今週、世界の大きな関心を集めたこの動画。
スタジアムで袋を手にした人が何かを拾っています。
本田、すばらしい。
空いた、シュート。
決めた!
サッカーワールドカップブラジル大会の日本対コートジボワール戦。
日本のサポーターたちは青い袋を振って応援。
この袋が。
そうなんです。
日本は敗れましたが、試合後、日本のサポーターたちは、この袋を使ってごみ拾いをしていたんです。
この様子は、各国のメディアにも取り上げられました。
日本は初戦を失ったが、礼儀正しさの面では多くのポイントを獲得した。
中国版ツイッター、ウェイボーでは。
試合後にごみを拾うのは日本のサッカーファンの伝統。
学ぶべし。
そして日本時間のきのう行われた、ギリシャ戦のあとも。
悔しかったあとでも。
この日はそこに新たな仲間が。
ブラジル人のサッカーファンなんです。
サポーターのフェアプレーが広がりを見せています。
おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
きのうのギリシャ戦、0対0の引き分け、惜しかったですけど、こんなうれしいニュースもありましたね。
平日の朝にもかかわらず、日本各地で多くの方が、さまざまな思いを抱いて、声援を送りました。
まずはこちらをご覧ください。
平日の朝のキックオフとなった試合。
通勤や通学の時間帯と重なったことから、携帯電話などで観戦する人も。
こんにちは。
その中で、今回のギリシャ戦を複雑な思いで見る人がいました。
ギニス・青山祐子さんです。
祐子さんの夫は、ファッションデザイナーのミハイル・ギニスさん。
ギリシャの出身です。
日本の奥さんとギリシャの旦那さん。
互いに負けられない試合となった、この日の一戦。
試合前の予想は。
ピッチの上で出すのは、自分たちのサッカー、それしかありません。
序盤、ギリシャが攻勢に。
この静かな反応が。
しかし、前半38分。
2枚目ですね。
2枚目です。
レッドカード、退場!ギリシャ1人退場。
この微妙な反応。
互いに譲らず0対0で前半を折り返します。
そして後半。
ギリシャのコーナーキック。
ヘディングシュート!川島です。
思わず声が。
一方、後半24分、日本、絶好のチャンスに。
打った!
これは!なんでそこで入んないかな。
終了間際のフリーキックも。
遠藤!ここで試合終了!
日本は16本のシュートを放つも、引き分けとなりました。
ですが、ギニスさん夫婦の感想は違ったようです。
このご夫婦にとっては、本当、ちょっとよかったなって思えてきました。
そうなんです。
でも小野さん、このグループはコロンビアが2勝しまして、決勝トーナメント進出を決めています。
ということは残りあと1枠しかありません。
日本、ギリシャがそろって決勝トーナメント、進出することはないんです。
なるほど。
で、日本が決勝リーグに進出する条件なんですが、こちらです。
まずコロンビア戦、第3戦のコロンビア戦に勝つのが絶対条件です。
ただ、日本対コロンビアと同じ日に行われる、ギリシャ対コートジボワール戦なんですけど、コートジボワールが勝つと、日本は決勝リーグに進むことはできません。
じゃあ、ギリシャに勝ってもらわないといけない?
そういうことです。
ここまではあのご夫婦は円満ですね。
円満です。
ただ引き分けになると、コートジボワールと、得失点差などを比較しまして、上回れば日本は決勝トーナメント進出。
なるほど。
ギリシャが勝ってコートジボワールが負けた場合は、今度ギリシャと得失点差などを比較して、上回れば決勝リーグ進出。
もう微妙としかいいようがありませんね。
いいようがありませんね。
勝つことが最低条件になるこのコロンビア戦なんですが、日本時間の25日午前5時キックオフです。
さあ続いては、こちらです。
ガソリンの値段が上がり続けています。
全国平均で1リットル167円。
2か月間で3円近く上昇しています。
さらに来週以降も値上がりが続く懸念が。
その背景には、何があるんでしょうか。
これからも値上がり続きそうなんですか。
という懸念があるということなんですが、その背景にあるのが、こちら。
緊迫するイラク情勢なんです。
産油国であるイラクの情勢が一段と悪化していることが影響しているようなんです。
けさですね、イラクで今、何が起きているのか、その背景には何があるのか、できるだけ分かりやすく、詳しくお伝えしていきます。
まずは最新のイラク情勢です。
鳴りやまない銃声。
目の前で爆発。
イラク各地で、政府軍と武装組織が激しい戦闘を繰り広げています。
ISIL・イラクとシリアのイスラム国という名前のこの組織。
あのアルカイダの流れをくむイスラム教スンニ派の過激派組織です。
今月10日、北部の都市を制圧して以降、急速に勢力を広げています。
首都バグダッドを目指して南下。
国内最大の製油所にも攻撃を仕掛けました。
対する政府軍は、空爆などによる攻撃を強化。
各地で一進一退の攻防が続いています。
さらにイスラム教シーア派の指導者が、ISILに反撃するため、シーア派の住民に戦闘への参加を呼びかけました。
20日にも改めて徹底抗戦を呼びかける声明を発表。
状況は緊迫しています。
一方、事態を注視して具体的な対応策を判断するとしていた、アメリカ、オバマ大統領は。
またイラクに戦闘部隊を送る考えはないとしながら、限定的な軍事行動を取れるよう、情報収集を強化するなどの考えを示しました。
これまでの動きをこのイラク周辺の地図でまとめていきたいと思います。
事態が深刻化したのは10日。
このイラク第2の都市、北部にありますモスルを先ほどのISILが制圧しました。
ここから一気に南下します。
16日にはバクバとありますが、首都バグダッドからおよそ50キロにある都市を巡って、戦闘が起きました。
たった1週間ほどで、首都近くまで、一気に迫っている、そういった状況なんです。
なんでイラクがこんな緊迫した状況になってしまったのか、その背景を読み解く鍵がこちらです。
色が変わりました。
これは地域の民族ですとか、宗派を色分けしたものです。
イラクではこの辺りにクルド人、そしてイスラム教のスンニ派という人たちが、このピンク色で示された地域、一方で、シーア派という宗派の人たちが、黄色で示された地域に住んでいます。
ベージュの所は?
