡の間に何らかのトラブルが発生した可能性もありますね。
今日ホテルへ行っていたのは?花井が殺されたのを知らなかったって言ってますね。
実際花井と月岡の関係がどうだったのかウラをとってくれ。
ハイわかりました。
流石さん。
ハイ。
お年を考えてあまり無理をなさらないように。
無理なんかしてません!署長。
科学警察研究所からの分析結果が届きました。
ガイシャがつかんでいた髪の毛の分析結果ですね。
毛根に付着していた根鞘細胞をフォイルゲン染色で分析したところ女性の毛髪と判明した。
また乖離試験法による分析の結果血液型はO型と判明。
きっとガイシャは死ぬ直前にホシの髪の毛をつかんだんです。
姫子さんの言ったとおりホシはやっぱり女でしたね。
署長。
どういたしましょう?月岡のことは鳴海さんたちに任せましょう。
事件当日花井と接触のあった可能性のあるO型の女性を徹底的に洗ってください。
麗もO型だ…。
殺された花井部長とはどういったご関係だったんですか?どういったご関係って?会社の人にちょっと聞いたんですけどね。
お2人は不倫なさってたとか…。
…してましたよ。
それが何か?結婚式もうすぐなんですってね?はい…。
いろいろと準備大変でしょう。
ええ…。
ごめんなさいね。
忙しいときに。
いえ…。
亡くなったご主人は奥さんとは再婚だったんですか。
でお子さんもいらっしゃらない。
はい。
ご主人はほとんどホテル住まいだったようですがということはほとんど別居状態だったということですか?まあそうです。
あの…離婚とかっていう話は?…出てました。
やはり原因は女性関係ですか?主にそういうことです。
じゃああなたも相当ご主人を恨んでたんでしょうね。
…ご苦労さまです。
(姫子)もう1度話を整理させていただきますよ。
花井さんが殺された夜あなたは11時前に花井さんの部屋を訪ねた。
しかし応答はなかった。
それでフロントまで戻って今度は内線電話でかけた。
それでも応答がなかったんですね?…そうです。
それで仕方なくもう1度花井さんの部屋に戻ったけどやはり応答がなかった。
それで仕方なく諦めて帰ったんですね?そうです。
届けようと思った書類はなるべく早く渡さないといけない資料だって言ってましたよね?はい…。
どうしてフロントに預けなかったんですか?大事な資料だったのでそれは考えませんでした。
だったらもう少し待ってみようと思わなかったんですか?終電の時間が迫ってましたから…。
そうですか…。
(姫子)ご苦労さまでした。
なんか気になりませんか?すべて即答ですよ。
あの…!すみません!うちの署長とは知り合いでしたよね?おつき合いなさってますよね?この前偶然見てしまったもので…。
何をおっしゃりたいんですか?別に何ってこともないんですけど…。
失礼します。
4人が4人とも確かなアリバイはなしか…。
沢木麗で決まりでしょう。
ガイシャが殺された時刻に部屋を訪ねてるんですよ。
正確には部屋の前までです。
そんなこと本気で信じてるんじゃないでしょうね?
(鳴海)沢木麗の髪の毛を採取しましょう。
それをガイシャがつかんでいた髪の毛と比べれば一発ですよ!いいですね本部長!
(北原)私が行ってきます。
待ってください!いくらなんでも強引すぎます。
もうしばらく4人を洗ってください。
腰抜けキャリアが…!この前誤認逮捕やったからな。
それでビビってんのさ。
山城さん。
もうちょっと教育しといてくれなきゃ。
そんな。
署長にビシッと言えるのは鳴海さんぐらいしかいないじゃないですか。
よろしくお願いしますよ。
署長。
今晩うちに来てください。
うわ…!大胆。
どうしてですか?
(姫子)いいから来なさい!
