10年ほど前に「東の渋谷」といわれ、注目を集めた千葉県柏市。当時話題だった「裏原宿(表通りから奥に入った地域)」にならって「裏カシ」と呼ばれた一帯には古着屋や雑貨店が軒を連ね、駅前にはストリートミュージシャンの歌声が響いた。現在は以前ほどの人波はなくなったものの、かつて裏カシを謳歌した世代が個性的な飲食店やセレクトショップを次々と開店。柏は今、大人の街に変わりつつある。
■店長は日替わり
月曜日は占師、木曜日は農家――。日替わりで店長が違う風変わりなバーが柏駅の東口にある。旧水戸街道から脇に入った「YOL Cafe Frosch」だ。カウンターとテーブル合わせて17席のこぢんまりした店に夜な夜な人が集う。
6月5日、厨房に立ったのは市内で野菜を育てる吉岡龍一さん。早朝に収穫したタマネギやトマト、ジャガイモなどを自らパスタやオムレツに調理、来店客に振る舞った。ビールを注いだり、料理を運んだりと忙しいが「食べた人の反応をじかに見られるので野菜作りの励みになる」と笑う。
会社帰りに1人で訪れた山下亮太さんは、トマトソースのパスタ片手にタイ旅行の話で盛り上がった。相席になったコーヒー店勤務の田中完治さんとは初対面だが、「こうして顔見知りが増えていくのが楽しい」。開店以来、通い続けている。
運営するEDGE HAUSの代表社員、油原祐貴さんは浪人時代に柏の予備校に通い、裏カシで古着やスニーカーなど買い物を楽しんだ。大学卒業後はリクルートに入社、クーポン情報誌「ホットペッパー」柏版の立ち上げメンバーとして再び柏の街に戻った。
店主との付き合いが深まるにつれ、「クーポン掲載を持ちかけるだけでなく、一緒に柏を盛り上げたい」という思いが募る。転職し商業ビルの再生などを経験した後、2011年に会社を設立。翌年、古びた喫茶店を譲り受け、Froschを開いた。
13年にはコワーキングスペースもオープン。「個店こそ柏の主役。裏カシの全盛期を知る自分たちが新しい魅力を創りたい」と意気込む。
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