ここら辺は砂漠地帯で、ほとんど人が住んでいないということですが。
なるほど。
ご覧のようにですね、このスンニ派とシーア派、2つの宗派がぶつかるのがこのイラクということで、そこが対立を生んでいるという状況になっています。
小野さん、話はこの人までさかのぼります。
フセイン元大統領。
スンニ派でした。
権力を握っていた。
そのフセイン政権が、2003年のイラク戦争でアメリカによって倒されます。
そうすると、その後の選挙で出てきたのがこちら。
シーア派のマリキ政権。
今度シーア派に代わったんですね。
ですが、アメリカ軍がイラクから完全に撤退しますと、マリキ政権は、このシーア派中心の政権運営を鮮明に打ち出すようになります。
一方のスンニ派には不満がたまっていたんです。
そこでですね、ISILをもう一度見てみます。
この人たち、スンニ派なんです。
なんです。
一気に進撃したこの地域を見てみますと、ピンク色。
スンニ派。
いやいやいや、でもスンニ派の人がみんながみんな、過激派なわけないじゃありませんか。
ここからですね、30年以上にわたって中東情勢を分析している国際開発センターの畑中美樹さんに聞いていきます。
よろしくお願いします。
ですよね。
スンニ派の人、みんながみんな過激派支援なわけないですよね。
そうですね。
ただですね、やはりそれだけのシーア派の、スンニ派の市民に対する冷遇政策というか排他政策が激しいものですから。
今までずっと。
どうしてもスンニ派地域の市民は、ISILに肩入れするような、そういう状況になっているということですね。
ですから今回、進撃を始めましたけれども、やはりその背景には、それが受け入れられるような、状況がすでに素地があったということですよね。
でもそもそも、マリキ政権は、なぜシーア派をえこひいきしてしまったんですか?
マリキ政権、先ほどのご説明にありました、サダム・フセイン時代には反政府活動をしていたんですね。
マリキ首相がですか?
そうですね。
そのため弾圧されて、イランなどに24年間ぐらい、海外に亡命を余儀なくされてたんですね。
そのためにやはり、スンニ派の人たちに対する恨みもありますし、信用もしていないというところがあるんですよね。
でも当初はマリキ首相というのは、融和政策を打ち出していた。
そうですね、2006年に首相になったんですけど、初めは挙国一致、連立政権を作っていたんですけど。
仲よくしようよと。
ただ、主要なポスト、内務大臣、これ、治安の要ですよね。
国防大臣、こうしたポストを巡って、スンニ派とやはり対立をしまして、結局、首相がそれを、2つのポストを兼務するような形でしてたんですよね。
で、アメリカが撤退したあとに。
アメリカが2011年の12月に撤退するんですけれども、おもしが取れたということで、そのあとはスンニ派による平和的な面も、これを、治安部隊を送って、弾圧するなど、一層シーア派に肩入れするような、そういう政策に傾いていったんですね。
小野さんね、この2つの宗派の対立をイラクの人たちはどう見ているのか。
日本にいるイラク出身の人たちに取材をしてきました。
訪ねたのは、東京都内にあるモスクです。
2週間ほど前にイラクから来たというこちらの男性。
礼拝の前にも、家族の安全を確認したといいます。
男性はスンニ派だといいますが、シーア派と何が違うのか聞きますと。
一方、こちらの男性、イラク出身のアルアザウィ・マハムードさんです。
翻訳などの仕事をしていて、20年以上、日本で暮らしています。
マハムードさんの家族の中には、シーア派の人もいれば、スンニ派の人もいるといいます。
一つの家族の中に?
はい。
ではなぜ、その2つの宗派が対立するようになったのか。
マハムードさんの友人は、こう話していました。
2人は一日も早くイラクが平和になることを願っていました。
話を聞いたほとんどの方が、スンニ派もシーア派も、もともとは大きな違いはなかったんだと。
今の対立を生み出したのは、本当二こういう政治を行う権力者たちの思惑なんだと。
口をそろえて話していたのが印象的でした。
畑中さん、この事態を収めるには、どうしたらいいんですか?
まずは今のマリキ政権が、シーア派の優遇、スンニ派の冷遇、この政策を変えることですよね。
仮にそれが変えられないのであれば国民が選んだ国会っていうのがありますから、そこでマリキ首相に代わる首相を選んで、国民のための融和的な政策を実行していくことですよね。
別の人に代える?
そうですね。
アメリカは、本気で介入する気はあるんでしょうか。
本音のところで介入はしたくない、できればイラク自身自身でお互いに仲直りして、イラク自身自身で、治安を回復してほしい。
そのお手伝いをしましょうということで、今週、ケリー国務長官が中東を訪問するようですね。
そしてこれからどうしていこうとしているんですか?
アメリカとしては、軍事顧問団300人の派遣を決めましたけれども、これは要はイラク自身自身で治安が回復できるようにということで、やはり軍や、あるいは治安組織、これを訓練をして自分たちの能力を高める、そういうことをまずはしようと。
と同時に恐らく、イラクの政治家に働きかけて、スンニ派、シーア派、この人たちが話し合いをして、挙国一致、融和的な政権を作るように、そういう働きかけをしようとしていると思います。
武力でなんとかしようというわけではない?
そうですね。
でも、もともとは仲よかったといっても、一度対立してしまったスンニ派とシーア派が、再び仲よくなれるものなんでしょうか。
恐らく長い時間がかかるんだろうと思いますね。
特にもちろんイラクの国内で対立があるんですけど、このシーア派のマリキ政権の背後にはイランがいますし、実はこのスンニ派のいろいろな組織の背後には、サウジアラビアやクウェート、あるいはアラブ首長国連邦といった湾岸の産油国がいるといわれているんですね。
この湾岸の産油国というのは、実は日本は原油輸入の大体9割ぐらいを依存してますから、そうしますと、すでに不安心理から、原油価格が高止まっていますけれども、日本のガソリン価格等、国内の経済への影響というのも、当然、中東地域、湾岸地域の混乱が広がるという懸念がありますので。
ここだけではなくて、このイランとかサウジアラビアとか、周りの国を巻き込んだ、大きな争い、対立に。
そうですね。
混乱が拡大をして、やや長期化するような、そういう懸念もあるということですね。
じゃあ、ガソリン価格には今後も影響が出るということですか?
そうですね。
当面、不安心理から原油価格が高い水準で続くでしょうから、それを当然、輸入しているガソリン価格も、しばらく高い水準が続くということになると思います。
今回、勢いを持ってしまった過激派が、全体を制圧して、油田なんかを抑えてしまって、日本にも、そしてよその国にも売らないよっていうようなことって、ありうるんですか?
そういう可能性はもちろんあるわけですけど、幸いなことに、イラクの油田というのは、黄色いこのシーア派の地域にたくさんあるんですね。
ここで生産をし、輸出をしていますから、このピンクのスンニ派の勢力がなかなかここに入ってくるというのは難しいですから、そういう心配は、物理的に生産ができない、輸出が落ちるというようなことはないのではないかと思います。
ここまで、国際開発センターの畑中美樹さんに聞きました。
ありがとうございました。
さあ続いては、スマートフォンなどで使われる無料アプリ、LINEについてです。
小野さん、LINEって知ってます?
自分では使ってないですけど、夢中になって夜眠れなくなる人もいるという、あれですよね。
ちょっとこちらで見ていきましょうか。
これスマートフォンの画面だと思ってください。
LINEはですね、仲間どうしで簡単にメッセージをやり取りできるというのが特徴なんですが、押してみます。
こんなふうなやり取りになります。
これ私です。
今どこですか?小野さんです。
私ですか?