(チャイムの音)ハーイ。
さあどうぞどうぞ。
失礼します。
フフッ私の恋人・…いい趣味してますね。
それほどでも。
お腹すいてるでしょう。
寄せ鍋用意したんですよ。
申し訳ありませんけど食事は済ませてきました。
ああそう…。
お話があるんじゃないですか?…ええ。
そこへ座ってください。
この前悪いと思ったんですけど私見てしまったんです。
花井武彦が殺された日…。
沢木麗さんとデートしてるところを…。
麗さんとは結婚を前提におつき合いしてるんですか?…そうです。
だったらどうして昼間の捜査会議のときに麗さんをかばってあげなかったんですか?少なくとも10時半までは麗さんと一緒にいたんでしょう?いつか私に「捜査に私情を持ち込むな」と言いましたね。
でも私情を持ち込んでるのは署長の方じゃないですか!話はそれだけですか?…それだけです。
…じゃあ失礼します。
私からも1つ訊いていいですか?何ですか?30年前どうして親父と結婚しなかったんですか?親父に訊いても話してくれないんです。
縁がなかったんです。
それだけです。
でもこれだけは覚えておいてください。
私もあなたのお父さんも本気で愛し合っていたということだけは。
産んだ子供はどうだったんですか?愛してなかったんですか?愛していたに決まってるじゃないの!だったらどうして堤家に渡したんです!どうしてですか?答えてください!…その方があなたが幸せになれると思ったからです。
お母さまは3年前に亡くなられたそうですね…。
あなたはどうなんですか?この30年間幸せだったんですか?こんなにいっぱい1人じゃ食べきれないでしょう。
そんなに恩着せがましく食べてもらわなくても結構です。
いただきます。
おいしいです。
ではどうぞ。
(山城)沢木麗と会っていた!?署長。
それはどういうことですか?失礼ですが本部長と沢木麗とはどういうご関係ですか?…恋人です。
結婚も考えています。
まさか…。
冗談ですよね署長?いえ。
今まで黙っていて申し訳ありませんでした。
ガイシャが殺された日に沢木麗と会ってたっておっしゃいましたけど具体的に説明してもらえますか?あの日は共通の友人の結婚式で昼の式から夜の2次会までずっと一緒でした。
別れたのは午後10時半です。
どこで別れたんですか?山下公園です。
キッスでもしてですか?別れ際沢木麗はどこかに寄っていくとか言ってましたか?同じ会社の女子社員たちと3次会をやると言ってました。
3次会?そりゃおかしいですね。
確か取り調べではガイシャの部屋に仕事の資料を届けに行ったと言ってましたよ。
そうでしたよね?流石さん。
えっ?ええ…。
恋人のあなたに何でそんな嘘をついたんでしょうね?本部長外れるべきでしょう。
キャリアの方に失礼だろう。
まあいずれにしても捜査に私情ははさんでほしくないものですな。
ご心配には及びません。
申し訳ありませんが捜査本部長を降ろさせていただきます。
署長!待ってください!!今朝一番で県警本部に出向き捜査本部長を辞退してきました。
後任の本部長は県警の方から派遣していただきます。
あとをよろしくお願いします。
まあご心配なく。
かえって捜査がはかどりますよ。
署長!
(安井)署長!!
(鴨下)ますます県警のいいなりかよ…。
姫子さん。
姫子さんの気持ちよくわかりますよ。
愛してる人が自分以外の人と結婚する…。
ショックですよね!姫子さん。
よかったら俺の胸で思いきり泣いてもいいんですよ!何でそんなことすんの?何でって俺には正直に言ってくださいよ!署長のこと愛してるんでしょ!?愛してますよ!披露宴の余興の練習
(島谷)余興の練習なんかしたってムダよ。
どうしてですか?浦部さんたちの結婚式きっとできないから。
そんなことあるわけないじゃないですか!変なこと言わないでください!だといいけど。
聞いたぞ。
その彼女が本当にクロだったらどうするつもりなんだ。
捜査本部長を降りたぐらいじゃすまんぞ!今すぐ別れるんだ。
そして三隅さんのお嬢さんと見合いをしろ。
いいな?30年前の自分にも同じことが言えるのか?30年前の親父だったら今の俺の気持ちが痛いほどわかるはずだ。
俺はどんなことがあっても彼女と別れない。
会社いよいよ明日で最後ですね。
危ない!大丈夫ですか先輩!!ちょっとかすっただけ…。
(北原)ご苦労さまです。
署長の堤です。
この度はお世話になります。
県警の蛭間捜査一課長です。
(蛭間正道)若いな。
捜査は場数だ。
場数を踏まなきゃ本物にはなれねえぞ。
姫子さん!また殺しです!!
