=?ISO-2022-JP?B?GyRCNmJNSyVXJWwlOSVGITwlOCEmQD5CPDV+QkBPOiU5JVolNyVjJWs3WUl0SmQhJjo0ITlMWj5mQkBPOi0nGyhKIDIwMTQuMDYuMjA=?

(丈太郎)白井秀夫だな。
勝どきのコンビニを襲い店員を刺した容疑で逮捕状が出てる。
(白井)いってえ!
(降谷)おい待て!
(女性)うちは来月からロサンゼルスですの。
(女性たち)え〜っ!?ロサンゼルス!
(女性)もう急に転勤が決まっちゃって準備とか大変なんですよ。
(降谷)待て!危ないから逃げて!逃げてー!おい!大丈夫ですか!?おい!
(丈太郎)白井!
(白井)うわっ!
(白井)あっ!うわっ!
(降谷)おい白井秀夫。
逮捕だ!
(白井)くそっ!放せ!
(降谷)てこずらせやがって!押さえて押さえて押さえて!
(丈太郎)大丈夫ですか?大丈夫?ありがとうございました。
(女性)アヤカ!何やってんの!何で勝手にふらふら行っちゃうの!
(亜木子)あなたがママさん?はい。
(亜木子)違うでしょ!
(亜木子)子供を守らない人に母親を名乗る資格ありません!偉そうに。
うるせえんだよ。
ちょっと…。
もう一度言ってごらんなさい!
(悦子)あれ亜木子さんよね?
(真澄)はい。
相変わらずきついわね。
会社でもああなの?私は支店の店員なので。
社長にはほとんどお会いしないんですがお優しい方だと伺ってます。
(悦子)そうなの。
それ届けておいてね。
間違いなくよ。
はい分かりました。
ありがとうございます。

(降谷)佐々木さん気が付きました?今の女性大橋亜木子さんでしたよね。
子供を助けた人。
大橋亜木子?
(降谷)シェ・スールっていうフラワーショップのチェーン店を全国展開してる会社の美人社長ですよ。
そうなのか。
いやしかし今にも子供の母親に殴り掛かりそうな気合だったな。
ええ。

(亜木子)江里子今日はもういいわ。
(江里子)あしたは8時のワイドショーのレギュラーコメンテーターの日ですので朝6時半にご自宅にお迎えに上がります。
失礼します。
ご苦労さま。
(ドアの開閉音)どうしたの?京子。
そんな怖い顔して。
(京子)いつからタレントになったの?時には文化人だってやるわよ。
(京子)どっちも偽者なんでしょ?躍進するビューティーヒロイン大橋亜木子は嘘で固めた偽者。
でしょ?あなたのやり方は間違ってる。
もう放ってはおけない。
(宗太の泣き声)
(宗太の泣き声)
(春代)宗太はちっとも悪くないのよ。
悪いのはおばあちゃんなんだからもう泣かなくていいのよ。
お〜宗太。
どうした?
(春代)聞いてよ丈太郎。
世の中どうかしてるわよ!えっ?何があったんだ?
(涼子)今日宗太の友達のお誕生日会があって招待されたんだけど。
(春代)涼子さんがね仕事で行かれないから私が宗太を連れてったのよお祝い持って。
うん。
(涼子)そのお祝いが問題だったわけ。
何持ってったんだ?どうせみんなケーキとかお菓子とかおもちゃだろうと思っていぶりがっこ持ってったの。
いぶりがっこ?たくあんの薫製みたいの。
これ。
ああこれか。
うん。
うん。
うまいじゃないか。
意外にヒットかも。
でしょ!でも友達に何だこれ?臭い!とか言われて宗太が泣かされちゃったわけ。
ふ〜んそうなのか。
母親も母親なのよ!これは日本の伝統的な漬物なのよ薫製というものなのよって教えてあげるとか自分が食べてみせておいしい!とかって子供たちに教えてあげればいいのに…。
どこどこのパンがどうのケーキがどうのって!パンとケーキじゃなくてパンケーキですお母さん!今はやってるんです。
どっちだっていいわよ。
ハハハハハ。
よし宗太。
よし食べてみろ。
うまいぞ〜ほい。
うん。
どうだ?
(宗太)うん!だろ?さすがおばあちゃんだな。
うん!
(春代)フフフ。
宗太〜。
じゃあご飯にしましょう。
今日は宗太の大好きなハンバーグよ〜。
おおやったなぁ。
降谷!
(降谷)お疲れさまです。
(刑事)お疲れさまです。
身元は?株式会社シェ・スール専務取締役高井京子。
シェ・スールってフラワーショップのか?
(降谷)ええ。
この間の女社長大橋亜木子の会社の。
《子供を守らない人に母親を名乗る資格ありません!》
(降谷)死因は頭蓋骨損傷を伴う脳挫傷。
この上から転落したようです。
死亡推定時刻は?
(降谷)昨夜の午後11時前後。
財布はバッグに残ったままです。
金品目的ではないようですね。
何ですか?それ。
何だろうな。
鑑識さんこれは?
(鑑識)見た目では判断できませんね。
科捜研で分析してもらいます。
お願いします。
佐々木さんガイ者のスマホなんですが公衆電話からの着信がありました。
公衆電話?ええ。
着信をたどってみたら1カ月ほど前から時々公衆電話から着信があるんです。
今どき公衆電話って…。
発信者を知られたくない人間からの電話かもしれんな。
(降谷)えっ?それってまさか脅迫でもされてたんですかね?どこの公衆電話からか調べられるか?任せてください。

(降谷)ごりごりで赤丸付けてますね。
うん。
ありがとうございます。
被害者の高井京子ですが15歳のときに初等少年院に入っていたようです。
少年院。
罪状は?
(降谷)一人暮らしの老人宅に盗みに入ったところをたまたま訪ねてきた息子さんに取り押さえられたそうです。
詳細を調べてみてくれ。
警視庁捜査1課の佐々木です。
降谷です。
(江里子)社長秘書の森山です。
どうぞ。
失礼します。
ああ…。
大橋社長はボランティア活動をなさってるんですか。
(江里子)はい。
恵まれない子供たちのために色々。
全てプライベートマネーです。
ほ〜…。
(江里子)社長。
(江里子)刑事さんがいらっしゃいました。
失礼します。
失礼します。
(亜木子)社長の大橋…。
あ…あなた。
先日は。
佐々木と降谷です。
母親への一喝お見事でした。
お恥ずかしい。
いえ。
あっ。
改めましてお悔やみ申し上げます。
わざわざご丁寧に。
どうぞ。
失礼します。
高井京子さん最近何かトラブルを抱えて悩んでいたりした様子はありませんでしたか?
(亜木子)どう?特に思い当たりませんが。
高井京子さんのスケジュール帳なんですがちょっとご覧いただけますか?昨日の夜8時社長と何か大事な打ち合わせでもあったんでしょうか?会社の経営方針のことですわ。
具体的なことは申し上げられませんけど。
前向きな話ですから。
彼女が悩むようなことはございませんけど。
そうですか。
奇麗な所ですね。
これは…。
(亜木子)パリのヴェルサイユ宮殿です。
2年前うちの社が上場したとき記念に旅行をしました。
社長と専務お二人で?
