ボクらの時代 2014.06.22

(米團治)どうぞこちらです。
いい庭でしょ。
コイが泳いで。
今日は落語界の中心で活躍する3人のお話
(市馬)食べ物がいいんでしょ。
まぁよく太ったコイが。
(米團治)いやー。
立派なね庭があって。
55歳
人間国宝の桂米朝さんを父に持ち幼いころから落語に親しみました
19歳のときに入門し2008年に五代目米團治を襲名
上方の落語界を代表する一人として活躍しています
「おとっつぁんにおかん何やったらわいしばらく席外そか?」
今月…
52歳
18歳のときに人間国宝柳家小さんに入門しました
31歳のときに真打ちに昇進して以来正統派の古典落語に定評があります
「待ちかねた」
サラリーマン生活を経て25歳で落語家の門をたたきました
2000年に12人抜きで真打ち昇進後古典でも新作落語でも観客を魅了しています
(喬太郎)「これを翻訳いたしますと」テレビ見てる方はどっちがどうで何だか分からないけどもわれわれ2人はね東京で活躍をさせてもらってるわけ。
どっちが先輩?私の方が。
年は大して変わらないんですけど。
市馬さんが先輩。
喬太郎さんは何年ぐらい違うんです?10年違います。
そんな違うの!?喬太郎さん何か昔からこんな感じやったから。
頭見てくださいよ。
昔こんな白髪じゃないです。
はっきり言いましょう。
私はことし56になります。
私は53。
僕ことし51になります。
じゃあ僕が一番年上なんや。
そう。
そう見えないもんね。
一番若々しいじゃないですか。
逆振りな感じ。
バカバカしいって?バカバカしくない。
しかも米朝師匠のご長男だから。
ねぇ。
御曹司だとか言われながらもね。
よう考えたらバカにされてますよね。
そんなことはない。
いやいや。
お二人も正蔵さんをバカにしてませんか?ハハハ!なぜ…なぜここに正蔵さんの名前が出るの?落語協会員として。
してませんよ。
三平はちょっとしてるかもしんないけど。
いやいや。
そんなことないですよ。
絶対ないですからね。
木久蔵はもうちょっとあるかもしれないけどないです。
あるんじゃないか。
あるよ。
名前が出るところがいいね。
逆に僕はお二人のようにいわゆるはなし家の家じゃないけれどもずっと積み上げてこられてすっごく落ち着きのあるお二人の居ずまいが非常に奇麗なので僕はお二人に憧れてました。
だから今日ゆっくり話ししたい。
いや。
ありがたいことで。
大先輩にそんなこと言われたらホントにもう穴があったら入りたいぐらい。
穴あるよ。
いやいや。
これ…。
ここの穴に入るんですか?映んないじゃないカメラ。
今日は東と西を代表する落語家たちが高座を下りて語り合います
初めて会った30年ぐらい前覚えてます?私は覚えてますよ。
ごめん。
覚えてないわ。
えっ?30年前に会ってた?会ってます。
私はいい男ってのはこういう人のことをいう。
いや。
これはホントですよ。
いや。
またもう。
楽屋で見てましたもん。
「あらーやっぱり大阪の人は違うな」はなし家も最近イケメンとかってねたまに仲間内でも言われますけど。
イケメンの基準が分からない。
来年の上方落語協会のカレンダーの構成を今やってるんですよ。
毎年三枝改め文枝会長が来年はどんなカレンダーでいこうって考えるんですけど今ちょうどその時期でね。
それで来年はイケメンはなし家を載せるっていうあれで女流はなし家と三味線とお茶子さんがみんな集まって投票をこの間したんですよ。
はぁー。
それで?独身部門の1位がざこばさんのとこのお弟子さんのあおば君。
小池徹平そっくりなんです。
カワイイじゃないですか。
黙ってたらすごいカッコイイ。
「黙って」既婚者部門は私が1位に。
そりゃそうだと思いますよ。
もうすぐ撮影があるらしい。
うれしそうだ。
うれしそうだ。
いやいや。
うれしない。
