サワコの朝【吉永小百合に無茶ぶり…行定勲】 2014.06.21

(阿川)おはようございます。
阿川佐和子です。
今日のゲストは映画監督です。
「セカチュー」なんて言ってましたけど「世界の中心で、愛をさけぶ」でなんと…興行成績っていうんですか?85億っていう…。
これがどれぐらいのもんか私よく分からないんですけどもとにかく大変なヒットを飛ばされた行定勲監督においでいただいております。
(拍手)どうも。
はじめまして。
まだ「セカチュー」のこと言うかっていう…。
(行定)そうですね。
監督としてはあんまり愉快じゃない感じですか?なんかね高い壁なんですよ僕の。
高い壁?超えられない壁ですね。
あっそうですか?そうです。
あれはでもほんとに85億なんていう興行収入っていうのは監督にはどれぐらい入るんですか?んん〜…ふふふっ。
ふふふっ。
興行だけでは入らないです。
一銭も入らない。
一銭も入らない!?最初の契約でもう…。
じゃあお客さんがいくら入ろうと映画がどれほどロングランしようと…。
(行定)ギャランティーだけですね。
でビデオDVDになってからやっとお金が入ってくるという。
そういうことについても今日は伺いたいと…。
はい。
あははっ!そうですか。
(ナレーション)今日のゲストは…。
10代から助監督として岩井俊二さんなど名監督の作品に参加。
その僅か4年後「GO」で日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞。
35歳で手がけた「世界の中心で、愛をさけぶ」は興行収入85億円の大ヒットになりました。
(森山)助けてください!助けてください!!更に大女優吉永小百合さんの指名を受け大作「北の零年」を演出。
(吉永)きれいな月。
淡路と同じ月が出ていますよ。
第一線で活躍を続けています。
そっちのが怖い!今日は数々の名優と向き合ってきた行定さんが彼らの心を動かす演出を語ります。
早速伺うのもなんですけれども。
はい。
記憶の中で今でもきらめいている曲というのは?佐野元春さんの「SOMEDAY」っていう曲なんですけど。
ちょうどその高校の頃にバンドをやりはじめたんですね。
下手なんですけどギターやってて。
バンドっていうのはそういうちょっとこう…衝撃というか。
(行定)そうですね。
リアルっていう言葉が出てくるんですね。
「リアルに感じてしまうこの頃さ」って。
なんかねあのころやたらねリアルって言葉が刺さったんですよ自分に。
その記憶でさっきおっしゃった「世界の中心で、愛をさけぶ」の中でも佐野元春の曲「SOMEDAY」がまんま流れるんですよ。
あっそうでしたっけ。
あの映画は相当自分のことを…。
入ってるんですか?入ってますね。
なんか都会的なにおいがする。
もともと熊本?
(行定)そうです熊本ですね。
熊本で育って。
そうですね18歳まで。
要するに高校卒業するまで熊本で育ってましたね。
ちょうどじゃあ多感に将来のこととかどうでもいいやと思ってたのに悲しみとか喜んだりっていうことが…。
直面しますよねいろんなことに。
こういうことがリアルなんだなっていうことはなんか感じてた頃だったような気がしますね。
例えばそのころなんか大きな事件とか…。
(行定)友達がもうその時点で僕がすごく仲よくしてる友達が3人ぐらい亡くなっている。
えっ?高校生になったときにもうすでに?えっ友達が?
(行定)高校2年生ぐらいのときにバンド仲間としていた人が突然入院するわけですよ。
で高校卒業する前に亡くなったんですけど。
それも僕にとっては一つのリアルっていうか…。
「世界の中心」みたいな話ですね。
(行定)まあそうですね。
たぶん皮膚がんだったと思うんですけど確か。
若くして…10代半ば?うん。
だからそれはやたらやっぱ衝撃だったしそう考えてみるともっとね小学生の頃にも1人亡くなってる子がいて。
ええ。
湖でね水死しちゃったんですけど。
その子との話もものすごく自分の中で引っ掛かってるっていうか…。
仲よかったんですか?仲よかったですね。
何かやってあげようと思ってもなんかやってあげられるものでもないから。
あの感じっていうのが僕にとってはリアルだったんですね。
もどかしさのようなものが…。
(行定)ありましたね。
なんか意外とこう人と死に別れするっていうことがず〜っと続いてるんですよね。
やっぱそうやって人が亡くなる度に自分は取り残される。
残された自分はじゃあ何すればいいんだろうなって。
どうしても自分が作ってきた映画の中でよく死が描かれるんですね。
死ぬ人が多いんですよ。
人が死んだ分だけの映画が作れるってやっぱ思うんですよ。
彼らのもっと生きたかったであろう気持ちをくみ取れるならばそれをなんとか引き受けてなんか…なんもやらない自分じゃいけないだろうっていう気持ちになってるっていうかね。

(妻)あっははっ!
