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【大リーグ】

上原の1球でサヨナラ負け 守護神1周年飾れず チーム3連敗

2014年6月23日 紙面から

◇アスレチックス2−1レッドソックス

 “記念”登板は、わずか1球で幕を閉じた。レッドソックスの上原浩治投手(39)は21日、敵地オークランドでのアスレチックス戦で、1−1の延長10回1死二塁から登板。ココ・クリスプ外野手(34)に初球を右前へ運ばれてサヨナラ打を浴び、レ軍で守護神に就任して1周年の記念日を勝利で飾れなかった。これでRソックスは3連敗、ここ18戦11敗で、ア東地区首位ブルージェイズとの差は7.5ゲーム。一方のア軍は5連勝で、6ゲーム差のア西地区首位を堅守した。

 記念すべき日を、自らの投球で祝うことはかなわなかった。上原はレ軍の守護神就任1周年のこの日、1−1の延長10回1死二塁という厳しい場面で登板。初球、クリスプに投じた88マイル(約142キロ)の内角高め直球をはじき返されると、糸を引くような打球は無情にも右翼手の前に落ちた。

 思わず天を仰いだ上原は、サヨナラ負けを確認すると、左手から外したグラブをポーンと真上に放り投げてつかみ直し、首を振りつつベンチへ。一瞬だけグラウンドの歓喜の輪に目をやると、誰とも言葉を交わさず足早にダッグアウト裏の暗がりへ消えた。

 「結果が全て。自分が悪い。打たれたら自分の実力がなかったということ」。時事電によれば、上原は淡々と語り、「また明日から頑張ります」と、言葉少なに球場を後にした。

 試合終了後、米報道陣はファレル監督に詰め寄った。両打ちのクリスプは、特に左打席で勝負強さを発揮するため、敬遠で歩かせる策もあった。球団地元紙ボストンヘラルド(電子版)によれば、ファレル監督は「コウジの場合、誰との対戦でも私は気にしない。対右打者とか対左打者もね。実際、コウジは左打者の方が相性がいいんだ」と絶対の信頼感を語った。確かに、今季の上原は右打者に被打率2割3分6厘、左打者に同8分9厘と違いは顕著だった。

 上原が回の途中から登板するのは、4月26日以来今季2度目だった。救援は登板までのリズムをつくる作業が最も難しいとされ、この日はそのタイミングを計りづらかったのは想像に難くない。「ウエハラを責める向きもあるだろうが、それはナンセンスだ。問題が打線にあることは、われわれもファレル監督も分かっている」と球団地元紙ボストングローブ(同)。この日のレ軍打線は、得点圏に走者を置き6打数無安打。ここ8戦は計15得点のていたらくだ。

 この日打たれたとはいえ、上原の今季防御率0・83は、両リーグの守護神でトップ。この1年間で、セーブ機会は防御率0・39、44度中42度成功している。ハッピー・アニバーサリーとはいかなかったが、背番号19の絶対的な存在感が色あせることはない。

 

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