(テーマ音楽)北海道の南檜山地方に広がる深い森。
樹齢200年近いブナの巨木や全国的に珍しいヒバの森など手付かずの貴重な自然が多く残されています。
初夏。
豊かな森の恵みを受け鳥たちが子育てに励んでいます。
エゾライチョウの親子。
森で生きるすべを教わりながらヒナは成長します。
新たな命を育む北国の森を見つめます。
北海道の南西部日本海に面した檜山地方。
沖合には暖流の対馬海流が流れ比較的温暖な気候に恵まれています。
標高664mの八幡岳を中心におよそ1万ヘクタールにわたって広がる森が今回の舞台です。
山を覆うブナやミズナラの森。
檜山地方がある北海道の南部はブナの北限に当たります。
幹回り2mを超えるブナ。
この森にはこうしたブナの巨木が数多く残されています。
北国の短い夏。
太陽の光を受けぐんぐん成長します。
6月初め。
森は子育てをする鳥たちでにぎわいます。
こちらは北海道だけに生息する…家族連れのようです。
下側の茶色い頭をしているのが今年生まれの幼鳥。
口を開けて餌をおねだりしますが親鳥は知らんぷりです。
今度は日光浴を始めてしまいました。
大きくなった子供に独り立ちを促しているのでしょうか。
子育てを終えようとしている鳥がいる一方こちらはまだ子育て真っ最中です。
ヒナが顔を出して親鳥の帰りを待っています。
親鳥です。
幼虫をくわえています。
飛んで戻ってくると口元に幼虫と更にハエが。
一瞬で捕まえたようです。
食欲旺盛なヒナのため親鳥は一日中餌を運び続けます。
森の奥でめったに見る事のできない鳥に出会いました。
北海道の限られた場所にしか生息しない警戒心が強い鳥です。
地面に下りました。
エゾライチョウは体が重く飛ぶ事が苦手です。
こうして森を移動しながら昆虫や草の新芽木の実を食べます。
おや?ヒナがいるようです。
生後3日ほどでしょうか。
エゾライチョウのヒナは他の鳥と違って生まれるとすぐ歩き始め自分の力で餌を探します。
親鳥はヒナがキツネなどの天敵に襲われないよう片ときも離れず常に周囲を警戒しています。
そして少しでも危険を感じると安全な茂みの中へヒナたちを導きます。
こうして親鳥のまねをする事でヒナは森で生きるために必要な知恵を身に付けていくのです。
多くの命を育む檜山の森。
貴重な自然が残っている理由があります。
山肌をよく見るとブナやミズナラなど広葉樹の森の中に深い緑色をした針葉樹林が交じっています。
地元で「ヒバ」と呼ばれるヒノキアスナロの森です。
こうしたヒバだけの森は全国的に貴重なものです。
しなやかで丈夫なヒバの幹は良質な木材として古くから人々に利用されてきました。
ヒバを守るため江戸時代この地域を治めていた松前藩はこの付近の山を丸ごと保護し伐採を制限してきました。
その後もこの森は地元の人々によって大切にされ受け継がれてきたのです。
森で小さなヒバの幼木を見つけました。
高さ20cmほどですが樹齢は10年を超えています。
ヒバの森は何百年という長い時間をかけてゆっくりとつくられていくのです。
地元で「ヒバじいさん」という愛称で親しまれている巨木。
樹齢は400年幹回りは6mを超えます。
長い間檜山の森を見守り続けてきた森のあるじです。
ヒバの森は独特の生態系も育んできました。
密集した葉は日光の多くを遮ります。
ほとんど光がさし込まない地面。
そこでたくましく生きる草花があります。
ランの仲間…花の形がスズムシに似ている事からこの名が付けられました。
こちらもランの一種…1cmほどの小さな花を咲かせます。
ラン科の植物は光合成で得る養分の他に根に共生している菌からも栄養をもらっています。
そのため日光の少ないヒバの森でもこうしてかれんな花を咲かせる事ができるのです。
こちらのちょっと不思議な姿をしているのは…ふだんは地中に隠れていますがこの時期になるとこうして茎を伸ばして白い花を咲かせます。
暗いヒバの森はこうした小さな花たちの楽園になっているのです。
檜山の森に降り注ぐ雨。
本格的な夏はもう目の前です。
(鳥のさえずり)あのエゾライチョウのヒナたちです。
生まれて1か月。
顔つきもどこかたくましくなっていました。
ヒナをじっと見守る親鳥。
ヒナは離れた場所で1羽で過ごす事も多くなりました。
夏の終わりには独り立ちを迎えます。
森に横たわる朽ちたヒバの枯れ木。
その上に新たな命が息づいていました。
樹齢3年のヒバの幼木です。
北海道檜山の森。
たくましい生き物たちの命の輝きがありました。
特攻で命を落とした一人の若者の遺書が見つかった。
2014/06/22(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「北海道 檜山の森」[字]
北海道の南部、檜山地方。江戸時代から人々に大切に守られてきた森にエゾライチョウが暮らす。母鳥は6〜8羽のヒナを連れて、草花の新芽を探しながら森の中を練り歩く。
詳細情報
番組内容
北海道の南部、渡島半島の西側、檜山地方。この地域に広がるおよそ1万ヘクタールの広大な森は、江戸時代から人々に大切に守られてきた。開拓以前、北海道南部の日本海側を覆っていた原始の森の姿を今に伝える数少ない場所だ。6月、檜山の森は鮮やかな緑色に包まれ、キツツキやヒタキを始め、子育てに励む多くの鳥たちでにぎわう。エゾライチョウは、母鳥が6〜8羽のヒナを連れて草花の新芽を探しながら森の中を練り歩く。
出演者
【語り】村上里和
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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