これが30年前だからもっとね若くて。
お二人は親御さんっておられるんですね?ハハハハ。
あのね私は親が馬じゃねえんだから。
一応人間で?人間なんだから。
おかげさまでまだ達者でおります。
でもまぁ全然ねはなし家と違うお父さんの世界だから着実に前座からずーっと積み上げていって完成されたときにスポットライトが当たるじゃない。
完成されるというかまぁね。
一応形ができたときにね。
でも私は入門して2カ月目にフラッシュ浴びたんです。
初舞台で写真とかもうどんどん撮られる。
それだけで汗ひやひや。
もうだらだら出てきて。
もう新聞は「サラブレット誕生」です。
2カ月でですよ。
「サラブレット誕生」でも全然できない。
しばらくしたらこのサラブレットは前脚が折れてるのかしらみたいな感じでね。
もうそれはそれでしんどかったですね。
大変そうなんだけどもそれをわれわれがそうは見えないところがやっぱりな。
うん。
すごいですね。
何か「アホ」を遠回しに言うてません?ちょっと。
そんなことありませんけど。
何にも考えてなかったみたいな言い方。
ちょっと暑なってきたから脱ぎましょう。
脱ぎますか。
はい。
あっ脱ぎますか。
米朝師匠の稽古ってのはどういう稽古なんですか?うちの稽古?覚えが悪いと「何遍おんなじこと言わすんや!」…でこのきせるをコツンとこうたたくのがぽーん!ってすっごい鋭い。
殴られる方がましみたいな。
厳しかったですね。
小さん師匠は?稽古つけません。
もう勝手に覚えろと。
勝手に覚えたんですか?ええ。
もう勝手に。
えっ?1回も稽古なし?私はありません。
まぁ私は剣道をやってたもので。
これなの。
これが。
剣道得意や。
先代の小さん師匠も。
私の剣道の先生。
その先生の先生がいる。
中野八十二先生って大先生と小さんがまぁ剣道のお友達で私が師匠に会う前にもう弟子入りが決まってました。
すごいですよね。
会う前に決まってるってすごいですよね。
えらいコネクション。
ハハハハハ!剣道をやっていればこそですよね。
そうそう。
師匠がそのころもう忙しかったんですけどそれでも「おい今日稽古するぞ」って言うからこっちは…。
いよいよ。
いよいよ何か話の稽古をしてくれるんだと思って。
扇子持って。
それはもうね1枚だけ持ってたおふくろが縫ってくれた浴衣。
帯もまだあんまり自分で締めらんないんだけど何とかカッコつけて締めて。
そいでお願いしますっていう形でこうやって待ってたらそしたらもう師匠が向こうで竹刀一生懸命振りながら準備運動して。
「いつまでそんな薄みっともねえ格好してやがるんだ」
(喬太郎・米團治)ハハハハハ!「俺が稽古と言ったら剣道の稽古だ」「話の稽古なら話の稽古って言うよ」だって。
えらいとこへ来ちゃったなと思って。
それからっていうものはもうしょっちゅうただの稽古ばかり。
ハハハハ!こっちの?こっちの。
2時間ぐらいをみっちりと。
そんなにですか。
すごいな。
あの…。
師匠ちょっとここにハエが。
あぁー。
これ…。
あっうちの師匠が来たかな?あぁー。
ご苦労さまです。
ご苦労さまです。
13回忌です。
あぁーもうそんななるんだ。
ことし13回忌でした。
いつぐらいから…。
ちょっと下世話な表現ですけど食える感じになった?っていう。
ここ10年…7〜8年ぐらいかな。
そんなですか?そんな感じですか?7〜8年。
一席やったら幾らとか何分やったから幾らとか何にも決まってないから。
東京の方が単価高いっていうのはホンマ?いやそんなことはないでしょ。
僕らよく聞くから。
そりゃ高い人は高い。
高い人は高いんだ。
喬太郎さん安いの?いろんなお仕事がありますよ。
そうそうそう。
いろんなパターンあるね。
単価が何千円っていう仕事もあれば何十万っていうのもあるから。
これホントにおんなじことやってても差があるし。
