弱くても勝てます 〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜 #11(最終回) 2014.06.21

(田茂青志)『堂学』はお前達に打たせまいと必死だった。
けどお前達は打った何度も何度もだ。
俺達は俺達の野球でプライドを持ってやり切ったんだ。
(主審)ゲーム!
(一同)ありがとうございました!みんながホントによく頑張った。
(部員達)ありがとうございました!
(泣き声)
(青志の声)すっかり涼しくなりましたね。
(樽見楓)充実してると時間はあっという間に過ぎるけどダラダラしててもまたあっという間に過ぎるのよね。
何が言いたいんですか?少しは部員増えたの?あのねこんな時期に部活を異動する生徒がそもそもいないんですよ。
はぁ情けないわねうちなんてもう3人も入ったってのに。
「うち」って?この店よ。
バイトバイト。
えっ?どうしてバイトなんか。
私一人で回してたんじゃ練習に行けないじゃない。
はっ?また…『武宮』のコーチ続けてるんですか?もちろんよ夏の敗戦をバネにねだいぶ力つけたわ。
早くも来年が楽しみよ!あっ…ごめんなさい。
来年にはいない人の前で来年の話なんて。
あのね別に『城徳』を去るっていうだけで俺にも来年はあるんですよ。
はぁ…。
(増本)そうそう思いっ切り振れ思いっ切りだ。
どうだ?気持ちいいだろ?
(増本)あっ…危ねぇじゃねえかこの野郎!すいません。
手が痛い。
ありがとう返すよ。
(光安)もういいの?
(増本)おい勝手にやめんな!
(生徒)やっぱり野球はいいです。
(生徒)ルールもよく分からないし。
覚えりゃいいだろ『城徳』に受かった頭があれば…。
(生徒)失礼します。
(生徒)失礼します。
おいちょ…ちょっと待て。
おい諦めんの早過ぎるだろ!そんなやる気のない奴にやらせたって無理ですよ。
いややる気のある奴を待ってたら時間がいくらあっても足りません。
どうしたんですか?急に。
日を追うごとに来年自分が監督に返り咲くという実感が増して行くんです。
そんな時9人いないんじゃ話になんない。
(赤岩公康)野球してぇなぁ。
試合がさ。
(江波戸)『東大』受験が僕達の試合だよ。
うんいや分かってるけどさでも監督も試合ができないんじゃつまんねえだろうな。
勝ちにこだわる人だしね。
うん…。
(樽見柚子)『堂学』に勝たない限り監督にとっての高校野球は終わらない。
また監督のトラウマ説か。
もうよそうよ監督の気持ちは決まってるんだから。
ううん絶対まだ迷ってる。
じゃあお前が言う通り監督がもし自分の過去にこだわってるんだとしたら俺達が勝とうが負けようが関係ない。
じゃあ何が関係あんの?いやそれは…。
(岡留)いいかげんにしろよお前ら!!
(生徒達)シ〜。
(岡留)何だよ!こいつらだって喋ってたじゃねえか!とにかく今はやるべきことをやろうぜ。
いつまで現役のつもりでいやがんだよ。
お願いします!
(部員達)お願いします!
(浦瀬)聞いたよ辞めるんだって?はい辞めますいや…でも辞めますけど…。
(赤岩晴敏)おめおめと去り行く者もいれば今まさに立ち上がらんとする者もいる。
(浦瀬)それはどなたです?この俺だ。
来年度より『武宮』の経営に加わることになった。
ハハっビジネスの世界に舞い戻るってわけだ。
(浦瀬)あっそうなんですか。
「あっそうなんですか」って何悠長なこと言ってんだよ。
県大会ベスト8に入んなかったら即廃部だからな。
(浦瀬)廃部!?そうねそのぐらいの緊張感が必要よ。
いやいやもうちょっと適度な緊張感にしてください。
甘えるんじゃないよ。
初戦敗退だなんて名将が聞いてあきれるよ。
あなたも何か言ってくださいよ!あなたのせいでもあるんだから!俺は別に関係ないでしょ!
