クレジットカードによる決済金額は、この10年で2・5倍(日銀調べ)と拡大中だ。そんな中、スマートフォン(高機能携帯電話)などモバイル端末に専用装置を取り付け、手軽にカード決済を導入できるサービスが登場した。屋台や移動店舗でも使え、導入コストが安い。個人や中小事業者を中心にキャッシュレス化が広がりつつある。
「コンビニのATM(現金自動預払機)でお金を引き出してきます」「カードでも払えますよ」
5月下旬、京都市左京区のアンティークショップ「正尚堂」。町屋を利用したこぢんまりとした店舗で、着物を求めにきた東京都の女性会社員(32)と、店主の佐野正尚さんの商談が成立した。
佐野さんはタブレット端末に小さなカード読み取り機を差し込み、クレジットカードを通した。続いて女性客が端末のタッチパネル上に指を滑らせてサインし、わずか10秒ほどで支払いが完了。女性客は「カードが使えるとは思わなかった」と話した。
正尚堂は京都市内の神社境内で開かれる「青空市」に出店する際も、この決済システムを使用。露店でクレジットカードが利用できるのだ。佐野さんは「現金の持ち合わせがないお客さんが購入してくれる機会が増えた。売り上げ増につながっている」と話す。
copyright (c) 2014 Sankei Digital All rights reserved.