(パトカーのサイレン)島谷涼子…。
ホシと争ったみたいだな…。
昨夜管理人が見かけない若い女を目撃したと言ってます。
(安井)若い女?よし。
それじゃ残ったこいつらを任意同行しろ。
(山城)わかりました。
ちょっと待ってください!若い女が目撃されたというだけで…。
それに花井殺しと島谷殺しが同一犯と断定するのもちょっと早すぎませんか?
(山城)流石さん!おばさんあんた何?交通課じゃないんだよ。
キップ切ってりゃ済むってもんじゃないんだ。
いいか。
勘違いしちゃダメだよ。
我々県警は頭なんだ。
君たち所轄は手足だ。
手足の仕事は頭の言うことを素直に聞いて動くこと。
わかった?
(山城)申し訳ありません。
花井光江が花井に5000万の保険をかけてました!なに?かけたのはいつだ?
(北原)殺されるひと月前です。
決まりだな…。
(鳴海)いってきます!じゃあたまたま偶然ひと月前に保険に入ったというんですか。
…そうです。
そんな偶然警察じゃ通じないんですよ。
でも本当なんです。
信じてください。
ご主人と島谷涼子が不倫関係にあったことは?…知ってました。
それで憎らしさのあまり島谷涼子まで殺してしまった。
まさか!不倫されたぐらいで人なんか殺すわけないじゃないですか!まあそう興奮しないでください奥さん。
この男には見覚えありますか?…あります。
おう。
失礼なことしてないか?
(2人)ご苦労さまです。
へえ。
こんな狭いトコで男2人に責められてねえ。
かわいそうに…。
これからの警察はなオシャレにいかなきゃ。
オシャレに優しく。
ねえ?あゴミついてるね。
ああ痛かった?ごめんね。
おい。
失礼のないようにな。
・
(蛭間)おばはん。
おばはんと違います。
流石姫子です。
へえポカポカ暖かくてピクニック気分だね。
これあんたが作ったの?へえうちのカカアなんか何もやってくんねえわ。
女もああなるとおしまいだね。
ひとつどうですか?ああ悪いね。
卵焼きな。
あうまいうまい。
最近はコンビニの弁当ばっかりだ。
あんた警察に置いとくのもったいないよ。
ああこの髪の毛ね科学研究所に送っといて。
この髪の毛誰のですか?花井光江に決まってるだろう。
ガイシャが握っていたヤツと照合してもらうんだ。
いいね?頼んだよ。
偉そうに…。
ああそれからハンカチ洗っといてくれ。
今月中に照明プランを出せばいいんですよね?ええ。
でも予算的に厳しいからそこはうまくお願いね。
わかりました。
他には?以上です。
確かに引き継ぎました。
ああ…。
終わっちゃった。
入社の頃からいろいろとお世話になりました。
やめてよ。
私の方こそ…。
先輩は結婚式のことだけ考えてください。
幸せになってくださいね。
うん。
(携帯電話の音)すみません。
電話を切る出なくていいの?食事行きましょう。
しらばっくれるのもいいかげんにしろ!保険金目当てに花井光江と共謀して2人を殺したんだろう!花井光江はあんたのことを知ってるって言ってるんだよ。
(月岡)俺も知ってますよ。
ただ旦那の不倫調査のことで会っただけですけどね。
不倫調査…どういうことだ?死んだ人のことを悪く言いたかないけど花井さんは女に対して最低でしたからね。
もう手当たり次第ですよ。
そのことを俺が奥さんにチクったわけですよ。
そうしたら案の定「もっと詳しく調査してくれませんか」ってね…。
ちょっとしたサイドビジネスですよ。