(亜木子)このシェ・スールはあの子と私二人がゼロからつくり上げた会社なんです。
よくここまで頑張ったねってご褒美のパリ旅行でした。
高井京子さんのデスク拝見させていただけますか?
(亜木子)江里子。
(江里子)はい。
どうぞこちらです。
(江里子)どうぞ。
拝見します。
(江里子)何かありましたら声掛けてください。
ありがとうございます。
社長は大変ですね。
専務が亡くなっても悲しんでる暇もない。
うん?うーん。
うん!?佐々木さん。
どうした?閲覧履歴を調べてみたんですがこれ…。
千葉県夷隅郡。
いすみ鉄道大多喜町。
何を調べてたんだろうな。
社長に確認してみる。
あとこんなものもあったぞ。
社内事情を探る必要があるな。
(亜木子の泣き声)大橋社長。
すみません。
こういうところはあまり人には見られたくないもので。
こんなときでも社長となると悲しんでる暇もないのかと思いましたが。
とんでもない。
今すぐここで大声で叫んで取り乱したいぐらいです。
私とあの子は会社を起こす前からずっと一緒でしたしホントの妹のようにかわいがってましたから。
そうでしたか。
失礼しました。
私に何か?あっ。
千葉県夷隅郡大多喜町をご存じですか?夷隅郡?ええ。
その地域を走るいすみ鉄道それから大多喜駅。
高井京子さんがパソコンでずいぶん閲覧されてたようなんですが。
京子が?ええ。
何か思い当たることはありませんか?いいえ。
私からは特に指示は出してませんけど。
そうですか。
お疲れさまです。
(さくら)丈君お疲れ。
分かったわ。
遺体の洋服に付着していた粉。
何でしたか?オレンジだったわ。
オレンジ?ドライフルーツのオレンジが砕けたもの。
(山根)こういうのです。
ああ…。
(さくら)どうぞ。
おいしいわよ。
(山根)はい。
あっああ…。
いただきます。
うん。
オレンジですね。
だからオレンジだって。
(山根)南アフリカ産のバレンシアオレンジと特定できました。
ほ〜。
ただ乾いたんじゃなくて乾かしたものなんだな?うん。
でも成分を分析したらごくわずかだけど妙なものが混じってるの。
妙なもの?今詳細を分析中です。
何か分かったらすぐに報告するわ。
お願いします。
ねえ今度来るときは降谷君と一緒にね。
あ…はい。
(降谷)高井京子なんですが15歳で民家に盗みに入って逮捕されたとき身元についての一切を黙秘したそうなんです。
うん?名前もか?
(降谷)結局身元が分からぬまま初等少年院送致。
身元が分からぬまま。
高井という名字は?
(降谷)少年院を出た後養護施設に預けられたそうなんです。
そこで更正して施設の手伝いをしていたそうなんですが18歳のときに高井という院長の養子になったそうです。
なるほど。
その後大橋社長とホントの姉妹のような関係になったわけか。
ええ。
会社の方はどうだ?それが…専務の高井京子がクーデターを計画していたという情報があるんです。
クーデター?来週の重役会議で緊急動議が出されて大橋社長を退陣させるシナリオができてたそうなんです。
大橋社長はそのクーデター計画に気付いてたんだろうか。
それは分かりません。
(降谷)話題のスーパーレディーだけあってすごい所に住んでますよね。
ここの最上階だそうです。
フゥー…。
目がくらむな。

(悦子)どういうつもりなの!?あなた何なのこれいったい。
(景子)私じゃありません。
(沙知絵)とぼけないで!失礼。
どうされました?
(悦子)関係ない人は引っ込んでいてくださる?
(降谷)警察の者です。
(悦子)警察?
(沙知絵)もしかして京子さんのことで?高井京子さんをご存じなんですか?ええ。
私主人がテレビ局のチーフプロデューサーをやってるんですけどその関係で大橋亜木子さんとはとても親しいお仲間なんです。
刑事さんこの人逮捕していただけません?何があったんですか?えーっとこの人何階でしたっけ?
(沙知絵)3階です。
3階にお住まいの井上さんがこんな怪文書をマンションにばらまいていたんです。
(景子)私じゃないって言ってるじゃないですか!
(沙知絵)人をねたむのもいいかげんにしてほしいわ。
ねたむ?
(美香)私たちはアッパーフロアの分譲で30階より上に住んでるんです。
(美香)この人は下の方の3階の賃貸だから。
(景子)だから何なの!?バカバカしい。
(悦子)今度こんなことしたらうちの弁護士に頼んで法的手続きを取らせてもらいますからね!あの…怪文書というとどういう内容なんでしょうか?見ていただけます?ああ。
私がそこのスーパーの万引き常連ニセセレブだとかあとこの人のご主人イタリア風居酒屋を2軒持ってるんですけどどちらもまずくて感じ悪くてつぶれそうだとか。
(沙知絵)失礼な。
(悦子)この人のご主人はプロ野球選手なんですけどバカ女子アナと結婚したお陰で今年限りで戦力外クビ確実だなんて失礼よねひどいわよね赤ちゃんがいるっていうのに。
(美香)そうなの。
(みどり)あっ私の所には…。
(悦子)来てないわよね。
ご主人普通のサラリーマンで中層階の北側ですものね坂西さんは。
私たちアッパーフロアに住んでるとどうしてもねたまれてしまうのよね。
嫌だわ。
その怪文書が皆さんのご自宅に?郵便で届いたんです。
(降谷)失礼します。
皆さんのお名前お伺いしてもよろしいですか?42階の青木です。
37階の渡辺です。
32階の斉藤です。
あっ私は…。
15階です。
すいません。
えっ?あっ坂西です。
あら真澄さん。
ご苦労さま。
それ持って一緒に行きましょう。
は…はい。
フゥー。
(景子)怪文書なんか書くわけないじゃない!だってうちにも来てたし。
(景子)だいたいシェ・スールの大橋社長みたいにキャッシュで買えるような本物のセレブでもないのに無理して買ってローンに苦しんでるような人たち相手にしてないから。
大学教授をしてる夫は賃貸の方が自由だからっていう考えなの。
低血圧だから3階が快適。
好きで賃貸暮らしなの。
分かりました。
その怪文書にシェ・スールの大橋社長や高井専務のことが書かれたものはありましたか?ああありましたよ。
偽善者大橋亜木子を追い出そうとか。
偽善者?偽善者の腰巾着高井京子は殺してやるとか死ねとか。
(降谷)佐々木さんOKです。
(コンシェルジュ)ご案内いたします。
お願いします。
アッパーフロアの専用エレベーターそちらになります。
ありがとうございます。
(降谷)最上階か。
お待ちしてました。
どうぞ。
(降谷)すみません。
会社へ電話したらご自宅だと伺いましたのでお邪魔させていただきました。

(女性たち)アハハハハ!今日はこのカイトタワーの親しい方の定例会で。
定例会。
ホームパーティーです。
どうぞ。
失礼。
(悦子)主人の誕生日には…。
(江里子)少々お待ちください。
(悦子)バースデーケーキをプレゼントしてくださったのよ。
(美香)すてきですね。
(沙知絵)私に言ってくだされば主人のお店を貸し切ってのパーティーもできますわよ。
(江里子)社長おみえになりました。
ご苦労さまです。
来客中のところ申し訳ありません。
不謹慎だと思われるかもしれませんが京子もきっと自分のことでパーティーが中止になるのは嫌がると思いまして。
(真澄)あの…。
(亜木子)何?お話し中申し訳ありません。
私はこれで失礼します。
(亜木子)ご苦労さま。
(悦子)真澄さん帰るの?