(楓)ほらねもうすっかり部外者面なのよ。
もう勘弁してくださいよ。
引っかき回すだけ引っかき回してあとは知らん顔か。
引っかき回すってどういう意味ですか?あんたが来てからってものな俺と息子は言い争ってばっかりだ。
いや別にそれは俺が来る前からの話でしょうよ。
とんでもないよその前まではあいつはろくに口も利いてくれなかったんだから。
(楓)人数さえそろってれば監督の引退試合とかできるのにね。
いやそれはもうお気持ちだけで。
(璃子)監督!利根さん。
(璃子)楓さんが多分ここじゃないかって。
あっ読みましたよ最終回。
あっすいません何だか尻切れトンボで。
そんなことありませんよ。
とても希望のあるいい幕切れでしたよ。
きっと監督の言葉でしょうね。
俺の?どれひとつ取っても希望に満ちあふれてる。
よく分からないけどすごいことが起きそうな気がしていつもワクワクするんです。
結局何にも起きないことのほうが多かったですけどね。
でも少なくとも「やってみよう」って「勝負してみよう」って気持ちにはなります。
何だ結構投げれるじゃないですか。
フッ。
私も勝負してみようかな。
ふてくされてたってしょうがないし。
あ…。
あのファッション雑誌。
ひとまずやりたい企画全部出してみます。
もっと不本意な場所に回されちゃうかもしれないけど。
ハイリスクなんですね。
「思いっ切り振れ」ってアドバイスは高校生限定ですか?そんなことありませんよ。
まぁただ大人になればなるほど勇気のいる行為だとは思いますけど。
いりますね。
このままだと見逃し三振しそうです。
うまく当てようとするな。
思いっ切り振って来い!はい!秋の大会は絶好調じゃないですか。
(峠)夏の大会は振るわなかったって言いたいのか?いやいや…。
でも『甲子園』には『堂学』が行ってほしかった。
過去を振り返っても何も始まらん。
このままだと『選抜』は大丈夫そうですね。
まぁ頑張ってください。
がんば…!?声援なんかいらん!薄気味悪い。
・やめ!・・気を付け礼!・
(谷内田)久しぶりだな。
おかえりなさい。
『城徳』の監督辞めるんだって?いよいよプロのコーチになるそうですね。
今話してるのは君の話だ。
あなたの助言通りでした。
どういうことだ?やっぱり…ここは俺のいるべき場所じゃない。
随分とあっさり認めるんだな。
失礼します。

(白尾)お〜!さすが赤岩。
(江波戸)全部A判定だ。
まぁ余裕だな。
私「理2」Cだった。
(江波戸)僕も「理3」はやっぱりDだった。
白尾は?
(白尾)う〜ん…やっぱ『東大』は厳しいわ。
わっでも『早稲田』と『慶應』Aだったんだ。
短期間でよくここまで取り戻したな。
で岡留は?岡留君?何でだ〜!?岡留!この時期A判定出なかったのは結構キツいな。
あんま考え過ぎんなよ。
考えるよ!大丈夫だって。
無責任なことばっかり。
違うよ…。
ホントは落ちてほしいんでしょ?お前何言ってんだよ?幼なじみで小・中・高ってず〜っと一緒。
もういいかげんうんざりしてんでしょ?してねえよ。
あのさ私なら大丈夫かと思ってるかもしれないけどそんなにしょっちゅううざがられてたらこっちだって傷つくよ!はぁ…。
傷ついてんだからね!あ〜もう集中できないから黙ってろ!集中しないでよ!ひとが真面目に話してんのに!んっ!あ〜クソ!何をムキになってんの?きっかけがいるんだよきっかけが。
えっ?あぁ…。
私先帰る。
あ〜ちょっと待ってろもうすぐだから。
もうずっと待ってんじゃん!また明日。
好きだ!!あっ…違うよし!えっ?今更遅ぇか…。
あっいやずっと何か頭の中で繰り返してた…。
いや…繰り返してた…。
何言ってんの?はぁ…。
俺お前が好きだ。
私も…好きだよ。
そうか。
うん。
そっか。
(三條)そろそろ高校野球もシーズンオフか。
特に試合がなかったうちは変わりはありませんけどね。
(三條)私が教えた中で君ほど野球を研究し愛した生徒はいなかった。
本当だよ。
でなかったら左利きにキャッチャ−なんかさせるもんか。
(青志の声)ご期待に応えることはできませんでしたが。
私の野球は勝つことが全てじゃない。
君は必死に打者の心を読もうとしていたしそれを投手に伝えてもいた。
技術が伴わなかったってだけでね。
君は私の求めに精いっぱい応えようとしてくれたんだ。
それを見られただけで満足だったうん。
いや今も…満足だうん。
カウントダウンに先駆けまして亀…亀…フフフフ…。
何?大丈夫ですか?亀沢君の…!ちょっともうあ〜!もうどいて!亀沢の高卒認定試験合格を祝って…。
(一同)カンパ〜イ!
