（オープニングテーマ）
（吉本雅人）王手！詰みだぜ。
（木下ともお）金持ってたのかよ。
「待った」だ。
また「待った」かよ。
しょうがねえな…。
ここは飛車を下げて王を先に逃がせばいいんだな。
本当にそれでいいんだな？お…おう。
残念だが角がきいてるからこれで詰みだ！うえっ！あ〜あ〜くそ〜！もう一回勝負だ！何回やってもオレには勝てないぜ。
うるせ〜！次は絶対勝つ！分かったよ。
飲み物持ってくるから駒並べとけ。
王手！これでどうだ。
あ詰みか。
え？…って事はやった〜！吉本に勝ったぞ！一回勝ったくらいで…。
今まで何百回負けたと思ってるんだ。
もう一回…。
待て。
え？崩すのは惜しい。
は？それオレのだぞ。
今日一日借りる。
みんなにこの感動を分けてやろう。
あ？何のカードかな？
（吉田由伸）うん？うわ〜！おお茶柱が３本も！う…う…。
あっともお！見てくれよ茶柱が…。
うん？何やってんの？何かのカードが落ちててよ…。
うん？ううう…。
古っちいカードだな。
「『しなや』お食事カード」。
電話番号はかすれて読めないな。
食い物屋のカードか…。
すげえあと１個でスタンプ満タンだ。
飽きない味の店なんだろうな。
落とした人はきっと困ってるに違いない。
交番へ届けようぜ。
うん。
留守だな…。
あ？「ご用の方は…お取りください」。
お前お取りしてみろよ。
カード見つけたのお前だろう。
オレ両手塞がってるだろう。
わざわざお巡りさんを呼んでまで届けるもんじゃないよな。
うん…。
（鎌倉景子）あっいたいた！あ？ねえ青戸さん知らない？初めて今日成功したのよ。
回ってねえじゃん。
さっきまでちゃんと回ってたの！あそれ「しなや」のカードじゃん。
全部たまると１杯タダなのよ。
お前知ってるのか？
（景子）国道沿いのラーメン屋よ。
超おいしいのよ。
私何度も食べに行った事ある。
よく外へ食べに連れてってもらって。
甘い親め！落とし主分からないしその店に届けるしかないか。
さっさと歩きなよ！崩さないように歩くの大変なんだよ。
神経集中させて歩くのってしんどいな。
閉まってるぜ。
ありゃ〜潰れたんだ。
無駄足だったな。
帰ろうぜ。
あっ。
カードに電話番号が書いてある！走り書きしたって感じだな。
かけてみよう。
私のポケットに携帯入ってるから。
自分で…。
うん！しかたねえな…。
必要以上にまさぐらないでよスケベ！腹立つなあ…。
（団地の女性）はい。
あの〜ラーメン屋のカードを拾ったんですけど…。
（団地の女性）ラーメン屋？女の声だな。
届けたいんですけどおねえさんの家ってどこですか？
（由伸）団地の人かよ。
団地で拾ったんだからそりゃそうだな。