(真澄)はい。
(悦子)ゆっくりしていけばいいのに。
京子さんのためにこんなすてきなフラワーアレンジメント作ってくれたんだしお紅茶ぐらい頂いていったら?ねっ亜木子さん。
(沙知絵)刑事さんもどうぞ。
悦子さんがドライフルーツのケーキ作ってきてくださったから。
召し上がったら?
(降谷)ドライフルーツ。
よろしかったらどうぞ。
ケーキ大好物なんですよ。
一口頂いてよろしいですか?どうぞ。
江里子紅茶お願い。
(江里子)はい。
(亜木子)じゃああなたもゆっくりしていけば?すいません。
今日だけよ。
ここはあなたが来るようなとこじゃないわ。
はい…。
申し訳ありません。
(悦子)お待たせしました。
これ私が作りましたの。
お恥ずかしいんですけどどうぞ。
あ〜おいしそうですね。
このドライフルーツは…。
(悦子)イチゴブルーベリーキウイチェリー。
オレンジも?あっそうです。
オレンジ。

(拓也)皆さんいらっしゃい。
(沙知絵)拓也さん!お邪魔してます。
(美香)『Men’sPASSION』拝見しました。
(悦子)すてきでしたわ。
(亜木子)拓也ほら。
髪ぬれたままじゃないのよ。
ちゃんと拭かないと。
子供じゃないんですよ。
(拓也)分かって…。
(拓也)あれ?今日は男性のお客さんも?刑事さんよ。
えっ?刑事さん。
(亜木子)息子の拓也です。
ああ息子さんですか。
お邪魔してます。
どうも。
(拓也)コーヒー入れてくれる?かしこまりました。
悪いね。
(真澄)いえ。
社長ここでは何ですので表でお話伺えますか?ええ。
すいません。
これ持って帰って落ち着いて頂いてもよろしいでしょうか?はい。
どうぞ。
(降谷)ありがとうございます。
みどりさん包んであげて。
(みどり)あっはい。
(亜木子)あの方たちご主人は一流企業の役付きの方や弁護士さん銀行の支店長さんだったりで正直ホームパーティーの名を借りた営業です。
大変ですね。
ハァ…。
あまり感心しないって京子からはよく叱られてたんですけど。
その京子さんは3カ月後にオーストラリアの支社長になることが決まっていたそうですね。
ええそうですけど。
それはあなたが京子さんの存在を恐れ海外に追いやろうとしたからではないかという噂を耳にしたんですが。
どういう意味ですか?京子さんがクーデターを計画していたという情報があるんですがご存じですか?クーデター!?ええ。
あなたを失脚させてご自分が社長になるという。
どうしてそんな噂が…。
京子さんはあなたが仕事よりもマスコミやパーティーに出ることを優先していてしかも不動産や投資会社にまで手を広げようとしていることに不信感を募らせていたようだと。
確かに京子には意見されました。
《躍進するビューティーヒロイン大橋亜木子は嘘で固めた偽者》《でしょ?》でもそれは私が広告塔になることで宣伝費の軽減にもなるし不動産や投資会社に手を伸ばそうとしているのも会社の地盤づくりの一つだしいずれも将来見据えたきちんとした事業だからなのってあの子に説明したら納得してくれてました。
オーストラリアの支店のことだって絶対に成功しなければと思うから一番信頼してる京子に任せようと思ったんです。
それを追い出そうとしてるだなんていったいどこの誰がそんなデマを。
京子さんは養護施設の院長の養子だそうですね。
社長とはどういったお知り合いだったんでしょうか?私が大学生のころボランティアで人形劇をもって全国の養護施設を回っていたんです。
そのとき施設を手伝っていたのが京子でした。
それで一緒に仕事を。
ええ。
ちょうど彼女が高校卒業して就職先を探していたときです。
経歴のことで就職に苦労してると聞いたのでだったら一緒にやらないかと声掛けたんです。
なるほど。
彼女はご自分の身元についてずっと黙秘されてたようですが何かお聞きになったことはありませんか?本人が話したくないと言ったことはいい思い出ではないと思ったので一切聞きませんでした。
そうですか。
そろそろよろしいかしら?もう行かないと。
ああすいません。
長々とありがとうございました。
失礼します。
丈太郎。
(降谷)これが高井京子のスマホに着信があった公衆電話です。
残念ながら防犯カメラはありませんでした。
そうか。
指紋は?採取しました。
前科者照合をしています。
一応所轄の刑事たちにも付近の聞き込みをするように指示しておきました。
うん。
それでどうでしたか?クーデターの件。
社長はあり得ないと言ってるんだがな。
ああ…でももし知っていたとしたらもめますよね。
最も信頼する高井京子の裏切りですからね。
うん。
高井京子の車のナビの履歴を調べたんですが何度か大多喜町に通っています。
交通系のICカードに外房線の大原駅で下車した記録がありますからいすみ鉄道にも乗車したと思われます。
何をしに行ってたんだろうな。
大橋社長は何て言ってるんですか?うーん…思い当たらないと言ってる。
おかしいですね。
うん?どういうことだ?いや大橋亜木子の経歴を調べたんですが昭和43年千葉県夷隅郡大多喜町の役場に出生届を出されています。
彼女の人生はそこから始まっているんです。
出生地だったのか。
ええ。
あと佐々木さん面白いもの発見したんです。
うん?面白いもの?ええ。
これあのタワーマンションの悪口サイトなんです。
悪口サイト?例えば3509の奥さんは浮気してるとか1504の奥さんは元北千住のキャバクラ嬢とか2221の奥さんはホストに入れ揚げて借金まみれとか。
大橋社長のことも出てるのか?はい。
大橋亜木子は成り上がりの偽善者。
ペット代わりに金で手なずけた若い愛人囲っている変態女。
最低ですね。
若い愛人?ええ。
ご丁寧に写真まで添付してあります。
何だ息子さんじゃないか。
5歳まで養護施設で育ったという大橋亜木子の養子なんだそうですが…。
養護施設で育った養子…。
(男性たち)おい!待てこら!おい!待てこの野郎!
(男性たち)おい待てよ!くそガキ!
(男性たち)おい!どこまで逃げんだ!?おい!来て。
(男性)あの野郎どこ行ったんだよ!
(真澄)こっち!
(真澄)急いで。
早く!
(真澄)こっち!
(真澄)入って!
(真澄)上がって。
びしょぬれね。
ここシャワーだから使って。
(拓也)あんた。
これ何?大橋亜木子に頼まれたの?俺のこと見張れって。
じゃあ何?何で俺のこと助けたの?こんにちは。
(北村)あ…こんにちは。
ご苦労さまです。
気になるんですよ。
ホームが奇麗じゃないとね。
ハハハハ。
関係者の方ですか?昔ここの駅員をやってましてね。
定年退職したら時間が余ってしまって毎日ここに来てるんですよ。
毎日ですか。
電車に会わないと一日が終わらない。
あっ。
じゃあちょっとお伺いしてもよろしいですか?はい。
この2人の女性なんですが見覚えありませんか?いえ…じゃあ。
ありませんか?・
(君江)あんた誰?何してんの?ああすみません。
あの…この家は大橋さんのお宅だったんですよね?