(白尾)おめでとう亀沢!
(一同)おめでとう!
(亀沢)その言葉は『東大』合格発表の3月まで取っておいてくれ〜!その通り頑張れよ3年生。
当たり前じゃん。
はい。
はい。
よし帰って勉強すっかな。
(江波戸)えっ?初詣は?
(樫山)岡留さん?いいんだよせよせ。
準備の仕方は人それぞれだから。
全員第1志望に合格するといいわね。
(光安)きっと受かります。
(志方)念を送っておきますからね。
(伊勢田)本当に頑張ってください。
ありがとう。
ありがとう。
(牛丸)璃子さん何か雰囲気変わりましたね。
あっちょっと…いや…あんまり見ないで。
弊誌『オシャLady』の方針で。
(樫山)その雑誌立ち読みしたんですけど何ていうか…。
言わないで!ダッサいよね〜。
やめろよ柚…樽見。
はっ?聞いた?今。
何何…?
(江波戸)もういいよ「柚樽見」は。
もうとっくにみんな知ってます。
マジで!?俺が勉強や労働に励んでる間にお前ら…。
何だ?何を知ってるんだ?えっお前言ってないの?言うわけねえだろ親父に。
だからあれですよ。
はい。
(江波戸)おめでとう赤岩。
毎年生徒達を見てて思うけど高校の3年間なんてあっという間よね。
でしょうね。
ウフフ…はぁ〜。
特にこの一年青志君が来てから早かったわ。
フフフ。
今まで見ていただけの野球にまさか自分がコーチで参加するなんて。
結果試合で対戦までしてますからね。
はぁ…。
ありがとう青志君。
いや礼を言うのはこっちですよ。
私は何もしてないわよ。
してくれたじゃないですか。
野球部の監督になりなさいってグローブまで頂いちゃって。
あ〜始業式の日ね。
ありがとうございました。
もう…どういたしまして。
(樫山)んあ〜!あっあっ…!あ〜ギリギリじゃねえか!
(一同)3・2・1…。
あけましておめでとう!おめでとうございます。
・樫山!・・おめでとうおめでとう・・私も受かりました・よくやったなおめでとう。
・ありがとうございます・『東大』理3合格しました。
『東大』理1合格しました。
同じく『東大』理1受かりました!よくやったなおめでとう!ありがとうございます。
失礼します!白尾どうだった?『早稲田』に行きます!そうか。
『東大』はダメだったか。
いいじゃん『早稲田』でレギュラー狙いなよ。
そうだな強いチームでもまれて来い。
はい!それであの…。
ん?岡留君?
(戸が開く音)失礼しま〜す!!岡留圭もう一年頑張ります。
頑張れ。
ありがとうございます。
あ〜〜!うわ〜〜〜!
(樫山)速え〜。
(牛丸)岡留さん。
八つ当たりとかでいじめられなきゃいいな。
(岡留)来年は無敵だ〜!