小野さんです。
渋谷にいます。
で、私が、私も渋谷です。
このあと合流しませんか?小野さん、いいですよ。
私、では集合場所はここでと言って、これ、写真が出てきましたが、ハチ公の写真。
こういう写真もね、送れたりするんですよ。
こうしたやり取りが、全部無料でできるとあって、若い世代を中心に、国内だけでおよそ5200万人が利用しているんです。
こんなふうに便利なLINEなんですが、最近、知らない間に自分や友人が金銭トラブルに巻き込まれる事態が相次いでいます。
その中にはNHKのディレクターも入っていました。
こちらの30代の男性。
先週、友人からスマートフォンに、LINEを通じてあるメッセージが送られてきました。
インターネット上で使う電子マネーのプリペイドカードを、自分の代わりに買ってほしいというものでした。
男性は、友人からのメッセージと信じてカードを購入。
合わせて4万円分を送りました。
しかしメッセージは偽物で、電子マネーは何者かにだまし取られてしまったのです。
メッセージの送り主とされたNHKのディレクターです。
全く身に覚えのないことでした。
実は何者かが、ディレクターのIDとパスワードを使って、本人に成り済まし、メッセージを発信していたのです。
こうした被害、先月下旬から300件以上確認されています。
利用者本人しか知らないはずのIDとパスワードを、他人がどうやって知りえたのか。
その理由として考えられるのは、IDとパスワードの使い回しです。
セキュリティー会社によると、電子メールや買い物サイトなど、インターネットのさまざまなサービスを、同じIDとパスワードで使用している場合、どこか1つのサービスで情報が流出すると、ほかのサービスにも不正なアクセスを許すことになってしまうといいます。
LINEの運営会社は、利用者に、パスワードは他社のサービスとは違うものを使うよう呼びかけています。
また、警視庁は不正アクセス禁止法などに違反する疑いがあると見て、情報収集を始めるとともに利用者に注意を呼びかけています。
続いてはこちらのニュースです。
18日に行われた東京都議会の一般質問。
みんなの党の塩村文夏議員が、子育て支援策について都の取り組みをただしていると、議場から。
充実をお願いさせていただきました。
ほかにも、産めないのかといったやじを受けたといいます。
これについて塩村議員のツイッターでは、リツイートと呼ばれる引用が、翌日正午までに1万件を突破。
さらに東京都議会にも、女性に対して失礼な発言だなど、抗議や批判の声が相次いで寄せられました。
塩村議員はきのう、発言した議員の処分を求める要求書を、議長宛てに提出しましたが、議員の名前が特定されておらず要件を満たしていないとして、受理されなかったということです。
続いてニュースの深層に迫る深読みのコーナー。
これで、一気に「経済成長!」となるのでしょうか。
今月スポットライトを浴びたこちらの方…。
携帯電話会社が発表したコミュニケーションロボット。
すでにお店で接客中ということで私も接客してもらいました。
表情を読み取り、気遣いまで。
日本のロボットって、すごい!肩を並べて働くのは当たり前。
すいすいーっと運転したり…機械が苦手な水の中だって、ほら。
動きやセンサー、頭脳だってどんどん進化しているんです。
これは稼げる、日本の力になるとこの人も大注目!
来週にも閣議決定される成長戦略の一つとしてロボットの市場を2兆4000億円にまで広げようというんです。
夢も期待も活躍の場も広がるロボット。
でも、本当に暮らしは豊かになるの?きょうは、身近になりつつあるロボットの可能性とことん深読みします。
きょうもメール、ツイッターでのご参加、お待ちしています。
皆様、アンケートを取ってみました。
ロボットによる介護やサービス、受けたいですか?という質問に対して、イエスと答えた人が6割。
安田美沙子さんはどうですか?
おトイレとか、そういうところ、受けたいですよね。
何か人間だと恥ずかしいところもありますし。
そういうところは、なんかいいなって思うけど。
介護の中でも。
ほかの面では、なんか感情も欲しいなっていうのもありますね。
感情があるロボットだったらいいかもって?
そうですね。
実際今、日本のロボット産業界、どうなっているのか。
こんなプレゼンからスタートしましょうか。
おはようございます。
ロボット、すごいですよ。
なんか変な、いかがわしいセールスマンみたいですが。
でもね、もう言いたくなるぐらい、日進月歩すごいです。
そもそもね、ロボットって何をもってロボットというかからいきましょうか。
これをロボットって言われたら、安田さん、どう思います?
えっ、絶対違うでしょうって思います。
そうですよね。
どこからがロボットかって。
間違いなく箱ですよね。
どこまでが箱で、どこからがロボットかって、国はちゃんと定義を決めてるんです。
去年の秋、この番組でやったとき、高田さん、そのときいらっしゃったんですけど、覚えてらっしゃいます?
はい。
兵器のロボットですよね。
そうです、そうです。
ロボットの定義の3条件というのがあったんですが。
それは忘れました、完全に。
そうですか。
安心してください。
私も忘れてました。
教えてください。
一からいきます。
思い出していきます。
思い出したら、これでした。
まずセンサーがあること。
つまり人間でいうところの、目や耳、鼻、五感、感じることができること。
そしてもう一つ。
人間でいう脳です。
あらかじめプログラムされたとおりに、自分で考える。
そして、もう一つ。
人間でいうところの手や足、駆動系というんですが、自分で動くことができると。
おっ、動き始めました。
いやー。
これは後ろで人が動かしてるでしょ。
つまり、この3つの条件、自分で感じて、考えて、行動ができるものを、ロボットと呼びましょうというルールなんです。
この3つが全部ないと、ロボットと呼べないんですか?
逆に言うとそうですね。
ただ、こうやって手や足の形してなくても、自分で作動するものはロボットということにもなります。
このロボットって、急に、去年、おととしくらいから出てきたわけではなくて、長年活躍しています。
今までは主にこの分野で活躍してくれてました。
産業。
ちょっと難しいですけど、簡単に言えば、工場ですね。
ものづくりの現場で、生産ラインで作る作業をしてくれてた。
ここで大活躍。
ロボットって、人間が働くよりもいいところ、いっぱいあるんです。
例えばガチャンと、工具を使う単純作業。
人間って疲れます。
失敗もします。
でもロボットはプログラムどおり動くので、ずーっと働いてくれるし、基本ミスがありません。
だから、効率いいですよね。
それから危ない作業で、人間はけがしますが、ロボットは直せばいいですよね。
それから、これ食品、缶詰作るときも、変なものがミスして入ることはないですよね。
ミスがないから、私たち消費者にとっても安心ということで、この産業の分野って、とってもロボットは重宝されています。
実はこの分野、日本、すごく強いんです。
世界シェア1位ですって。
え?1位?
世界中の工場のロボット、産業用ロボットの半分近くは日本生まれ。
ロボットは日本ではすごい発達してるっていうことですよね?
