日本維新　解党を決定　８月にも２つの新党　橋下氏「原点に返る」

　日本維新の会は２２日、臨時党大会を大阪市で開き、橋下徹、石原慎太郎両共同代表がそれぞれ中心となる二つのグループに「分党」するため、解党することを正式に決めた。両グループは８月にも新党を結成する予定。「日本維新」の名称は当面、橋下グループ側が使い、橋下氏らは結いの党との早期合流を目指す。野党再編の動きが加速しそうだ。

　橋下氏は大会で「既得権を守るような日本の社会システムを変える。もう一度その原点に立ち返って改革を進めたい」と表明した。

　東京からテレビ会議方式で参加した石原氏は「野党再編はいろいろ手だてがあるが、政治信条で相いれない結いの党と行動を共にするわけにはいかない」と分党に理解を求めた。

　解党前の日本維新の国会議員は衆参両院で６２人。３７人が橋下グループ、２３人が石原グループに参加し、２人は無所属となる意向。

　橋下グループの松野頼久国会議員団代表は大会終了後、記者団に「結いとは考え方が近い。秋の臨時国会には『保守の改革政党』ができるのではないか」と指摘した。結いの党とは７月上旬までに新党準備会を設立し、８月中の合流を目指す。

　石原グループは「新保守」を掲げて新党準備会を既に設立。今月中には新党名を決定する運びで、綱領や規約の検討も進めている。安倍政権との連携も視野に入れているとされる。石原氏は解党決定について都内で記者団に「一件落着、ほっとした」と語った。

　日本維新は２０１２年９月に設立され、同年１１月に石原氏率いる太陽の党と合流した。「分党」は、結いの党との合流に反対する石原氏が提案した。両氏は原発などの基本政策をめぐっても不協和音が指摘されていた。