趣味の園芸「花後が勝負!アジサイ仕立て術」 2014.06.22

「漢方でもおなじみおいしい植物」。
テキストも是非参考にして下さい。
次回からは新シリーズ。
「夏に楽しむトロピカルプランツ」です!
(テーマ音楽)おはようございます。
「趣味の園芸」ナビゲーターの三上真史です。
雨にぬれたアジサイってみずみずしくて鮮やかできれいですよね。
しかし伸び過ぎて背が高くなってしまったりだとか切ったら花が咲かなくなってしまったなどのトラブルもよく耳にします。
そこで今日はアジサイを上手に仕立ててきれいに咲かせるテクニックをご紹介します。
アジサイを毎年美しく仕立てるには花の終わった直後が勝負!色も形も豊富なアジサイ。
花後の仕立てが必要な種類をご紹介します。
アジサイを上手に仕立てるコツは花後すぐにせん定する事。
その仕組みを分かりやすくお伝えします。
花を少しでも長く楽しみたいという方にお勧め!花も葉も切らずに仕立てる方法を提案します。
ミニコーナー「しゅみえんダイアリー」はふやして楽しむさし芽の方法をお伝えします。
アジサイの仕立て方を教えて下さるのはこちらの方です。
千葉県の園芸会社でバラをはじめとする花木や草花の栽培そして植栽を手がけている村上さん。
今日は基本的なアジサイの仕立て方と共に村上流のオリジナルテクニックを教えて頂きます。
村上さん今年もジメジメとした梅雨がやって来ましたね。
やって来ました〜。
ですが梅雨だからこそ輝くのがこちらのアジサイ。
この時期に彩りを添えてくれますよね。
見て分かるとおり花の色とか形とかさまざまあってとてもゴージャスな感じがしますね。
しかも丈夫ですよね。
とても丈夫なので手間いらずでどんどん大きくなっちゃってねそれはそれでうれしいんですがだからこそ困ったりしますよね。
そこが今日のテーマなんですがそんなアジサイを仕立てるテクニックを教えて頂けるという事で。
やはり花のあとに切ると。
せん定するというのが大事ですね。
花後のせん定。
それはアジサイ全般に言える事なんですか?ごく一部に例外はあるんですがほとんどのアジサイがそうなんです。
これからそのアジサイについてご紹介したいと思います。
お願いします!一口に「アジサイ」といっても種類はいろいろ。
花後の仕立てが必要なアジサイをご紹介します。
関東から西の山地に自生している…小ぶりな花と落ち着いた色合いが魅力。
半日陰を好みます。
ハイドランジアはもともとヤマアジサイなどの日本のアジサイが海外で改良され逆輸入されたもの。
カラフルで華やかな品種が多く半日陰または日当たりでよく育ちます。
カシワに似た葉と大きな円すい形の花が美しい…アジサイというと日陰のイメージがありますがこのカシワバアジサイは日当たりを好みます。
アジサイをせん定したら花が咲かなくなってしまった!そんな経験はありませんか?上手に仕立てて来年も花を咲かせたい!花後せん定の基本テクニックをご紹介します。
村上さんこちら草丈伸びてますね。
だいぶ伸びちゃいましたね。
そろそろせん定が必要ですね。
いよいよですね。
どのようにやっていけばいいんでしょうか?まず切る時に大事なのが…花芽のできる位置と時期。
どういう事でしょうか?例えばカシワバアジサイこれだと花芽ができるのが8月9月なんですね。
こういった普通のアジサイこれは1か月遅れて9月10月ぐらいに花芽ができるんです。
花芽のできる位置というのはどこなんですか?花芽のできる位置ですけどこちらでいくと大体枝の2節目か3節目ですね。
