2014年6月23日05時42分
消費増税の影響は、いまのところ想定内に収まりつつあるようだ。主要100社の景気アンケートでは、企業が対応に手を尽くした様子がわかった。増税というヤマを乗り越えた企業は、新たな成長戦略をつくる安倍政権に、法人税の実効税率引き下げを強く求めている。
増税後2カ月間、国内の売り上げが「減った」と答えた企業は25社、「横ばい」と答えたのは25社だった。「増えた」という企業も20社あり、伯仲した。増税前の駆け込み需要の反動に加え、増税で消費そのものが冷え込むと懸念された中で、意外とも言える結果となった。
消費者との距離が近い小売りやサービス業などは、「知恵」や「汗」を出した。具体的な「増税対策」をたずねたところ、最も多かったのは販売促進のキャンペーンや広告を増やすといった「営業の強化」で、29社が取り組んだ。「新製品の投入」も26社あった。
アサヒグループホールディングスの泉谷直木社長は「三ツ矢サイダーのリニューアルなど、強みのブランドの再強化をした」と語る。資生堂の魚谷雅彦社長も「シニア対応の新ブランドを導入し、いち早い売り上げ回復に努める」。あの手この手で消費を喚起しようと、知恵を絞る姿がうかがえる。フジ・メディア・ホールディングスは「通販事業で販促キャンペーンを行った」(太田英昭社長)と、営業力を見せた。
価格を見直すのも対策だ。税込み価格が上がり、売り上げが落ちることを心配したのはプレナス。塩井辰男社長は「利益の圧迫要因になるが、弁当の7割は価格を据えおいた」と話す。下げるだけではない。セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長は、「販売価格を引き上げるもの、現状維持するもの、お手頃価格に見直すもの、様々な対応をした」という。
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