すごく強い分野なんです。
それが、工場で収まらなくなっています。
どんどん発展してます。
なぜかというと、主にここです。
知能・制御系。
これがどんどん発達して、いまやこう呼ばれます。
人工知能。
もう人間の脳とほぼ同じ。
自分で考えて学習して、どんどん発展していくプログラムが増えているそうなんです。
なんかこう、僕らが思っているロボットのイメージって、アトムとか、あるじゃないですか、猫型ロボットとかじゃないですか。
要は最終ゴールは、この技術はもう出来てるんだけど、日本は、レベルの高い所で、最終ゴールは、やっぱあそこなんじゃないかなとは思ってたんですよ。
素人ながらにね。
ゴールがどこなんだろうって、果てしなく広がるので、宇宙でも、どこだかゴールが分かんなくなるぐらいの話なんです、これからの話。
人工知能って呼べるほどのことをロボットに思い込ませるのも大変じゃないんですか?
これがあるんですよ。
はい、出してちょうだい。
よく最近、ニュースに出るビッグデータというもの、デジタルの時代ですから、私たちのいろんな行動が、データとなって、あちこちにあって、それをつなげば、いろんな知識が今、世の中にあるわけです。
それは例えば、専門家が持ってるさまざまな知識もあちこちつなげば最強の頭脳になるし、今、誰がどこにいて、どんなお店がはやっているかっていう位置の情報ですとか、最近は何時に誰が電車に乗ってって、個人の情報が暴かれることはないんですけど、原則、つまり人の行動パターンや癖っていうのが、このいろんなデータをつなぐと、パターンが見えてくるようになってきてるんです。
この頭脳が、これ自体も発展してますけど、ここが通信の時代ですから、ビッグデータとつなげば、この膨大な情報を、いつでもこれ、出すことができる。
じゃあ、誰かが流行のお店が、なんとかってお店だよっていうことをロボットに教えなくても、ビッグデータから、大勢の人がこの店に集まってるぞ、はやってるっていうふうに判断できる?
取り出すことがいつでもできるから、人間の記憶より下手をしたら優れものになってる時代。
となると、工場ももちろんですけど、ロボットがどんどんどんどん活躍してます。
この分野です。
サービス業?
さっき、工場だから、直接僕らの暮らしと接点はなかったですよね、基本。
でもこっちは、暮らしに直接、影響を及ぼしてくれる、恩恵をもたらしてくれる商品、ロボットが次々に今、出てきてます。
はい、例えば、ちょっとさっきVTRでありました、これ。
最近ね、よくやってますね。
アメリカの企業、グーグルが、2020年をメドに実用化したいと言っていて、今、もう実験がアメリカでは始まってるんですけども、行き先言っただけで勝手に車が運転してくれる。
えー?それ楽ですね。
楽でしょ。
で、ビッグデータとつながってると何が起きるかっていうと、例えば、ある街のあの交差点はスピードを出し過ぎて事故が起きやすいっていうパターンが分かってると、この車、勝手に考えて、じゃあちょっとスピードを落として入ろうかとか、考えるんですって。
賢い!
賢いんですよ。
っていうのが出てくる。
つまり、暮らしが便利になる。
それから、この分野も冷蔵庫などの家電はもうロボットになってると言っても。
冷蔵庫、自分で歩かないですよ。
だから歩かなくていい、作動すればロボットと申し上げました。
作動すれば?
話しかける冷蔵庫って、今、開発中なんですよ。
しゃべってくれるんですって。
冷蔵庫がこっちにしゃべってくれるんですか?
冷蔵庫が声をかけてくれるのを作ろうって、家電メーカー、開発、一生懸命やっている。
何しゃべるんですか。
ビール冷えてるわよとか。
お勧めとかなんですか。
ビール冷えてるわよ?それも言ってくれるかもしれませんが、ビッグデータとつながると、…きますね。
例えば30代独身が1人で暮らしてるとすると、最近、野菜買ってないよ、データから。
ありかもね。
いつもこれは置いておきたいっていうものが減ってくると、お知らせしてくれる。
健康管理とか。
野菜とったほうがいいんじゃない?今の旬はこれだよ。
ついては、レシピを教えるよとかって、なるかもしれません。
おもしろい。
つまりそうやって動いてくれるっていうことは、もう家電もロボットになったということです。
快適になってくる。
ちょっとピンと来ない人、いると思いますけど、もう生活変わってますよね、片岡さん。
そうなんですよ。
そう来ると思ってね、ちょっと用意しておいたんです。
これ。
これ見たことあります?
あります!
これなんですか?
掃除機。
欲しい、これ、掃除機。
お掃除ロボット。
ちょっと動かしてみましょう。
これもロボットなんですね。
これ、ロボットなんですか?
ロボットなんですね。
考えるんですか?自分で。
きょう、調子悪いんですか?
動かないですか?
あっ、動いた。
もう1回押すと。
あー、すごい。
こういう感じなんですよ。
ああ、初めてちゃんと見た。
これ、みんな汚れてるんか?どこまで行くんやって感じで。
つまり、冷蔵庫だとピンと来ない方も、このお掃除ロボットを見れば、自分で考えて動くっていうイメージが湧くと思うんです。
家電はもう、ロボットになってるんです。
そして今まさに、最も注目されているといってもいいでしょう、この分野です。
車いすということは、介護と。
介護用ロボット、どんどん増えてます。
ベッドに上げたり下ろしたりするのは本当につらいです。
その作業を手伝ってくれるロボットもいますし、さっき、感情っていう話、安田さん、おっしゃったでしょう。
はい、感情が欲しい。
さっきのコミュニケーションロボットというのは、それも念頭に置かれているそうで、ビッグデータとつながると、今までの経験で、どのタイミングで、どの世代の人に、なんの話をすると癒やされるかっていうのも、どんどんデータが蓄積されつつあるんです。
将来、癒やされるロボットが出てくるかもしれません。
つまり、今、深読みで何度もやってますけども、人口が減ってこれから労働力どうするの?って言ってる、それを助けてくれる存在になるかもしれません。
ことほどさようにサービスの分野、こっちがですね、どんどんどんどん今、広がっています。
産業用ロボット、日本1位といいましたが、こっちも日本頑張ってます。
自動で運転する車、今のお掃除ロボットともにアメリカ勢です。
外国もこれを狙ってきています。
日本も負けていられない、だから今週、こんなニュースがありました。
安倍さんがみずから、ロボットが使われている現場を、おとといですけれども、視察をして、ロボット革命っていうことばまで出てきたのには、そういう背景があります。
つまり市場規模を伸ばそう、オリンピックの年までにロボットで売り買いされるお金が3倍になるようにしましょう。
さあ、どれくらいかって言いますと、金額があります。
狙いはこれぐらいです。
これぐらいの規模になるから、経済にも役に立つ、暮らしの役にも立つから、どんどん力を入れていきましょうというのが、今週のニュースになったぐらい、ロボットは今、旬でございます。
来ております。
というお話でございます。
2.4兆円?