それで芸人って不思議なのは稼げたら稼げたほど使う方も出ていきますよね。
上が下をごちそうする世界ですしね。
当然。
市馬さんお弟子さん今何人いてんの?5人おります。
5人。
食わすんでしょ?5人を。
まぁ前座のうちはね。
うちは3人いるんですけどそれはうちの親父がずーっとやってきてましたから。
子供を育てるんやでってうちの親父は言うてたんです。
高校卒業したぐらいの子供がある日やって来たと思いなさい。
疑似親子みたいなもんですね。
今まだ?まだ今のところは取ってない。
どうして取らないんですか?ちょっと前に取る方向でと思ったことあったんですよ。
そういう感じでかみさんにも言ってその子とも会う感じになってた子がいるんですよね。
でもその直前にとある会に出演して非常に自分でちょっと思うところがあってそこに臨んで終わってからやっぱりものすごく考え込んでしまって。
暗くなってしまって。
こんな精神状態じゃまだ取れないやと思ってお断りした子はいました。
その子には正直に全部それをしゃべりました。
だからあの子には悪いことしましたけど。
勝手に向こうから来るんだからあんまり…。
まぁね気持ちも分かるんだけども。
あんまりね真面目というか考えてたらとてもじゃないけど。
あいつらねもうはぐらかすからね。
こっちの期待とか思いも何…。
まぁ考えちゃいるんだろうけど。
ハハハハ!あいつら。
あいつら。
5人のうち何人ぐらい?全員です全員。
教えるとか導くとかそういうことは一切ありません。
私を見せてああしたいなと思えやすりゃいいしああしたくないなと思えばしなきゃいいし。
達観されてますね。
何かね。
あいつらがそうさせてくれたね。
あぁーそうか。
彼らがそうさせてくれたってことなんですね。
でも教えることは教わることやからね。
何か一生懸命教えてるうちに教わるし。
お前何でこれができへんねん!ってよう見てたら「あっ俺がそうやってたんや」と。
鏡ですから。
その癖俺がやってるんやっていうようなんが教えてたら分かりますからね。
でも一番しんどかったと思うのはうちの母親ですよね。
あぁそうですね。
女将さんですよね。
好き嫌いがある子も色々合わせて全部ご飯ごしらえをしっていうのをずっとやってきてましたから。
独身でしょ?それは訳があってね。
ハハハハハ!これが1個。
それはもうね。
どんな訳があったんですか?アハハハ!まぁ語るも涙。
聞くも笑いの物語。
遊んだの?いやいや。
大して遊びませんって。
だからそういうことが理由ならばね分かりいいんだけども。
性の不一致?あぁそれは一致してないね。
兄さんとこみたいに一致すりゃな。
えっ?ちょっと何が?何が?どうしてみんなこの話をしたら扇子で顔あおぎだすんや。
どうもやっぱり触れられたくないところが少しはある。
喬太郎さんはまだ結婚してんの?継続中です。
バツなしやね。
なしです。
なしです。
お子さん何人?せがれ一人です。
ことし成人式。
あぁそう。
バレたことはある?僕はあんまりそういうの得意じゃないんですよね。
似たところはあるんだけれども。
それで危険な香りがしないでしょ。
2人ともしない。
危険な香りぷんぷんしますもん。
僕はマジになる。
遊べない。
ほれてしまうんですよ。
むしろね。
ある日かみさんが子供を連れて実家へ帰ってたりとかね。
…いうことになってしまいがちだから。
もっと言うとね一夫一婦制に問題があると思うんですよ。
一夫一婦制に問題があると思うんですよ。
はなし家でしょ。
はなし家って江戸時代からずっと続いてる芸能ですよ。
廓噺するじゃない。
しますね。
「今度はいつ来んなます?」とかってやりながら家へ帰ったら一夫一婦制守らなアカン。
不倫やとか浮気やと。
おかしいと思いませんか?これ。
まぁね。
何無口になって。
