(最終回)死神くん #9 2014.06.21

(主任)死神No.413!監死官No.45!君たちはもはやこれ以上の失態は許されない状況です。
だが今後一切の規則違反がなく悪魔に魂も奪われなければ君たちの存在は保証される。
(監死官)つまりこの先ちょっとでもミスしたら消されるって事じゃね?お前にそんな完璧な仕事無理じゃね?
(死神No.413)確かに。
(悪魔)お呼びでしょうか?
(男)魂さえ売れば危険な願いでも叶えてくれるんだよな?
(悪魔)どんな残酷な願いも叶えますよ。
悪魔ですから。
(男)大量殺人でも大丈夫かな?
(悪魔)もちろん。
悪魔ですから。
じゃあ明日。
大量殺人か…。
明日は楽しい日になりそうだ。
何!?今度はなんの騒ぎだ?悪魔が大量殺人の手助けしようとしてるらしい。
大量殺人?狙われたのは簑島食品ビル。
決行は明日。
犯人は不明。
まずいな…。
そのビルで明日の死亡予定はないのに。
止められなければ君たちの致命的な失態になる。
社員だけでも千人以上。
すごい数だな。
(主任)天界の規則で地上の魂の数は決められているというのにこれだけの人間が巻き込まれたら魂の数の帳尻合わせだけでも大変な作業になる。
なんとしても犯人を止めろ。
止められると思うか?そのクズに。
(主任)それは…。
終わったな。
連帯責任で私も消滅だよ。
だったら別の死神の監死官に担当替えでもしますか?えっいいのか?もちろん私と親密な関係になってくれればの話ですけどね。
(ため息)あれ?あのクズどこ行った?
(男性)いやいやそれウソでしょ。
(女性)ホント!
(男性)マジで?
(女性)ホント面白いもん!大量殺人があるっていうのにのんきなもんだ。
うらやましいの?まさか。
何してる?別に…。
俺もたまにはのんびりしたいなあってさ。
担当替えが不満かよ。
むしろ…歓迎です!担当が替われば殴られずに…済む!悪いが今はまだ私が担当だ。
行くぞ。
あっやだ!もう殴られたくない!黙れカス!よして…!こんなたくさんの中からどうやって犯人捜すんだ!まずは不審者がいないか聞き込みだ。
聞き込みって…一般の人間には姿を見せられないのに?ビル内では姿を見せてもいいとお達しが出た。
なんせ全ての人間に死の可能性があるからなあ。
はあ…誰に聞こうかなあ。
ああっ。
痛い!あいた…!
(警備員)お怪我はありませんか?
(女性)あっはい。
ご親切にどうも。
いえ。
人に優しくしろっていうのが田舎の祖母の教えでして。
おばあさん少し似てるんですよ。
まあ…。
どうぞ。
よいしょ。
ではお気をつけて。
ありがとうございました。
いえ。
いや〜立派な警備員さんだ!あなたなら信頼出来る!はあ…。
いやあの…不審者を探していまして。
協力して頂けませんか?えっ?あっ実は…大量殺人が…あるかもしれないんです。
あっ…申し遅れました。
死神と申します。
一番の不審者はあなたなんじゃないでしょうか。
結構です。
相変わらず役立たずだな。
他を当たるぞ。
不審かな。
(解錠音)
(簑島社長)絶対にもれてはならない極秘資料だ。
慎重に処分しろ。
(中村絵里)かしこまりました社長。
お取り込み中申し訳ありません。
なんだ君は?どこから入った?鍵がかかっていたはずですよね?私には鍵はいりません。
壁をすり抜けられますから。
(簑島)あ…!消えた!?ね?1人増えてる。
(絵里)あなたたち一体なんなの?すみません。
あ…名刺をどうぞ。
死神と申します。
死神…。
まさか…私たちが死ぬとでも言いたいのか?可能性はあります。
このビルで大量殺人を企む人間がおりまして犯人を捜しているところです。
うちのビルで?社長さんならなんか心当たりはないかなあ?総務担当の田中君を呼んでくれ。
しかし田中常務は週明けまで出張の予定でして…。
(解錠音)
(田中常務)失礼します。
田中常務!
