2007年03月26日

都知事選の帰趨

 4月8日投票の東京都知事選挙が3月22日に告示され、いよいよ選挙戦の火ぶたが切られました。私も民主党公認で大田区議会議員選挙に立候補を予定していることから、民主党の推す浅野候補のポスター貼りを手伝いました。東京都内の13,979箇所の掲示板の浅野史郎候補のポスターはこうして支援者や組合員、民主党の議員等の手によって掲示されたのです。3月27日早朝、JR蒲田駅東口で行われる浅野候補の街頭演説会には私にも招集がかかっています。

 選挙戦の帰趨(きすう)は、石原慎太郎都知事(74)か浅野史郎元宮城県知事(59)のどちらかで決まるでしょう。無論、共産党シンパの方は吉田万三元足立区長(59)でしょうし、日本を代表する建築家黒川紀章氏(73)を支持する方もおられましょう。
 私は、やはり浅野氏に当選してもらいたいと考えています。年齢的に59歳と石原氏よりも15歳も若く、発想にも柔軟性があります。テレビ討論など見ていますと、8年間都知事をやって都政の隅々まで熟知している石原氏に対して押されぎみですが、ここで石原氏を勝たせたら次の4年間は間違いなく公私混同、東京都の専制君主になります。石原都政がその冴えを見せたのは一期目の4年間だけで、二期目は大した成果も挙げていません。むしろ浜渦副知事問題のあと、四男に対する公費流用など次々にスキャンダルが明るみになりました。都庁の職員も「もう、いい加減にしてくれ!」と石原都政を突き放しているようです。 例えば、石原氏の公約で設立された「新銀行東京」は2007年3月末時点で536億円の累積赤字を抱える見込みです。

 戦後世代にとっては、石原ブランドは特別なものでした。私も俳優石原裕次郎はいまだに懐かしい映画スターです。その兄である石原慎太郎氏は小説家としても政治家としても功成り名を遂げたといえます。政治家は長く権力の座にいると、必ずその権力の魔力に引きずられて晩節を汚します。歴史上の人物では豊臣秀吉がその典型ですし、最近では米国のニクソン大統領やクリントン大統領がそうです。スケールは異なりますが石原知事もその兆候を示しています。
 石原知事は三選を目指すべきではなかったのです。これ以上、石原ブランドを汚すことは弟裕次郎も草葉の陰で残念に思うことでしょう。「兄貴、いいかげん身を引いた方がいいんじゃないのかい?」と言っているような気がします。 

 今回の都知事選挙は民主党の組織力と浅野史郎氏の政治家としてポテンシャルが試される選挙になります。私も明日の早朝、JR蒲田駅に駆けつけ、精一杯、浅野候補を応援するつもりです。

2007年03月23日

大田区議会議員の品格

 昨日、「流れのない水は濁る」と題して自民党の魚住汎参議院議員の口利き事件をこのオピニオンで取り上げました。すると間髪をおかず、自民党の大田区議会議員である鈴木章浩(すずきあきひろ)議員に関して、議員としての品格を疑われかねない内容の報道が、21日読売テレビで放映されたのです。
 その内容というのは、2005年11月鈴木章浩議員はじめ大田区議会議員10名がヨーロッパのモナコ、ニース、ベルサイユといった観光地に、「観光政策調査」「少子化対策調査」の名目で公費により視察と称して観光旅行をしたあげく、その報告書を書くにあたっては早稲田大学の浜田名誉教授の講演録をそっくりそのまま盗作したというのです。本人は番組のインタビューで「区民に迷惑をかけていない。どこがが悪いんだ!」と不満な様子でした。
 本当に情けない話です。公費でヨーロッパを観光旅行し、提出しなければならない調査報告書は他人のものを流用する。全国の視聴者から大田区ではこの程度の人間を区議会議員に選んでいるのかと区民そのものが侮られかねないのです。かつて大田区選出の代議士中西一善が破廉恥罪で逮捕された時、テレビの街頭インタビューで「自分たちがこのような人物を代表に選んでいたことが恥ずかしい!」と答えていた区民の方がおられました。今回も全く同様ではないでしょうか。全国放送のテレビ番組で大田区の区議会議員の品格のなさが喧伝されたのです。

 現実の地方議会の場では、自民党と公明党が圧倒的多数を占め、やりたい放題の現状にあります。民主党は地方では第4党でしかなくその抑止力も働きません。4月の統一地方選挙では、我々の民主党が躍進し、地方議会での不条理を正していく決意です。
 また、私自身、自民党議員のこのような所業を他山の石とし、公私をわきまえた品位ある政治活動をしていくことをここに改めてお誓い申し上げます。