(君江)大橋さん?ええ。
そりゃあずいぶん古いわね。
確かに大橋さんの家族住んでたけど…。
あんた大橋さんの知り合い?ええまあ…。
ほらお姉ちゃんはあの…何とかって会社の社長さんになって有名になって。
シェ・スールの大橋亜木子さん。
そう!亜木子ちゃん。
あんた奥さんと妹さんがどうなったか知らない?奥さんと妹さん?知らないんだ。
ああ…。
大橋さんご両親が離婚して亜木子ちゃんと妹さん別々に引き取られたのよ。
別々に…。
まあ長女の亜木子ちゃんはお父さんに妹さんはお母さんに。
すっごく仲のいい姉妹でね。
(亜木子たち)《・「げんこつやまのたぬきさん」》
(君江)お姉ちゃんがよく妹さんの面倒見て妹さんもお姉ちゃんにべったりで。
《お姉ちゃんもう一回!》
(亜木子)《いいよ》
(君江)それが離婚して亜木子ちゃんはお父さんと東京に出て妹さんとお母さんがここに住んでたんだけど。
何かあったんですか?
(君江)それがねある日突然2人ともいなくなっちゃったの。
ハァ…あれからどうなったか心配で。
あっ。
妹さんの名前覚えてらっしゃいますか?ええ…。
菜摘ちゃん。
菜摘さん。
ああ。
おとなしくてカワイイ子だったんだけど。

(亜木子・菜摘)《・「右と左をばつにして」》《・「上のひもをぐるりんぱ」》《・「うさぎのお耳を作ったら」》《・「お耳とお耳が絡まって」》《・「ちょうちょになってとんでった」》
(菜摘)《できた〜!》
(亜木子)《できた?》《ホントだ。
すご〜い》ああ。
遅くなりました。
(降谷)お疲れさまです。
(さくら)色々分かったわ。
どこからいこうか。
じゃあまず最初のドライオレンジ。
シェ・スールの専務の衣服に付着していたもの。
妙な成分が混じってたっていう。
あれ接着剤だった。
接着剤!?エチレン酢酸ビニル共重合体。
難し過ぎるな。
俗にホットメルト接着剤といってこういうグルースティックの形で市販されてる。
(山根)こういうものです。
(さくら)こうやって使うの。
手芸日曜大工段ボールの梱包建築伝統工芸など様々な用途で使われてる接着剤。
どうしてそんなものが…。
それは降谷君あなたが調べるの。
はい。
それから降谷君がホームパーティーから頂いてきたっていうパウンドケーキに載ってたドライオレンジの分析結果は。
あっ同じものでしたか?
(さくら)別物だったわ。
別物。
こっちのドライオレンジはリキュールが染み込ませてあった。
リキュール。
(さくら)ケーキに使うものだから甘くしたんじゃないかしら。
ああ…。
同じドライオレンジだったら被疑者が絞れたんですけどね。
(さくら)それは残念でした。
またあしたから頑張りましょう。
(降谷)はい。
接着剤とリキュールか…。
お誕生日会?うん。
今度の宗太の誕生日。
うちで?うん。
ハハッ珍しいな。
涼子はそういうのはあんまり好きじゃないって言ってたろう。
この間のいぶりがっこ事件でやっとかないとまずいかなと思って。
えっどうして?うーんだってそもそも子供の誕生日を祝うのに親の見え張り大会みたいになってる感じで嫌なのよね。
どこどこの有名なケーキだとかブランドの何かとかおもちゃだって海外の高級なものになってるし。
うーん。
まあ確かに誕生日会の本来の意味が薄れてきてるよな。
それでどうしようか考えたの。
うん。
どうするの?お祝いは子供の手作りメッセージだけ。
ケーキと食べ物は全部うちで用意するから持参禁止。
(春代)いいわね。
しかも買ったもんじゃなくて全部涼子さんと私の手作り。
大丈夫かな。
(春代)何が?うん。
おふくろと涼子の手料理で。
失礼ね。
そのとおりだけど。
じゃあ丈太郎作ってよ。
そうよ。
丈君の料理おいしいし。
よし分かった。
宗太のためにも俺が作る。
ほらね。
ええ。
うん?何だよ?私と涼子さんの手料理って言えば丈太郎の次のせりふはだったら俺が作るに決まってるって。
お母さんの言うとおりだった。
ハァ…恐れ入りました。
ただし事件が解決してたらだぞ。
会費は1人100円。
(春代)ワンコイン。
歌とか手品とかお祝いのパフォーマンスは?それは許す。
お〜。
楽しそうだな。
なあ宗太。
うん!いぶりがっこは?えっ?もちろん出すわよ。
大好き!いい子ね宗太。
フフフ。
(ノック)・
(江里子)社長。
刑事さんがおみえになりました。
おはようございます。
ご苦労さまです。
千葉県夷隅郡大多喜町へ行ってきました。
あなたの古里だったんですね。
調べさせていただきました。
このころ近くに住んでいたという人がこの写真を持っていました。
この後ご両親は離婚なさって姉の亜木子さんつまりあなたはお父さんに妹の菜摘さんはお母さんに引き取られ別れて暮らすことになってしまった。
大橋社長と別れたお母さんと妹さんは離婚した翌年大多喜町の家を出て木更津に移りパート先のスナックの店員さんと同棲していたそうです。
その男性とも1年で別れその後行方が分からなくなっているそうです。
このことと京子さんが何度も大多喜へ足を運んでいたことと何か関係があると思われますか?
(江里子)社長そろそろ会議の時間です。
刑事さん。
はい。
警察はいくら捜査だからといって人の触れられたくない過去を蒸し返して傷つけることが許されるんですか。
私たちのことを調べたなら私たちがどんな心の傷を負って生きてきたか分かりませんか?申し訳ありません。
失礼を承知でもう一つだけ。
高井京子さんが殺害された先週金曜日午後11時前後社長はどちらにいらっしゃいましたか?京子と会社で打ち合わせをしてから残った仕事を片付けて自宅に戻りました。
どなたかそれを証明してくださる方いらっしゃいませんか?
(江里子)私がお宅まで車でお送りしました。
時間は?
(江里子)マンションに着いたのが11時ごろでした。
降谷。
事件の鍵は大多喜だ。
家族の行方を続けて追ってくれ。
はい。
高井京子はいったい何を調べに大多喜へ行っていたのか。
ご苦労さん。
(刑事たち)ご苦労さまです。
降谷。
(降谷)お疲れさまです。
どうだ?殺害された後この上から落とされたと思われます。
ガイ者なんですが大橋亜木子のパーティーにいた人です。
何!?
(降谷)洋服の胸の辺りにドライオレンジが付着していました。
高井京子さんと同じですね。
死亡推定時刻は?昨夜の午後9時前後だそうです。
うん?