(鴨下)課長!やってられませんよ全部県警指示じゃないですか!俺たちの立場がないですよ!文句は署長に言いなさいよ元はと言えば署長が悪いんだから!県警のお陰で楽できるからいいじゃないですかねぇ。
お帰りなさいませ!県警の方で何かございましたら…。
お茶飲んでる場合じゃないだろう。
沢木麗は洗ってるんだろうな。
もちろんです。
…報告はどうした?島谷涼子は殺される前の日沢木麗とトラブってたらしいです。
〔浦部さんたちの結婚式きっとできないから〕〔そんなことあるわけないじゃないですか〕〔変なこと言わないでください!〕何でもっと早く言わなかった!?「手足」には口はついてませんから。
わかったじゃあ手足にふさわしい仕事をくれてやる。
今すぐに沢木麗の髪の毛を1本持ってこい。
ちょっと待ってください。
何様のつもりですか?刑事に頭も手足もないでしょう!おばはん俺が気にくわなかったらやることやってから言うんだね。
あんな署長のいる所轄なんか期待してないけどね!わかりましたそこまで言うなら私が沢木麗の髪の毛取ってきます。
(丸山)姫子さん!おいあのおばはん何とかならんかね。
(玄関のチャイム)・
(麗)はい。
遅くにすみません。
署長捜査会議のときあなたとのことを堂々と宣言したんですよ。
〔恋人です。
結婚も考えています〕署長とはどのぐらいのおつき合いなんですか?ちょうど2年になります。
どこで知り合われたんですか?うちの会社の先輩と恭一さんが大学の同級生だったんです。
それで先輩に飲みに誘われて…。
〔どうかしましたか?〕〔いや…死んだおふくろの若いころにそっくりだなと…〕〔そう言っていつも女の子を口説くんですか?〕〔まさか…本当に似てるんです〕そうですか…亡くなったお母さんと…。
この前からどうして恭一さんのことばかり訊くんですか?…えっ?あ…そうですか…?・
(玄関のチャイム)すみません。
はい。
(恭一)「堤です」
(恭一)「上がっていいかな?」ごめんなさい今お客様なの。
玄関で帰るよ。
ちょっと話があるんだ。
ホント今日はごめんなさい!あの…私ならもう帰っていいんですけど…。
いいんです。
紅茶が冷めますからどうぞ。
(進藤正雄)署長の恋人が容疑者?そりゃドラマみたいだな。
もう冗談言ってる場合じゃないでしょう進藤署長!署長はやめてくれと言ってるだろう今はただの守衛のオヤジだよ。
「もしも」ってこともあるし…髪の毛もどうしよう…。
何をブツブツ言ってるんだい。
ラーメンのびちゃうよ。
けどそういう場合お互いが結婚しようと思っていてもダメになるもんですかね?そんなことはないさ。
本気で人を好きになったら世間体とか立場はどうでもいいことになるじゃないか。
そうですよね容疑さえ晴れればまた元どおりになりますよね。
でもなあ…。
…でも?こればっかりは縁だからな…。
「縁」ねえ…。
姫ちゃん…どうしてそんなに署長のことを心配するんだ?まるでおふくろさんみたいだな。
えっ…!?そんな…別に心配なんか…。
どうもご苦労さまです。
ごめんなさい。
ブラシがないわ。
あった!あったあった!どうか麗さんの髪の毛とガイシャがつかんでいた髪の毛が一致しませんように…!廊下を走るなって習ったでしょ!
(丸山)習った習った。
分析結果出ましたよ。
どうだった?ガイシャがつかんでいたものと一致しました。
どっちだ!?沢木…沢木麗です。
ようし…。
逮捕状を用意しろ。
はい。
沢木麗か…まいったな…。
署長の恋人じゃねえかよ。
ちょっと見せてください。
「そのうち3本の毛根は極端に萎縮し円形脱毛症にかかった毛髪である」円形脱毛症…。
沢木麗だな?
