美の京都遺産 2014.06.22

(ナレーション)
日本の美術史に名を残す京都の芸術家たち
彼らは町の小学校に作品を寄贈した
・そしたら前に行ったね?今。
はい人に掛かるので・囲いしてください。
みんなでやろう。
はいシュッシュッ!囲いしてるか?シュッシュッ!曲がり角から曲がり角シュッシュッ!以外以外…以外ね。
はい。
はい今度反対側。
小さく小さく。
歯ブラシちゃんと3本で持ってるか?
80年ほど前から子供たちを見守り続ける一枚の絵がある
・はい今度は右キュッと上げて。
・ここは力入れていい。
歯茎の間ゴシッゴシッ!
昭和8年帝展に出品された加藤英舟の作品である

明治6年英舟は名古屋で生を受けた
地元の画家に就いて絵を学んだ後明治23年京都市画学校に入学
幸野楳嶺の薫陶を受け四条派を学び後に竹内栖鳳に師事した

上村松園西山翠嶂らに次ぐ門下生だがその存在は忘れ去られている

現存する作品はごく僅かで公の美術館では京都市美術館が1点だけ収蔵している
だが英舟の絵に接すればその実力は一目瞭然と言えるだろう

上村松園は随筆の中で師竹内栖鳳の偉大さを表すには門下生の名を上げればいいとしている
そして橋本関雪土田麦僊らと共に加藤英舟の名を明記している

英舟はそんな松園と共に英国コンノート殿下御前揮毫の栄誉に浴している

英舟の曾孫…
写真でしか知らない曾祖父を心から慕い誰よりもその作品を愛している

(加藤さん)動物を描くのが好きだったんですね。
ですのでたくさん動物の絵を残しております。
曾祖父っていうのはすごくのんびりしておりましてほんとにもう周りがやきもきするぐらいスローペースだったんですね。
でそういったことなんかも絵を見ていると伝わってくるといいますか穏やかで優しい作風のものがとても多いんで。
妻の順は英舟の絵が売れると分かっていたのでもっと描いてほしいと催促した
だが本人は「私は印刷機じゃありません」と気が向いたときにしか筆をとらなかった

英舟は4人の子供に恵まれた
孫たちは衣笠小学校に通っていた

衣笠小学校のそばに英舟一家が暮らした家が残っている

この家は師の栖鳳が建ててくれたという
栖鳳は英舟の絵の実力を買っていた
遺族によると栖鳳が大作を手がけているときしばしば手助けのため呼ばれていたという

昭和14年この「英蓉小禽図」を最後に英舟は永久の眠りに就いた
栖鳳はその死を悼みこんな歌を詠んでいる

衣笠小学校に残る「秋乃背戸」
母犬の眼差しは英舟のそれなのか…
(加藤さん)この絵から伝わってくる温かさとかほのぼのとした感じっていうのは子供でも十分伝わるものがあると思うんですね。
ですのでたくさんのお子さんたちに見てもらって愛されていったらなぁって。
きっと英舟もそれを望んでると思いますので。
日本の小学校の歴史は京都から始まった
明治2年現在で言う「学区」に64校が開校した
「学区」は室町時代に結成された自警団「町組」を起源とする
自分たちの町は自分たちで守る
教育もまた然り
そんな自治意識が息づく京都市の学区は通学圏から規定される「校区」とは成り立ちを異にする

京都の芸術家たちが母校や地域の小学校に寄贈したおよそ800点の作品を収蔵している

梅原龍三郎は明治34年格致小学校を卒業
母校に油絵を寄贈している
山口華楊も明治45年格致小学校を卒業
母校の創立105周年にこの「凝視」を贈った
寄贈にあたり華楊は子供たちが怖がらないようライオンの目を描き直したという

(森さん)画家にとって大切な人のために作品を描くっていうのはものすごく幸せなことだと思うんですね。
で学校に寄贈された絵画というのはそれが対象が子供たちであると。
そういったものにはものすごく温かみであったりとか画家の優しい眼差しというようなものが反映されているというふうに思います。
西村五雲が本能小学校に贈った「油断大敵」
中京区にある…
5月31日音楽室で展覧会が開かれた
御所南小学校は竹間や富有など9つの学区にあった学校が統廃合され生まれた
この展覧会は9つの学校に寄贈された芸術家たちの作品を集めた展覧会
各学区の住民たちの熱意によって実現した
こんなのがあるって知らなかったけれど今見てなんか不思議な感じがしました。
自分たちの学区にこういうのがあるっていうのがなんか…発見できたし意外だったし誇らしいというか。
そんな感じです。
小学生の頃に霊宝室っていうのが竹間小学校にあったんですけどそこにすごくいっぱい置いてあるっていうのは知ってたんです。
改めて見てびっくりしました。
(竹内さん)作品が学校に託されて…ということは子供たちに託されてその子供たちが見ることでまたその芸術が残っていくというふうなことも含めてしていただいたんじゃないかなと。
そういう意義はあるし子供たちもやっぱり小さいうちからすばらしいものに触れているっていうことは子供たちの学びにとっても大事なことじゃないかなというふうに考えるんですけれども。
かつて京都の芸術家たちは町の小学校に作品を贈った
学校の多くが姿を消すなか子供たちに捧げられた宝ものは大切に受け継がれていく

京都の町に息づく能をご紹介します
2014/06/22(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]

「学校の宝もの・2」

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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