「まぁね」で。
いやだからこれはね平安時代までいきましょうか。
平安までいくんですか!光源氏。
紫式部ですよ。
平安文学は世界一古い文学であの時代に女流作家が男の女遍歴をざーっと書いてそれが世界的文学になってるんですよ。
それがありながらどうして一夫一婦制なの?知らんわそんなこと。
ねぇ。
今度は参議院に。
これをマニフェストにこれで出てもらう。
かつて月亭可朝さんが一夫多妻制にする言うてマニフェスト出して見事落選しはりましたけれども。
ホントに出したんだからすごいですよね。
でも今日本が全部そういう気分になってきててちょっと怖い。
これ「遊びをせんとや生まれけむ」というのは後白河法皇が『梁塵秘抄』を編さんしたときにできた…。
遊びたいってことでしょ?要は。
遊びたいじゃない。
遊びをするためにこの世に生まれてきた。
人間というものは。
だからもっと遊びましょうよというのが生活の原点。
そしてわれわれ落語家というのはその最先端を行かなければならない職種なんです。
そのはなし家が一夫一婦制だとか…。
実はうちの親父がちょっと前に言うたんですけども「今不倫やいう言葉ありますけどな」「不倫というのはおかしいと思います」「不倫というのはちょっと前まで自分の子供とおかしな仲になるとかきょうだいでおかしなることを道に外れるというので不倫というんです」「それが不倫やったんです」「そんなもん人の嫁はんをいてまうぐらい不倫でも何でもおまへんがな」これ舞台で言うてたんですよ。
僕国宝剥奪されるんかなと思うたけれども。
でも考えたらそういう世の中の男と女の情愛を描いた話をわれわれはずっとやってますよね。
『風呂敷』もそうだしね。
つまり今日家帰ってから奥さんが怖いというわけですか。
当たり前じゃないですか。
怖くないかみさんなんか世の中に…。
ホントにカットしてくださいよ。
(笑い声)いやうちも怖いよ。
そりゃこんな亭主がいりゃな怖くもなりますよ。
そりゃ。
僕「ただいま」の代わりに「ごめんな」言うて帰りますから。
家帰る前にはぁーって深呼吸。
そう人生いつも芝居。
アハハハハ!にっこり笑って。
そっちもあんまりもめないもんな。
いや細かいことでは色々もめますけど。
結局最終的には謝っちゃう。
「ごめんなさい」モーツァルトの『フィガロの結婚』の最後が…。

(イタリア語)
(喬太郎・市馬)どういう意味?・「許せ妻よ許せ許せ」そうですよね。
そしたら妻が…。
・「過ちは誰にもあるものタラタラ」…で大合唱になるわけ。
「過ちは誰にもあるもの」だけちょっとねっ。
聞いてるか?みんな。
みんなかよ。
お前のとこだよ。
でもホントにね人間愛の究極は許しだと思います。
あぁ。
うん。
だから逆に自分が遊んでごめんなさいもあるんだけども妻が遊んじゃってごめんなさいも許さないといけないんです。
あぁ。
お互いにね。
許し合いだね。
許し合いなんですね。
これぐらいで許してくれるかな。
(喬太郎・市馬)ハハハハ。
実はこの3人本職の話芸の他にも夢中になっていることがあるそうです
落語の中にもバルタン星人を登場させています
「バルタン星人の二代目がこここう開いたの」
(観客の笑い声)「あっ。
どうでもいいですか?」「大事な話なんだよ!」・「あの指輪」忘れておりました。
柳家市馬歌手でいらっしゃいました。
本職ですから。
歌の話ですか?宴会とか落語会の打ち上げでね2時間3時間終わったときにこの市馬さんの歌聴いたらほれぼれするね。
僕も自分の真打ちのときには兄さんにお願いして『俵星玄蕃』を。
やっぱり『俵星玄蕃』ちょっと歌って。
ちょっと。
あのね私がこうやってね今日はねいい話をしてんのにそのさなか…。
・「槍は錆びても」・「此の名は錆びぬ」8分半あるよ。
アハハハ。
あんまり朝7時台の時間じゃないですね。