(田中)社長何事ですか?えっ…?あっ…。
緊急会議を招集したでしょうが。
緊急会議?同じメールをもらった社員が会議室に集まっています。
そんな覚えはないぞ!一体どうなってるんだ?
(森部長)「6月20日午後1時から10階会議室にて社の命運を決定する緊急会議を開くので必ず出席すること簑島」
(田中)私が受け取ったメールと同じです。
(簑島)どうしてこんなメールが?
(森)我々も不思議に思っていたんです。
部署も担当地域も違うメンバーでなんの会議をするのかと…。
この件に関しては私のほうで調査を進めておきますので。
ああ。
君たちは部署に戻ってくれ。
(木下課長)わかりました。
(エラー音)
(山村係長)ドアが開きません!
(木下)何?
(ドアを開けようとする音)
(木下)あれ?なんだこれ?
(エラー音)
(エラー音)システムエラーでドアがロックされています!
(簑島)ん?
(呼び出し音)警備室か?10階の会議室のドアが開かない。
対処してくれ。
では状況を把握するためにモニター通話システムを起動させますので電話をお切りになってお待ちください。
「こちら警備室です。
聞こえてますか?」あら?さっきの優しい警備員さん…。
社長もいらっしゃるんだ。
早く開けてくれ。
「お気の毒ですがドアを開ける事が出来ません」どういう事だ?「あなたたちは閉じ込められたんですよ」
(絵里)閉じ込められたって誰に?僕にです。
(木下)「何を言ってるんだこいつは!」
(森)「警察に通報しろ!」
(山村)「はい!」回線は切断しました。
携帯も妨害電波で使用不能です。
なんだと?
(山村)繋がりません!携帯もダメです!お前がやったのか?ああ。
どうしてあなたが…。
「では皆さん席についてください」「これから簑島食品の運命を決する緊急会議を行います」
(簑島)何が会議だ!ふざけてるのか?
(悪魔)ふざけてなんかいませんよ。
彼はいたって本気です。
(森)なんだ?君は。
僕は悪魔ですよ。
悪魔?魂と引き換えに3つの願いを叶えるのが仕事です。
あの警備員さんと契約したのか?ああ。
まず1つ目の願いとしてこのリストに記された人間をビル内に集めるよう頼まれた。
(悪魔)だから皆さんは謎のメールを受け取りここにいるのです。
これが…大量殺人の幕開けか?大量殺人?
(悪魔)彼はこのビルを吹き飛ばすだけの爆弾を仕掛けました。
爆弾だと?では皆さん人生最後の日を精いっぱい楽しんでください。
(田中)消えた…!
(森)本当に悪魔なのか?君はなんのために我々を集めた!「まだわからないんですか?」「3年前の6月20日この会社を救ったのは僕なのに…」中平君!?
(中平毅)「ようやく思い出してくれたんですか」中平ってあの中平か?まさか…復讐しに来たのか?復讐?お久しぶりです皆さん。
僕の事を思い出したついでに3年前の事件の事も思い出してくださいよ。
「皆さんの関与の可能性を示す会議資料も用意したので中村さん棚の中の資料をお配りしてください」「では15分の休憩を挟んだのち真実の究明をしますので資料にはよーく目を通しておいてくださいね」驚きました。
まさかあなたが大量殺人を企む犯人とは…。
僕だって驚いたよ。
本当に死神なんだね。
教えてくださいよ。
3年前の事件ってなんなんですか?牛肉の産地偽装。
業界じゃよくある話さ。
これが発覚して簑島食品は存続の危機に見舞われた。
(中平の声)当時食肉課長だった僕は部下の長友と一緒に原因の究明に奔走した。
(長友次長)中平課長!わかりました!これ…。
(中平の声)アジアからの輸入牛肉を国産ブランド牛肉だと偽った事を突き止め田中常務に報告したしかし…。
我々が調べてもわからなかった事をなぜ君たちがわかった?…え?