（団地の女性）電話くれた子ね。
（景子）うん。
ほらブランコ。
まあすごい。
友達の吉本に勝った局面。
そ…そう。
（由伸）こっちは茶柱が３本。
あ〜それで…え〜と？あ〜これ。
何？ああこれってあの店のか。
（景子）もう潰れちゃったけど私今でも好きよ。
フ〜。
（３人）あ…？あああそこのラーメンね。
うんおいしかったよね。
ごめんねこのカード落としたのは私なんだけど私のじゃないんだ。
私の知り合いのでさ。
じゃあ渡しといて下さい。
でも今はもう他人というか…。
悪いけどその人に返しに行ってくれるかな。
（ともお景子由伸）え〜っ！忙しそうなところをごめんね。
お礼にこれをあげるから。
行く行く。
地図描いて持ってくるから待ってて。
この人の家あのラーメン屋の近くだな。
またあそこまで行くのかよ。
慎重に持ち続けてもうヘトヘトだ…。
たにしマートでちょっと一休みしよう。
おお！デラックスあんまん３つ！
（今野）毎度あり〜。
何だか忙しそうだな。
（景子）一番大きいのちょうだい。
どれも一緒だと思うけど。
一番うまいやつちょうだい。
どれも同じ味だろう。
手が離せないんだ。
口に入れて。
あ〜ん。
だったら置けばいいだろう。
あそうか。
（景子）私はどうしたらいいのよ？手が空いてるやつに食わせてもらえばいいだろう。
その手があったか！めっちゃうめ〜。
よしのぶお茶ちょうだい。
もっと自慢したいから駄目！一口くらいいいじゃんケチ。
茶柱まで飲んじゃうだろう。
お前らちょっと静かに食えよ。
（男性）え？「しなや」のカード？ああ確かに俺のだ。
でも何で？団地の女の人がここに届けろって。
えっと…団地の女の人って…。
君たち枝島団地の子？うん。
そうか…。
俺にはもう必要のないカードなんだ。
悪いけど捨ててくれるかな。
あと１個で満タンなのに？もう店潰れちゃったしね。
そりゃそうだ。
ラーメン１杯タダで食べられなくて残念だったね。
それじゃあ。
使いみちがなくても何だか捨てるには惜しいカードだ。
早く捨てろよ。
手空いてるのお前だけなんだから。
うん…。
（２人）あ〜らら〜。
何だよ！心の声
（男性）よく２人で通ったよな…。
あの店１，０００円で１スタンプだから２人で行った時くらいしか押してもらえなくて…。
カードのスタンプ一つ一つがあいつとの思い出…。
心の声
（男性）若いくせに形ある思い出にすがるのは情けないけどやっぱりあのカードは捨てられない。
心の声
（男性）どんな子供たちだったっけな。
確か男の子２人と女の子１人。
う〜ん…。
心の声
（男性）くそ…顔が思い出せない。
手元の印象が強すぎて。
ほんと？へ〜。
（葉山より子）うん。
そうなの。
あれ？どうしたの？景ちゃん。
ううん。
何でもない。
う〜ん…。
（２人）あっ！久しぶり。
偶然だな。
偶然も何も…何してるの？君のところにも子供が来たんだろう？うん。
どこの棟の子だろう。
手元以外全然印象に残ってない。
俺も同じさ。
なあ「しなや」潰れたの知ってるか？うん。
子供たちに聞いた。