(麗)はい…。
花井武彦殺人容疑で逮捕する。
お前にはかわいそうだがこれで踏ん切りがついただろう。
彼女とはきっぱりと別れて見合いをしてくれるな。
彼女とは別れません。
絶対にシロだと信じてますから。
毛髪の分析結果を見なかったのか?DNA鑑定も完璧に一致している。
これ以上の証拠はどこにあるんだ?そんなものは信じません。
自分は彼女を信じてます。
目を覚ませ恭一。
お前は警察官だ。
警察官なら個人的な感情は捨てろ!俺は警察官である前にひとりの人間だよ!親父はどんなときでも警察官だ。
だからあの人を捨てられたんだ。
俺はどんなことがあっても彼女を捨てたりはしない。
もう二度と見合いの話はしないでくれ!「警察官である前にひとりの人間」か…。
お呼び立てしてすみません。
いいえちょうど結婚式の打ち合わせがありましたから。
確か明日でしたね。
女は一番好きな人と結ばれるのが最高の幸せですものね。
幸せになってくださいね。
はい。
…でお話っていうのは?沢木麗さんのことでちょっとお訊きしたいんですけど。
麗さんとは会社では一番仲がよかったと聞いてますけど。
はい。
彼女円形脱毛症ってことはないでしょうね?たぶん…そんなことはないと思います。
そうですよね。
変なこと訊いてすみません。
あの麗ちゃん何かあったんですか?今日逮捕されました。
署長…ちょっと早いけど飲みに行きませんか?まだ勤務時間ですよ。
またそんな固いこと言って…。
これでも一応署長ですから。
もっとも最後まで捜査本部長を務められないようなだらしない署長ですけどね。
そんなことはありません。
麗さんのことを信じてるんでしょう?当たり前です。
それでこそ私の息子です。
でも今の僕には何もできません。
麗のことよろしくお願いします。
任せてください。
麗さんの無実必ず私が証明してみせます。
あんた…見かけによらず強情だね。
いくらダンマリ決めたって署長さん助けに来てくれないぜ。
もう本部長も外されたしな。
あんな腰抜けキャリアになんか惚れるんじゃなかったな。
何だよ…何か文句あるなら言ってみな。
・
(姫子)失礼します。
何ですか。
どんな様子かと思いましてね。
麗さん…県警の刑事さんにはいじめられてませんか?ちょっと流石さん人聞きの悪いこと言わないでもらいたいね。
何か聞き出せたんですか?ここへ来てから一言もしゃべってませんよ。
どうせ署長としか話したくないんだろ。
麗さん私になら話できますか?ここは私たちに任せてお引き取りください。
ああちょっとちょっと…!何かある…。
お願いしますもう一度沢木麗の髪の毛を分析させてください!一度分析すれば大丈夫だよ。
科警研が信じられないのかよ。
捜査には念には念を入れるべきだと言ってるんですお願いします!
(携帯電話)はい蛭間…わかったわかった。
仕事場には電話するなよ。
わかったよそんなことは…うちに帰ってから…。
よろしくお願いします!流石くんいいかげんにしなさい。
もう一度分析させてくださいお願いします!勝手にしろよ。
勝手にさせていただきます!女はこれだからイヤだよ…。
分析結果は?沢木麗シロでしたよ。
シロ…やった!勘違いしないで。
沢木麗から直接取った髪の毛と花井がつかんでいた髪の毛が一致しないということです。
どういうこと?ちょっと来てください。
これが沢木麗から採取した髪の毛の分析結果です。
これ…花井がつかんでいた髪の毛と全然違うでしょう。
でも殺人現場に落ちていた髪の毛とはピッタリ一致するんですよ。
つまり沢木麗は現場の部屋に入っていたということですね。
でも私が沢木麗のロッカーから持ってきた髪の毛と花井がつかんでいた髪の毛とは同じだったんでしょう。
だから姫子さんが取ってきた髪の毛は沢木麗のじゃなくておそらく真犯人のものだったんですよ。
(蛭間)おばはん。
「流石」です。
ああ流石さんあなたその髪の毛どこから持ってきました?沢木麗のロッカーの中にあったブラシからですよ。
本当に沢木のロッカーにあったんですか?そのブラシだよ。