せりふ入りの長いやつを小学校5年生のときにね覚えて。
ハハハハハ。
ホンマ者やな。
不思議な小学生ですね。
あんまり覚えない。
喬太郎さん子供のころ何覚えたの?『ウルトラマン』あぁ!せやせや。
『快獣ブースカ』とか?『ブースカ』『ウルトラマン』『ゴジラ』ことしは『ゴジラ』がハリウッドで…。
ことし『ゴジラ』還暦なんですよ。
(市馬・米團治)知らんがなそんなもん。
ことし『ゴジラ』60周年なんです。
だからとってもことしは大事な年なんです。
じゃあその『ゴジラ』の60歳と小さんの13回忌とどっちが大事なんですか?考えてる。
同じぐらい。
そりゃ師匠の方が大事。
大事です。
大事です。
大事です。
こちらのクラシック好きもね。
いつごろから好きなんですか?やっぱり10代かな。
僕はね最初はあのう…。
どこの家でもそうやけどピアノのお稽古ってしたことは?ないわ。
あるわけない。
僕はない。
「どこのうちでも」まずそれが違う。
幼稚園のころにピアノのお稽古に通わされたんです。
特別やそんなもん。
でも嫌で嫌でしかたがなくて。
もうこんな弾いて。
6年生ぐらいのときに初恋…やっぱり女性絡みですけどね。
初恋して。
それでそのほれた女の子が音楽の時間になったら…。
ピアノがうまい。
その伴奏に合わせてみんな歌歌ったり笛吹いたりするんですよ。
その子に憧れた。
でも僕はすごく実はシャイで無口だったんですよ。
それでその子にもちろん「好きだ」とか気さくに声掛けられないから共通の趣味があればいいなと思って。
西田敏行さんじゃないけれども『もしもピアノが弾けたなら』っていうような感じで何とかこう弾いたときにはその女の子は他の男の子一点だったけど。
でも…女の子はいなかったけどピアノだけ残って。
それから何かピアノを好きに。
兄さんとこのお姉さんは…お姉さんとあと女将さんソプラノ歌手でいらっしゃる?歌手じゃない。
歌手じゃないんですか?クラシックだとかオペラだとか聴くようになって。
それでまぁ27〜28のときかな出会ったんですよね。
コンサートか何かで?オペレッタで。
オペレッタで。
それでちょっとしゃべって結婚してしまったんですね。
そうでしたか。
やっぱりそこは取り持つ…。
ねっ。
ピアノやっててよかった。
でもお弟子さんとかいらっしゃると女将さんいた方がいいなと思う瞬間ってないですか?最後の方は「子はかすがい」じゃないけども弟子のために我慢してたようなもので。
それはあんまり体のためによくないと思ってね。
弟子には悪いんだけれども。
われわれはねはなし家になりたくてなってますけどかみさんっていうのはまさか落語家のかみさんになるなんてこれっぽっちも思ってなくてたまたまなっちゃったわけだから。
そういう意味ではやっぱりそういうことはちゃんとおもんばかってあげないとこっちが。
かわいそうだなと思いますよね。
私なんかそうなんですけど笑わせようと思ったときはろくなことはないです。
笑わない。
うん。
うん。
あります。
最初はねウケるべきとこでウケないともう冷や汗かいて「失敗した」こう思うんだけども最近は私はウケなくてもいいっていうんじゃないけどもお客さんが話の世界にのぞき込んでくれてまぁ「クスッ」とでも「アハ」でもいいけども笑ってくれれば私はそれでいいと思ってる。
何も必ず爆笑をね取る必要はないと思うんですよ。
僕前お芝居に出させていただいたことがあって。
喜劇的なものだったんですけど。
観客に向けて笑ってもらおうというようなことを役者がし始めるじゃないですか。
そうすると演出が「あのう。
舞台があってここにお客さんがいてそこに向かって笑わせるっていう開く感じじゃなくてこの上で起こってる事件が面白いんだからここに向かって笑わせようというものはやめましょう」っていうふうに言われたのがあっ落語と一緒だ!と思ったんですよね。