（本田先生）これ…。
（本田の恩師）へ〜金魚をね。
はい。
うちのクラスでも飼ってるし私も家で飼い始めたんですよ。
でも平気か？お前よく死なせてもいたじゃないか。
やだなあいつまでも子供じゃないんですよ。
それじゃ先生そろそろ行きますね。
おい待て。
うん？今度いつ来るんだ？う〜ん…。
また来週くらいに。
そうか。
また来週な。
うん？エイッエイッ…。
（吉本）何してんだよ。
あ先生さようなら。
さようなら。
早く帰って宿題するのよ。
先生って外で会っても宿題の話しかしないでやんの。
（本田）ただいま〜。
フ〜…さ〜て金魚に餌を…。
あっ！おい！おいこら起きろ！なんてこった…。
子供の世話に気を取られすぎてペットの世話を怠っていたわ…。
ごめんね…。
心の声
（本田先生）ペットの死か…。
考えてみればうちのクラスでもメダカを飼ってるし家でペットを飼ってる生徒もたくさんいるわ…。
ペットが死んだ時どうしたらいいと聞かれかねない。
今のうちに答えを用意しとかねば！今日の道徳はみんなの日々の疑問を聞きます。
何か疑問のある人はいる？は〜い！はい木下君。
こないだザリガニが死んで地面に埋めたんですけど犬とか大きいペットが死んだ時ってどうするんですか？心の声
（本田）きた〜！この辺ではお役所に頼めば火葬して供養してくれますよ。
区役所とかに電話するんですか？いや…え〜と清掃局ね。
清掃局？
（吉本）死んだらゴミって事？え？清掃局って事はそうでしょう。
えいや…。
おいおい清掃局って何だ？
（景子）だから清掃局って何？心の声
（本田）まずいわ…死んだらゴミなんて思われちゃ。
命の尊厳を教えないと。
（本田）みんな聞いて。
命っていうのは…ええと…つまり死んでもゴミじゃなくって…。
じゃあ先生「死ぬ」ってどういう事ですか？あっ…！心の声
（本田）それは考えた事なかった！その答えは用意してなかった！先生分かんね〜の？心の声
（本田）え…まあそれは来週またお話しましょう。
（吉本）何で来週なんだ？
（本田）他に疑問のある人。
（本田の恩師）へ〜「死」ね…。
先生は教師やってた頃生徒からそんな事聞かれた経験あります？
（本田の恩師）ああ…あったかもしれないがでもうまくはぐらかしたさきっと。
私は真面目に聞いてるんです！バカだなぁお前。
知らなきゃ知らないでいいんだよ。
「死」が経験しなきゃ分からないものならば一生分からないって事だ。
先生は何でも知ってたじゃないですか。
また来週来ますからね。
ちゃんと考えといて下さいよ！心の声
（本田の恩師）あいつほんとにバカだな。
大体あいつは俺を買いかぶりすぎなんだ。
直面してる俺でさえ分からないのにな…。
あ…アサリの中に小さなカニが…。
人間はアサリを食べるつもりでとったのに…。
カニまでとるつもりじゃなかったのに…。
カニにとって「死」とはアサリや人間の都合に左右されすぎるもの。
ハッ！まさかここに「死」とは何かを解く鍵が…？昨日吉本君が言ってた「死ぬってどういう事か」の答えだけど考えてみたの。
それはねアサリの中に入ってた小さなカニみたいなものなのよ。
分かりやすく言うとね例えば先生がアサリのおみそ汁を作ろうと思ってアサリを買ってきたとするでしょう。
そしたらアサリの中に小さなカニが入っていたの。
え〜先生得したじゃん。
うんそうなんだけどそうじゃなくてね…。
いい？先生はカニを食べようと思ったわけじゃないわよね。
オレエビがよかった。
う〜ん…エビでもいいんだけどもしこのカニが別のアサリに住んでたら…。
（生徒たち）ポカ〜ン…。
カニを食べたいならスーパーでカニを買うわよね。
でもこのカニは…。
先生オレさっぱり分かんねえ。
うんだからねええと先生が言いたいのは…。
あれ…？
（生徒たち）ポカ〜ン…。
心の声
（本田）駄目だ！言ってる自分がよく分からなくなってきた。
やっぱり先生に聞かないと駄目ね。
（本田）この話はやっぱり来週にしましょう。
（本田）それでアサリとカニの話はうまくいかなく…。
ハハハハ…！それは単なるちょっと得した感だろう。
ハァ…。
先生ずっと会ってるから気付かなかったけど少し痩せました？ああ…少しな。
ちゃんと食べないと駄目ですよ。
お…おい今度いつ来るんだ？またすぐ来ますよ。
すぐ来いよな。
はいはい。
心の声
（本田）前は「そんなに来るな」って言ってたのに…。
先生年とって人恋しくなったのかなあ…。
（本田）ちゃんとよく見て描くのよ。
よう。
先生！今日ここで授業するって言ってたろう。
病院から近いし様子を見に来た。
大丈夫なんですか？ああ。
今日は体調が良くてな。
動けるうちに外の景色を見たいと思って。
そんな不吉な冗談を言わないで下さいよ。
ハハハ…。
先生その人誰？先生の先生よ。
（景子）先生にも先生がいるの？君がもし先生になる事があれば本田先生だって先生の先生になるだろう。
そうか。
じゃあおじいさんは先生の先生の先生ね。
ケリ子が先生になれるわけないだろ。
あんたに言われたくないし！こらこら。
ハハハハ…。
お前の生徒は威勢がいいな。
先生の先生どっか体悪いの？まあな。
いつ治るの？まあそのうちだ。
ほら絵の続き描かないと授業が終わるぞ。
（本田）あの〜先生このあとお昼ご一緒にどうですか？生徒たちに先生のお話聞かせてあげて下さい。
聞きたい聞きたい！私も！オレも！
（景子）うちの学校何か月かに一遍こうやって弁当の日があるのよ。
ぬか漬け１枚食べる？いや…遠慮しとくよ。
オレの弁当全体が茶色でおいしそうでしょう？ああ…。
先生ってどうやったらなれるの？先生の先生の好きな食べ物は？本田先生って子供の頃どんな生徒でした？葉山さんそういう質問はね…。
先生がそんなだったなんて意外。
（笑い声）もうやめて下さいよ！ハハハ…！そうだ。
この前吉本君が質問した「死ぬってどういう事か」の答えを先生の先生に聞いてみようか。
あはい。
是非。
う〜ん…じゃあ逆に「生きる」って何だ？今現にみんな生きてるんだから分かっているはずなんだが気付いてないだけ。
それが分かる時に「死」も分かる。
それどういう意味？
（本田の恩師）分からんか？全然。
じゃあ君はまだ死んでないって事だ。
そんなの当たり前じゃん！
（笑い声）またはぐらかす…。