この辺に花がつきやすくて一番上の節ですねここは花芽がつきにくいんですね。
花のすぐ下はできにくいんですか。
ですので咲くとしたら2節目3節目になります。
花芽ができやすいのは枝先から2節目と3節目。
節の上で切ればすぐ下の節に花芽ができ来年花が咲く枝が育ちます。
2節目からできるって事はこの上で切るのがいいって事なんですか?一番安全確実なんですがより株をコンパクトにかっこよく仕立てるには花の枝の大体半分とか1/3の枝を残して切るといいんですね。
でもそうすると花芽落としちゃうんじゃないですか?ですので7月上旬までに切っておく事が大事なんです。
大きくなった株を形よくコンパクトに仕立てるためのポイント。
背丈を抑えたい場合は花芽のできやすい枝の上の方で切るよりも枝のやや下側の節の上で切ります。
この時のポイントは…そうすれば切ったすぐ下の節に花芽ができ翌年の花が咲く枝が成長します。
7月の上旬というと花が終わりかける時期ですよね。
アジサイ見て分かるとおりこれ花じゃなくて萼なんですね。
なのでこれが散らないでずっと残っちゃっててまだ色が何となく残ってて切りにくいんですよね。
ずっとついたままなんですよ。
散らないのでまだ大丈夫かなって待っちゃうんですよね。
まだまだ見ちゃいたいなと思うんですけどそこで待っちゃうと適期を逃しちゃうんですね。
もう花芽ができちゃうわけですね。
そのあと切ると花芽が落ちて咲かなくなっちゃうんだ。
ですので花の色が残っていても7月の上旬までにきちんとせん定は済ませておくと来年きちんと花が咲くという事になります。
では実際にお願いできますか?はい。
この辺りですね。
花が終わったあと7月上旬ごろに。
ここで切りますね。
1/3から半分残す感じですかね。
ジョキッとここで切ります。
切っちゃいました。
これも半分ぐらいで。
まだ時期的に今だったらこのぐらいで切ってもここに。
ここに花芽ができますね。
しっかりできるという事ですね。
せん定のポイントは7月の上旬までに今年伸びた緑色の枝を半分ほど残して切る事。
そうすればすぐ下にある節に花芽が育ちます。
株を充実させるため…ちなみにもっとコンパクトにしたいって場合?もっとコンパクトですね。
例えばこちら見て頂くとここのところにずっときてここに枝が分かれてますね。
これに切り替えるという方法がありますのでここで切るというのがありますね。
せん定ばさみですね。
ここで切りますね。
思い切ってそこで切ってしまう。
残った枝もここの真ん中のところですね。
枝の真ん中で切ってしまうと。
真ん中から1/3残して切ると。
そうするとよりコンパクトになってここに花芽ができてきますね。
これも時期って?7月の上旬までです。
やはりそれまでに切れば大丈夫?大丈夫です。
伸び放題だったアジサイがすっきりとコンパクトな株になりました。
一方で花後にせん定する必要のないアジサイもあります。
純白の大ぶりな花が人気の…アナベルは他のアジサイと違って春から伸びる枝に花芽をつけます。
従って株を充実させるためには休眠中のせん定がお勧めです。
アジサイのせん定は7月上旬までに行う事がポイント。
でもそれでは花を長く楽しめない…。
それを解決するのが村上流。
花も葉も切らずに仕立てる方法をご紹介します。
先ほど教えて頂いた基本の仕立て方は7月上旬までにせん定でしたよね。
そうです。
となるとやはり花はなくなってしまうと。
正直ですねもう少し長く花を楽しみたいなと。
私もねそう思っているんですよ。