想像がつかないですね。
2.4兆円って、そんなにもうかるんですか?ロボット市場。
いい質問ですね。
ところでね、皆さん、さっきから気になるものがありますよね。
ずっとこっち見てますけど。
いっぱいありますけど、たくさん。
ちょっと彼にあいさつしてもらいましょうかね。
こんにちは。
山口先生、人工知能の研究に携わって30年。
先生が持ってきて、連れてきてくださって。
僕が今プレゼンテーションしましたけど、山口さんが。
あっ、動いた。
うわっ、すごい、起きだした。
えっ、立ち上がるの?
わあっ、目が合ってる気がする。
皆さん、おはようございます。
おはようございます。
私は人型ロボットのNAOです。
NAOさん。
きょうはスタジオにお招きいただき、ありがとうございます。
すごい、動きが。
皆さんのロボットのお話、楽しみにしています。
お願いします。
話聞こうかという感じですね。
あー、聞く体勢に座るんですね。
すごい、すごい。
三角座り、すごい。
感情移入しちゃいますね、見てるとね。
癒やされるし。
これを山口先生がお作りになった?
このロボット自身は、フランスのある会社が作って、で、今、対話するような、日本語で対話するようなところ、それを研究室のほうで作ってる。
自己紹介のほかにどんなことができるんですか?NAOは。
皆さん、ネットの百科事典でウィキペディア、ご存じですかね。
あれを使って例えば、織田信長の家来は誰ですか?と聞くと、豊臣秀吉とか。
そういう1500万ぐらい知識を持ってますので、それを駆使して、結構、いろんな回答をすることができますね。
それから今はことばの、知識とことばの世界でしたけれども、健康法について教えてというふうに聞いてもらいますと、いろんな健康法を言って、このNAOは、太極拳とか海軍体操、手旗信号、そういうことがいろいろできて、例えば海軍体操やってみてというと、一緒にやって、それで評価して、ちょっとうまくやってなかったよとか、そういうような動作のインタラクション、ことばと動作を、いろいろ組み合わせて、人とインタラクションを取る、そういうようなことをやっております。
体操を教えてくれたりもする?
ええ、出てきますね。
なんかこう言っても、その言ったことに対して、臨機応変に反応してくれるんですか?
そうですね。
人工知能は、さっきのプログラムというお話ありましたけれども、プログラムいうのは、あるシナリオを作って、そのとおりに動くだけで、ちょっと想定外のことを言うと、途端に対応できないんですね。
人工知能は、もっと幅広くいろんなことに対応できるような、そういう知能の研究がメインですので、先ほど言った、ウィキペディアの知識を全部持ってると、結構、いろんなことに想定できるという、そういう考えでやってます。
ペッパーとの関係はどうなんですか?
ペッパーをデザインした会社で、これも作られてまして、ペッパーのお兄さんというか。
お兄さん?
この後継種としてペッパーがあると。
なるほど。
この人型ロボットがこのままずっと進化して、ある程度、皆さんから完成形になってきますよね。
そうなったときに、人間社会においてどういう役割をさせるロボットにしたいですか?彼を。
NAOくんをですね?
NAOくんを。
先ほど冒頭にあったペッパーくんに比べるとまあ、小さいですし、身長58センチで体重4.3キロです。
やはりいろんなタイプのロボットがあるので、このNAOくんは、主にやっぱりコミュニケーションを取って、それで介護でもベッドに移すとか、そういう動作中心の介護もありますけども、痴呆症の方とコミュニケーションがどう活性化するか、そういうようなところに活用が出てくると思います。
これ、人間の介護士よりも、実は優秀になる可能性があってですね、人間と人間ってしゃべって、具合どうですか?とか聞かなきゃいけないじゃないですか。
もうロボットだと、人間の体に、体温計とかね、心拍計、いろんなものがついている。
それを勝手に収集して、それをもとにちょっと具合悪そうですけど、今、心臓少し調子悪いですねっていうことを先回りしてロボットはやっぱり、情報の収集がすごいので、人間よりも優れた…。
とおっしゃるのは、ジャーナリストで長年、IT関係を取材してこられた佐々木さんです。
これ、すごい立派でしょ?このロボット。
これ200万円するんですよ。
しそうな気持ちが。
安くなると思うんですけどね。
さっきその2.4兆円市場いうて、200万でどのぐらいの人が買うのって、ちょっと、山口さんの前で失礼なんですけど、200万のばっかりじゃないんですよ。
こんなんもあるんですよ。
ちょっと見ていただけますか。
ちっちゃめでしょ?これ、勝手にバランス取って、すごいでしょ、これ。
すごい。
なんて言ってるんですか?
これね、おっ?って言ってるんですけど、これ、赤外線センサーで手の感じを、中にバランスセンサーが入ってるんですね。
これ、どういうメーカーが作ったかというと、おもちゃメーカーなんです。
おもちゃメーカーが、海外のメーカーと協力して作って、これ、1万5000円で買えるんです。
安いですね。
でもおもちゃなんじゃないですか?
これね、おもちゃなんですけど、実は10年後には、市場規模は、今の6倍以上のなんと1500億円、国内だけで超えるんですよ。
そうだ、そうだ言ってるでしょ。
俺の時代だ言うて、1人1台ロボットを持つ時代っていうことを想定してるんです。
ポケットロボットみたいな時代が来るんじゃないかと。
ペットみたいな感覚ですか?
そうです、そうです。
これもちゃんとあいづち打つんでね。
ちょっとすみません、さっきからですね、お掃除ロボットのときも思ったんです。
冷蔵庫の話聞いたときも思ったんです。
ロボットの人形を見たときも思ったんですけど、なんかロボットの話って、特にこっちからこういうものが欲しいなと思ってたものじゃなく、目の前に現れてくるような気がして、想像を超えていて、なんかあっ、これ欲しかったんだっていうふうに、あんまり思わないんですけど。
そう思ってたんですよ。
それぐらいのことは想定してるんですよ。
これで終わりじゃないですよ。
これはこれ。
これ、ご覧ください。
この方がロボットっていうわけじゃないですよ。
この方がつけているこれですね、これ、装着型ロボット。
要は簡単に言うと、着るロボットなんですよ。
なんのためかというと、この方、リハビリされてるんですね。
体に障害を、それを治すために、これを使って実はサポートするんですね。
頭から足を動かせっていう命令を、足のほうに行くと電気が、微弱な電気がこの足に走るんですよ。
それを受けて、この機械が前に足を動かしてくれるんですよ。
そうやってやってるうちに、その信号が強くなってきて、体をまた動かせるようになるっていう。
足を動かしたいと思うだけで、機械に伝わるんですか?
そうです。
微弱な電気をセンサーが受け取って、人工知能のようなもので処理して、それでまさにこの駆動系ですね、これが動く。
これもロボットなんですよ。
自分のじゃあ、足の一部になる感覚なんですか?