(森)君たちが関わっていたんじゃないのかね?断じてそんな事はありません!我々は言われたとおりに原因を調べただけです!
(中平の声)しかし会社は僕らを首謀者と決め解雇処分とした。
ご丁寧に中国の食肉業者から500万円ずつ振り込ませてね。
ハメられたんだよ。
僕らのせいにする事で会社は窮地を免れた。
でも…僕は地獄を味わった。
友人も恋人も離れていき職を探そうにもその事件のせいでどうにもならず借金ばかりが膨らんでいき…人生はめちゃくちゃさ。
それで復讐を…?警備会社を営む親戚が僕に同情してくれてね。
簑島食品の警備員に派遣されたのが1年前だ。
おはようございます。
(中平の声)警備服姿の僕に誰も気づきもしなかった。
自分があまりにも哀れで…空しくなったよ。
(解錠音)警備の合間に内部資料を調べた結果…。
事件への関与が疑われるのは彼らだった。
悔しいのはわかりますが犯罪はいけません。
じゃあこのまま泣き寝入りしろってのか?ですが大量殺人というのは…。
悪いが会議の時間だ。
「では皆さん会議を再開します」「その資料に証拠を示しているとおり外国産牛肉の輸入を決めたのは山村係長」「偽装表示をしたのは木下課長」「決済したのは森部長ですよね」「田中常務には中国の業者から多額の振り込みがあった」「金はダミー会社を迂回して簑島社長の手に渡った」「つまり会社ぐるみの偽装だった」「そうですよね?」答えてください。
こんなビルいつでも吹き飛ばせるんですよ。
お母さん?私の妻と娘も…。
新商品の試食会に招かれたんですよ。
悪魔に託したリストにはあなたたちのご家族の名前も含んでおきましたので。
ちょっとしたショータイムもご用意しました。

(爆発音)」「
(人々の悲鳴)」「
(男性)なんだ!?今のは!」
(悲鳴)試食会場を封鎖したのか!?もうやめてください!私が全て答えます.何を言い出すんだ?中村君!私は証拠隠蔽を手伝わされている事が苦痛だったんです。
爆弾魔なんかの脅しにのるのか!こんな機会を…ずっと待っていたのかもしれません。
全ては社長の指示でやった事でした。
(絵里)証拠もあります。
「これで全員の関与が確定したわけですね」私は関与していません。
「でも知ってたわけでしょう?」「あの時真実を話していたら僕は救われたのに…」「あなたは僕を見殺しにした」「同罪ですよ」「他にも知っていた社員をご存じでしたらその資料のメモ欄に書き出しておいてください」「言っておきますけどショータイムが一度きりとは限りませんよ」「
(キーを叩く音)」「従わない人間の家族から狙っていく事もあり得ます」まずいですよそれは…。
ここは犯人さんに従いましょう。
「急いで書き終える事をおすすめします」
(監死官の声)「机の下は犯人には見えてない」「お前らを助ける方法があるなら教えて欲しい」社長秘書からの伝言だ。
(絵里の声)「このビルには爆弾が仕掛けられています」「警備システムを無効にしてビルにいる全員を避難させてください」急いだほうがいい。

(中平)こんなにたくさん知ってたとはな…。
これであなたの知りたい事はわかったんですよね?せめて関係ない人間はビルから出してあげましょうよ。
(悪魔)そうはいかないだろう。
あれだけの人間が知っていたなら他にも噂は広まってるさ。
全ての社員が薄々何かを感じてたんじゃないのか?僕に言わせりゃ…全員が共犯者だよ。
どうして彼を刺激するような事を言う!?僕は同情してるんだよ。
被害者は彼のほうであり彼をここまで追い詰めたのは会社の人間だ。
君だって…いつもなら彼に同情するんじゃないのかな?それとも天界での自分の立場のほうが大切かな?俺にはみんなを救う任務がある。
みんなを救えば被害者の彼は救われないよ。
(悪魔)それとも君は彼のために何かしてやれるのかい?どうせ何も出来ないんだろう。