特にここにあるこのアジサイちょっと緑になってきてますがこれなんか秋までにどんどん色が変わってきて花の色も楽しめるという種類が最近出てきてるんです。
是非そうしたいんですけど。
考えたのが…芽かきとは一体何でしょうか?本来だったらこうやって花が咲いてる枝の先ほど半分から1/3で切ると言ったのでここで切るとちょうど1/3ぐらいでいけるんですけどもここを切るとここから上の葉っぱがなくなってしまって栄養を作りにくくなってしまう。
花もなくなってしまう。
という事であればここから上の芽を全部取ってしまえばここのところに強制的に花芽をつける事ができるんです。
この上の部分取っちゃえばここが花芽になるんですか?なります。
注意するのは大きな葉っぱね今押さえてもらってるこういう大きな葉っぱのところの芽の上であれば花芽ができますのでこういったところを残して上を全部取ると葉っぱも残ると。
花も残ると。
いい事尽くしじゃないですか!芽かきで仕立てる最大のメリットは7月以降も花を長く楽しめる事。
また花だけでなく葉も残すので株が充実します。
すばらしいですね。
いいでしょ?実際にどのようにやるか教えて頂けますか?では上の方から順番に取っていきますね。
ここの右側。
いいですか?お願いします。
手で取っちゃっていいんですね。
ポキッとね。
簡単に取れますね。
じゃ今度反対側ね。
取れなければこうやって潰すだけでもいいです。
潰しちゃう?上から押し潰す感じですか?押し潰しちゃって。
そしたらもう芽にはならない?もう膨らまなくなっちゃうので。
この方法で枝先から2/3ほどの芽をかき取ります。
残すのはこちらの大きな葉の芽。
上の芽を全てかき取ればここに花芽ができます。
ただし芽かきもせん定同様7月上旬までに行いましょう。
もうこれが花芽になる事が決定するわけですよね?ここにしか花芽を作りようがないのでここになっちゃうんですよね。
分かりやすくなりますよね。
このあとどうしていったらいいんですか?葉っぱが秋になって落ちてくるじゃないですか。
そうするとここの芽が花芽になってものすごく大きい芽ができてますのでこの芽を残すようにここでチョキンと切れば悩む事なくせん定ができちゃう。
こちらは芽かきをしたアジサイの冬の姿。
枝の中ほどに大きく膨らんだ花芽がついています。
この花芽を残してせん定すれば株は1/3ほどの大きさに。
ドライフラワーのようになった秋の花を楽しみたかった村上さん。
花後に芽かきをしておけば花はいつ切っても大丈夫です。
でもちょっと待って下さい。
よく考えたら花に栄養がいっちゃうから花がら摘んだ方がいいって言いますよね?確かにそんな事も言いますね。
花に栄養いくんじゃないですか?もともとタネができちゃうと弱っちゃうよって事が結構あるんですね。
でもアジサイのタネってほんとに細かくてあまり栄養をそんなに取られないと。
しかもこれだけ全部の葉っぱが残ってるのでタネに栄養がいってしまっても有り余るエネルギーがあるわけです。
ですので取らなくてもちゃんと芽ができますね。
アジサイだからこそできる技という事ですね。
芽かきお勧めですね。
そうです!村上さんアジサイ今日教わった作業をしっかり行えば美しく仕立てる事ができるという事ですね。
せん定にしろ芽かきにしろ関東では7月上旬まで花が終わってすぐ行えば毎年花も咲いて形もきれいに収まります。
是非皆さん美しく咲かせて下さいね。
今やりたい園芸作業をタイムリーにご紹介する「しゅみえんダイアリー」。
今日のテーマはさし芽。
講師は…よろしくお願いします!