(降谷)タグですか?まだ買ったばかりなのかもしれんな。
裏側に入ってたからか気付かなかったんでしょうか?うーん…。

(坂西)朝出勤しようとしたら警察から電話があってみどりが遺体で発見されたと聞きました。
(坂西)それで遺体を確認に来いと言われたんですが腰が抜けたみたいになかなか立ち上がれなくなってしまって。
お察しします。
昨日ご主人が帰宅なさったのは何時でしたか?
(坂西)9時ごろです。
そのとき奥さんは?不在でした。
どこへ行かれていたかご存じですか?
(坂西)分かりません。
友達と食事したりマンションのパーティーに出たりで不在がちだったので。
知り合いに電話したりは?
(坂西)いいえ。
私とみどりとは年が離れているもんで妻は32歳私48です。
ですからその辺は自由にしてやらないといけないと思いまして。
奥さん何かトラブルに巻き込まれていたり悩んでいたりした様子はありませんでしたか?何か思い当たることでも。
女房はいら立ってました。
いら立っていた?上の階に住んでいるというだけで下の階に住んでいる人を見下してさげすむんで頭にくる女がいるって。
(降谷)それは青木悦子さんですか?大橋亜木子さんですか?それは分かりませんが…。
失礼します。
(降谷)低層階北向き安物物件しか買えない貧乏人は死ね。
貧乏人は死ね…。
最低ですね。
降谷。
はい。
怪文書の消印から投函された郵便局なりポストなりの防犯カメラを当たってくれ。
分かりました。
あっすみません。
はい降谷。
お疲れさまです。
(降谷)分かりました。
ありがとうございます。
千葉県警からでした。
大橋亜木子の母親ですが昭和63年当時勤めていた西船橋のスナックにてくも膜下出血で倒れその後亡くなっていることが分かったそうです。
妹さんは?菜摘さん。
当時15歳だったんですが母の死とともに行方不明になっているそうです。
15歳か。
(降谷)どうします?いっててくれ。
はい。
大橋亜木子を殺してやりたい?そうなんです。
この間みどりさんがある人のことをあの人下品で親の顔が見てみたいわって悪口言ったら亜木子さんが突然怒りだして。
(みどり)《ホント親の顔が見てみたいわ》
(亜木子)《そんな失礼なことを言うもんじゃないわ》《子供は親を選べないでしょ?》みんなの前で怒鳴りつけられたからみどりさんショックを受けてその後殺してやりたいって。
《ぶっ殺してやる》それで何かあったのかもしれないと思って。
私が言ったなんて絶対言わないでくださいよ!はあ…。
(榊)大橋拓也だな。
おい!待て!
(前川)待て!
(榊)おい大橋!おい!何だあんたたちは!
(榊)あんたこそ何だ!警察だ。
捜査1課ですか?組織犯罪対策部の榊です。
組対ですか…。
では彼は?
(榊)大麻取締法違反ですよ。
大麻!?持ってねえよそんなもん。
(榊)お前の仲間はみんな逮捕した。
俺はやってねえ!
(榊)分かった分かった。
とにかく署まで来い!どうも。
クラブ仲間の連中が大麻やってんのは見てたけど俺はそんなバカなことしてない!
(拓也)俺はモデルなんかやってるし大橋亜木子の養子だから嫌われてんだよ!誰かが俺のことはめてんだろ!
(榊)大橋拓也。
出ていいぞ。
自宅から大麻も覚せい剤も見つからなかった。
尿検査は?シロでした。
(拓也)だろう?かといって容疑が晴れたわけじゃない。
身元引受人がいなければ釈放はできない。
身元引受人か。
だったら…。
(亜木子)あっ刑事さん!ああどうも。
拓也君は釈放されました。
釈放!?身元引受人が来て。
身元引受人って…。
私のとこには何も。
実はそれが…。
(亜木子)どいて。
(拓也)あれ?どうしたの?
(亜木子)拓也。
こんなとこで何してんの?いや…取り調べでおっさんたちに囲まれて加齢臭付いちゃったからさ風呂沸かしてもらって入ってたんだよね。
あっうまそう!腹減ったんだわ。
いただきます。
(真澄)は〜い。
(拓也のせき)
(真澄)ほら慌てないの。
今お茶入れるね。
(拓也)あんがと。
(真澄)フフフ。
(亜木子)どういうこと…。
何なのあなた。
何であなたが身元引受人なの!?
(拓也)俺が言って来てもらったんだよ。
どうして?
(拓也)俺が捕まったなんてマスコミに知れたら母さん困るだろ?いつからこんなことになってんの?真澄さんとはそういうんじゃないよ。
じゃあ何なの?何なのって言われても困るけど…。
おふくろっていうのかな。
そういう感じ。
おふくろ…!?
(真澄)俺は恋人でもいいんだけどね。
何ていうか…おふくろって感じがしちゃう。
(真澄)拓也さんお母さんの前で失礼でしょ?社長。
私これからお店に出なきゃならないので拓也さんのお茶の支度お願いできますか?すいませんがお願いします。
じゃあ拓也さん。
(拓也)うん?あっそうだ。
洗濯物は?
(真澄)ああじゃあ取り込むだけお願いできますか?うん。
分かった。
いってらっしゃい。
(真澄)いってきます。
サンキュー。
丈太郎。
見つかりました。
西豊洲三丁目のカメラに大量の手紙を投函する女性の姿が映ってました。
渡辺沙知絵さん。
怪文書のことでお聞きしたいことがあります。
どういうこと?
(美香)なぜ沙知絵さんが?
(悦子)あなたなの!?あなたがあの怪文書書いたの?ああ…。
最低ね。
私人の悪口言う人大嫌い!品格疑うわ。
下品よね。
あんたに言われたくないわよ。
何ですって?
(沙知絵)もううんざりなのよ。
嘘と見えばっかりで。
逆ギレ?バッカみたい。
美香さん行こう。
この人さっさと刑務所に入れちゃってください。
どうせ旦那のやってるイタリア風居酒屋だって料理はまずくてつぶれる寸前だしいずれこうなる運命だったのよ。
あんたが私に書かせたんじゃない!何階の誰がこうだのああだのあんたが言うとおりあることないこと私に書かせたんじゃない!何言ってるの?あなた。
(沙知絵)自分たちのことも書いとかないと疑われるから書いとけって言うから書いたけど。
あんたのことは本当よね。
私知ってるんだから。
この万引女!亜木子さんのパーティーに持っていくケーキだって自分がいい格好したいからってみどりさんに1万円払って作らせたんじゃない。
この見えっ張り!
(悦子)だから何よ!1万円も払ってるのよ。
私んちからはレインボーブリッジが見下ろせるのよ。
あんた何階に住んでんのよ!うちより下じゃない。
お台場の花火だって見せてあげたでしょ!偉そうに意見してんじゃないわよ。
バッカじゃないの!行こう美香さん。
42階って死に番号って普通嫌われるよね。
きっととことん安く値切って買ったんでしょうね。
何ですって!
(美香)沙知絵さんよく言ってくれたわ。
すっとした。
どいつもこいつも。
何を勘違いしてるんだか。
悔しかったらアッパーフロアの海側に住んでみなさいよ!買えもしないくせにこの貧乏人が!フン!
(真澄)青木さん。
これお届けにあがりました。
知らないわよ。
そんなの。
持って帰って。
でしたら代金を払っていただけますか?後で取りに来て。
(真澄)5,000円です。
今払ってもらえますか?