「皆さん書き終えたようですね」「正直驚いていますよ」「自分や家族のためならなんでもバラすんですね」「3年前には不正を隠して僕を地獄に突き落としたのに」まずはそれをわびてください。
「土下座してください」彼の怒りはもっともです。
皆さんはちゃんと謝るべきです。
君には本当に申し訳ない事をした。
このとおりだ。
それで許されるとお思いじゃないですよね?もちろん望みどおりの慰謝料は支払う。
社にも復帰してもらう。
希望のポストも用意する。
だから…過去の事は水に流してくれ。
「僕を会社に取り込んで3年前の真相を隠し通そうって腹ですか?」「それは無理です」「この会議の様子は全て録画してあります」な…なっ…。
僕はそれを偽装事件の真相として公表するつもりです。
いくら払ったら引き下がる?「金の問題じゃない!」仕方ありませんよ皆さん。
彼の名誉のためにも受け入れましょう。
その代わり命だけは助けてもらいましょう。
爆弾はもう解除したらどうですか?真実が明らかになる。
それでいいじゃありませんか。
それじゃ駄目なんだ。
それじゃ長友が浮かばれない。
長友?「名前も忘れたんですか?」
(田中)覚えてるさ。
君と一緒に解雇された当時の次長だろう。
あっじゃあ長友君にも慰謝料を渡して会社に復帰してもらう。
「それは無理ですよ」長友はもう…この世にいませんから。
悲しい最期でした。
(中平の声)職にも就けず婚約も破談になりビルの屋上から飛び降りる道を選んだんです。
1年前の今日6月20日午後5時。
くしくも3年前我々が解雇されたのと同じ日でした。
寂しい葬式でね。
社の人間は誰一人として来なかった。
会社に殺されたのも同然なのに。
「だから今日の午後5時彼の弔いのためにこのビルを爆破する事に決めたんです」「あなたたちはご自分の不名誉が世に知れる惨めさを想像しながら家族や社員と一緒に死んでください」
(簑島)頼む!中平君!命だけは助けてもらえないだろうか?せめて家族だけでも…頼む!このとおりだ。
でも長友は死んだんですよ。
復讐だけが僕がしてやれる唯一の弔いなんです。

(非常ベル)」
(アナウンス)「緊急避難指令。
非常事態が発生しました」「全員すみやかにビル内から避難してください」「緊急避難指令。
非常事態が発生しました」
(早田総務部長)よし終わったぞ。
お前も逃げろ。
(非常ベル)
(中平)なんなんだこれは!
(非常ベル)どういう事だ!?
(非常ベル)残り100名ほどだ。
お前にしちゃいい提案だったな。
ちょっと…!あれ!?どうして…?システムを無効にしたんだろうが!確かに無効にした。
だとするとこれは…。
(悪魔)システムに頼らなくとも僕の力で皆さんを閉じ込める事は出来ますよ。
悪魔…。
まさか2つ目の願いをこれで?ああ。
(悪魔)残った人間はビルから出られないよ〜。
面白くなってきたねぇ。
大多数は避難したがまだ57名がビル内にいる…か。
(紙が落ちる音)上層部から今日5時の爆破に備えて魂の数合わせの準備をするよう指示が出た。
魂の数合わせ?万一の時は5時付近の死亡予定57名分を取り消しビルに残された57名を新たに死亡予定に書き加える…。
悪魔の行為を運命として認めるってのかよ!?しかし考えようだ。
爆破による57名の死を天界が正式に運命として扱うなら死神No.413の失態ではなくなる。
でもまあ今後のためにも担当替えは急いだほうがいい。
書類にサインしたら君が担当する新たな死神を紹介する。
(中平)「皆様に繰り返し申し上げます」「先ほどの緊急避難指令はシステムの誤作動でした」
(中平)ドアロックなどの警備システムが復旧するまで試食会会場にて待機していてください。
(中平)「ご迷惑とご心配をおかけした事おわび申し上げます」入ったほうがいいんじゃないんですか?ご家族や社員に不安を与えないためにも。
(悪魔)犯人に刺激を与えないためにも。