そうです。
これから高齢化社会でしょ。
そうすると、その、体がよくなったりとか、実際に病気で困ってらっしゃる方のためにこういうの作ってるんです。
これは便利でしょう?あとこちら、よく似てますけど、背中に背負ってるの。
これは介護をされる方が、お年寄りの方を持ち上げたりするときに、実はものすごく重いんですよ。
負担かかりますよね。
ヘルパーの方の7割が腰痛だっていうぐらい、職業病になっているんですね。
それを、その問題を解決するために、このパワードスーツっていうんですかね、この装着型ロボット、これを着けると、これ6キロくらいの重さなんですけど。
腰が痛い人が、かえって重たいものを背負ったら、逆効果になりそうな気がするんですけど。
腰の重さっていうのはバランスなんですよ。
バランスの問題なんで、きたときに重いものを背負ってるから腰が悪くなるんじゃないですね。
前の物を持ち上げる、高田さん、よく分かると思うんですけど、前のものを、こう、バランス悪く持ち上げようとするときにすごく腰に負担がくるんですよ。
そのこのときに、腰に負担が来ないように、この空気圧でまさにこう、力を補助するっていう、パワードスーツですね。
6キロは背負うけど、相当作業が楽になるっていうことですね。
そうです。
これから10年後には、こういうヘルパー、介護に必要な人手っていうのは、倍ぐらいは必要になってきたときに、こういう人たちにできるだけ、楽に活躍してもらうための。
こういうの必要ですよね。
これは欲しかったって思いますよね。
おいくらぐらいなんですか?
これがですね、こちらは実はレンタルで今、最初に50万ちょっと、55万ぐらいですかね、最初の初期投資をしたあと、例えば6年ぐらいで、十数万ぐらいで借りられるって感じですね。
レンタルでやっていくと。
だからこういうのも売るだけじゃなくて、こういうことでリハビリができますよと。
日本の病院に来ていただければ、リハビリができるから、どんどん外国からも人来てくださいと。
これ、日本のメーカー?
そうです、日本ですよ。
へー。
日本のこちらは筑波大学の先生が、開発されて、そこからベンチャー企業を立ち上げられて、今、ビジネスをされてます。
日本でたぶん今、最も注目されているロボット技術を持ってる企業の一つですね。
これでもいいですね。
スポーツ選手もいいですもんね。
そうですね。
これ、なんかでもこんな装着型の力が強くなるスーツを、高田さんがつけたら、一体どんなにすごくなるんやっていう。
僕もこう見えて腰悪いですからね。
腰ってくるでしょう?
きます、きます。
日常生活したってくるんだから。
これからだから、高齢化もう進んでますけど、始まってますけど、高齢社会になるじゃないですか、なってますけども、これ必要ですよ、こういう介護ロボットはね。
テレビをご覧の皆さんからも、介護現場への関連を考えてらっしゃる方、多いですね。
介護士側からすれば助かるけど、利用者側からすれば不安になるだろうなという懸念はある。
それから、ロボットはあくまで補助、人間社会は人間が回していることをわすれてはいけないんだろう介護にロボットってどうなんだろう?介護ロボットがもっと手に入りやすくなってほしい。
人の生活を直接サポートするので、安全性は十分に検証してほしい。
こんな声が届いています。
またメールでも、岡山県50代の女性からは、障害者1級の母と、認知症のおばを自宅介護中です。
トイレ介助などの力仕事はかなりしんどいので、家庭用介護ロボットが欲しいと本気で願っています。
最初のアンケートでね、介護ロボットによる介護を受けたいですか?の質問に6割でしょ。
6割って多いと思いますか?少ないと思いますか?微妙でしょ?
多い、でも半分超えてますよね。
多いと思います。
先ほど安田さんおっしゃったね、なんかこう、でもやっぱり、本当は人に見てほしいっておっしゃったじゃないですか。
そのときにこれも宣伝してるわけじゃないですけど、これ、やってくれるのは人なんですよ、こっちは。
動作を決めるのは人で。
人とロボットが一体となることで、より人の力を引き出していくっていうコンセプトなんですよ。
あとやっぱね、もう1個あるんですよ。
人に自分が毎日お世話に人にばっかり向き合ってると、気を使っちゃうじゃないですか、精神的に。
だから疲れちゃう、お互い疲れちゃうっていうのもあるし。
だからロボットだと、遠慮せずに頼ることができるっていうのもあると思うんですね。
安全だけしっかり確保できれば、これ、ロボット、全然ありですよ。
だからもう完全ロボットのものもあるし、こういうふうに人が。
サポートしてくれるってね。
というのもいろんな可能性がある。
ちょっと福岡県、20代の女性からはこんな声が来ています。
ロボットのおかげで便利になるのはうれしいが、雇用がなくなるのは怖い。
兵庫県50代の男性からは、便利な面、悪用されたときが非常に恐ろしい。
確かに。
これに関して、ちょっと徳永アナウンサーのこんなプレゼンをご覧いただいてから話を続けましょう。
開発が目覚ましく進歩しているので、実は懸念の声もいっぱい出てきています。
その分もちょっと考えていきましょう。
実際に、声を上げたり警告してらっしゃるケースというのを、3つ挙げてみました。
この1については、ツイッターの方もお気付きですし、今もお話に出てきました。
ちょっと見てみましょうか。
こんなことが近い将来、ありうるかも。
部長です。
焦ってる。
いや、部長でした、きのうまで。
取って代わられました。
まさか。
ロボットが。
そのとおり。
こういうことがありうるかもしれないという発表があります。
でもなんとなく、ロボットが手を動かすような作業をして、それを管理するのが人間の仕事ということは。
ツイートもそういうの来てました。
違うんです。
この人間の仕事がなくなるっていうのは、単純作業の作業だけじゃなくて、判断をする仕事も取られちゃうんじゃないのと言っています。
実はそういう仕事、170の職種が危ういんじゃないかって、イギリスのオックスフォード大学の研究者の皆さんが、発表、去年しているんです。
判断もしちゃうんですか?
そうです。
つまり、ビッグデータとつながっていますんで、会社の今までの歴史、失敗、その決断、知識が全部頭に入ってるロボットが出てきたら、どうでしょうかね。
人間を越えちゃうってことですよね、そうしたら。
ロボットは妬まないですよ。
人間と違い出世競争もないですよ。
となってくると。
そしてセクハラもパワハラもしない。
どうしてそっちいくんですか?まあね、そういうこともありますよね。
実はこの170の職種の中には、例えば銀行などの融資を決める人、会計士、つまりお金をつかさどる人。
つまり情が入らずに決められる。
半沢直樹さんも危ないわけであります。
そういうのが、さまざまな仕事が、秘書とかね。
そういう決断をする仕事すら危ういかもしれないというふうに言われているのが。
それからこれ、ちょっと今、介護の話でも若干出てきたかもしれませんが、将来、こんなことが起きるやもしれません。
介護ロボットのお世話になってたおばあちゃん。
なんだろう?
おののいております。
相当おののいてますね。
ロボットが急に、襲ってきたら。
なんでだろうと思って、おばあちゃん、気付きました。
あっ!悪いやつが操作している。
さっきほら、LINEも乗っ取られたりするっていうのがありましたでしょ。
便利なものって、必ずなぜっていうケースが起きてきますよね。
悪用されたらどうする?