2007年03月22日

流れのない水は濁る

 2007年3月20日の読売新聞朝刊に自民党の魚住参議院議員に関する記事が掲載されていました。日本の政治の現状を示唆する内容でしたので、記事をご覧にならなかった方のために少し長くなりますが全文を紹介いたします。

 見出し「地元海運会社の延滞金減免 魚住汎議員「何とかして」独法機構や国交省に迫る

<本文> 自民党の魚住汎英(ひろひで)・参議院議員(比例)が2004年から05年にかけて、地元・熊本県の海運会社が独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」から支払いを求められていた貨物船使用料の延滞損害金について、その減免を同機構や国土交通省幹部に再三、求めていたことがわかった。同機構の担当課長は、魚住議員に対応した直後に配置換えとなったが、同機構は「魚住議員からの圧力ではない」としている。
 同機構などによると、魚住議員は04年12月、同県宇城市の海運会社が抱えていた延滞損害金約1億円について、「何とかならないか」と担当課長らに要請。延滞損害金を減免するには、未払い金の返済が確実に行われることなどが条件だったため、同機構は要請を断った。
 ところが、魚住議員は年明けの05年1月、「課長の説明が非礼だ」などと同機構理事長ら幹部に加え、監督官庁である国交省海事局長(当時)らを参院議員会館の議員事務所に呼び出し、「ふざけるな」などと叱責。さらに魚住議員は、当時の北側国交相にも電話し、対応を求めた。同機構はこの直後の2月に担当課長を別の部署に異動させた。
 この会社は、同機構の船舶共有建造制度を利用し、同機構と共同所有する形で93年に貨物船を建造。毎年、同機構に船舶使用料を支払う仕組みだったが、94年から使用料を滞納し、高利の延滞損害金が発生していた。
 魚住議員は19日、熊本県庁で記者会見し、地元の業界団体から要望があったことを認めた上で、「業界全体が延滞金の支払いに苦慮しており、その実情を訴えるため、個別の業者の実例を挙げただけ。口利きでも何でもない」としている。
 魚住議員が支部長を務める自民党熊本県参議院比例区第15支部は、「熊本県内航海運政治連盟」から03年、2回に分けて計100万円の政治献金を受けている。
 魚住議員を巡っては、出資法違反容疑で福岡県警の捜査を受けたコンサルティング会社「エフ・エー・シー・」(福岡市)の関連団体のNPO認証に絡み、内閣府に口利きをし、団体側から200万円を受け取るなどした疑惑が表面化している。
 記事は以上です。

 さして大物とも言えない自民党の一参議院議員ですらこのような有様です。今回のようなことはたまたま明らかになっただけで、我々の知らないところでどれだけ多くの不正な口利きがおこなわれているのかは想像もつきません。長い間一つの政党が政権を取り続けることが口利きや利権の構造を生むのです。「流れのない水は濁る」の例え通り、自民党政治は水面下では汚れきっていると断言できます。無論、民主党も襟を正し、政権を担うにふさわしい陣容を整える必要があります。党の足腰を強くし、政権交代を実現するためにはまず、4月の統一地方選挙で勝たなければなりません。私を含め民主党の公認候補者の真価が有権者に問われる選挙になります。

2007年03月20日

私の選挙

 早いもので暦も3月下旬に入り、いよいよ統一地方選挙の時期が近づいてまいりました。東京都ではまず4月8日投票の東京都知事選挙があり、そのあといよいよ4月22日投票の区議会議員選挙が実施されることになります。私はこれまで大田区議会議員選挙に立候補すべく準備を進めてまいりました。
 残念ながら、私の活動エリアであったJR大森駅東口、西口周辺には私の選挙事務所を開設することはできませんでした。従って、今、居宅兼事務所として使っている大森北1-19-14-202のマンションの一室をそのまま選挙事務所として使うことになります。昨年の10月から地元の不動産業者を何軒も回って手ごろな物件の紹介を頼んでいたのですが、結局は駄目でした。どうやら、商店街ごとにそれぞれ自民党の区議会議員を応援しており、民主党の候補者に選挙事務所など貸そうものならそのオーナーも紹介した不動産業者も商店街からつま弾きにされかねないからのようです。
 私が目指します大田区議会は議員定数50名です。現在、この内の17名が自民党で、公明党が11名、共産党が8名の陣容です。民主党は4名の議席しかありません。マスコミでは二大政党とよくいわれますが、多くの地方議会では大田区のように民主党は第4党でしかないのです。ですから地元の商店街でも民主党を応援しようなどという人は現れないわけです。
 4月の大田区の区議会議員選挙において、民主党は8人の公認候補者を立てます。私を含め8人全員の当選を見事果たして、地元の期待に応えられる政党として党勢を拡大し、次回は私にも選挙事務所を貸していただけるよう今回の選挙を戦い抜く覚悟です。