(夫)ゆっくり。
ほらっ!思い出したらもうそのまま。
自分で逃げない。
逃げないで。
ごめんごめん。
うまくいかんな。
主人がミスしても私が怒られる。
そんなことないだろ。
アハハハ!ありがとうございました。
楽しかったぁ。
(ナレーター)気持ちいい汗をかいた後はパナソニックの洗濯機にお任せ。
ねえポケットの中確認した?はい。
確認しました。
操作パネルを後ろにすることで投入口がより広くなりました。
ちょっと待って。
これも。
あっはいはい。
(スタートボタンの音)ピッ。
この後ちゃんと干してね。
手前がすっきりしているから引っ掛からずに出し入れラクラク。
すっきりフロントのパナソニック洗濯機。
最初はバンド組んでギタリストやってらした人がどこから映画作りに参加したいというふうに思うようになられたんですか?
(行定)文化祭でPVを撮ろうと。
素人だけど?
(行定)素人だけど。
バンドの?それはバンドのメンバーが1人1人撮ってるんですか?そうじゃなくてそれじゃあ格好悪いんで大していいバンドじゃないから。
女の子撮ってればなんか絵になるんじゃないかと思って。
ああ〜。
ファインダーの中にちょっといいなぁと思ってる女の子を自分だけでこう撮れるものが映画だなと思ったんですよ。
行定さんはレンズを通して女の子を見てるわけでしょ?こうやって。
(行定)で彼女はいつもはそんな顔して自分のこと見ないですよね。
はいはい。
でもレンズを通せば見てくれるわけですよ。
ああ〜そうか。
それでなおかついろんなことをお膳立てすればその彼女も乗る。
へえ〜。
(行定)乗ってくるんですよね。
ええ。
(行定)例えばプールに飛び込んでもらいたいと。
冬のプールですよ。
どういうところからその発想…。
いやなんとなく。
でびしょぬれでこうちょっとなんかね…。
セクシーな感じに…。
セクシーな感じになるじゃないですか。
肌がぴったりくっついて。
そういうのいいなぁと思って。
それやってみようかなと思ったんだけど簡単に飛び込んでくれないんです冬寒いし。
じゃあどうすりゃあいいんだろうと思ってプラタナスのね葉っぱって大きいでしょ?あの葉っぱを…枯れ葉をいっぱい集めてきて色塗ったんですよ。
でそれを浮かべる。
プールに浮かべるときれいでしょ?カラフルな…。
これだったらいいって言うんです。
あははっ!なんだろう?その心境の変化は。
でもやっぱり僕ら自分のためにそれをやってくれたっていう状況ってあるわけじゃないですか。
「私のために?」ってちょっと女優気分になれる。
(行定)たぶんその子はそんな気持ちはないけど私のためにっていうのだけは伝わっていくんですよね。
で「飛び込んでください」ってドボン飛び込むんだけど飛び込んだあとはまあ悲惨なもんですよ。
あははっ!だってバシャってなったらもう顔こんなんなっちゃってるし。
プラタナスも何もあったもんじゃない!それを撮りたいんでしょ?でも。
いやそれは僕としてはちょっとNGだったんですね。
ええ〜っ!?ひどい!やっぱりよくないんですよねこんな…こんな…。
お岩さんみたいになってる。
お岩さんみたいにこんなんなっちゃってますから。
ただこのプラタナスを努力したことでこの人は飛び込むっていうことは覚えたんですよ。
そこは知恵を付けたわけですね。
こういう設定をつくればこの人たちはやるんだと。
やらないと言った人間が。
それはねいまだにねそれを思い出しますね。
女優さんがどうしても動かないなぁって…。
今でも使ってるんですか?使ってはないですけど考えます。
その状況をやっぱりつくってあげれば気持ちよくそこに入ってこれるんだということは常に思ってますね。
で高校卒業なさってから東京に出てきて…。
はい。
それこそTBSの…ここの中の子会社があったんですねドラマを作る。
その制作会社に一応就職するっていう。
じゃあドラマ作ってたんですか?ドラマのADをやってましたね。
めちゃめちゃおもしろかったです今考えてみれば。
まずねいちばんおもしろかったのは最初に入ったとき入社したときに僕のすぐ上のADさんが香川照之さんだったんですよ。
はい!?