もし、コンピューターウイルスって、なんであるの?って思いません?なんであんなもの、わざわざ作るのって思いません?同じように、便利なロボットが悪用されたらどうしよう。
開発者の方に取材したんですが、こうならないためにどうしたらいいかっていうのを、今、知恵を出して努力してるんですっていうことをおっしゃってました。
便利なままでいてほしいなっていう話ですね。
そしてこれです。
近い将来、起きうることです。
これです。
交通?
考えたくないんですが、交通事故で人をひいてしまって、相手の方が亡くなってしまうとしましょう。
今もこれはあります。
刑をどれぐらいにするかっていう議論があります。
でも、この文脈思い出してください。
勝手に車が動く?
そう。
もし自動で動く車に乗って、何も運転手がしていなかったのに、何かの手違いでこうなったときに、必ず起きてくるのがこの話ですね。
それはそうだ。
確かに。
実は大阪のある弁護士の方が、もうあと5、6年したら、アメリカではもっと普及するって言われているグーグルの話もあるので、普及してからじゃ遅いから、今から法律のことを考えるべきですっていうことを、おっしゃってる方、いらっしゃるんです、弁護士の方で。
それぐらいこれ、そう遠くない将来、人類が考えなきゃいけない。
誰が取るんでしょう、責任。
ロボットに人権じゃないけど、そういう権利とかってどういう感じなんですか?
今、すごい議論になっていて、例えば無人の車が事故を起こしたときに、でも半自動か全自動かで違うんですよね。
今、日本でやろうとしているのは半自動で、とりあえず運転手さんは、ハンドルに手を添えてなさいと。
何かのときにはパッと握る。
それは運転車の責任になる。
…。
でもそんなの今まで作られていなかったので、これから議論しなきゃいけないなって、世界的な議論になってるんですね、現状はね。
議論は今、日本でもされてるんですか?
今、国交省でやっているところですね。
だってネット犯罪だって今、警察が追いついてないですよね。
全然追いついてないですね。
犯罪のほうが先に進んじゃってて、整備されてないっていう。
十分ありえますよね。
どうやって対応するかって、全然僕らの社会の中で議論が費やされてないので、これからしなきゃいけない。
でもそれは、ちゃんと議論してから。
やらないと。
でもね、そこがすごく問題で、そうやって議論して、議論して、ロボットなんか普及しないほうがいいってやってると、今度はアメリカとかが先に、ロボット産業どんどん伸ばしてきちゃうので、また日本が置いていかれちゃう。
これね、実際にちょっとだけ、これ使わせてもらって、これ、グーグルという会社、その会社がですね、実は検索エンジンだけじゃなくて、ロボット世代の。
これ見てください、買収しまくってるんですよ。
気になるの、これですよね、これ。
日本の会社も?
そうなんですよ。
去年の秋に東京大学のベンチャー企業、人型ロボットで、ものすごい世界の1、2位を争う技術を持っているところが、グーグルに買収されたんです。
日本でなかなか資金を得られないなっていっているうちに、じゃあ、うちが出しましょうと。
気付いたらグーグルのものになってたと。
なんか人型のロボットは日本のお家芸って、この前。
そうなんですよね。
聞いたような気がするんですけど。
日本のロボット産業の問題点が一つあって、ロボットって形のあるものをとりあえず製造すればいい。
だから日本のものづくりの強みはそこにあるってみんな思いがちなんだけど、今のロボットって、これ、グーグルの戦略っていう絵なんですけれども、一つ一つのロボットもあって、スマホとか冷蔵庫とか、車とか、あるいはこれ、体重計ですよね。
こういうのがあるんだけど、これ、一個一個作ればいいっていう話ではなくなってて、それが全部インターネットにつながって、さっき言っていたビッグデータというところからデータを取り出して、すごい勢いで分析していくっていうね、この全部をいっぺんに作るのが、今のロボット産業なんです。
日本はやっぱりここだけ作る、ここだけ作ることに集中しちゃってるので、全体像が設計できていないところにすごい問題があって。
きょくちせんに強いんですけどね。
アメリカは逆に言えば、こういう全体作るのが上手なんですね。
いつものパターン。
いつものパターンですね。
山口先生は、ご自身、技術者として、ジレンマはおありですか?
はい。
はい?
われわれ研究者、人工知能を30年ぐらいやってきて、それで今までできなかったことを、どういう仕掛けを考えればできるか、そういうところにフォーカスして研究者というのはやってきて、人工知能がこのように非常に人の暮らし、業務と関連性が出てきて、社会に対しても責任を持たないといけない、そういう状況になってきて、例えばゲノム関係の研究者は、もうすでにそういうことに直面しております。
個人情報とか、先ほどありましたけど、それで…委員会というのがあって、Eは倫理ですね、エシックス。
先生、難しい話になってきました。
すみません、すみません。
ジレンマはどのあたりですか?
ジレンマは、倫理とか法律とか社会的とかいうので、こういうことをやっちゃだめよというふうに足かせをはめられると。
研究者はまず自由にやるというところになんかブレーキをかけられるような気がして、でも、それがすぐ悪用されるような、先ほどの、例えばオレオレ詐欺のようなAIが出来た、作ろうと思えば作れます。
今の技術で。
でもそれを防ぐAIも作れますし、技術には光があれば、必ず裏面で影が出てきますので、でも最後、私は人間の良心というのは、社会の良心というのは、すごく信頼できるものであって、トータル的にはそういう影の部分を抑えていけるような気がするので、最初から具体的にこれやっちゃだめ、あれやっちゃだめというようなことを言われてくると、ちょっと研究者が萎縮してその技術革新、イノベーションなんかも、また遅れを取っちゃうのかなという、そういう感じです。
でも、そこ規制をかけない対案としては、そうすると、伸びやかにおやりなさい、後はなんとかなりますからってことですか?