(ロックがかかる音)どうしても復讐を果たすおつもりですか?長友のためだ。
やり遂げなきゃ僕は一生後悔する。
やってしまったほうが後悔するんじゃないですか?あなたのような優しい人なら…一生苦しむ事になる。
やってしまえば後悔する時間もなくなるさ。
まさか…。
(悪魔)君の恐れたとおりだよ。
彼も一緒に死ぬつもりだ。
(中平)悪魔…。
3つ目の願いを託してもいいか?まさか爆破を…。
いや弔いは自分の手でやるさ。
これはさっきの会議を録画したデータだ。
爆破を終えて俺が死んだらこれをマスコミに渡してほしい。
真相が明かされ俺と長友の汚名が晴れる。
これが3つ目の願いだ。
かしこまりました。
爆破成功の暁には間違いなく渡します。
悪魔に3つ目の願いが託されたか…。
もはやこれまでだな。
そろそろ僕も行くよ。
全てを終わらせる。
あっ待ってください。
部屋にいる家族は罪のない人たちですよ。
それともあなたはあのおばあさんをも殺すんですか?人に優しくというあなたのおばあさんの教えを守ってきたあなたなら別の解決方法だって見つけられるんじゃないですか?
(悪魔)邪魔しないでくれよ。
言っておくがあのばあさんは事件の張本人の簑島社長の母親だぞ!社長が彼らを犠牲にして生き延びたからきれいな着物を着て幸せそうに笑っていられるんだ。
だからって巻き添えにしていい事にはならないだろうが。
いや。
巻き添えにするのは僕なりの優しさのつもりだよ。
殺すのが…優しさ?家族が不正に手を染め人の命まで奪ったんだ。
生き残ったら地獄が始まる。
本当にそうでしょうか?少なくともこれまで私が立ち会ってきた死亡予定者もその家族や友人たちも厳しい現実を受け入れて前に向かって歩き出しました。
どんなに苦しくても何か希望を見つけて生きていく。
それが人間の強さなんじゃないんですか?君は随分楽観的だな。
少なくとも僕が見てきた人間はそんなに強くなかった。
僕も長友もね。
何を言われても僕の気持ちは揺るがないよ。
お前の任務はそこまでだ。
どういう事だ?天界は爆破による57人の死者を運命に選ばれた正式な死亡予定者として処理する事を決めた。
正式な死亡予定者だと?私らの仕事はもう爆破を止める事じゃなくて…彼らを天へ送る事だ。
じゃあ今までやってきた事はなんだったんだよ?死神ってのは一体なんだったんだよ!そんな事は上の連中に聞いてくれよ!私は…主任の命令を伝えるだけの監死官だ。
俺は死ななくていいはずの命を救う事も出来ないのか?
(悪魔)いいじゃないかそれで。
天界の認めた運命なら君も救われるんだろう?また僕と遊べるよ〜。
それに死はめでたいものなんだろう?なぜそんなに恐れる?君の大好きな運命じゃないか!今までどおりその死を見守っていればいいんだよ。
それは…悲しすぎるよ。
爆弾は…あの中ですか?どけよ。
あなたに爆破は出来ません。
何言ってる?もうすぐ起爆スイッチが作動する。
5時にはみんな死ぬんだ。
いえみんなは死にません。
おめでとうございます。
運命によってあなたが4時50分に死ぬ事が決まりましたのでお迎えに上がりました。
君は結局長友を殺したあの連中を守るのか!?私は…あなたの魂を守りたいんです。
悪魔に奪われた魂は天へは行かず長友さんの魂と再会する事も叶わなくなる。
それは悲しい事です。
でもそれ以上に…。
あなたに罪を犯させたくない。
優しいあなたのままで一生を終えて次の人生をやり直してほしいんです。
(風の音)ありがとう。
え?僕のために涙を浮かべてくれたのは君が初めてだよ。
(柵が外れる音)
(悪魔)本当に愚かだな。
運命を書き換えるのは一番やっちゃいけない規則違反だ。
わかってんのかよカス!でもビルの中の人たちの命は救えた。
(絵里)5時を過ぎてます。
(田中)何も起こりませんよ。
(簑島)助かったのかもしれないな。
本当は彼の汚名を晴らしたかった。