 尚、私の選挙戦の出陣式は4月15日午後1時から、最終日の打ち上げ式は4月21日の午後5時から、皆さんが集まれるような選挙事務所がない関係で、ともにJR大森駅東口駅前のバスターミナル横の公園で行います。ご支持をいただける皆さんのご参集を心よりお待ち申し上げます。

2007年03月19日

子供たちの未来

 今朝、小学校4年生の孫息子を娘と一緒に学校に送り出しながら手を振っていた時、この子が大人になったとき日本の社会はどんなふうになっているのだろうかという思いがよぎりました。我々の時代と同じようにこれからもこの子供たちが夢を持って生きていくことができるのだろうか。子供たちの未来は本当に大丈夫なのか。この不安は今の国民の誰もが多かれ少なかれ抱いている思いなのではないでしょうか。

 2006年12月厚生労働省が発表した2005年の日本の合計特殊出生率は1.26で、前年の1.29をさらに下回りました。この出生率がそのままだと、現在の1億2,775万人の人口は2055年には8,993万人に減少、うち40.5%の3,646万人が65歳以上の老人という高齢社会になるとが予測されています。これに対しては、厚生労働省も少子高齢化を最重要課題として取り組んでおり、様々な対策を講じています。例えば、2003年に制定された「次世代育成支援対策推進法」は、子育て中の女性に対して様々な支援策を事業主に求める法律です。そのほか、児童手当の支給対象年齢の引き上げ(未就学児までであったものを小学校3年までに)などの施策も実施されています。
 しかし、これらの施策によっても一向に出生率は上がってくる気配はありません。多くの大人たちが共通に感じている子供たちの未来に対する不安は、政府の小手先の施策で払しょくされるようなものではないからです。日本の将来に明るい展望が見えないとしたら、男女が家庭を持ち、子供を作ろうとしないのは自然の成り行きでしょう。

 子供たちの未来に不安を抱かせる原因として、私は主なものが3つあると考えます。
 第1は、地球環境と資源の問題です。
 二酸化炭素による温室効果で、2100年には地球の平均気温は6.4度上昇し、そのため南極、北極の氷が溶けて海面は38.5センチ上昇、これによる異常気象で干ばつや大暴風雨が世界各地で頻発することが予想されています。また、二酸化炭素の排出源ともなる石油などの化石燃料その他の鉱物資源の埋蔵量は有限であり、いつかは枯渇することは間違いありません。さらに毎年、日本の本州の3分の2の面積の森林資源が失われ、九州の広さの土地が砂漠化しているといわれています。資源循環型社会の構築がこの問題の鍵ですが、人類全体にそこまでの危機感はあるのでしょうか。
 日本の場合も産業廃棄物の年間排出量は4憶トン、一般廃棄物(主に家庭ごみ)の排出量は52百万トンで、この量は高止まりしており減る傾向にはありません。

 第2に、日本の財政が破たん寸前にあることです。 現在の国と地方を合わせた長期の借金は2007年3月末には775兆円にもなり、そのうち国債の発行残高は542兆円と見込まれています。これは一般会計の税収(2006年度約46兆円)の約12年分に相当し、国債だけで国民一人当たり約424万円の借金を抱えていることになります。誰が生まれてくる子供にこんな借金を背負わせたいと思うでしょうか。日本の財政状態は先進国の中で間違いなく最悪の状況にあります。

 第3に、人心の荒廃があります。今の日本人は忍耐と勤勉さ、物を大切にする心、そして責任感を失いつつあるようの思えます。そのことが最も端的な形で表れるのが家庭の崩壊でしょう。
 厚生省の人口動態統計によると2005年は婚姻者数714,265組、離婚者数261,917組でした。単純計算ですが、今や結婚する3組のうち1組が離婚する計算になります。離婚は今や特別なことでなくなりました。しかし、犠牲になるのは子供たちです。子供は血のつながった両親のもとで愛情豊かに育てられるのが本来の姿だったはずです。
 また、家族の絆が失われたことによる痛ましい事件も次々の起こっています。このことは本年1月15日付の当オピニオンでも取り上げました。

 他にも、子供達の未来を奪いかねない様々な問題があります。詳しくはこのホームページの「私が今、政治を志す理由」をご覧になってください。

 狂いだした歯車を止め、国民を正しい方向に導くリーダーの出現が待たれます。そのことはただ一人の英雄を待つというのではなく、社会の様々な分野で活躍するリーダー達の出現を待つということなのです。政治の世界は無論のこと、マスコミや教育界を含め、ビジネス、労働組合など、ありとあらゆる分野で日本の社会の進むべき方向を正しく見定めた私心のないリーダーの出現が待たれます。私も早朝、孫息子に手を振りながら、この子たちの未来を守るために政治家を志したのだとの初心を思い起こしたのです。