(行定)あははっ!要するにお母さんの浜木綿子さんから香川さんは東大出て役者やりたいって言いはじめたらしいんですね。
そしたら役者やるんだったら裏方の仕事を分かってやんなさいよって…。
結構厳しいおうちだったんだ。
うん。
でなんか大学の夏休みの間にADとして入ってたらしいんですね。
その下に僕が入ってきたんですよ。
そしたらもうなんかもうすでに3週間ぐらいの先輩なんですね僕より。
3週間先輩。
(行定)たった3週間なんですよ今考えれば。
でももう相当な先輩っぽい感じで。
すごい嫌な人でしたね。
(一同)あははっ!やっぱ頭がいいから言うことももう…。
まああんま変わんないですよ今役者やってる感じと。
今もそうなんですか?もう取りついてるときのあの感じ?早口でバァ〜っとしゃべるじゃないですか。
口あんまり開けなくて。
目はなんかちょっとこう…。
(行定)もうね厳しかったんですよね俺に。
「あのね弁当は重要だからね」って言われて。
重要?「重要なんだ。
弁当うまいとこいくつか俺教えるから今から言うぞ」っていくつか弁当屋を早口でバババって言うんですよ。
「メモんなくていいの?もう一回しか俺言わないからね」って。
あははっ!で去っていくみたいな。
へえ〜。
俺覚えてねぇよ今のって。
すごい早口。
あとで話すと相当厳しくやられたらしいんですね。
逆になってね名門のおうちだからっていうのでみんなこぞってこう…。
だったのかは分かんないですけど。
でまあ愛もあったんでしょうけど香川さんに対して。
(ナレーター)パナソニックの超高精細4Kはテレビという概念を超えていく。
映像で彩られた街は人々との新しい関係を築いていく。
そう自由自在に。
心を揺さぶる臨場感を。
常識という非常識を変えてしまえ。
それがWonders!
(西島)皆さん。
まずは経費のムダから省いていきましょう。
《待てよ?ムダを省く?》《そうムダを省くといえばエコナビ》《人だけでなく日差しまで見分けて冷やし過ぎのムダを省く》ワオー。
(ナレーター)エコナビにオドロキの省エネNO.1。
エコナビにはオドロキですよ。

(部下)部長これを。
(西島)どうした?何だこれは…。
この話すっきりしませんよね?すっきり?《いやうちの洗濯機なら手前がすっきり空いている》《だから引っ掛からずに出し入れしやすいんだ》ほらっ。
(ナレーター)エコナビにオドロキのすっきりフロント。
すっきりしませんよね?いや手前がすっきりしている。
…えっ?いちばん最初におっしゃったけど「セカチュー」でヒットしたということをいまだに言われたり大きなる壁になってらっしゃるっていう意味はなんですか?あんな長いタイトルでしょ「世界の中心で、愛をさけぶ」って。
やっぱね行定監督作品ってポスターに書いてあったときに代表作が書いてあるんですよ。
だいたい1個しか書けないです「世界の中心で、愛をさけぶ」ってやると。
あなたは「世界の中心で、愛をさけぶ」ですよと。
世の中はそれで知ってるんですあなたのことを。
これがなかったら知らないですよあなたのことって僕は言われてるような気がするんですよ。
あとね「GO」があるんで。
「GO」は短いんですけど。
だいたいねちょうどいいんです「世界の中心で、愛をさけぶ」「GO」って。
(一同)あははっ!これで収まってしまうから。
もうこれしか撮ってないのかと。
僕ものすごく多い監督なんですねどっちかっていうと長編映画を20本近く撮ってる人間なのに。
プロフィールには…。
そう。
もういいかげん変えてほしいなんていうのは思うんだけどこれもやっぱり他人が決めてることなんですよね。
自分がこの映画を発表していいでしょ?っていう映画に限って全然お客さんが入らなかったりしてるわけですよ。