さっきの話じゃないけど笑わせようと思った途端に笑わなくなる。
これは落語だな。
おんなじなんだなと思ったことがあったんですよね。
お客さんなんか別にいてもいなくても笑おうが笑うまいがどうでもいいような状態でしゃべることができる。
そういう状態をつくるための修業だと思うんですよ私。
うーん。
あぁー。
でも自分はできませんよ。
もう当然。
でもそれを目指していく。
まぁ1年にそれこそ…。
それこそ今日はね何かうまくとか1年に一遍もあるかないか2年に一遍…。
ホントに数えるほどですし自分でそう思ってもたぶんそれってレベルが低いことだったりするんだと思うんですけど。
例えばそのねちょっと時事的なことでもその話の中にここでこれを言えばきっとウケるって分かるんだけどもつい目先の笑いをね欲しいためにそれを言ってそれは思いのとおりウケるんだけどもその後の自分の情けなさね。
こんなことで笑いを取っちゃったっていう。
それを言わずにネタをやりゃいいのにみたいな。
そう。
あれを言わずにいく勇気をなぜ持てないんだと。
これは難しいな。
永遠のテーマのような気がしますが。
今思うことは安心感かな。
心に安心感が宿ったときに「ハハッ」て息吐くじゃないですか。
笑うっていうのは息吐くから「はぁー!」吸うたままやと絶対吐けないけども「ハハッ!」て吐くから笑えるんであって体の中に安心感が宿ったときに笑いが起こるっていうことはお客さまを安心させるっていうことかなとちょっと今思いました。
辞めちまおうかなって思ったこともありますけどそのときにまたすこーんとウケたりなんかすると「やっぱりちょっといけるんじゃないの俺は」と思ったりなんかするんですね。
不思議なもんですよね。
こんなにゆっくり話したの初めてですよね。
お酒も飲まないでね。
はい。
今度…。
あっちょっと今からお酒で一杯…。
(そばをすする物まね)いきましょうか?いいですね。
ちょっとこうね。
こうやってやって。
兄さんちゃんとやってください。
私?これね。
(そばをすする物まね)これだよ。
うまいね江戸前は。
俺も頑張ろう。
ホントに今日は…。
(一同)ありがとうございました。
それでは今日も素晴らしい一日を
2014/06/22(日) 07:00〜07:30
関西テレビ1
ボクらの時代[字]

柳家喬太郎×桂米團治×柳亭市馬

詳細情報
番組内容
これは、毎回、様々なジャンルで活躍する3人が集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトーク番組です。出演していただくのは、学者、デザイナー、ビジネスマン、アーティスト、政治家、教師、映画監督、タレント…。一つのジャンルにとらわれることなく、今、旬で話題の人はもちろん、海外で評価を得ている人、大きな発見・発明を成し遂げた人、日本に感動を与えた人…、と多彩な顔ぶれ。
番組内容2
「日本のトップランナー」であり「先駆者」であり「成功者」でもある彼らが、何を語り、何を想うのかが番組の見どころです。また、この番組では司会者をおかず、あくまでゲスト達の、気負わないトークのみで番組を構成します。ある種、原点回帰とも言うべきシンプルな構成で、ゲストの顔ぶれと興味深いトーク内容を楽しむ番組。
日曜朝のリラックスした時間にフィットする、上質の番組をお届けします!
出演者
柳家喬太郎 
桂米團治 
柳亭市馬

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
バラエティ – トークバラエティ
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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