(悦子)何ですって!?ないわよ!そんなお金。
丈太郎。
坂西みどりさんの遺体に付着していたドライオレンジ。
リキュールを吸ったドライオレンジだったわ。
降谷君が持ってきたパウンドケーキに載ってたのとまったく同じ成分。
ありがとう。
降谷行くぞ。
(沙知絵)あの私は?ご自分たちが何をなさったのかもう一度話し合われてみてはいかがですか?奥さんの洋服にドライオレンジが付着していたことが判明しました。
前の殺人事件のときもドライオレンジが付着してたんですよね?ワイドショーで見ましたか?ええ。
じゃあおんなじ犯人なんですか?いいえ。
2人の被害者の衣服に付着していたドライオレンジは違うものでした。
違う?はい。
奥さんの衣服に付着していたのはリキュールを染み込ませたケーキ作りに使うようなものでした。
台所をちょっと拝見しても…。
はい。

(降谷)佐々木さん。
ケーキならみどりも作ります。
このドライオレンジもそのときに洋服にくっついちゃったんでしょうか?それは考えにくいんですよ。
(坂西)どうしてですか?奥さんの洋服にはタグが付いてました。
まだ新しい外出着だったんです。
作業の過程で汚れてしまうかもしれないケーキ作りに新しい外出着を着るでしょうかね?
(坂西)で…でも家のどこかに落ちていたのがそのみどりの服にくっついたのかもしれませんよね?そうですね。
そういうこともあります。
おっしゃるとおりです。
しかしドライオレンジが付着していたのはこの胸の辺りなんですよ。
犯人が前の事件と同じ連続殺人に見せ掛けるために奥さんが亡くなった後上に置いたとしか思えないんです。
奥さんブランド物がお好きなんですね。
最後に奥さんが着ていた外出着調べたら定価18万円でした。
われわれ庶民からするととんでもない値段ですね。
ご主人も大変だったんじゃありませんか?坂西幸夫さん。
あなたが奥さんを殺害したのではありませんか?
(降谷)このドライオレンジを調べれば奥さんの衣服に付着していたものと同じなのかどうかすぐに証明できます。
坂西さん!くっ…。
そうですよ。
私がやったんですよ!妻の願いだったタワーマンションを買うために地方への転勤を断ったせいで25年研究一筋だった私は営業部に異動になりこの年で慣れない外回りをさせられていました。
あの夜も営業先を駆けずり回って疲れ果てて帰ってきたら…。
《みどりさんただいま》《冷凍庫に冷凍ナポリタンあるからチンして食べて》《はい》《それ買ったの?幾らするんですか?》《18万》《18万!?》《だってさ6階の賃貸に住んでる女旦那に30万のバッグねだったら買ってくれたんだって》《あそこの旦那ベンチャーだか何だか知らないけどまだ30そこそこだよ》《利益上げてるんだね。
すごいね》《あなた賃貸に住んでる30そこそこの男に負けていいわけ?情けなくない?》《ハァ…。
あなたいい年だしお金持ってると思ったから結婚してあげたんだからさ》《もっともっと頑張らなきゃ》《頑張ってるよ!》《何?怒ったの?たかが18万のワンピースで》《たかが18万?》《たかが18万だと!?》
(みどり)《キャー!》気が付いたらみどりは死んでいました。
そして深夜になるのを待ってみどりさんの遺体を運んだ。
(坂西)《みどりちゃん。
ありがとう》刑事さん。
何だかほっとしました。
肩の荷が下りた。
そんな感じです。
(降谷)高井京子殺害事件の捜査は振り出しに戻りましたね。
大橋社長の妹の行方何か分かったことは?千葉県警も協力してくれているんですがまったく消息がつかめません。
そうか。
なぜ高井京子は大多喜町にある大橋家を調べに行ったのか。
高井京子は15歳のときに逮捕され初等少年院に入っていますが両親どころか本名も分かりません。
大橋亜木子の妹の菜摘も15歳のときに母親を亡くした後行方が分からなくなっています。
高井京子は大橋家の古里である大多喜町に何度も足を運んでいます。
高井京子が大橋亜木子の妹の菜摘なんじゃないでしょうか?うん。
その可能性も含めて慎重に捜査を進めよう。
・「うさぎのお耳を作ったら」・「お耳とお耳が絡まって」・「ちょうちょになってとんでった」カワイイ歌ですね。
小さいとき自分で作ったんです。
ちょうちょ結びがしやすいようにって。
妹さんと一緒に歌ったんですか?
(亜木子)《ほらできた。
菜摘もやってごらん》
(亜木子)《はい》
(亜木子・菜摘)《・「右と左をばつにして」》《・「上のひもをぐるりんぱ」》《・「うさぎのお耳を作ったら」》《・「お耳とお耳が絡まって」》《・「ちょうちょになってとんでった」》
(亜木子)両親が離婚してから家族が2つに別れた後父は事業に成功し私は何不自由ない生活を送ることができました。
でも母と妹は…。
とても悲惨な暮らしだったと聞きました。
もともと家庭に似合わない女でしたから。
中学のときに心配になって大多喜の家に行きました。
でもそこにはもう母も妹も住んでいませんでした。
それから何年も父と一緒に母と妹の行方を捜しましたが見つけられませんでした。
父はそんな母と妹を心配しながら亡くなったんです。
見つかったら後のことはよろしく頼むぞと私に言い残して。
佐々木さん。
分かります?私はずっと思ってたんです。
父の元で私が幸せになればなるほど妹はあの母親の元でどんどん不幸になっていくんだって。
だからあなたはあのときあんなに怒った。
子供から目を離した母親を怒鳴りつけた。
《あなたがママさん?》《子供を守らない人に母親を名乗る資格ありません!》ボランティアで恵まれない子供たちの世話をしてきたのも孤児だった拓也君を養子として引き取ったのも少年院に入っていた京子さんを仕事のパートナーとして信頼しかわいがったのも。
あなたに罪はないがあなたなりの贖罪の意味だった。
でもどうしてあなたは大多喜のことを聞いたとき知らないとおっしゃったんですか?高井京子はいったい何を調べに大多喜へ行っていたのか。
(亜木子)私たちがどんな心の傷を負って生きてきたか分かりませんか?
(悦子)私たちアッパーフロアに住んでるとどうしてもねたまれてしまうのよね。
嫌だわ。
(拓也)おふくろっていうのかな。
俺は恋人でもいいんだけどね。
(亜木子)いつからこんなことになってんの?2人ともこの駅へ過去をたどりに来ています。
ご存じのことがおありなら教えていただけませんか?