おいさっさと取ってこい!一緒に来てください。
ない…ない…ない…!ロッカーの中にブラシは確認できませんでした。
ブラシはどこに処分したんだ?ロッカーの中に入れてあったブラシだよ!どこに隠した!?おっかないおじさんだろう。
何やるかわからないからね。
黙ってたってダメだよ。
殺された花井の部屋に入ってないと言ってたけどウソだろう。
部屋にあんたの髪の毛が落ちてたんだよ。
それから…あんたのロッカーにあったブラシ…あれは共犯者の物だろう?全部吐いちまえよその方が楽になるよ。
・入れてくださいお願いします!またあのおばはんか。
これ以上うちの恥をさらすのは…何が恥ですかどいてください!静かにしてよ今取り調べ中だよ。
申し訳ございませんすぐ連れていきます。
私も取り調べに参加させてください!自分の立場わかってるの?あんたのドジのおかげで共犯者につながる証拠を捨てられちまったんだよ。
山城さんこの本牧署ってのはどうなってるの?おばはんにしろ署長にしろ我々の捜査の足を引っ張らないでくれ。
頼みますよ。
申し訳ございません!流石さんお願いですからこれ以上…。
うるさい!邪魔するなってのがわかんないのか!?わかりません。
所轄には所轄の意地があります。
意地!?あの…流石さんと2人にしてください。
お願いします。
私からもお願いします!それじゃ所轄の意地ってもんを見せてもらおうか。
女同士の方が話ははずむかもしれんからな。
10分だけだぞ。
おい。
はい…。
恭一さんが捜査本部長を外されたって本当ですか?ええ…実際には署長の方から辞退したんですけどね。
私のせいですね。
あなた誰かをかばってるでしょう?お願いですから本当のことを答えてください!時間がないから単刀直入に言います。
私は今すぐあなたに容疑を晴らしてもらい署長と結婚してほしいんです。
署長は本当にあなたを愛しているんです。
心から結婚したいと思っているんです。
あなたもそうでしょう!?もしかして流石さん恭一さんの本当のお母さんなんですか?やっぱり…。
恭一さん前に話してくれたことがあるんです。
自分には生き別れになった本当のお母さんがいるんだって…。
一度でいいから会ってみたいって…。
とんだ親バカです。
刑事のくせにこんなに取り乱してしまって…。
でもあの子のことを考えるといてもたってもいられないんです。
それにあなたには関係ないけど好きになった人と一緒になれなかった昔の自分のことを思い出したんです。
あなたたちだけは私のようになってほしくないの…!みんなから祝福されて幸せな結婚をしてほしいの…!麗さん…本当はあなた真犯人を知っているんでしょう?その人のことをかばってるんでしょう?真犯人を言えないんだったらひとつだけ答えてほしいの。
あなたのロッカーの中にメモがあったでしょう?あれはもしかして披露宴会場のリストだったんじゃないんですか?お願い…答えて。
言葉に出せないんだったらうなずくだけで結構です。
披露宴会場のリストだったんですね…!?ありがとう…!もっと飛ばして飛ばして!わかってますから姫子さん。
(パトカーのサイレン)
(神父の言葉)披露宴会場はどこですか?花嫁控え室に案内してください。
こちらです。
すみません浦部夏海さんの髪を担当した方はいらっしゃいますか。
私ですけど。
本牧署の者です。
つかぬことをお訊きしますが浦部さんカツラを使ってますね。
カツラ?隠さないでください大事なことなんです。
浦部さんは円形脱毛症を隠すためカツラを使っていたのでは?そうです。
やっぱり…。
(拍手の音)
(司会)では最後に長い間慈しみ育ててくださいましたお父様へ新婦夏海様より感謝の言葉がございます。
(夏海)お父さん…お母さんが亡くなってから20年間男手ひとつで私を育ててくれてありがとうございました。
私はお父さんにとってちっともいい娘じゃなかったけどそんな私をいつも温かく見守ってくれて…それが…どんなに励みになったか本当に…本当に感謝しています。
お父さんありがとう。
行くわよ。
はい。
(拍手の音)・
(友人)がんばって夏海!
