【大橋未歩コラム】テレ東感謝の歴史と「とんがる」伝統
キー局の中で最も遅く開局したテレビ東京は、今年4月12日で開局50周年を迎えることができました。視聴者の皆さま、ありがとうございます。
記念特番に私もいくつか関わらせていただきましたが、中でも、さまぁ~ずさんと司会をした『50年のモヤモヤ映像大放出!この手の番組初めてやりますSP』ではテレビ東京の歴史を改めて知ることができました。
何と、一時は大赤字で倒産危機にあり、1日に放送が5時間にまで縮小されていたという事実。見かねた民放各局さんから出向で制作陣が集まって下さり、番組制作法などを伝授してくれたという優しさ。日テレからの出向者の中に徳光和夫さんのお父様もいらっしゃったという衝撃。お父様の時代からお世話になっていたとは…。ご縁とは不思議なものです。
今、テレビ東京は好調だと言われていますが、多くの方に支えられ、今があることを忘れてはいけないと思いました。視聴者の皆さまだけでなく、民放の皆さまにも、感謝しなくては。
私個人も、この特番を担当し、救われた部分があります。それは「とんがった企画をやりたがる」のは、れっきとしたテレビ東京の伝統だ、と分かったことです。実は、過去にとんがったバラエティー番組に、いくつか出演してきたことが、果たしてアナウンサーとして良かったのかどうか、ずっと悩んでいました。
同じような発言でも、タレントさんより、会社員であるアナウンサーの発言の方が過激と受け取られる風潮に困惑しつつ、とんがった番組のテイストを優先することも、モノづくりに関わる会社員として正義では、と葛藤し続けていました。
しかし、今回の特番ではゴールデンで堂々と「ギルガメッシュないと」を掘り下げ、たけしさん、鶴瓶さん、所さん、さまぁ~ずさんというそうそうたる面々が出演したにもかかわらず、放送はイジリー岡田さんの満面の笑みで終了しました。その時、初めて「私はテレビ東京の歴史の中の1ページとして、仕事を全うしただけなんだ」と、何というか、自分を許してあげることができました。
さて、こんな不器用すぎる私ですが、今、経済番組「未来世紀ジパング」(月曜・後10時)を担当しています。バラエティーから経済まで。これもテレ東アナウンサーの伝統なのです。(テレビ東京アナウンサー)