(北村)あなたいったい…。
申し遅れました。
この高井京子さんが殺害されました。
そして今この大橋亜木子さんが被疑者の一人として浮かんでいます。
あなたはこの大多喜駅の元駅員として何かご存じですよね?話していただけませんか?何があったんでしょうか?その写真の亜木子さんはまだ小学生だった。
妹の菜摘ちゃんはまだ小学校に入る前の幼い子だった。
その姉妹が2人だけで電車を待ってホームで遊んでいた。
(菜摘・亜木子)《・「げんこつやまの」》《・「たぬきさん」》《・「おっぱいのんでねんねして」》《・「だっこしておんぶしてまたあした」》
(菜摘)《お姉ちゃんもう一回》
(亜木子)《いいよ。
せーの》
(亜木子・菜摘)《・「げんこつやまの」》《・「たぬきさん」》《・「おっぱいのんでねんねして」》《・「だっこしておんぶしてまたあした」》《お姉ちゃんもう一回》・
(踏切警報機の音)《バイバイ》《待って!》《お母さんがねどうしても菜摘と一緒に住みたいって言ってるの》《お母さんは私より菜摘が大好きなんだって》《大好き?》
(亜木子)《そう》《だからお父さんのところにはお姉ちゃんが行くの》《さよなら》
(菜摘)《待って!》《お姉ちゃん》
(北村)《大丈夫?大丈夫?起きて》《痛くないかい?》あれから気になって何度か大橋さんのうちを訪ねた。
母親は菜摘ちゃんの世話をせずほったらかしだった。
(菜摘)《・「うさぎのお耳を作ったら」》《・「お耳とお耳が絡まって」》
(母)《うるさい!》《・「ちょうちょになって…」》
(母)《うるさいっつってんだろ》あまりにかわいそうで何とかならないかと思っていたらある日大橋家に2人の姿がなくなっていた。
あの母親を見ればお姉ちゃんが妹を裏切ってしまったのも無理はないと思う。
でも大橋亜木子さんはあれから何度もここへ来て母親と妹の行方を捜していたんだ。
この人もここへ来ましたよね?この人が妹の菜摘ちゃんなんですか?分かりません。
親のせいだ。
あの母親のせいだ!
(真澄)はい。
拓也は?今仕事に出掛けましたけど。
あなた拓也の何なの?どういうつもり?私は困るって言ってるんですけど拓也さんが来てしまうんです。
家よりここの方が落ち着くからって。
社長の息子さんですしむげに断るわけにもいかなくて。
あんた私に何の恨みがあるの?恨みなんて何も。
丈太郎!あぁ…。
ご苦労さん。
おふくろ。
ありがとう。
どういたしまして。
でも何で急に。
アハハ。
いや母親として当たり前のことを当たり前にやってもらえてきたことがすごくありがたいなぁと思ってさ。
感謝の気持ちでいっぱいなんだよ。
当たり前のことって?うん。
母親が子供を育てるのってまあ当たり前だけどとっても大変なことなんだよな?そりゃそうよ。
男の人が思うほど簡単じゃない。
もうこんな育児から逃げ出したいって思うことがしょっちゅうなんじゃない?おふくろも逃げ出したいって思った?私は逃げ出したいなんて思ったこと一度もない。
あんたちっちゃいころかわいかったから。
フフッ。
そうして大きくなったら頼りになったから。
育児放棄なんて考えたこと一度もない。
ありがとう。
こちらこそありがとう。
でもどうして?うん。
俺はさ両親に恵まれて幸せだったからいいけど。
そうじゃない人たちが世の中にはたくさんいて思わず道を外してしまうこともある。
そういう人たちに対して一方的に責められるんだろうかって。
何言ってんの。
責められて当然。
みんなぎりぎりで頑張ってる。
どんな理由があっても道を外したらその人の負け。
丈太郎だって小さいときにお父さんがあんなふうに亡くなったんだし。
ぐれたり道を外れてもおかしくなかった。
でも外れなかった。
それどころか今や正義の王道を歩いてるじゃない。
正義の王道?それはちょっとカッコ良過ぎるな。
でもねそれはお母さんのおかげ。
感謝して。
(せきばらい)ありがとうございました。
ウフッ。
どういたしまして。
(丈太郎・春代)フフフ…。
さっ帰ろう。
はい。
どうぞ。
(亜木子)拓也!
(亜木子)いないの?拓也?
(真澄)ご飯にしましょう。
(拓也)はーい。
はい。
大好きなタケノコたくさん入れといたわよ。
(拓也)ホントだ!いただきます。
(真澄)はい。
召し上がれ。
(拓也)いただきます。
拓也さん!こんにちは。
(拓也)まだ犯人捕まんないんですか?はあ…。
ぶしつけな質問で申し訳ないんですがお母さんと京子さんが実は本当の姉妹だったという話を聞いたことはありませんか?本当の姉妹?
(降谷)ええ。
雑誌か何かで母さんが京子さんのことを本当の妹だと思ってかわいがってるとかよく言ってたけど。
ホントにホントの妹ではないと思うよ。
どうしてでしょう?いやだって母さんさ妹さんの行方ずっと捜しててなかなか見つかんねえっつってマジでふさぎ込んでたときあったし。
刑事さん。
母さんが京子さん殺した犯人なんですか?拓也さんそんなこと言ってはいけないわ。
失礼します。
(降谷)どうなってるんですか?あの2人。
でも佐々木さん。
もし大橋亜木子が高井京子を殺害した犯人だとしたらいったいどういう動機なんでしょうか?大多喜駅での事件。
不幸な子供をなくすために活動してきた大橋亜木子が実は妹を陥れ不幸にした過去があることを公表されたくなかったということでしょうか?大多喜町へ行って元いすみ鉄道の駅員さんだった方にお会いしてきました。
あなたと妹さんのあの日の事件を目撃した方です。
江里子外してくれる?はい。
最低な女よね。
まだ年端もいかぬ妹を陥れるなんて。
お姉さんもまだ幼い少女でした。
それは言い訳にはなりません。
私のしたことは決して許されることじゃありません。
京子さんは35年前のあの日のことを知っていたんですね?ひとつきほど前誰かから聞いたようです。
誰かから聞いた。
京子さんはあなたの実の妹ではないんですか?実の妹?誰に聞いたかは教えてもらえませんでしたか?それは言いませんでした。
公衆電話だ。
京子さんの携帯に何度か公衆電話からの着信がありました。
おそらくその公衆電話の人物が京子さんにかつてのことを話したのではないでしょうか。
(亜木子)でもいったい誰が?分かりませんが。
それで京子は私のことをそんなひどい女だったとは思わなかった。
篤志家面してるけど嘘つきだ偽善者だって。
いとしい妹という意味のシェ・スールの社長にふさわしくないと。
(拓也)ただいま!どうぞ。
ごゆっくり。
話を続けても。
それであなたはどうされたんですか?公表するなら公表していいと。
私は全部受け止めるし全てを背負って生きてくって。
私はそれだけのことをしてきたんです。
それだけの罰を受ける覚悟はできてるって。
江里子さん。
もう一度伺います。
高井京子さんが殺害された夜あなたは本当に午後11時ごろ社長を自宅に送ったのですか?社長と京子さんはとても大事な話をしていた。
だとすると社長が今あなたを外したようにその晩もあなたには先に帰っていいと言ったのではありませんか?もういいわ。
江里子。
刑事さん。
そのとおりです。
あの晩私は江里子に先に帰れと言いました。
どうしてそんな嘘を?社長が京子さんを殺害したのではないかと思ったからですか?
(江里子)違います!あんな女のために社長が疑われるのが嫌だったからです。
(亜木子)ちょっとあんな女ってあんた何なの!
(江里子)だってあの人社長をだましてたんです。
だましてた!?
(江里子)社長が妹のように思ってることを利用して社長の前でだけいい顔してたんです!そんなの嘘よ!