(拍手の音)大丈夫かい?最後になりましたが私が嫁いだ後ひとりになる父のことを…どうか皆さま…よろしくお願いいたします。
どうしたんですか?披露宴だけは最後までやらせてあげよう…な?はい。
おめでとう。
ありがとうございます。
(夏海)お待たせしました。
花井武彦島谷涼子を殺したのはあなたですね?はい。
申し訳ありませんでした。
逮捕状なんか持ってきてません。
花婿さんにお別れを言ってから自首してください。
夏海さんを待っててあげられますね?行くよ。
お茶入りました。
はいご苦労さま。
あんな強情な女初めてですね。
自分に任せてください。
夜までに落としてみせます。
ああ頼むよ。
流石さん勝手にどこ行ってたんですか!?たったいま浦部夏海が自首してきました。
どうしてですか?もちろん花井武彦と島谷涼子殺害の容疑です。
なに寝ぼけたこと言ってんの。
それなら自分で確認してみたらどうですか?それとも誤認逮捕がバレないようマスコミに手を打つのが先かな…。
ちょっと待て本当に浦部夏海が自首して来たのか?丸山が今取り調べております。
何を勝手なことを…おい!女はこれだからイヤだよ。
すみませんね所轄の分際で。
勝手なことをしたんですね!別に…。
さてともう一仕事。
(2人)やった!さっき浦部夏海さんが自首してきました。
彼女全部話してくれましたよ。
事件が起こった晩夏海さんは花井部長との関係を終わらせるためにひとりで部屋を訪ねた…。
〔でも何か嫌な予感がして沢木さんに11時に来てほしいと頼んだんです〕〔先輩…?〕〔先輩!?〕〔先輩…フロントから何回も電話したんですよ〕〔ちょっと入って…〕〔はい〕
(悲鳴)
(麗)〔死んでるんですか…!?〕〔こんなこと…するつもりじゃなかったのに…!〕〔警察には?〕〔連絡しましょう!〕〔ダメ!もう後戻りできない〕〔私の指紋も拭いちゃったしもうダメなの!〕〔でもそんなこと言ったって…〕〔お願い麗ちゃんここで見たことは誰にも言わないでお願い!〕麗さん…夏海さんが円形脱毛症だったことは知ってましたか?…いいえ。
長い間花井からセクハラを受けていてね…。
いいえセクハラなんてそんな生やさしいものじゃない。
しかもそのことを誰にも言えずひとりで悩んでいたらしいの。
そのことが原因で…。
〔でもそれもあの日で最後のはずだったんです〕〔花井のあの言葉さえなかったら…〕〔警察に訴える?訴えてみろよ〕〔お前たちの結婚メチャクチャにしてやるからな〕〔そんなことしたらあなたのこと殺してやるから〕〔本当に殺してやるから!〕〔おいわかったよ…な?〕〔もう二度と連絡しないでください〕〔会社でも仕事以外は話しかけないでください!〕〔うぬぼれるのもいいかげんにしろよ〕〔誰がお前みたいな女本気で抱きたいと思う?〕〔お前がさびしそうにしていたから相手にしてやっただけだろう〕〔私のことメチャクチャにしたくせに…〕〔やめろ…やめろよ…な…やめろ…!〕
(麗)夏海先輩…。
でも夏海さんの悲劇はそれだけじゃなかった。
〔しばらくして今度は島谷さんに脅迫されるようになりました〕〔あなたが花井部長を殺したんでしょう?私知ってるのよ〕〔なに言ってるの〕〔部長にずっとセクハラされてたくせに結婚前にその関係を終わらせたくて部長を殺した…〕〔図星でしょ?〕〔バカバカしい〕〔このまま帰ってもいいの?〕〔部長が撮ったあなたの恥ずかしい写真…〕〔これ…ばらまいてもいいの?〕〔車で1回警告してあげたのにあなたが素直に結婚をやめないからこういうことになるのよ〕〔やっぱり…あれはあなただったの?〕〔ばらまかれたくなかったら秋本さんとの結婚をやめなさいよ〕〔やっとここまで来れたのに…誰がやめるもんですか〕〔私から秋本さんを奪っておいてよくそんなことが言えるわね!〕〔返して!〕〔何するの!〕〔あっ!〕流石姫子…さすがだね。