でむしろこれはどうかな?ちょっと自信ないけど悔いが残ってるんだけどもっとやれたのになぁって思いながら出したものがもうすごいいいねって言われたりとか。
でもそれは素直に受け入れられますか?分かる人間がいないんだ今の時代は…とかいうふうには思わない?思わないですね次につなげようと思いますね。
これがなぜ駄目だったのかっていうことを…。
それ分かるんですか?それも分析できるとか。
分析しますねだから。
そうしないと次の映画作れないですよね。
へえ〜。
こんな…俺の時代がまだ来てねぇんだとか言ってたら永遠時代来ないですよたぶん。
って僕は思っちゃうんですよ。
だから結局それじゃあ次回作っていうか1個1個新しい作品が代表作になるように次の作品がこの「セカチュー」を塗り替えるものになるんじゃないかっていうなんか自分の中で期待を込めて。
目標のようなものでもある?では作ってるんですけどね。
なかなかあの興行収入っていうものが付きまとうとやっぱそこは超えられないですね。
前この番組に長澤まさみさんが来てくださってそれで「世界の中心で」の話になったときに頭をつるんつるんにこう髪の毛を…。
でもちろんカツラをかぶるっていうことだって処理はできたかもしれない。
だけれどもここはやっぱり髪をそらなきゃいかんだろうとまさみちゃんは決心したと。
でそれは自分から言いだしたんですか?うんまあ言いましたね。
言いだしたんですか。
えっどういうふうに持っていかれたんですか?これねもちろん裏ではマネージャーさんと「実際どうなの?」と…。
「う〜ん…」って。
だってマネージャーさんとしては「すみません監督。
ちょっとこのクランクアップした翌日にサイン会がありますのでカツラというわけにはいかないんです」とか。
あるかなと思って「あるの?」って言ったら「それは大丈夫です」って言ったんですマネージャーが。
あっ大丈夫なのねと。
でまあ「監督本人も悩んでるんで話してもらえますか?」って言うから「いや僕は話さない」と。
そのときは…。
説得には行かないと?うん説得するのは嫌だと。
僕が髪の毛をそるっていうことを前提にしてしまうとその時点でその真実味が自分がそこにたどっていく軌跡っていうか…。
気持ちの積み重ねが…。
ないんですよ。
指示なんですよね。
よくねあるんですよ。
女優さんに例えば裸になるシーンがあるとか。
はいはい。
その状況を自分でつくんなきゃいけないっていうことはすごく女優さんは覚悟はしてるんだけどなかなかそこはね背中押してもらいたいってのもあるんでしょうきっと。
ただ長澤まさみは当時16歳ぐらいでやっぱり多感な時期でそういうときにこれを自分の中でちゃんとこう考えてやれたんだっていったらその今後絶対によくなるだろうし…。
指示に従っただけじゃなくて自分で決心して前に進めたっていう。
そういうふうに思って本人がやらないって言ったらもう僕はいつも思うんですよだったらじゃあカツラかCGだねって。
それの覚悟は監督にはある?あります。
そんなんじゃできない!とか…。
いやしないですね。
それはそこまでですよ。
その人が考えて考えて出した結論がそれでしかないんだったらそれでいいんだねと。
「悪いことも映るのが映画なんで一生後悔すると思うよ」と。
そっちのが怖い!怖いそのセリフの方が。
いや一生後悔するもんなんです。
そのときには分からないですから。
例えば吉永小百合さんとのあの〜「北の零年」ですか?はいそうですね。
やっぱり吉永さんとなるとなんていうのかな…状況が違ってくるってことはあるんですか?ええ〜っとね逆でこっちがどんどん言うことにしてますねあの〜吉永さんに対して。
例えばどんな感じですか?まあ結構無茶ぶりをするってことなんですけど。
