仙台鈴木　新オプションから赤嶺弾演出

　唯一のゴールは、新オプションから生まれた。仙台は宮崎・延岡キャンプ５日目の２２日、Ｊ２熊本と練習試合（４５分×２）を行い、合計１－４で敗れた。２本目の４分、右ＭＦで出場したＤＦ鈴木規郎（３０）が、利き足とは逆の右足クロスでＦＷ赤嶺の頭へ絶妙なアシスト。中断期間から取り組んでいる形が早くも結果となって表れた。

　鈴木の突破が攻撃の幅を広げた。センターサークル付近でボールを持つと「縦に勝負しようと決めていた」とドリブルを開始。相手が強烈な左足を警戒して中央への進入を防ぐ位置を取ったのを見逃さず、右サイドを独走した。これまでは左や２トップの一角を任されてきたが「選択肢が多いし、やりにくさはない」と手応えは十分。起用した渡辺監督も「相手に脅威を与える、いいトライだった」とたたえた。

　Ｗ杯も刺激になっている。アルゼンチンＦＷメッシ、ドイツＭＦエジルら、左利きの選手が右サイドで躍動する姿を見てきた。特にオランダＦＷロッベンはＦＷから両サイドハーフもこなし、年齢も同じ。「得意な形を持っているし本当に勉強になる」と話す。

　前日までの厳しい体力強化メニューで全体的に動きが重い中、ゴール前への飛び出しや代名詞の直接ＦＫで見せ場を作った。結果は大敗でも「イメージは共有できているので続けていきたい」と鈴木。キャンプ後半からリーグ再開まで、さらに迫力と精度を高めていく。【鹿野雄太】

　［2014年6月23日11時40分　紙面から］