ローマ法王:マフィアのメンバーは「教会を破門」

毎日新聞 2014年06月23日 11時41分(最終更新 06月23日 12時43分)

受刑者に語りかけるフランシスコ・ローマ法王=イタリア南部カラブリア州の刑務所で21日、AP
受刑者に語りかけるフランシスコ・ローマ法王=イタリア南部カラブリア州の刑務所で21日、AP

 【ローマ福島良典】キリスト教カトリック信徒を率いるフランシスコ・ローマ法王が21日、組織犯罪集団マフィアのメンバーは教会から「破門される」と述べ、全面対決する姿勢を改めて強調した。法王は昨年3月の就任以来、マフィアによるマネーロンダリング(資金洗浄)のうわさが絶えなかった宗教事業協会(通称・バチカン銀行)の浄化に取り組んでいる。

 法王は21日、イタリア最大規模のマフィア「ンドランゲタ」の本拠地・南部カラブリア州を訪ね、約25万人を前に野外ミサをささげた。法王は「ンドランゲタは悪をたたえ、善を軽蔑する」と指弾し「マフィア構成員のように悪の道を進む者は神との交わりがなく、破門される」と述べた。ロイター通信によると、歴代法王がマフィアについて「破門」という言葉を使ったのは初めてだという。

 ンドランゲタはコカインなどの薬物の密輸を国際的に繰り広げ、昨年1年間の収益は530億ユーロ(約7兆3540億円)とされる。

 法王は今年3月、マフィアに殺害された犠牲者を追悼するローマでの式典で、マフィアが悪行をやめなければ「地獄に行く」と警告。摘発にあたるイタリアの検事は、マフィアが法王の暗殺を企てる可能性に言及している。

 バチカンとマフィアを巡っては、先々代法王のヨハネ・パウロ2世が1993年にシチリア・マフィアの構成員は「いずれ神の裁きに直面する」と述べ、ローマの教会がマフィアの報復で爆弾攻撃を受けたことがある。

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