「ブレーカーに貼ると、マイナスイオン効果で電気代が安くなる」として、高額なシールの購入を勧誘されたとの相談が昨年から各地の消費生活センターに相次いで寄せられていることが21日、分かった。国民生活センターによると、相談者の多くが「効果がなかった」と話している。
センターによると、知人らの紹介で販売元のセミナーなどに参加し、シールの購入を勧誘されるケースが多い。人にシールを紹介すると販売元から報酬がもらえるといい、マルチ商法の仕組みと酷似している。
シールは縦約2センチ、横約5センチで販売価格は3万~5万円とみられる。屋内のブレーカーなどに貼るとマイナスイオンが発生、静電気を緩和することで電気の流れが良くなり、電気代が3~4割安くなるとうたっている。
シールをめぐるトラブルは2013年に初めて発覚。これまでに東北、関東、近畿、中国地方など各地の高齢者らから20件以上の相談があった。国民生活センターは「相談に至らず、表面化していないケースも多いのではないか」と懸念する。
関東地方の70代女性は昨年夏、知人から紹介されシールを購入。親族ら5人に紹介し、販売元から約3万円の報酬をもらったが、節電効果は得られなかったという。
節電効果をうたう器具のトラブルを巡る各地の消費生活センターへの相談は、12年度は274件だったが、昨年度はシールに関するものも含め369件に増えた。〔共同〕
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