これが事件の真相のすべてです。
けど…ひとつだけわからないことがあるの。
どうしてあなたは夏海さんをそこまでかばったんですか?そりゃ…仲のいい先輩後輩だったことはわかります。
でも普通自分が逮捕されてまでかばったりはしないでしょう?花井部長からセクハラを受けていたのは…最初私だったんです。
入社してしばらくのことでした。
花井部長に仕事があるからとホテルの部屋に呼ばれたんです。
(麗)私は…睡眠薬入りのコーヒーを飲まされて…。
・
(ノックの音)・
(夏海)〔部長!部長!浦部です開けてください!〕
(麗)夏海さんだけには入社直後からセクハラを受けていたことを相談していたんです。
だから私が部長にホテルに呼ばれたって聞いたら駆けつけてくれて…!でもそれが夏海さんにとっては地獄の始まりでした。
(夏海)〔やめて!いや!〕〔やめてぇ…!〕〔いや…!〕〔やめて!〕〔夏海先輩…!〕〔見ないで…早く出てって!〕許せない…!それからはずっと…先輩が私の身代わりになってくれてたんです。
ずっと私の身代わりに…!だから…私があのまま部長にセクハラされてたら私が花井部長を殺していたかもしれないんです…!私が部長を…!夏海さんをかばおうと思ったときに恭一のことは考えなかったんですか…?もちろん…恭一さんのことは考えました。
だけど…私だけ幸せになって夏海先輩が犯罪者だなんてそんなこと…!そんなこと絶対に耐えられなかったんです…!だって…夏海先輩は何も悪くないんですよ。
本当は夏海先輩の方が被害者なのに…!それも私のために…!!ブラシは…夏海先輩に「捨てて」って頼まれたんです。
私がもっと早く捨ててたら…夏海先輩は…!みんな私のせいなんです。
私が…!あなたのせいじゃない。
あなたのせいじゃないわよ。
(泣き声)麗さん…。
つらかっただろう。
ごめんなさい…本当のことが言えなくて。
君が悪いわけじゃない。
もう事件のことは忘れるんだ。
私があのとき自分でちゃんとセクハラを拒否してたらこんな事件は起こらなかったの。
もうやめろ。
自分を責めるなよ。
それに私はあなたのことを裏切ったわ。
あなたが必死に事件の捜査をしていることを知ってて真実を隠してた。
そのことはもういいって言ってるだろ。
ダメ…。
もう忘れろよ。
ダメなのよ…!あなたを裏切ったことには変わりないもの…。
あなたを裏切った自分がどうしても許せない…!ごめんね…恭一。
麗…。
さよなら。
ごめんなさい「お母さん」って呼べなくて…。
恭一…いいんですか!?いいんです。
私が話してきます!やめてください親バカ丸出しじゃないですか!一度言い出したらきかない奴なんですよ。
そのことは俺が一番よく知っています。
あとで後悔しても知りませんよ。
そのときはひとりで思いきり泣きます!世の中どうにもならないことがあるんですね。
愛し合っていてもどうにもならないことが…。
ええ…そういうのをきっと「縁」っていうんですよ。
おはようございます。
署長…おはようございます!おはようございます。
あれ署長…目の周りがはれてますよ。
えっ!?…流石さん!怒る元気があるなら大丈夫です。
ファイトファイトです!ちょうどいい機会だから言っておきますけどご自宅のキムタクいかがなものでしょう?「いかがなもの」と申しますと?警察官としての見識を疑われますよということです。
ではこれはいかがなものでございましょう。
何ですかこれ!?没収します。
ちょっと何するんですか!?写真を抜いてお返しします。
返してくださいよ。
署長がそんなことしていいんですか!?いいんです。
こら!ドロボー!ドロボーとは何ですか人聞きの悪い!私のもの取ったやない!2014/06/19(木) 13:05〜14:56
ABCテレビ1
おばはん刑事!流石姫子