沖縄慰霊の日:「泣く子だめ」…戦場で別れた弟、妹よ

毎日新聞 2014年06月23日 13時25分(最終更新 06月23日 14時22分)

弟と妹と生き別れた摩文仁の海岸を見つめ、「ここに来ると当時を思い出して辛い」と語る喜屋武さん=沖縄県糸満市の平和祈念公園で2014年6月21日午前11時9分、佐藤敬一撮影
弟と妹と生き別れた摩文仁の海岸を見つめ、「ここに来ると当時を思い出して辛い」と語る喜屋武さん=沖縄県糸満市の平和祈念公園で2014年6月21日午前11時9分、佐藤敬一撮影

 今年、遺骨収集ボランティア団体「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(60)に「万が一だが、弟と妹をDNA型鑑定で捜せるかもしれない」と教えられた。「戦場で肉親と生き別れた人は多い。その人たちのためにも声を上げよう」。具志堅さんとともに、希望する家族と戦争孤児のDNA型照合を国に求めることにした。

 喜屋武さんは言う。「当時の話を母に聞いておけば良かったという後悔と、聞けば更に母を苦しめたという思いが今も交錯します。こんな複雑な思いを抱いている人が沖縄にはたくさんいるのです」

 安倍晋三首相は、他国を守るための戦争を可能にする集団的自衛権の行使容認に動く。「沖縄戦であれだけの犠牲を被ったのに、政府は『これからも日本のために我慢しろ』と言っているように聞こえる。戦争に加担して真っ先に狙われるのは基地のある沖縄です。一体何なのでしょう」

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