(生徒達)♪〜相模の海に茜さすところ♪〜そびえる山に高まりし♪〜あふれる希望よ輝く未来よ♪〜いざ吾等いざ吾等♪〜学びの丘より旅立たん♪〜あゝ春風切りて天翔ける♪〜あゝ小田原城徳♪〜我らが母校まずは3年生卒業おめでとう。
ありがとうございます。
(拍手)とまぁ同時に俺も今日この『城徳』を去る。
つまりお前達全員とここでお別れだ。
この景色を見るといろんなことを思い出す。
でもまぁこうして毎日のように集まってたこの部室にこの全員は集まることはもうないんだ。
寂しいな。
…って思えるのは俺達がちゃんと野球と向き合って来れたからなんだと思う。
伊勢田。
はい。
お前は兄貴のことを負い目に感じていた光安を1人で守り切ったんだ。
誰かに友情を感じることがあったとしてもそれを守ろうと行動できる人間はなかなかいない。
カッコいいぞ。
これからもその気持ちは大事にしろよ。
もっと…。
もっと努力します。
光安。
はい。
お前は無愛想だから最初やる気があるのかどうかすら分からなかった。
けどあの兄貴と同じ野球を選んだ。
この決断は誰もが尊敬してる。
けどな本当はいらないんだ。
そんな決断なんて。
野球が楽しくてたまらない。
いい顔してたぞ。
だからこれからもお前は『城徳』野球部のためにいい顔で居続けろ。
はい。
いい顔でいます。
志方。
はい。
俺はさ驚いてんだよ。
だって別に誰かに引き止められたわけでもないのにお前はお前でこの野球部に根を張ったんだ。
自分をさらけ出すことで。
こんなにもたくさんの仲間をつくることができたじゃないか。
よくぞ俺の予想を裏切ってくれたな。
はいすいません。
牛丸。
はい。
お前は誰にでも同じだけ優しくすることができるからいつも後ろのほうでみんなのことを見守ってたよな。
だから練習が終わった後お前の元にみんなが集まって来て輪をつくってるのを何度か見たことがあった。
そこで気付いたんだよ。
打順も線で考えるんじゃなく輪で考えれば上位も下位も存在しない。
お前のその誰にでも同じだけ優しくできる気持ちに俺は教えられたんだ。
お世話になりました。
樫山。
はい。
俺はいつか「野球は無駄なことだこんなもんやってもやらなくても誰も困らない」…そう言ったよな。
はい。
お前は時間を効率的に使う奴だから無駄が嫌いなんだ。
じゃあさ…これは無駄だったか?いえ…無駄じゃなかったです。
無駄だと思って避けるんじゃなく効率良く無駄と向き合うことで無駄はもう無駄じゃなくなるんだ。
だからこれからも無駄だからっていってよけるんじゃなくお前のその効率の良さで無駄としっかり向き合ってくれ。
はい向き合って行きます。
亀沢。
はい。
お前との別れはもうこれで2度目だけど1度目の時は大変だったんだよ。
お前の席を永久欠番だとか抜かす奴が出て来て…。
何だよそれ。
そこからみんながお前が担ってた役割を少しずつ少しずつやりくりするようになって。
この野球部は変わった。
お前のおかげなんだ。
だから大丈夫だよ。
なぜなら亀沢はどこに行っても亀沢だからだ。
ヘヘっ。
はい超楽しかったっす。
岡留。
はい。
「俺は無敵だ〜!!」…ってあれ誰に言ってたんだよ。
ハハハ…。
確かに。
俺はさ自分自身に言ってるようにしか聞こえなかった。
はい。
お前のスカウト組へのプライドと何かをやり直したいと思ってるその気持ちにさ。
過去にこだわることを悪いことだって言う奴もいるけどこだわったからこそ前に進めることだってあるんだよ。
お前はその一歩を踏み出せたじゃないか。
だからこそお前は強くなれた。
だからな頑張れ。
ただひたすらに頑張れ。
お前は無敵なんだから。
俺が無敵になれたのは監督のおかげです。
クッソ…。
江波戸。
はい。
まずはキャプテンとの務めそれはご苦労さまでした。
お前はさ悩んで悩んでいろいろこう気になっちゃうんだよな。
だからさキャッチャーっていうポジションはまさに適任だったんだ。
あのポジションは唯一みんなの顔を見ながら守ることができるポジションなんだ。
つまりみんなの思いや気持ちをダイレクトに受け取ることができる人間しかできないポジションだったんだ。
俺はこう思うんだよ。
お前から見た悩みってのは俺達から見るとチャンスなんじゃないかって。
だからいくつもあったこのチャンスをお前なりに向き合って来たからこそお前はこうしてみんなの中心に立ってるんじゃないのか?はい。