(江里子)本当です!社長をだますなんて社長をバカにするなんて私絶対許せなくて。
そんなの嘘よ!嘘に決まってるわ!・
(拓也)本当だよ。
母さん。
拓也…。
京子さんってさぁ母さんが横向いてるときとか背向けてるときとかすげえ冷たい目で見てた。
そんなはず…そんなはずないわ!
(拓也)でももう死んじゃったんだしさ。
忘れた方がいいよ。
母さん。
あっ。
母さんこれもらってもいい?スタッフの女の子にプレゼントするから。
(拓也)・「うさぎのお耳を作ったら」・「お耳とお耳が絡まって」・「ちょうちょになってとんでった」できた。
拓也。
(拓也)何?それ誰から教わったの?
(拓也)えっ?その歌私と妹しか知らないのよ。
(亜木子・菜摘)《・「うさぎのお耳を作ったら」》《・「お耳とお耳が絡まって」》《・「ちょうちょになってとんでった」》あの子不器用でちょうちょ結びができなかったから私がこの歌を作って。
拓也さん。
その歌をあなたに教えたのは?ホットメルト接着剤ですね?えっ?そしてこのドライフルーツが…。
ペッパーベリーとかスターアニスとか。
オレンジも?
(真澄)はい。
殺害された高井京子さんの衣服にホットメルト接着剤の成分を含むドライオレンジが付着していました。
高井京子さんを殺害したのあなたですね?平田真澄さん。
いえ。
それは本当の名前ではありませんね。
菜摘?あなたが菜摘なのね。
(菜摘)刑事さんは分かってくれますよね?私は姉の人生を送っているべきだった。
あのとき姉にだまされてすり替わっていなければ私は何不自由なく父親に愛された幸せな生活を送っているはずだった。
だからそもそも姉のものは全て私のもの。
タワーマンションの最上階の部屋も会社も私のもの。
(菜摘)そうよね?姉さん。
(菜摘)あのとき母親の元に戻った私は姉に裏切られたことにすぐに気が付いた。
(菜摘)《お母さんただいま》
(母)《えっ?どうしてお前がいるのよ》《亜木子はどうしたの!》《お母さんどうしても菜摘と一緒に住みたいんでしょ?》
(母)《お前なんていなくていいのよ》《どうしてお前が帰ってくるのよ!》
(菜摘)5歳だった私は我慢することしかできなかった。
心の中であなたを恨み続けた。
そしてホステスとして働き始めたころあなたが店に花を配達しに来た。
(亜木子)《・「うさぎのお耳を作ったら」》《・「お耳とお耳が絡まって」》《・「ちょうちょになってとんでった」》
(菜摘)《お花屋さん》
(菜摘)《お花屋さんってごきょうだいいるんですか?》
(亜木子)《いえ。
私は一人ですけど》
(菜摘)あなたは私を裏切った上に妹の私を消し去っていた。
そんなつもりじゃ…。
(菜摘)許せなかった!それであなたのことを調べた。
私が母親から虐待を受けて貧しさ孤独に苦しみ続けている間あなたは父親と満ち足りた生活を送っていたことを知った。
やがてシェ・スールは瞬く間に誰もが知る有名フラワーショップに成長した。
何がビューティーヒロインよ。
あなたへの思いは憎しみに変わった。
あなたの全てを奪ってやろうと心に決めたの。
あなたはシェ・スールで働き始めた。
そこで亜木子さんは京子さんを妹のようだといつも発言していた。
(菜摘)そう。
この子は私の妹なんですって。
じゃあ私はあなたの何なの?消しゴムで消せたと思ってるの!あなたは京子さんに公衆電話から電話をした。
35年前お姉さんにどれほどの裏切りを受けたかその全てを告げた。
亜木子さんを姉と慕っている彼女に失望を与えるため。
あの人はあの人なりにその話が本当かどうか調べに行ったみたい。
かつて大橋家が住んでいた大多喜町へ。
私の話が本当だと思ったんでしょうね。
でもあの人は失望して苦しむような人じゃなかった。
《あなたが姉と慕う大橋亜木子の本性が分かったでしょ?》《あなたも捨てられないうちにさっさとあの女と縁を切ることね》
(京子)《安心して》《はなから大橋亜木子を慕ってなんていないわよ》《お金と地位を手に入れるために姉さん姉さんって甘えてやって利用してるだけ》《何ですって!》
(京子)《あの女私のこと妹みたいだなんて本気にしちゃってバカみたいね》《そう。
私はあの女をだましてたの》《ありがとう。
あなたのおかげであの女をつぶして私が取って代われる》《会社もセレブ生活もようやく私のものになる》《篤志家で知られる大橋亜木子は昔幼い妹にひどい仕打ちをし人生のどん底に突き落としたひどい女。
最低な女》《この話をテレビ局に売ったらどうなるかしらね》《そんなことさせない》
(京子)《あの女が世間やマスコミに袋だたきに遭うのが楽しみだわ》
(笑い声)
(菜摘)《待ちなさいよ!》
(京子)《何すんのよ》《触んないで!》
(菜摘)《何て人なのよあなたは》
(京子)《やめて!》
(京子)《あっ!》菜摘…。
罪な女よね。
大橋亜木子は。
(菜摘)その女はまだ5歳だった私を陥れ蹴落とし自分一人だけが幸せをつかんだ。
(菜摘)後でどんなに捜そうが謝ろうが私のあのひどい人生を消すことはできない。
取り返しのつかないことしたのよあなたは。
あなたの全てを奪ってやろうと決めたの。
地位も名誉も財産も。
あなたの愛するもの全てを。
その中の一つが亜木子さんの溺愛する拓也君だった。
そしてあなたは見事に拓也君を奪い亜木子さんをどん底に突き落とすことに成功した。
でも思いもかけないことが起こったの。
あの子がホントにかわいくなってしまって。
あの子も親に捨てられた子だから。
それはきっと拓也君がお姉さんの愛情を受けて育った息子さんだからではありませんか?あなたはずっとずっとお姉さんを求め続けてきた。
口でいくら憎んでると言っても心の奥底にある気持ちに嘘はつけなかった。
だからお姉さんを裏切るような言葉を口にした高井京子を許せず結果殺害してしまったんではありませんか?菜摘。
ずっと会いたかった。
ホントにごめんなさい!菜摘!35年前お二人はあの駅で別々のレールの上を走り始めました。
でもまたもう一度同じレールに戻ることができるんじゃありませんか?どうしたの?たそがれちゃって。
えっ?おう。
いやぁきょうだいっていいなぁと思ってさ。
丈君一人っ子だもんね。
私もだけど。
ケンカしてののしり合ってもやっぱりきょうだいなんだよな。
うん。
きょうだいのいる人うらやましかった。
宗太も一人っ子かぁ。
まだ決まったわけじゃないわ。
あっそっか。
きょうだいつくった方がいいよね?そうだな。
えっ?あっ。
やだ!涼子が言ったんだろ。
フフフ。
早く買い出し行こう!よし!今日は腕によりをかけて宗太のお友達とお母さんたちを感動させてやるぞ!お願いします。
かしこまりました。
2014/06/20(金) 21:00〜22:52
関西テレビ1
金曜プレステージ・西村京太郎スペシャル警部補・佐々木丈太郎