無茶ぶりを?まあ6キロぐらいある子役の子を背負ってこんな雪深い1メートルぐらい下手すると深い所をずっと歩かせるとかね。
(阿川・スタジオ)大の吉永小百合さんに。
(行定・スタジオ)普通それを人形とかに替えればいいような話じゃないですか。
それは僕の中ではないんですよ。
それは吉永さんに失礼だと思っちゃうんですよね。
かえって?かえって。
で例えば馬をね…乗ってるときにもう一頭の馬を引くっていうシーンがあったんですよ。
これ大変な技術が必要なんですね。
一頭乗るのも大変じゃないですか。
でもう一頭片手で引いてるんですよ。
やったことないんです吉永さんは。
乗馬がお得意っていうわけではないんですか?乗馬はやられるんですけど普通に乗るんだったら大丈夫。
ただ引き馬をするっていうのは大変だよねってなって。
そしたら渡辺謙さんとかのアドバイスもありながら日々撮影が終わったあとにずっと練習されてるんですよ。
それをね遠くから1回だけ見に行ったことがあるんですよ。
ほんとにしてるわと思って。
もうずっと没頭してやってるんですよ。
それは何気ないシーンなんですけど何気ないけどそれが大切なんだっていうことをちゃんとくみ取られる…。
分かってくださって。
何を今度撮るかっていうのは決めるのは監督ご自身がいろんな本屋さんの今売れている小説とか読んでみるってこともあるんですか?ええ。
それを読んで偶然に出会うこともあるし他人から「こういうのおもしろいからどうですか?読んでみませんか」って渡されて読んだものもあるしそういうなかで映画監督ってやっぱ何が重要かっていうと映画って作られてるものがあるじゃないですか。
誰がこの映画を作りたかったかっていうのが重要なんですね。
誰が作りたかったんだろう?っていう映画がたまにあるんです。
あははっ。
見てて。
会議でなんか映画の僕の企画じゃない会議があったとしますよね。
であるときにねなんかこうテンションが低いんですよ。
ああ〜。
で台本についてもみんなんん〜どうかな…みたいな感じになっててはっきりしないんであるプロデューサーが「一体これ誰がやりたいんですか?」って言いはじめたんですよ。
おお〜!はっきりとした。
ええ。
「俺がやりたいよ」って誰も言わなかったんですそのとき。
で僕も横で聞いてて誰もいないから「僕がやりたいです」って僕が言ったんですよ。
って言ったら「あっ監督やりたいの?じゃあ僕もやりたいです」って言って主導権を握ったんです。
へえ〜。
人のやりたかった映画だったはずなのに。
「じゃあということで僕らが主導権を握って映画を作ります」みたいな宣言をしてじゃあどうしようか?台本…みたいな。
それはなんの作品だったって伺っていいんですか?ちょっと言いづらいですね。
(一同)あははっ!そうか言いづらい…。
意外な作品なんで。
ああ〜そういう…見た見たっていう映画なんで。
今度お作りになった映画が「ひと夏のイマジン」。
そうですね「こっこ、ひと夏のイマジン」。
「こっこ、ひと夏のイマジン」。
西加奈子さん原作の「円卓」っていう小説があって。
円卓ってあの…中華料理屋さんでぐるぐる回るテーブルのね。
行定さんの最新作
(丸山)おい渦原何してんねん。
(芦田)話しかけんといて。
風変わりな小学3年生の女の子こっこが人の気持ちを想像することを学んでいく物語です。
芦田愛菜ちゃんが主演の。
そうですね。
いかがでした?
(行定)いやぁ〜よく彼女のことを天才子役って言うじゃないですか。
意外と簡単にそういうこと言うなぁって感じで僕は聞いてたんですよ。
ただね「ひと言で彼女はなんですか?」って言われたらやっぱ天才子役ですね。
あっそうですか。
やっぱり天才子役でした。
どこがそうなんですか?
