オリックスは、経営再建中の金型大手「アーク」(大阪市、東証1部)を買収する方針を固めた。アークは自動車や電機業界向けの試作品や金型を手がけるが、急速な事業拡大で収益が悪化し、2011年から官民ファンドの支援で経営再建を続けている。オリックスは事業の多角化を進めており、アークの収益力に期待して買収を決めた。

 官民が出資する地域経済活性化支援機構(旧・企業再生支援機構)が持つアークの優先株を普通株に転換し、オリックスが150億円程度で買い取る。オリックスは株式の8割程度を保有する筆頭株主となり、アークの上場は維持する。

 オリックスは23日「本件について検討を行っていることは事実」とのコメントを出した。同日中に買収を発表する予定。

 金型はものづくりの試作などに不可欠で、製造業全体への影響が大きいことから、アークの支援に機構が乗り出した経緯がある。金型業界では外資傘下に入ったメーカーもあり、アークの再建の動向に注目が集まっていた。