ありがとうございます。
白尾。
はい。
お前なんだ『城徳』がここまで来れたのは。
俺がダメでも他の奴にナメられたって「白尾が」「白尾が」…。
その気持ちでみんなここまで来れたんだ。
でもなその言葉を誰よりもウソにしないように頑張ったのは白尾だ。
孤独だったろうしつらいこともあったと思う。
けどいつもと変わらず笑って「おう!」って言うお前に俺達は何度も助けられたんだ。
ありがとう。
俺のほうこそありがとうございました。
赤岩。
はい。
頭が良くてお金持ちで…。
悩みがないのが悩みなんて言えちゃうお前だからこそちょっとつまずいただけで「人生が終わった」「この場から逃げ出したい」あっいや…逃げたこともあったよな。
あ…。
赤岩。
はい。
後ろ向いてみろ。
でもお前はちゃんとこうしてこの場所に戻って来れたじゃないか。
俺はお前が言った「野球は下手だけど得意です」…ってその言葉が忘れられないんだよ。
まぁ俺達は野球は下手だけど好きなんだ得意なんだ。
得意なんだったらやるべきだよな。
そうですね。
うん。
だからさ…。
はい。
これから何か決断する時は今みたいに振り返れ。
支えてくれた人達のことを思い出して感謝するつもりで決断をしろ。
はい。
はい柚子。
はい。
顔が変わったよな。
いい顔になったよ。
でもお前はさ夢を大きく見る癖があるからその現実を知った時に受けるショックもまたデカいんだ。
でもさそれでいいんだよ。
そうやって人は大きくなって行くんだろうしお前はその経験をこの野球部のみんなと分かち合うことができたんだ。
だからお前もどこに行っても大丈夫だ。
はい。
それと俺を野球部に誘ってくれてありがとう。
お前に誘われなかったら今の俺はここに立ってない。
ありがとうございました。
ありがとう。
俺は野球が大好きだ。
こんなにも素直に言える日が来るなんて思わなかった。
俺の後悔は今やっとちゃんと過去になったんだ。
それはお前達のおかげだ。
お前達に出会えてよかった。
お前達のことが大好きだ。
本当に…。
ありがとう。
ありがとうございました!で何が始まるの?最後の練習ですかね?
(増本)練習?そんなもん聞いてないぞ。
まぁもうちょっと待ちなさいって。
フフフ。
あっ。
青志君早く!一体何させようって話ですか?試合よ。
(部員達)試合!?
(楓)そう3年生と青志君の引退試合よ。
試合って相手誰ですか?こんだけいるんだぞ相手なんて必要ないだろう。
み〜んなでやりましょう試合を。
面白そうじゃんやろうやろう!
(岡留)試合か。
(白尾)試合やるか〜!
(白尾)おい見ろ!
(増本)『堂学』の鬼監督だ。
・来た〜!・・鬼・何のご用ですか?あ〜よくぞいらしてくださいました。
どういうことですか?これは。
私は来月の親善試合について話し合いがあると言うからわざわざ。
いいじゃないですかそんなこと。
ライバルの田茂監督の門出ですよ。
ライバルなんかじゃない!いいでしょう。
相手にとって不足はなしだ。
こっちは不足だ!
(亀沢)監督もやる気だぞ!よっしゃ試合だ〜!よっしゃ。
こら!勝手に盛り上がるな!盛り上がるのはまだ早い。
何でだよ?ん?鬼監督を入れてもまだ17人しかいない。
でも大丈夫。
1人ぐらい何とかなる。
私でいいの?よろしくお願いします!お願いします。
(部員達)お願いします。
ちょっと待て。
君の身内しかいない中でうちのチームにどうやって勝てと?それは…みんなが俺の味方をするとでも?普通に考えればそうするだろう。
俺はそんな指導した覚えはありませんよ。
誰が相手だろうと思いっ切り戦う。
それが『城徳』の野球です。
よっしゃ〜!・絶対負けねえからな!・絶対負けないからな!おい現役!夏からひたすら練習に明け暮れた成果を見せろ!!
(白尾)おい赤岩!彼女だからって手抜くんじゃねえぞ!抜いて。
抜くか!
(晴敏)あっ…あぁ痛い…。
そんぐらい捕れただろ親父。
その前に打たれんな!何だと?何だ?
(白尾)おい赤岩!
(江波戸)待て待て…!
(晴敏)かかって来い。
(白尾)落ち着け落ち着け!
(志方)さよなら樽見さん。
さようなら!兄は元気ですか?あぁ…よく部員達に自慢していたよ。
自分には頭のいい弟がいるんだってな。
あぁ…。
僕は監督のようなまねはできないけど監督のスピリットは受け継いで行きます!よろしくお願いします。
(増本)あっ当たった!当たったよ!早く走れ!