爆破成功後に真実を公表するという3つ目の願いは無効になるんだろ?それだけが心残りだ。
でも彼の魂は救えたよ。

(切る音)
(主任)おめでとうございます。
ようやく激務から解放されますよ。
死神No.413は重大な規則違反で消滅処分。
監死官No.45も監死者として連帯責任で消滅処分。
これが天界の結論です。
担当替えじゃなかったのか?彼女は迷った揚げ句君に運命を委ねる道を選びました。
なんなんだよそれ。
どうして黙ってたんだよ。
いいんだよ。
私も疲れた。
ではこちらへどうぞ。
(扉の開く音)何かやり残した事はありますか?別に。
特にないよ。
では。

(アナウンサー)「3年前の簑島食品牛肉産地偽装事件が社長の指示による会社ぐるみの犯行だった事が匿名で送られてきた映像から明らかになりました」「また産地偽装事件の首謀者として3年前に解雇された社員2名は冤罪被害者であった事も明らかになりました」悪魔さん…ですよね?叶える必要のない3つ目の願いを叶えたのはなぜですか?あの死神のためですか?さあな。
ひょっとすると君は彼と友達になりたかったんじゃありませんか?くだらない事を言うな。
ならよかった。
彼と彼女は消滅処分になりました。

(鳥のさえずり)どうかな?わかんないいるでしょ?池上君遅いねぇ。
(玲子)「先来て待ってる」って言ってたのにね〜。
玲子電話してみたら?えっ私が?だって玲子は池上君が目当てなんでしょ?やだそんなんじゃないって。
ウソ〜!あれ?あの後ろ姿池上君じゃない?えウソ…!あの…。
やだ全然違うじゃない!池上君あそこにいるよ!行こ!ごめんなさい。
人違いでした。
おっ!きてる!きてるな!きたな!きたな!きたきたきた!きたきたきた!やっときた!おおおお〜!きてるきてる!おうおう!おっと!あっ…!なんだバレた!あ〜っ!話しかけるかね?普通。
釣りしてんだからもう!なんだ魚見たかったなぁ。
ヒラメだったかもしんないよ。
マゴチかな?あ〜…。
マグロかもしんない…。
あ〜マグロなわけないかぁ。
いやぁでもね…でもよかった。
かかっただけでよかった。
かかると思ってなかったもん。
フフ…。
奇跡だ奇跡!2014/06/21(土) 00:34〜01:34
ABCテレビ1
[終]死神くん #9[字]

遂に最終回!さよなら、死神くん!
大量殺人を企てる男が悪魔と契約を結んだ。人質は1200人!消滅の危機の死神(大野智)と監死官は…。涙と衝撃の展開が待ち受ける!

詳細情報
◇番組内容
「僕の最後はそばにいて」
復讐のために大量殺人を企てる男が悪魔(菅田将暉)と契約を結んだ!犯人は人質1200人を監禁し、爆弾を会社に仕掛けていた!止めることができなければ、死神と監死官(桐谷美玲)の消滅は確実…。悪魔に犯人の魂を奪わせることも阻止したい。死神と監死官はビルの中の人々を避難させ、なんとか事態を回避しようとする。死神の必死の言葉は届くのか!? そして死神と監視官は消滅してしまうのか!?
◇出演者
大野智、桐谷美玲、菅田将暉、松重豊
【ゲスト】田中圭
◇原作
えんどコイチ『死神くん』(集英社文庫<コミック版>)
◇脚本
橋本裕志
◇監督
本橋圭太
◇主題歌
嵐『誰も知らない』(ジェイ・ストーム)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】飯田爽(テレビ朝日)、西河喜美子(テレビ朝日)、下山潤(ジャンゴフィルム)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/shinigamikun/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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