都議会:「品のないヤジよくない」一転認めた鈴木章浩都議

毎日新聞 2014年06月23日 13時49分(最終更新 06月23日 14時06分)

東京都議会の座席表
東京都議会の座席表

 東京都議会で塩村文夏(あやか)都議(35)に女性蔑視のヤジを浴びせたことを認めた自民党の鈴木章浩(あきひろ)議員(51)は、20日に都議会内で報道陣の取材に応じた際は「寝耳に水でびっくりしている」とヤジへの関与を否定していた。主なやり取りは次の通り。

 −−周囲からヤジは聞こえたのか?

 ◆よく分からない。ただ、品のないヤジは良くない。同じことが起きないようにしないといけない。

 −−自身がヤジを飛ばしたのではないか?

 ◆私はない。寝耳に水でびっくりしている。

 −−塩村都議が涙する姿をどう感じた?

 ◆後で気づいた。(議場を)出て。「声に詰まったな」とは感じた。どういうヤジでどうなったかは、あの場では分からなかった。

 −−自民党所属議員への聞き取りには、どう答えたのか?

 ◆今のような話を。人ごとではないので、しっかりと受け止め、まず、私たちからそういうことがないようにしないといけない。

 −−議場で笑い声も聞こえた。記憶は?

 ◆騒がしいのは感じた。議会でこういうことが起きていること自体が申し訳ない。

 −−(今回は)議員辞職に匹敵するか?

 ◆女性の心を傷つけたのは、重く受け止めるべきだ。議員辞職する、しないは、本人がどう受け止めるかの結果。犯人が特定されても、「辞めた方がいいよ」とか、その人に言うことはない。

 ◇鈴木章浩都義、3期目51歳

 鈴木章浩氏(51)は大田区議を経て、2007年の都議選で初当選し現在3期目。都議会では、総務委員会副委員長や自民党政調会長代行を務めている。

 ヤジへの関与が取りざたされたことについて20日、報道陣に問われた際は「寝耳に水でびっくりしている」と完全否定し、「議員辞職する、しないは、本人がそのこと(ヤジ)をどう受け止めるかだ」と話していた。

 鈴木氏は、妊娠・出産を巡る都の支援体制について、塩村氏が質問中に「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばした。

 一方、鈴木氏は自身のホームページで、ヤジの内容とは裏腹に「子育て支援の充実」「女性が働きやすい社会の実現」を重点施策に掲げていた。

 また、12年8月には石原慎太郎知事(当時)の下で都が進めていた尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入計画に同調。「調査」を目的に無許可のまま船から泳いで魚釣島に上陸し、沖縄県警に軽犯罪法違反容疑で事情聴取を受けた。【竹内良和】

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