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スポーツ
【もう一度高校野球】(1)子供たちを指導したい 連盟会長に直談判 「先駆者として」 後原富さん(68)
2013.12.4 15:58
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「もう一度勉強したい」と母校へ戻り教員免許を取得。72年に郷里の広島で松本商業高(現瀬戸内高)の教職を得た。
野球の指導者を夢見たのには、広島県立海田高野球部時代の体験も影響している。まだプロアマの交流があり、広島を戦力外になった選手が多くいた社会人チームとよく合同練習していた。「そのとき教わったプロのグラブさばきや足の運び方は本当に勉強になった」。自身も「元プロとして高校生へ伝えたいことはたくさんある」という思いを募らせていた。
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指導者となった後原は定年退職するまで、瀬戸内高を91年春と2000年夏の2度甲子園へと導いた。勝利至上主義に背を向け、「子供たちをますます野球好きにさせる」がモットーだった。
「地味でも基本に忠実な練習を続ければ、苦手だった内角球を打てるようになるなど、もっと野球が好きになる瞬間がある。それを積み重ねたチームは強かったね」
今後、新しい制度で指導者を目指すプロ出身者には「プライドや過去は捨て、目線を子供たちに合わせてほしい。そしてほめて伸ばしてあげることが大切」と助言する。(文中敬称略)。
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プロアマ断絶から半世紀以上を経て、プロ出身者も指定の研修を受ければ来春以降、高校野球を指導できるようになった。従来の2年(当初10年)以上の教員経験というハードルを乗り越え高校の現場に立つOB、新制度で指導者を目指す元プロ5人の姿を伝える。
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