（笑い声）話し疲れたな。
少し休むか。
もう帰りますね。
そうか…。
じゃあな。
あ…。
どうした？次いつ来るのか聞かないんですか？う…。
ああまた来いよ。
うん…？心の声
（本田）そういえば先生から「死」とは何かはぐらかされたままだったな…。
次会いに行った時こそ聞かなくっちゃ。
（本田）ええ…昨日お通夜で今日が告別式で…。
午前中の授業は申し訳ありませんが代わりの先生に…。
はいお願いします。
これ…。

（２組の担任）では次の問題を…。
（ドアを開ける音）
（一同）うん？ハァ…。
本田先生…。
（立花節子）先生どこ行くんですか？ちょっとそこまでよ。
（節子）ここ…授業で写生したとこだ。
先生の先生また来るの？
（本田）ううん…もうここには来ないわ。
どうして？具合悪いの？この手紙どういう意味だと思う？これ…先生の先生から？そうよ。
「なぜか妙な確信がありこの手紙を書く」。
（本田の恩師）「お前がこれを読んでる時は多分俺はもうこの世にはいない。
お前から質問された事だがそんな死にゆく俺ですらわからない。
あるいは死にゆく俺を見ていたお前ならわかるかもしれない」。
（本田）先生の先生は亡くなったの。
それで今日お葬式に行ってきたのよ。
この前ここで一緒にお弁当食べたばっかりなのに…。
（本田）ほんとね…。
（吉本）じゃあこれは先生への遺言ってやつだよ。
（本田）そうなのね…。
先生の先生重い病気だったんだ。
オレこないだいつ治るのかとか変な事聞いちゃったな。
先生の先生気にしてた？ううん。
みんなと会えて楽しかったって言ってたよ。
（景子）ねえ先生。
（本田）何？
（景子）今もお葬式してるの？
（本田）ええ。
（由伸）この前会ったのに？
（本田）そうよ。
今？
（本田）ええ。

（エンディングテーマ）「団地ともお」お楽しみに！2014/06/21(土) 09:30〜09:55
ＮＨＫ総合１・神戸
アニメ　団地ともお（５０）「思い出せないよともお／以下の問題に答えなよともお」[字]

思い出せないよともお／以下の問題に答えなよともお

詳細情報
番組内容
▽「思い出せないよともお」：やっと将棋で吉本に勝つことができたともお。感動を分かち合おうと、将棋盤を持ったまま団地内を駆け回る。その時、植え込みに落ちていたカードを見つけ…！？　▽「以下の問題に答えなよともお」：ペットの死をきっかけに、本田は生徒たちに死について教えることを決意する。しかし、生徒からの質問にうまく答えることができない。悩む本田は恩師のもとに相談に行くのだが…。
出演者
【声】三瓶由布子，田村睦心，藤村歩，武田華，一杉佳澄，植竹香菜，石塚運昇，矢野亜沙美，箭内仁，金光宣明，中嶋ヒロ
原作・脚本
【原作】小田扉，【脚本】山田隆司，田辺茂範
監督・演出
【監督】渡辺歩
音楽
【音楽】長谷川智樹

ジャンル :
アニメ／特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:31400(0x7AA8)