おや?小黒さん夏に向け切り戻しですか?精が出ますね
いえ違うんですよ。
実は今日はこの切り戻しをした枝ですね。
これを使ってさし芽に挑戦してみましょう。
さし芽とは葉や茎を土にさしてふやす事。
株分けが難しいものやタネがとりにくい植物も簡単にふやす事ができます。
さし芽を成功させるポイントは適当な湿度です。
乾燥すると穂がしおれて根が出なくなってしまうので湿度の高い今の時期この時期がさし芽のベストのシーズンになります。
まずはさし床作りから。
程よい湿度を保つため浅めの鉢に大粒の鹿沼土を敷き詰めます。
その上にさし芽またはタネまき用の土を入れます。
さし床の湿度を保つため土はあらかじめ湿らせておきましょう。
切り戻した枝を使って…今回はサルビア・レウカンサを使ってさし穂を作ります。
それではさし穂を作っていきます。
手で簡単に折れますね。
はさみで切ってもいいですけど手で折った方が切り口が傷みません。
そして下の葉っぱは取っていきます。
ちょうど葉っぱが4枚くらい残るくらいのこの大きさがちょうどいいさし穂になります。
葉を4枚ほど残して作ったさし穂。
下の部分を3〜5cm残すように取ると後でさしやすいですよ。
長い葉っぱはしおれやすいですから…
一つの茎からさし穂が4つ。
お得ですね〜
割り箸などで穴をあけてさします。
ぐらつかないように周りに土を寄せて押さえましょう。
最後にたっぷり水をやります。
これでさし芽が完了しました。
ところで…置き場は強い風が当たらない日陰で。
根づく前に直射日光に当てるとしおれてしまいます。
またさしたあと1週間は腰水を続け葉がしおれないように注意しましょう。
乾燥や風から守る時に便利なのがホットキャップ。
空気穴があるので蒸れる心配もありません。
次は…これらは葉をさすだけで簡単にふやす事ができますよ。
では切っていきましょう。
元気のいい葉っぱを切って大きい葉っぱでしたら半分くらいに切っておくとちょうどいい大きさになります。
これをさしていきます。
割り箸などで浅い溝をつけたら切り口を埋めるようにさしぐらつかないように土を寄せます。
根は太い葉脈の辺りから出ます。
葉脈部分をしっかり土に埋めましょう。
こちらも強い風が当たらない日陰で管理して下さい。
お気に入りの植物を簡単にふやせるさし芽。
皆さんも是非やってみて下さい。
次回の放送は7月の第3週。
「花信〜わたしのメモリアル〜」。
今日はお孫さんの名前にまつわるすてきなエピソードをご紹介します。
「孫の誕生の知らせを受け産院に向かいました。
産院近くでピンク色の見事な大輪の蓮の花が目に留まり『なんてすてきな花でしょう』と目に焼き付いたまま生まれたばかりのかわいい女の子と面会しました。
長男のお嫁さんに『名前はもう決まったの?』と尋ねると偶然にも『蓮』という字を使って『蓮榎』と決めていたのです。
蓮の花言葉は雄弁清純な心優しさなどなど孫がこれからの人生つらい事や苦しい事があっても水辺に咲くあの日の蓮の花のように優雅に咲き誇れるようにと願っています」。
蓮榎ちゃんはもうすぐ1歳。
今年は蓮榎ちゃんも一緒に蓮の花を見に行くそうです。
今日ご紹介した「花後が勝負!アジサイ仕立て術」そして「しゅみえんダイアリー」は「趣味の園芸」テキスト6月号に掲載されています。
今後の放送内容についてはテキスト7月号を参考になさって下さい。
次回の「趣味の園芸」は2009年6月に放送した…園芸研究家の小黒晃さんがすらりと伸びた花の楽しみ方をご紹介します。
後半のコーナーでは目にも涼しいシノブのアレンジ方法をお伝えします。
2014/06/22(日) 08:30〜08:55
NHKEテレ1大阪
趣味の園芸「花後が勝負!アジサイ仕立て術」[字]

花が咲かない、株が暴れるといったトラブルは“せん定”がポイント。今回は花後の仕立てに着目した管理を紹介。コーナー/しゅみえんダイアリー【さし芽でふやそう!】花信

詳細情報
番組内容
花が咲かない、株が暴れるといったトラブルは“せん定”がポイント。花後に切り戻して、仕立て直すのがセオリー。花後せん定は葉を少し残すのが一般的だが、コンパクトにしたいなら株元近い節の上で切る。花後せん定しなくてよい代表はアナベル。花色の変化やドライフラワーを楽しみ秋以降のせん定が可能。【司会】三上真史(D−BOYS)<ミニコーナー>しゅみえんダイアリー【さし芽でふやそう!】花信〜わたしのメモリアル〜
出演者
【講師】バラ栽培家…村上敏,園芸研究家…小黒晃,【司会】三上真史,【語り】笠原留美,園部啓一

ジャンル :
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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