(行定)あのね…こんなに努力する子いるのかなって。
えっ努力するの?まず努力するんですよ。
最初に会ったときにものすごく子どもだったんですね。
不安になるぐらい子どもだったんですよ。
会話もしないし俺の顔よく見ないし。
へえ〜!受け答えも大してない。
うん。
ちょっとこう人見知りしてるような?どっかに別んところに興味があるみたいな。
でずっとそういう感じだったんでこれ…あれ?って。
どこが天才子役なんだよって思うぐらいやっぱりこれ大人がつくったのかといろんなことを…と思ってたんですね。
でそのとき実は台本を読んでなかったらしいんですね。
だから僕と共通でしゃべる言葉が何もなかっただけなんですよ。
で今度彼女に台本が渡ったあとに会うじゃないですか。
衣装合わせだったんですけどそのときはもう興味があるんですね。
僕がこっこをどんなふうに思ってるかっていうことに。
だから髪形を決めるとかなんかこういうの「目玉のね髪飾りつけてみる?」とかってやると「そうですねこっこはいろんなとこ見てるからですよね」って言ったんですよ。
ああ〜そういう意味だった…。
俺はちょっとおもしろいですねって言うぐらいかなと思ってたんですよ。
あれ?と思ってこの子はひょっとするとやっぱりほんとに天才なのかなと。
やっぱ思うんですよね。
でそれは何かっていうとセリフ覚えが悪いんですって。
「人一倍私はセリフ覚えが悪いんです」ってはっきり言ったんですよ最初に会ったときに。
「あっそうなの?」って言って。
だから何百回って読んでるうちに覚えていくと今度は人の気持ちになって客観的に読むんですって。
だから人のセリフも覚えちゃうんです。
ああ〜。
(行定)で本読みのときに台本を持ってなかったです。
ええ〜!?全部覚えてるんです。
そんな人大竹しのぶさん以来なんじゃないかって。
あははっ。
あっそうなんだ!だって膨大なセリフですよ。
へえ〜。
いや…普通の女優さんですね。
それより私これやりたくないあれやりたくないって言わない普通の女優さん。
(一同)あははっ!あの〜ほんとに。
さあ時間がだいぶなくなってきたんですけどももう一曲選んでいただいていると思いますが。
ええ〜「イマジン」。
「イマジン」。
平幹二朗さんがおじいちゃん役をやってるんですけど平さんがこっこって女の子に…。
主人公の子?主人公の女の子に「イマジン」っていう言葉をね教えるシーンがあるんですね。
ただ想像するんじゃなくて例えば対峙してる相手の気持ちに立って想像しなさいってことを教えるんですね。
人の気持ちに立つっていう…想像するって今の日本人にいちばん重要な気がしていて。
この世の中に。
で今日ご紹介いただく音楽はジョン・レノンの「イマジン」ではなくて…。
RCサクセションの「イマジン」です。
何度聴いてもねストレートだけど優しい詞ですね。
そうなんですよね。
えっご自身も監督は歌を歌ってらしたんですか?
(行定)歌は歌ってなかったですけど演奏だけ。
演奏の方で。
最初バンドもよこしまでなんかこう女の子にモテたいとか…。
だいたいみんなそう…。
そんなんじゃないですか大概がね。
あっなんかでもギタリストも似合いそうな感じですけどね。
ほんとですか?そっか…じゃあやってみようかなまた。
あははっ!ブィ〜ンなんてコンサートのときに後ろの方でニヒルに立っているタイプ。
静かにね。
静かにねあまりしゃべらないで。
よくしゃべるんですけどね。
あっそうなんですか。
あははっ!「あの鐘を鳴らすのはあなた」…。
あははっ!
(和田)ちゃんと「はなたにはえて」じゃ…。
2014/06/21(土) 07:30〜08:00
MBS毎日放送
サワコの朝[字]【吉永小百合に無茶ぶり…行定勲】

ゲスト・行定勲/映画監督▽“セカチュー”の行定監督が考える俳優との向き合い方とは?思い入れある音楽とともに、阿川佐和子がゲストの意外な側面や表情を引き出します。

詳細情報
番組内容
ゲストは映画監督の行定勲。『世界の中心で、愛をさけぶ』で主演の長澤まさみは、行定に「導かれるように丸刈りにする決心をした」と語っていた。そのときの2人の間にあった駆け引きや行定の監督としての真意は何だったのか。女優・吉永小百合にお願いした難題とは?子役・芦田愛菜について「やっぱり天才なの?」との質問には?AD時代の先輩に俳優の香川照之がいた話しにも。日本映画界を代表するヒットメーカーに阿川が迫る。
出演者
【司会】
阿川佐和子
【ゲスト】
行定勲(映画監督)
1968年熊本県出身。25歳のとき、『我が人生最悪の時』や『Love Letter』などに助監督として参加。29歳『OPEN HOUSE』で監督デビュー(公開は2003年)。2004年には『世界の中心で、愛をさけぶ』が興行収入85億円、観客動員数620万人の大ヒットに。最新作は、6月21日公開の『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』。(現在45歳)
制作
【製作】MBS TBS
【制作協力】TBSビジョン

ジャンル :
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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