(白尾)走ってください!・早く早く!・・ゴーゴーゴー!・璃子さん。
うん?アシスタントとかできることがあったら言ってください。
ありがとう。
それと…。
俺とデートしてください。
えっ?えっ!?ボケっとするな!利根!はぁ?何よ!うわ〜!お前より速いな。
そうだな。
♪〜パッパパパパパパッパパパパパ♪〜パッパパッパパッパパッパパッパパッパパ♪〜パッパパ〜パパパパ〜・かっ飛ばせ〜!・気が散るよ。
すいません。
あっかぁ〜!君のせいだ!ぬれぎぬだ!やっぱりいい学校だよな。
『城徳』って。
はい。
追い付けるだろ岡留!
(岡留)てめぇでやってみろ!いいぞ浪人生!浪人先輩!うるせぇぞ!私が打ったら監督続けなさいよ青志君!じゃあ打たせません。
さぁ来い!意志は相当固いわね。
六大学野球で会おうな赤岩。
おう。
(打球音)
(峠)ああっ!
(峠)貴様〜!わざとだな!?
(白尾)おい監督守れ〜!よ〜し!
(増本)行け!走れ走れ!走れ走れ!走れ!行け〜!
(白尾)監督走れ!
(増本)OK!ナイスナイス!
(白尾)ナイスバッティング監督!
(白尾)イェ〜イ!
(増本)イェ〜イ!グラウンドを去るのが名残惜しいか?まぁ…もちろんそれなりに。
たった1年じゃそんな思い出もないだろう?あなたに何が分かるんですか?こないだの県大会の試合見させてもらったよ。
感想は結構ですよ。
いや…ろくに球も見ずに振って来る。
不格好な戦い方だ。
だが少しでも勝ちたいという気持ちは伝わって来た。
それが俺の知っていた『城徳』との違いだ。
何ですか?これ。
着けろ。
何のために?ゲームやめるんならしっかりアウト取ってからにしろっていうことだよ。
こんなことして肩大丈夫なんですか?心配してくれるならしっかり捕ってくれ。
しっかり構えて動かなければ捕れる。
あ…。
フッ。
ようやくスリーアウトか。
先はまだ長いな。
カッコいいぞ青志君。
うんこれでいいこの実験データをシーケンス解析に回しといてくれ。
(研究員)はい。
え?どちらへ?まぁ初戦は勝ってもらわないとな。
偉そうに。
僕達だって2回戦敗退なのに。
大丈夫だって絶対勝てるよ。
勝ってもらわなきゃ連載が終わっちゃう。
(亀沢)行け〜『城徳』!『城徳』!頑張れ〜!ピッチャーをやろうとするな!うまくなくていいんだ!正面に来た球だけを確実に捕れ!
(志方)光安!ビビるな!球に向かって「来い!」という気持ちだ!どさくさどさくさ!絶対勝つぞ〜!
(志方)樫山!
(審判)ヒズアウト!・アウト!・よし!いいぞ!
(子供達)はい!うまく当てようとするな。
思いっ切り振り切れ!
(子供達)はい!2014/06/21(土) 21:00〜21:54
読売テレビ1
弱くても勝てます 〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜 #11[終][字][デ]

堂学相手に善戦し惜敗した城徳野球部。3年生は引退、璃子の連載は最終回、そして青志が城徳を去る日も近づいてきて…青志先生とへっぽこ野球部、涙と笑いの卒業式!

詳細情報
番組内容
堂学相手に善戦し、惜敗した城徳野球部。赤岩(福士蒼汰)ら3年生は引退、大学受験へまっしぐら!…のはずが勉強に集中できない。
璃子(麻生久美子)の連載も最終回を迎えるが、青志(二宮和也)の言葉に新天地でも勝負を賭けることを誓う。
そして、赤岩と柚子(有村架純)の素直になれない幼馴染2人も変化が?
かけがえのない日々の中で別れの時は刻一刻と近づいてゆき…
青志先生とへっぽこ野球部、涙と笑いの卒業式!
出演者
二宮和也
麻生久美子
福士蒼汰
有村架純
中島裕翔