やっぱりはしょりながら考えるっていうことしかないんですよね。
例えばね、先ほどの懸念の一番目に、仕事がなくなるっていう話ありましたよね。
これたぶん、短い期間で見るとなくなるのは間違いないんですよ、ある程度の仕事が。
でもこれ、例えば昔からいろんな技術が出てきて、農業が発明されるとか、印刷がされたり、産業革命あったり。
そのためになくなった仕事ってあったんですよね。
例えばコンテナ、今、物流でコンテナ使ってますよね。
船に乗っけて。
あれが出てきたときに、港で物運ぶ仕事がなくなっちゃったっていうのは有名な話なんですけど、でもそれでね、じゃあ人類の仕事がすべてなくなって、みんな食いつめたかって、そんなことないじゃないですか。
産業革命起きても僕らちゃんと生きてるし、農業が…ちゃんと僕らは食べてる。
ってことはロボットが出てくると、少しは失われる仕事があって、それは少し大変なことあるかもしれないけど、でも新しい仕事が、たぶん生み出されている。
そこは前向きに乗り越えていくしかないんじゃないかなって、そこを後ろ向きに、今ある仕事を守る守るってやってると、だんだんだんだん気持ちも後ろ向きになって、ほかの国にまたやられるっていうことが起きちゃうんじゃないかのと思うんですよね。
今、ツイッターで近い話来てて、具体的に今の仕事、どうなっちゃうんだって。
学校の先生とかもロボットになっちゃうのかな、幼稚園の先生も、それってさみしいなみたいなのがあるんですけど。
先ほどご紹介あった、オックスフォード大学の研究で、700種類ぐらい職業あって、それでロボット、人工知能に置き換わるものと、これ絶対置き換わらないもの。
それで、置き換わらない、もう人間が、必ずこれは人間の職業として残るという、その上位に小学校の先生が挙がってます。
その知能というと今のお話でビッグデータとか、知識とか、そこにいきますけども、人の知能というのは、もっと多面的で、対人スキルも、それも知能ですし、自分で反省する、教育学では省察、反省の省と観察の察で省察と言ってるんですけど、振り返る能力というのはそれは一つの知能であると。
そういうような側面、それは経験をとおして反目的に。
コンピューターは外在化されないと、データ化されて、あるいはいはテキスト出されて、データ化されるとそれが…と結び付いてすごくパワーがありますけど、経験とおして…がありますけど、人間のほうがまだ経験を通して知識を得るという力いうのは長けてますので、特に対人スキルだと、表情を見ながら、相手、ことばと、それからそうでないものを総合的に判断して、この子は、今、いいといったけど、本当はそうじゃないんだとか、ベテランの小学校の先生、本当にそういうノウハウをいっぱい持っておられるわけです。
そこが人工知能で置き換わるかいうと、先ほどのイギリスの研究では、それは無理やという。
ですから、ルーチンワークはかなり置き換わっていくと思いますけども、そこと接する機能とか、あとクリエイティビティーですね、こういう番組は制作されてる方々は、全く心配する必要はない。
僕ら大丈夫ですか?
大丈夫だと思いますよ。
ちょっとなくなるいうの、何番目くらいなんかなって、心配になりますね。
やっぱりさっきの倫理とものづくりっていう話、もうちょっとだけ聞かせていただきたいんですけど、インターネットのときも、やっぱりなんか、技術がすごく先に行って、それを取り締まったり、ちゃんと監視するっていうものが間に合わなくて、それでたくさんのウイルスも生まれ、そしてあちこっちで詐欺に遭う人がいっぱい出てきましたよね。
それはなんか、あまり、これはこれでしょうがないよって言い切れることでもないような気がするんですよ。
海外ではどういうふうに考えて。
でもね、例えばね、さっきの無人の自動車で事故が起きちゃったら、どうするんだっていうこと、必ずみんな心配しますよね。
なんかロボットが人を殺すなんて。
でも実際にグーグルって会社は、もうすでに何十万キロも車、自動運転車走らせてて、もう市街地も普通に走ってるんですね、アメリカで。
いまだに一度しか事故起きてない。
その一度の事故も本当に偶発的な事故で、人が死んでるわけじゃないんですよ。
たぶん、同じぐらいの距離を人間が運転したら、その間に10回以上はたぶん事故ってるだろう、確率からね。
眠くなるしね。
そうなんですよ。
でもどうして、できたんですか?どうして道路を走らせることが、アメリカではできたんですか?
それはアメリカの政府というところに、それを受け入れる余地があったと。
だからここを突破することが、交通事故をなくし、お酒飲んでも車乗れるしっていう、利便性が高いんじゃないかと。
保険会社もそんなお金かかんないで済むし。
だったらそのためには、踏み出してでも実験してみましょうっていう、そういう気持ちがあった。
さっき言われたことですよね。
まずやりながらじゃないと、前に進まないからっていうことでね。
日本はそこにちゅうちょしてたら、ちゅうちょするのはいいけど、無人自動車怖いって。
その代わりにそうやって、事故がなくなっていくこととか、お酒飲んでも車乗れるとか、そういう利便性を全部取り上げて、なしにしちゃうことでしょう。
どっちがいいのかって、そこはバランスの問題じゃないかなと。
確かに。
あとあれですね、人工知能なんかとどうつきあっていくかっていうときに、実はあしたの、ちょっと人工知能のこともうちょっと知りたいっていう方のために、PRして申し訳ないですけど、あしたの朝7時25分からサキドリという番組がありましてね、そこで人工知能のことをもっと詳しくやるんですけど、その内容をちょっと先取るとですね、将棋のプロが人工知能に負けたって話がありましたよね。
負けたんですけども、負けた方々がこうおっしゃってるんですよ。
人工知能と向き合って将棋をやることで、今まで自分たちが鍛えてこなかったクリエイティビティーっていうんですか、創造力とか、そういう部分が鍛えられてる感じがするっていうんですよね。
つまり人間っていうのは、みずからが生み出してきたものと向き合うことで、さらに進化していくっていうか、それが文明になっていくっていう部分があるんですね。
だから前にどう進んでいくか、そのときに僕は、やっぱり行きすぎない1つのポイントっていうのは、ここにヒントがあると思うんですよ。
これはどこから始まっているかというと、問題を解決するっていうところから始まってるんですね。
つまり、具体的な社会問題、高齢問題とかですね、介護の問題、この問題を解決するのにロボットや人工知能をどう使えるのか。
問題が先行する。
それをどうやってやっていくのかというところからやっていけば、どこまでやっていくのか。
どこまででいいのかっていうことが見えてくると思うんですね。
その問題から立ち上げていく。
だから日本人として何をやっていけるのかということから考えていく。
2.4兆円っていう数字だけ先行するんじゃなくて、結果としての2.4兆円、そこへ持っていかないといけないと思うんですね。
そこはやっぱり研究される、進める方々のモチベーションをさらに上げるように、国がバックアップする体制を整えなきゃだめですよね。
やろうっていう話だけじゃなくてね。
一応、期待したいところですね。
どうですか?
なんかこれは、人が支配してますけど、ロボットが支配しちゃうときって来るんですか?
それもわれわれしだいじゃないですか。
2014/06/21(土) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み「あなたのそばにロボットが! 暮らしはどう変わる?」[字]
政府の成長戦略に盛り込まれる予定の“ロボット”。なかでも私たちの生活を直接支えてくれるロボットが急速に進化&身近なものに…。暮らしはどう変わるのか、深読みする。
詳細情報
番組内容
人口減少で労働力不足が懸念される中、一つの切り札として注目されている“ロボット”。政府の成長戦略にも“ロボット革命”が盛り込まれる方針だ。なかでも、私たちの生活を直接支えてくれるロボットは急速に進化している。今月初めには人工知能を持ち、人とコミュニケーションしてくれるロボットが民間企業から発売を前提に発表されたばかり…。身近になりつつあるロボットで私たちの暮らしはどう変わるのか、深読みする。
出演者
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